JPH0122779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は屋根を樹脂で形成した自動車におけ
る、屋根の取付装置に関するものである。

「従来の技術」 自動車には、屋根を樹脂で形成したものがあ
る。このように樹脂で屋根を製作すると、鉄板で
製作したもののように溶接して取付けることがで
きないので、スクリユで止めることになる。

「考案が解決しようとする問題点」 このように屋根をスクリユで取付ける場合、そ
の取付けは簡単に行なえるのがよく、またスクリ
ユの頭などが外面に表われない方が外観上好まし
い。従来においてはこの点、必らずしも満足でき
るものではなかつた。

この考案は屋根を取付けるスクリユが外部から
見えないようにすると共に、取付けの際の屋根の
位置合せが容易で取付剛性が向上し、ウエザスト
リツプも組付けられるようにした自動車屋根の取
付装置を提供することを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 この考案の自動車屋根の取付装置は、ルーフパ
ネルを樹脂で形成した自動車において、前記ルー
フパネルの縁部内側に沿い連続して垂下したリブ
と該リブのさらに内側に垂下したボスとを前記ル
ーフパネルと一体に形成し、前記ルーフパネルの
内方に設けるリヤサイドパネルには外側に水平の
フランジ部を形成して該フランジ部の外縁に上向
きの突条を設け、該突条を前記ルーフパネルの縁
部とリブとの間に嵌入させると共に前記フランジ
部を前記ボスの下面に当接させ、さらに前記フラ
ンジ部の下面にリヤサイドレールを当てがつて該
リヤサイドレールと前記フランジ部とをスクリユ
によつて前記ボスの下面に共締めし、前記フラン
ジ部とリヤサイドレールとの間でウエザストリツ
プを挾持したことを特徴とするものである。

「作用」 このように構成すれば、突条とリブとによつて
ルーフパネルとリヤサイドパネルとの位置合わせ
が容易となり、スクリユを、リヤサイドレールの
うちの外部から見えない位置からリヤサイドパネ
ルのフランジ部と共にルーフパネルの内側に形成
したボスに向けてねじ込むことになり、上記の目
的を達成できる。

「実施例」 次に、この考案の一実施例を図について説明す
ると、第４図に示すものはこの考案を適用した自
動車である。この自動車１は、運転室２の上部に
設けられるフロントルーフパネル３と後部車体４
の上方を覆うリヤルーフパネル５とが樹脂で製作
されており、着脱可能に取付けられている。後部
車体４とリヤルーフパネル５との間は、やはり樹
脂で製作されたリヤサイドパネル６で覆われてい
る。リヤサイドパネル６には２枚のガラス板７，
８が開閉自在に設けられている。

第１図および第２図に示すようにリヤルーフパ
ネル５の縁部内側に沿つて、連続して垂下してい
るリブ１０がリヤルーフパネル５と一体に形成さ
れており、さらにリブ１０の内側には、適宜間隔
ごとに垂下しているボス１１がリヤルーフパネル
５と一体に形成されている。

リヤルーフパネル５の内方に設ける樹脂製のリ
ヤサイドパネル６には、外側に水平に向けたフラ
ンジ部１２が形成してあつて、フランジ部１２の
外縁には、連続した上向きの突条９が形成されて
いる。

突条９はリヤルーフパネル５の縁部とリブ１０
との間に嵌入できる高さと厚さとを有していて、
リヤルーフパネル５とリヤサイドパネル６との位
置合わせをするようになつている。この位置合わ
せにより、リヤサイドパネル６のフランジ部１２
が、リヤルーフパネル５と一体のボス１１の下面
に当接することになる。フランジ部１２には、リ
ヤサイドレール１３の一部を成すブラケツト１４
が下方から当てがわれ、ブラケツト１４に設けら
れた孔１５（第３図参照）と、リヤサイドパネル
６のフランジ部１２に設けられた孔１６とに挿通
されるスクリユ１７により、リヤサイドパネル６
のフランジ部１２とリヤサイドレール１３とは共
締めされてボス１１の下面に固定される。このと
きウエザストリツプ２３をフランジ部１２とリヤ
サイドレール１３との間に挿入しておいて、フラ
ンジ部１２とリヤサイドレール１３とによつてウ
エザストリツプ２３を挾持させるようにする。１
８は、このようにして組付けるときにリヤルーフ
パネル５とリヤサイドパネル６との間に縁部を挾
持されるルーフサイレンサである。

リヤサイドレール１３の基本断面は、第２図に
示すようなものである。すなわち、２つの凹部１
９，２０を有するガラス受体２１の凹部１９，２
０でガラス板７，８の上部を摺動自在に受け、そ
の上部に溶接２２で部分的に取付けられたブラケ
ツト１４を介して、前述のようにリヤサイドパネ
ル６のフランジ部１２と共にボス１１の下面に固
定されるのである。第１図に示すようにガラス受
体２１にはスクリユ１７の直径より大きな直径の
孔２４が設けられており、スクリユ１７はこの孔
２４から挿入できるようになつている。またブラ
ケツト１４が取付けられている個所のウエザスト
リツプ２３は、中央にブラケツト１４を通す孔が
設けてあつて、ブラケツト１４の上面がフランジ
部１２の下面に直接当てがわれるようにされてい
る。

以上説明した実施例においては、リヤサイドレ
ール１３を、ガラス受体２１とその上部に溶接２
２で取付けられるブラケツト１４とで形成される
ように説明したがブラケツト１４は設けずに、ガ
ラス受体２１の２つの凹部１９，２０の間とリヤ
サイドパネル６のフランジ部１２との間に適当な
スペーサを介在させるようにしてもよい。

「考案の効果」 この考案は以上説明したように、リヤサイドパ
ネル６のフランジ部１２の外縁に上向きに設けた
突条９が、リヤルーフパネル５の縁部とその内側
のリブ１０との間に嵌入するので、リヤルーフパ
ネル５をリヤサイドパネル６に単にのせるだけで
両者の位置合わせができ、容易に組付けることが
可能である。

またリヤルーフパネル５とリヤサイドパネル６
とリヤサイドレール１３との三者を、リヤルーフ
パネル５と一体に形成されているボス１１の下面
で重ね、スクリユ１７により共締め固定するので
剛性が向上し、スクリユ１７の頭も外部に露出し
ない。

さらにウエザストリツプ２３の固定をリヤサイ
ドレール１３が兼ねるので構造が簡単になり、組
付作業性と外観の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すもので第４
図の−線に沿つた拡大断面図、第２図は第４
図の−線に沿つた拡大断面図、第３図は第１
図中のブラケツトの斜視図、第４図はこの考案を
適用した自動車の側面図である。 １……自動車、５……リヤルーフパネル、６…
…リヤサイドパネル、９……突条、１０……リ
ブ、１１……ボス、１２……フランジ部、１３…
…リヤサイドレール、１７……スクリユ、２３…
…ウエザストリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフパネルを樹脂で形成した自動車におい
   て、前記ルーフパネルの縁部内側に沿い連続して
   垂下したリブと該リブのさらに内側に垂下したボ
   スとを前記ルーフパネルと一体に形成し、前記ル
   ーフパネルの内方に設けるリヤサイドパネルには
   外側に水平のフランジ部を形成して該フランジ部
   の外縁に上向きの突条を設け、該突条を前記ルー
   フパネルの縁部とリブとの間に嵌入させると共に
   前記フランジ部を前記ボスの下面に当接させ、さ
   らに前記フランジ部の下面にリヤサイドレールを
   当てがつて該リヤサイドレールと前記フランジ部
   とをスクリユによつて前記ボスの下面に共締め
   し、前記フランジ部とリヤサイドレールとの間で
   ウエザストリツプを挾持したことを特徴とする自
   動車屋根の取付装置。