JPS624062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のサイドスカートに関し、更
に詳細には、車体のサイドシルに取り付けられる
サイドスカートに関する。

車体のサイドシルは、閉断面を形成するように
互いに連結されたインナパネルとアウタパネルと
からなつている。ところが、従来のサイドシルに
おいては、アウタパネルの外面がむき出しになつ
ているため、自動車走行時に石はねによつてアウ
タパネル底側面が変形したり、塗装が剥れて該部
分に錆が発生するという事態が生ずる場合があつ
た。

そこで、例えば実開昭50−102008号において
は、車体シルの底側面を弾性材からなるプロテク
タで覆つてこれを保護することが提案されてい
る。ところが、このプロテクタは、ゴムや樹脂等
の弾性材の中実体で形成されているため、材料を
多く必要とし、不経済であるとともに、重量がか
なり重くなつてしまうという欠点があつた。

そこで本考案は、軽量構造でサイドシルの底外
側面を保護することができるとともに、外観およ
び空気抵抗の面からも優れた自動車のサイドスカ
ートを提供することを目的とするものである。

本考案による自動車のサイドスカートは、車体
側部下方に前後方向に延び、インナパネルとアウ
タパネルとから閉断面を形成するサイドシルの上
記アウタパネルの斜め下方内側に延びる底外側面
に装着されたスカート部材を備えている。このス
カート部材は、垂直部と該垂直部の下端から車体
内側に伸びる水平部とからなり、横断面がほぼＬ
字形である。サイドシルのアウタパネルとスカー
ト部材で囲まれた空間の内部に、アウタパネルに
固定されるブラケツトを設けられている。このブ
ラケツトは、車体側方へ開いた開口をもつ本体部
分と、該本体部分よりも上方に延び、アウタパネ
ルとの間にわずかに間隔をあけた状態で設けられ
る延長部とを備えている。

スカート部材の垂直部の上縁はフツク状となつ
ており、ブラケツトの延長部に引き掛けられてア
ウタパネルと密着するように係止されるととも
に、該スカート部材の垂直部の一部は、上記ブラ
ケツトの本体部分の開口に止められる。

またスカート部材は、水平部の車体内方におい
て、サイドシルもしくはブラケツトのいずれか一
方に固定されている。

上記構造の本考案の自動車のサイドスカート
は、単にＬ字形のスカート部材と、これをサイド
シルに装着するためのブラケツトとからなるもの
であり、従つて構造が簡単かつ軽量であり、また
底面がフラツト化できるので外観がよりスポーテ
イなものとなるとともに空気抵抗が減少する。

以下添付図面を参照して本考案の好ましい実施
例による自動車のサイドスカートについて説明す
る。

第１図は、本考案の第１の実施例によるサイド
スカートを装着した自動車の全体を示す概略図で
ある。

この図において符号１は、自動車の車体を示
し、この車体１のドア２の下方にはサイドシル３
（第１図には示されていない）が設けられてい
る。このサイドシル３は、第１図の線Ａ−Ａに沿
う断面図である第２図に明瞭に示されているよう
に、閉断面を形成するように互いに連結されたイ
ンナパネル３ａとアウタパネル３ｂからなつてい
る。

このアウタパネル３ｂの斜め下方内側に延びる
底外側面には、ブラケツト４が取り付けられてい
る。このブラケツト４は、横断面がＬ字形の本体
部分４ａを有しており、この本体部分４ａの上下
には、アウタパネル３ｂの外面に沿う溶接部４
ｂ，４ｃが設けられている。ブラケツト４は、こ
の溶接部４ｂ，４ｃにおいてアウタパネル３ｂに
スポツト溶接によつて固着されている。ブラケツ
ト４は、上方の溶接部４ｂから更に上方に延びる
延長部４ｄを有しており、この延長部４ｄの上端
部は、アウタパネル３ｂからわずかに間隔をおか
れて配されている。本体部分４ａの垂直部分に
は、後に説明する目的のため開口４ｅが形成され
ている。

アウタパネル３ｂの底外側面には、上記ブラケ
ツト４を介して横断面がほぼＬ字形のスカート部
材５が装着されている。このスカート部材５の上
縁５ａは、フツク状となつており、この上縁５ａ
において上記ブラケツト４の上方延長部４ｄの上
端に引き掛けられている。スカート部材５の垂直
部分５ｂの上下方向のほぼ中間部には、開口５ｃ
が設けられている。この開口５ｃの背部には、皿
状あるいはカツプ状の取付け部５ｄが、その底部
５ｅをブラケツト４の本体部分４ａの垂直部分に
密着させた状態で設けられている。この底部５ｅ
には、ブラケツト４の本体部分４ａに形成された
開口４ｅと同軸に開口５ｆが形成されている。ブ
ラケツト４の開口４ｅの後部には、ナツト６が溶
接等によつて固着されており、スカート部材５の
垂直部分５ｂに形成された開口５ｃを介して、開
口５ｆと開口４ｅにボルト７を通して上記ナツト
６に螺合させて締め付ける。以上によつて、スカ
ート部材５をブラケツト４を介してサイドシル３
に装着する。この装着の後、開口５ｃには、キヤ
ツプ８を嵌合して外観を整える。

また、スカート部材５の下端部５f′の垂れ下り
を防止するため、この下端部５f′とアウタパネル
３ｂを貫通する開口９ａ，９ｂを設け、この開口
にクリツプ１０を挿入して、上記下端部５f′をク
リツプ止めしている。

第３図は、本考案の第２の実施例によるサイド
スカートを示すものであり、この実施例において
は、第１の実施例のボルト・ナツト６，７の代り
に、スカート部材５の垂直部分５ｂの内面に設け
られたスナツプ部材１１を用いて、スカート部材
５をブラケツト４に装着する。この実施例の他の
部材、部品は、第１の実施例のものと同一である
ので、同一の符号を付して説明を省略する。この
実施例においては、スカート部材５の装着をスナ
ツプ部材１１を用いて行なつているので、その装
着をワンタツチで行なうことができる。また、ス
カート部材５にボルト挿入用の開口をあける必要
がなくなり、組み付け工程が容易となるととも
に、外観もすぐれたものとなり、更には取付け部
５ｄやキヤツプ８が不要となり、構造が簡単なも
のとなる。

第４図は、本考案の第３の実施例によるサイド
スカートを示すものであり、第１および第２の実
施例においては、スカート部材５の下端部５f′の
垂れ下りを防止するため、この下端部５f′をサイ
ドシル３のアウタパネル３ｂにクリツプ止めした
が、本実施例においては、ブラケツト４に下端部
５f′をクリツプ止めする型式をとつている。この
ため、下方の溶接部４ｃから更に下方に延びる延
長部４ｆを設け、この延長部４ｆの後端部を水平
に延ばし、この部分に開口９ａと整列する開口４
ｇを形成する。この開口９ａ，４ｇにクリツプ１
０を挿入して、スカート部５の下端部５f′を固定
し、これによつてこの後端部の垂れ下りを防止す
ることができる。他の部材、部品は、第２の実施
例のものと同一であるので同一の符号を付して説
明を省略する。

この実施例においては、クリツプ１０のための
開口をアウタパネル３ｂに設ける必要がないの
で、サイドシル３内への水の侵入等の問題がな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１の実施例によるサイド
スカートを装着した自動車の全体を示す概略図、
第２図は、第１図の線Ａ−Ａに沿う断面図、第３
図は、本考案の第２の実施例によるサイドスカー
トの第２図と同様の断面図、第４図は、本考案の
第３の実施例によるサイドスカートの第２図と同
様の断面図である。 ３……サイドシル、３ａ……インナパネル、３
ｂ……アウタパネル、４……ブラケツト、４ｄ…
…ブラケツト４の上端部、５……スカート部、６
……ナツト、７……ボルト、１１……スナツプ部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側部下方に前後方向に延び、インナパネル
   とアウタパネルとで閉断面を形成するサイドシル
   が設けられ、上記サイドシルのアウタパネルの斜
   め下方内側に延びる底外側面にスカート部材が装
   着されており、前記スカート部材は、垂直部と該
   垂直部の下端から車体内側に伸びる水平部とを備
   え、横断面形状がほぼＬ字形とされており、前記
   サイドシルのアウタパネルとスカート部材で囲ま
   れた空間の内部に、該アウタパネルに固定された
   ブラケツトが設けられており、該ブラケツトは、
   車体側方へ開いた開口をもつ本体部分と、該本体
   部分よりも上方に延び、前記アウタパネルとの間
   にわずかに間隔をあけた状態で設けられる延長部
   とを備えており、前記スカート部材の垂直部の上
   縁はフツク状となつており、前記ブラケツトの延
   長部に引き掛けられて前記アウタパネルと密着す
   るように係止されるとともに、該スカート部材の
   垂直部の一部は、上記ブラケツトの本体部分の開
   口に止められており、前記スカート部材は、水平
   部の車体内方において、前記サイドシルもしくは
   ブラケツトのいずれか一方に固定されていること
   を特徴とする自動車のサイドスカート。