JPH0218989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗のせ台の下端部を横方向に摺動可
能に支持する摺動案内レール、及び、前記苗のせ
台を伝動ケースに対して苗縦送り方向に取付け位
置変更ならびに固定自在に取付ける機構が設けら
れているとともに、前記伝動ケースには、駆動回
転のみ自在なコマと、このコマに係合可能な螺旋
溝を有し、かつ、前記係合状態での相対回転によ
り前記苗のせ台を横方向に強制往復移動させる横
送り軸が支承されている田植機の苗植付装置に関
する。

この種の苗植付装置では、苗のせ台全体を摺動
案内レールと共に苗縦送り方向に移動させること
により、各植付爪による苗取出し量を同時に同じ
量だけ調節することができるから、例えば、各植
付爪の循環移動軌跡を各別に変更して苗取出し量
を調節する場合に比して、苗取出し量の調節作業
の能率化及び確実化を図ることができるものの、
未だ次のような欠点があつた。

即ち、従来では、前記横送り軸の両端部に取付
けられたアームに亘つて苗のせ台の横巾方向両側
部を固定連結していたため、前述のような苗取出
し量調節に伴つて横送り軸に対する苗のせ台の連
係位置が変動した場合、前記横送り軸と両アーム
との連結位置又は苗のせ台と両アームとの連結位
置を一々調節しなければならず、この調節に未だ
多くの手間を要している。

本考案は、上述の従来欠点を改善する点に目的
を有する。

かかる目的を達成するために講じられた本考案
による苗植付装置の特徴構成は、前記横送り軸の
両端部に取付けられたアームに亘つて、前記横送
り軸よりも横断面積の小なる杆状部材が架設さ
れ、この杆状部材の長手方向中央部又はその近傍
部分には前記苗のせ台に対する連結部が形成され
ている点にある。

上記特徴構成による作用効果は次の通りであ
る。

苗のせ台と横送り軸との連係中に、この横送り
軸よりも撓み変形し易い杆状部材を設け、かつ、
この杆状部材の最大撓み変形部分又はその近くに
苗のせ台を連結したことにより、苗のせ台用摺動
案内レールの取付け位置変更による苗取出し量調
節に伴つて、横送り軸に対する苗のせ台の連係位
置が変動しても、この連係位置変動を前記杆状部
材の撓み変形にて確実に、スムーズに吸収するこ
とができる。

従つて、従来のように苗のせ台と横送り軸との
連係状態を一々調節する必要がなく、苗取出し量
調節の能率化及び簡便化を促進し得るに至つた。

以下、本考案構成の実施施例を図面に基づいて
説明する。

第１図で示すように、左右一対の走行車輪１，
１の前部に、エンジンＥ及びミツシヨンケースＭ
を配設するとともに、前記ミツシヨンケースＭか
ら後方に延出された伝動ケース２の後部に、横方
向に往復移動自在な後傾姿勢の苗のせ台３を備え
た２条植え式苗植付装置Ａと操縦用ハンドル４と
を配設し、かつ、前記走行車輪１，１間には接地
フロート５を配置して、歩行型田植機を構成して
いる。

前記苗のせ台３は伝動ケース２に対して次の如
く取付けられている。

即ち、第２図、第４図で示すように、前記伝動
ケース２から左右横側方に延出されたパイプフレ
ーム６，６の端部ブラケツト７，７に、苗取出し
口８を形成してある摺動案内レール９を取付け、
この摺動案内レール９に、苗のせ台３の下端背面
にボルト止めされた摺動部材１０を横方向に摺動
自在に嵌合支持させるとともに、前記操縦用ハン
ドル４には、苗のせ台３の上部背面に固着された
コの字状部材１１内に嵌合して該苗のせ台３の上
部の横移動を転動案内するローラー１２を設け、
更に、前記摺動案内レール９と伝動ケース２との
間には、摺動案内レール９及び苗のせ台３を伝動
ケース２に対して苗縦送り方向に取付け位置変更
ならびに固定自在な機構１３を設けている。

前記機構１３を構成するに、前記摺動案内レー
ル９に連設された部材１４，１４の、前記端部ブ
ラケツト７，７に固着されたボルト１５に対する
係合孔１４ａを、苗縦送り方向に沿う長孔に構成
するとともに、前記端部ブラケツト７，７及び伝
動ケース２に亘つて、前記部材１４，１４の凹部
１４ｂ，１４ｂに嵌係合するロツド１６を回転自
在に架設し、かつ、前記伝動ケース２には、前記
ロツド１６から後方に延出された操作レバー１７
をロツド１６軸芯周りの複数位置で係止保持可能
な操作ガイド板１８を固着し、もつて、前記操作
レバー１７を揺動操作してロツド１６を回動さ
せ、摺動案内レール９を介して苗のせ台３全体を
前記の長孔１４ａの範囲内で苗縦送り方向に移動
させることにより、各苗のせ部での苗取出し量を
同時に同じ量だけ調節可能に構成している。

前記苗のせ台３を横方向に往復駆動移動させる
手段は次の如く構成されている。

即ち、第２図乃至第４図で示すように、前記伝
動ケース２の後部に、前記ミツシヨンケースＭの
出力軸に伝動チエーン１９を介して連動された植
付け爪駆動用第１クランク軸２０と苗縦送り用第
２クランク軸２１とのうち、前記第２クランク軸
２１に高低変速機構２２を介して連動された筒状
駆動軸２を回転のみ自在に支承し、この筒状駆動
軸２３にコマ２４を取付けけるとともに、前記筒
状駆動軸２３内には、前記コマ２４に係合可能な
螺旋溝２５ａを有し、かつ、前記の係合状態での
相対回転により筒状駆動軸２３に対して横方向に
強制往復移動される横送り軸２５を挿設してい
る。

更に、前記横送り軸２５の両端部に取付けられ
たアーム２６，２６に亘つて、前記横送り軸２５
よりも横断面積の小なる杆状部材２７を架設し、
この杆状部材２７の長手方向中央部に固着された
連結板２８を、前記摺動部材１０の取付けボルト
２９を利用して苗のせ台３に固定連結している。

これにより、前記摺動案内レール９の取付け位
置変更による苗取出し量調節に伴つて横送り軸２
５に対する苗のせ台３の連係位置が変動しても、
これら両者２５，３の連係を確実に維持し乍ら前
記の位置変動（上下、軸間距離、角度変化）を前
記杆状部材２７の撓み及びネジリ変形にて確実、
スムーズに吸収することができるのである。

また、前記苗のせ台３の背面下側部に回転軸３
０を架設し、この回転軸３０に、前記苗のせ台３
の苗載置部３Ａ，３Ｂに切欠形成された開口部３
１…を通して苗載置面側に突出するスターホイー
ル状の苗送り回転体３２…を外嵌固着するととも
に、前記苗のせ台３が往復移動経路の端部に位置
するとき、前記第２クランク軸２１との接当によ
つて回転軸３０及び苗送り回転体３２…を苗送り
方向にのみ一定量回動させる連係機構３３を設け
ている。

更に、第５図でも示すように、前記苗のせ台３
合傾斜下端部に取付けられたブラケツト３４，３
４に亘つて、マツト苗のシヤクトリ現象を阻止す
るための苗ステー３５を、マツト苗の床土部分上
面に対して少し間隔を隔てた状態でほぼ平行に位
置する作用姿勢と非作用姿勢とに揺動切替自在に
取付けるとともに、前記苗ステー３５と前記回転
軸３０を支承する揺動自在なサポートアーム３
６，３６との間には、前記苗ステー３５の非作用
姿勢への切替に連動して苗送り回転体３２…を苗
のせ台３の背面側に引退させた非送り姿勢に自動
的かつ可逆的に切替作動させるリンク機構３７を
設けている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の苗植付装置の実施
例を示し、第１図は歩行型田植機の全体側面図、
第２図は苗取出し量調節部及び苗縦送り部を示す
縦断側面図、第３図は伝動ケースの拡大断面図、
第４図は苗のせ台横送り部の拡大断面図、第５図
は苗ステー及び苗縦送り部を示す一部切欠側面図
である。 ２……伝動ケース、３……苗のせ台、９……摺
動案内レール、１３……機構、２４……コマ、２
５……横送り軸、２５ａ……螺旋溝、２６……ア
ーム、２７……杆状部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗のせ台３の下端部を横方向に摺動可能に支持
   する摺動案内レール９、及び、前記苗のせ台３を
   伝動ケース２に対して苗縦送り方向に取付け位置
   変更ならびに固定自在に取付ける機構１３が設け
   られているとともに、前記伝動ケース２には、駆
   動回転のみ自在なコマ２４と、このコマ２４に係
   合可能な螺旋溝２５ａを有し、かつ、前記係合状
   態での相対回転により前記苗のせ台３を横方向に
   強制往復移動させる横送り軸２５とが支承されて
   いる田植機の苗植付装置であつて、前記横送り軸
   ２５の両端部に取付けられたアーム２６，２６に
   亘つて、前記横送り軸２５よりも横断面積の小な
   る杆状部材２７が架設され、この杆状部材２７の
   長手方向中央部又はその近傍部分には前記苗のせ
   台３に対する連結部が形成されている田植機の苗
   植付装置。