JPS6314595Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体進行方向に対する横方向に所要
間隔を隔てて複数の苗植付け機構への伝動用ケー
スを並設し、これら並設伝動用ケースの上部に、
横方向に往復移動可能な傾斜苗のせ台を設けてあ
る田植機に関する。

冒記田植機においては、苗のせ台が円滑に横往
復移動することが望まれるが、従来、傾斜苗のせ
台の上部を背面側から支持して横往復移動を案内
する上側支持部材と、傾斜苗のせ台下部を支持し
て横往復移動を案内する下側支持部材とが夫々別
個の部材に取付けられていたため、上側支持部材
と下側支持部材との相対位置がずれ易く、苗のせ
台の円滑な横往復移動を妨げる要因となつてい
た。

そこで、例えば特公昭49−18963号公報に記載
されているように、苗のせ台の上部と下部とを同
一の部材を介して支持し、上側支持部材と下側支
持部材との相対位置のずれが生じにくい状態で円
滑に横往復移動させる技術が提案されている。

しかし、上記従来技術は、苗のせ台の円滑な横
往復移動にのみ着目した技術であつて、苗植付装
置全体としての円滑な作動を目的とする技術では
なかつた。

即ち、苗植付装置全体として考察すれば、苗の
せ台を単に円滑に横往復移動するように構成して
あるだけでは必ずしも円滑な植付作業が行えるも
のではなく、常に苗植付機構との関連において精
度良く円滑に横往復移動するよう構成する必要が
ある。

本考案は上記実情に鑑みて為されたものであつ
て、傾斜苗のせ台の横往復移動を苗植付機構との
関係において長期に亘つて精度良く円滑に行える
ように構成することを目的とする。

上記目的を達成するための本考案による田植機
の苗のせ台支持構造の特徴構成は、中間ミツシヨ
ンから機体進行方向に対する横方向に延出させた
中間伝動ケースを介して苗植付機構への複数の伝
動用ケースを所要間隔を隔てて並設し、これら並
設伝動用ケースの上部に、横方向に往復移動可能
な傾斜苗のせ台を設けると共に、前記苗のせ台の
横移動を案内する固定摺動枠を支持する取付座を
前記各伝動用ケースに一体成形にて設け、前記複
数の伝動用ケースに亘つて苗のせ台の固定摺動枠
を横架連結し、更に、苗のせ台の上部の横移動を
案内する支持体を取付けるための支持アームの取
付部を前記伝動用ケースに形成してある点にあ
り、かかる構成から次の作用効果を奏する。

即ち、苗植付機構は伝動用ケースに対して精度
良く位置決めされて固定される点に着目し、この
伝動用ケースを組付けベースとして、苗のせ台に
対する固定摺動枠と支持アームとを組付けること
ができるから、固定摺動枠と支持アームとの相対
位置を伝動用ケースを介して正確に位置決めする
ことができ、しかも、苗植付機構も伝動用ケース
に対して精度良く位置決めされて固定されている
ので、苗のせ台の横往復移動が円滑に行えるだけ
でなく、苗植付装置全体としての作動、つまり、
苗のせ台と苗植付機構との連係作動が極めて円滑
に行えるに至つた。

つまり、固定摺動枠と支持アームとは、中間伝
動用ケースの軸芯位置、および植付爪の作動軌跡
位置と関連して、苗のせ台が円滑に横往復移動す
る適正な相対位置関係で容易に組付けられるので
ある。

そしてまた、本考案の苗のせ台支持構造では、
前記各伝動用ケースに取付座を一体成形して、複
数の伝動用ケースを固定摺動枠で連結した状態と
することにより、前記中間伝動用ケースと、各伝
動用ケース、並びに固定摺動枠が、梯子状の剛連
結構造体を構成することとなり、相互の補強効果
をもつて、全体を軽量化し得る利点と共に、固定
摺動枠の撓み変形を効果的に阻止し、円滑な苗の
せ台の摺動を長期に亘つて可能とする利点が得ら
れるものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図、第２図はリアマウント型式の乗用型田
植機を示し、これは、トラクター〔以下本機と記
載する。〕Ａの後部に、六条分に相当する苗を載
置収納する苗のせ台３の機体進行方向に対する左
右横方向の往復移動を司る中間ミツシヨン６を、
本機Ａからユニバーサルジヨイント７、中間伝動
軸８を介して動力を受ける状態で、かつ、前記本
機Ａと揺動昇降アーム９との間に構成した昇降機
構１０を介して対地上昇可能な状態で連結すると
ともに、前記中間ミツシヨン６の下側部から左右
横方向に延出した中間伝動ケース１１の、その長
手方向に所要間隔を隔てた左右両端部と中央部に
夫々、植付け予定箇所の泥面上を摺接走行する整
地フロート１２……の後端部に形成した苗植付け
用切欠部１２ａ……を通して植付け単位の苗を植
付ける苗植付け爪１３を有する苗植付け機構１…
…への伝動用ケース２……を並設して構成してい
る。

また、第３図、第４図に示すように、前記各伝
動用ケース２……の、前記苗のせ台３の傾斜下端
部３ａに対向する箇所に、前記苗のせ台３の横移
動を載置状態で摺接案内する固定摺動枠４をボル
ト等を介して取付ける取付座５……を一体成形に
て設けるとともに、各伝動用ケース２……内に対
する加工等を容易に行なうべく該伝動用ケース２
……の基部に形成した開口２０……を閉塞するた
めの蓋２１……に、前記苗載せ台３の傾斜方向中
間部を横方向に摺動可能な状態で支持する支持ア
ーム１４をボルト等を介して取付け、この支持ア
ーム１４の先端部に螺着した載置苗の送り出し方
向に沿う姿勢の支持軸１５に、前記苗のせ台３の
傾斜方向中間部の背面に設けた断面略コの字形状
の横移動案内レール１６内面に摺接転動するロー
ラ状の支持体１７を回転自在に挿嵌保持し、か
つ、前記支持軸１５の上端部に、前記支持体１７
の抜け出しを阻止するピン１８挿通用の孔を穿設
するとともに、前記支持アーム１４の先端部近く
の支持軸５部にロツクナツト１９を螺合させ、以
つて、前記ロツクナツト１９を緩み操作したのち
の支持軸１５の回転操作によつて、前記支持体１
７を、その回転軸芯方向に位置変更固定可能に構
成している。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機における横移動苗載
せ台の摺動枠取付け構造の実施例を示し、第１図
はリアマウント型式の乗用型田植機の要部の側面
図、第２図は要部の拡大平面図、第３図は要部の
拡大一部切欠側面図、第４図は第３図における
−線拡大断面図である。 １……苗植付け機構、２……伝動用ケース、３
……苗のせ台、４……固定摺動枠、５……取付
座、１４……支持アーム、１７……支持体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間ミツシヨン６から機体進行方向に対する横
   方向に延出させた中間伝動ケース１１を介して苗
   植付機構１……への複数の伝動用ケース２……を
   所要間隔を隔てて並設し、これら並設伝動用ケー
   ス２……の上部に、横方向に往復移動可能な傾斜
   苗のせ台３を設けると共に、前記苗のせ台３の横
   移動を案内する固定摺動枠４を支持する取付座５
   ……を前記各伝動用ケース２……に一体成形にて
   設け、前記複数の伝動用ケース２１……に亘つて
   苗のせ台３の固定摺動枠４を横架連結し、更に、
   苗のせ台３の上部の横移動を案内する支持体１７
   を取付けるための支持アーム１４の取付部を前記
   伝動用ケース２に形成してあることを特徴とする
   田植機の苗のせ台支持構造。