JP3143264B2 - 田植機の縦送り装置調節構造 - Google Patents

田植機の縦送り装置調節構造

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JP3143264B2 JP05137039A JP13703993A JP3143264B2 JP 3143264 B2 JP3143264 B2 JP 3143264B2 JP 05137039 A JP05137039 A JP 05137039A JP 13703993 A JP13703993 A JP 13703993A JP 3143264 B2 JP3143264 B2 JP 3143264B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗のせ台に載置された
苗を下部側に送る縦送り装置を備えた田植機において、
縦送り装置の苗送り量を変更する縦送り装置調節構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】田植機では、植付機構が苗のせ台の下部
を通過して苗を取り出し田面に植え付けるように構成さ
れており、植付機構による苗の植え付けに伴って、苗の
せ台に載置された苗が縦送り装置により苗のせ台の下部
側に送られるように構成されている。このような田植機
では一般に、植付機構の苗取り量が変更できるように構
成されているので、植付機構の苗取り量が変更される
と、これに合わせて縦送り装置の苗送り量も変更して、
植付機構の苗取り量の変更に関係なく、苗のせ台に載置
された苗が縦送り装置により苗のせ台の下部側に過不足
なく送られるようにする必要がある。
【0003】前述のような苗取り量の変更に伴う縦送り
装置の苗送り量を変更する構造の一例が、実公平4−3
2028号公報に開示されている。この構造では、苗の
せ台の下部を左右方向に往復横移動自在に支持する支持
部材を左右方向の横軸周りで揺動操作して、苗のせ台の
下部から植付機構が取り出す苗取り量を変更するように
構成されており、その支持部材と苗取り量調節レバーと
をロッドで連結すると共に、苗取り量調節レバーと縦送
り装置とをワイヤで連結している。 これによって、苗取
り量調節レバーにより植付機構の苗取り量を多側に変更
すると、ワイヤにより縦送り装置の苗送り量が自動的に
大側に変更され、苗取り量調節レバーにより植付機構の
苗取り量を少側に変更すると、ワイヤにより縦送り装置
の苗送り量が自動的に小側に変更される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の植付機構による
苗取り量変更を行う機構部分は一般に、苗のせ台の下部
を左右方向に往復横移動自在に支持する支持部材の位置
を上下方向に変更して、苗のせ台の下部から植付機構が
取り出す苗取り量を変更するように構成されており、
取り量の変更を行うための機構部分は苗植付装置に対し
て位置固定状態である。これに対し、縦送り装置は左右
方向に往復横移動する苗のせ台に備えられており、縦送
り装置は苗のせ台と一緒に左右方向に往復横移動する。
本発明は田植機の縦送り装置調節構造において、位置固
定状態の苗取り量変更用の機構部分と、左右方向に往復
横移動する縦送り装置とに亘ってワイヤを連係する場
合、適切にワイヤを配置できるように構成することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、以上の
ような田植機の縦送り装置調節構造において、次のよう
に構成することにある。苗を載置して左右方向に往復横
移動する苗のせ台と、苗のせ台の下部から苗を取り出し
て田面に植え付ける植付機構とを備え、苗のせ台に載置
された苗を苗のせ台の下部側に送る縦送り装置を備え
て、縦送り装置の苗送り量を変更可能に構成し、苗のせ
台の下部を左右方向に往復横移動自在に支持する支持部
材の位置を上下方向に変更して、苗のせ台の下部から植
付機構が取り出す苗取り量を変更する苗取り量変更部を
備えると共に、植付機構の苗取り量が少なくなると縦送
り装置の苗送り量が小さくなり、且つ植付機構の苗取り
量が多くなると縦送り装置の苗送り量が大きくなるよう
に、苗取り量変更部と縦送り装置とを連係するワイヤを
備え、このワイヤを、一端側が前記苗取り量変更部に連
結され、かつ他端側が縦送り装置に連結されたインナー
ワイヤと、そのインナーワイヤを挿通状態に支持して相
対摺接移動自在に案内するアウターワイヤとから構成
前記ワイヤの苗取り量変更部に対する連結側端部と
縦送り装置に対する連結側端部との何れをも、上側から
下側に向く姿勢に配置して、前記アウターワイヤの両端
部を、ともに下端側が開放された下向き姿勢で設けてあ
【0006】
【作用】前述の「発明が解決しようとする課題」に記載
のように、苗のせ台の下部を左右方向に往復横移動自在
に支持する支持部材の位置を上下方向に変更して、苗の
せ台の下部から植付機構が取り出す苗取り量を変更する
苗取り量変更部は、苗植付装置に対して位置固定状態で
あり、苗のせ台に備えられた縦送り装置は、苗のせ台と
一緒に左右方向に往復横移動する。
【0007】このような状態において、苗取り量変更部
と縦送り装置とをワイヤにより連係する場合、請求項1
の特徴のように、上側から下側の苗取り量変更部に向く
姿勢で、ワイヤの一端側を苗取り量変更部に接続し、上
側から下側の縦送り装置に向く姿勢で、ワイヤの他端側
を縦送り装置に接続すると、ワイヤの中間部分が例えば
逆U字形や山形のように曲がり、ワイヤの一端側及び他
端側が下側の苗取り量変更部及び縦送り装置に向くよう
な状態となる。
【0008】前述のような状態で苗のせ台及び縦送り装
置が左右方向に往復横移動した際、ワイヤの中間部分が
曲がったり伸びたりしながら、縦送り装置に接続される
ワイヤの他端側が、縦送り装置と一緒に左右方向に往復
横移動する状態となる。これにより、苗のせ台及び縦送
り装置の左右方向の往復横移動が、ワイヤの中間部分で
吸収されることになり、苗のせ台及び縦送り装置の左右
方向の往復横移動によって、ワイヤに無理な力が掛かる
ようなことはない。
【0009】そして、苗取り量変更部と縦送り装置とを
連結するワイヤを、一端側が前記苗取り量変更部に連結
され、かつ他端側が縦送り装置に連結されたインナーワ
イヤと、そのインナーワイヤを挿通状態に支持して相対
摺接移動自在に案内するアウターワイヤとから構成した
ものであるから、苗取り量変更部と縦送り装置との連係
構造を簡素化することができるとともに、苗取り量変更
部と縦送り装置との互いの配設位置や作動方向での制約
も受けにくく、構造の簡素化と設計上の自由度も高いも
のとなる
【0010】さらに、前記ワイヤの苗取り量変更部に対
する連結側端部と縦送り装置に対する連結側端部との何
れをも、上側から下側に向く姿勢に配置して、前記アウ
ター ワイヤの両端部を、ともに下端側が開放された下向
き姿勢で設けものであるから、アウターワイヤ内に雨水
や苗のせ台側の泥水が入り難くく、また、一端入った場
合にも出やすいものである。
【0011】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、田植機の縦送
り装置調節構造において苗取り量変更部と縦送り装置と
をワイヤにより連係する場合、苗のせ台及び縦送り装置
の左右方向の往復横移動をワイヤの中間部分で吸収し、
ワイヤに無理な力が掛からないようにすることができ
て、ワイヤの破損を未然に防止することができるように
なり、縦送り装置の調節構造の耐久性を向上させること
ができた。また、苗取り量変更部と縦送り装置との連係
構造を簡素化することができるとともに、苗取り量変更
部と縦送り装置との互いの配設位置や作動方向での制約
も受けにくく、構造の簡素化と設計上の自由度も高いも
のとなる。
【0012】さらに、前記ワイヤの苗取り量変更部に対
する連結側端部と縦送り装置に対する連結側端部との何
れをも、上側から下側に向く姿勢に配置して、前記アウ
ターワイヤの両端部を、ともに下端側が開放された下向
き姿勢で設けものであるから、アウターワイヤ内に雨水
や苗のせ台側の泥水が入り難くく、また、一端入った場
合にも出やすい。したがって、田植機のように、使用さ
れるシーズンが限られていて、長期間放置されるような
装置である場合に、アウターワイヤ内に多量の雨水など
が残ることによる錆の発生などを避け得る点で有効であ
る。
【0013】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図1
及び図4に苗植付装置を示している。この苗植付装置
は、苗を載置して一定ストロークで左右方向に往復横移
動する苗のせ台1、苗のせ台1の下部から苗を取り出し
て田面に植え付ける6個の植付機構2、3個の整地フロ
ート3等を備えて構成されており、乗用型の走行機体
(図示せず)の後部にリンク機構4を介して、昇降自在
及び前後軸芯Y周りにローリング自在に連結されてい
る。
【0014】図1及び図4に示すように、リンク機構4
の後部リンク4aに形成した枢支ボス部5に、前後軸芯
Y周りで相対回動自在にフィードケース6を取り付け、
フィードケース6の下方に、角パイプ形のメインフレー
ム7をボルトで締め付け連結している。メインフレーム
7は横方向に延設されており、断面コ字形に屈曲成形し
た一対の板金材を合わせ面部分で溶接連結して構成され
ている。フィードケース6に動力取り出し軸8を介して
走行機体側から動力が伝達され、伝達された動力を、フ
ィードケース6に内装した苗のせ台1の横送り駆動機構
(図示せず)、及び植付機構2に伝達するように構成し
ている。
【0015】図1及び図4に示すようにメインフレーム
7の後部面側に、所定間隔を置いて3個の植付ケース9
を後方に向けて片持ち状にボルトで締め付け連結してお
り、植付ケース9の後部の左右両側に植付機構2を備え
て、6条植型式に構成している。植付ケース9に内装し
たチェーン伝動機構10を介して回転ケース11を回転
駆動し、回転ケース11の回転に伴って回転ケース11
に設けたカム機構(図示せず)により、回転ケース11
の両端部に取り付けた植付爪12の先端が、略楕円軌跡
を描きながら上下動するように植付機構2を構成してい
る。フィードケース6からメインフレーム7の後方側外
方に配置された横向きの駆動軸13を介して、植付機構
2に動力を伝達するように構成している。
【0016】図2及び図1に示すように、苗のせ台1の
下部を左右方向に往復横移動自在に支持する摺動レール
14(支持部材に相当)を、苗取り量調節レバー15
(苗取り量変更部に相当)により上下方向にスライド操
作して、植付機構2(植付爪12)による苗取り量を複
数段階に変更できるように構成している。摺動レール1
4の近傍で植付ケース9に対して回動自在に支持された
横軸16に、苗取り量調節レバー15を連結し、横軸1
6から摺動レール14に係合する支持アーム17を延出
して、苗取り量調節レバー15を上下に操作すること
で、摺動レール14及び苗のせ台1の全体の位置を上下
方向に変更できるように構成している。
【0017】苗のせ台1において、往復横移動のストロ
ークエンドで苗を所定の苗送り量で植付機構2に向けて
送る縦送り装置18を、植付条毎に備えている。縦送り
装置18は図2に示すように、上下一対のプーリ18
a,18bに亘って突起付き無端状の縦送りベルト18
cを巻回して、下方側のプーリ18bを駆動回動するこ
とで作動するように構成している。
【0018】苗のせ台1の略全幅に亘って延びる六角形
状の駆動軸20に、駆動側のプーリ18bをトルク伝達
自在に外嵌装着して、駆動軸20からボールクラッチ式
の一方向回転クラッチ(図示せず)を介して延設され下
方側に回動付勢された駆動アーム22を備えている。苗
のせ台1の往復横移動のストロークエンドにおいて、フ
ィードケース6から横外方に突出した回転軸23の回転
カム24が、駆動アーム22に接当し所定量だけ回動駆
動して、縦送りベルト18cを所定量ずつ回動駆動する
ように構成している。
【0019】図2及び図3に示すように、駆動アーム2
2に接当して駆動アーム22の待機位置を設定する規制
ピン25を、駆動アーム22の回動方向に位置調節自在
に設けて、回転カム24による縦送りベルト18cの苗
送り量を変更できるように構成している。駆動アーム2
2の左右両側において駆動軸20に外嵌された左右一対
の支持部材26に亘り、規制ピン25を挿通して支持し
抜け止めしている。駆動アーム22を上方側から跨ぐ状
態で、正面視コ字形の連係部材27を規制ピン25の左
右両端部に差し込み係合させ、左右両側を引っ掛け係合
したコイルバネ28により、規制ピン25を下方側に引
張り付勢している。このような差し込み係合によって、
片持ち状の部材を溶接する等の煩わしい生産工程が不要
となり、拗れやガタ付きの生じ難い構造となっている。
【0020】図2及び図3に示すように、横軸16に一
体形成したアーム30にワイヤ29の一端側を連結し、
連係部材27の上部の横延設部27aにワイヤ29の他
端側をネジで締め付け連結している。この場合に、苗の
せ台1の苗のせ面とは反対側において、上側から下側の
苗取り量調節レバー15に向く姿勢で、ワイヤ29の一
端側をアーム30に連結しており、上側から下側の縦送
り装置18に向く姿勢で、ワイヤ29の他端側を連係部
材27の横延設部27aにネジで締め付け連結してい
る。
【0021】以上の構造により、図1及び図2において
苗取り量調節レバー15を上方に操作して、植付機構2
の苗取り量を多側に変更すると、ワイヤ29が連係部材
27側に戻し操作されて、規制ピン25によって設定さ
れる駆動アーム22の待機位置が下方側に変更される。
これにより、回転カム24によって駆動アーム22が待
機位置から上側の送り位置まで回動駆動される際のスト
ロークが大きくなり、縦送りベルト8cの苗送り量が大
きくなる。
【0022】逆に苗取り量調節レバー15を下方に操作
して、植付機構2の苗取り量を少側に変更すると、ワイ
ヤ29が苗取り量調節レバー15側に引き操作されて、
規制ピン25によって設定される駆動アーム22の待機
位置が上方側に変更される。これにより、回転カム24
によって駆動アーム22が待機位置から上側の送り位置
まで回動駆動される際のストロークが小さくなり、縦送
りベルト8cの苗送り量が小さくなる。
【0023】このように、苗のせ台1の左右方向の往復
横移動を許容しながら、植付機構2の苗取り量を多側に
変更すると、縦送りベルト8cの苗送り量が自動的に大
側に変更され、植付機構2の苗取り量を少側に変更する
と、縦送りベルト8cの苗送り量が自動的に小側に変更
されるように構成している。従って、この構造では苗取
り量調節レバー15を、縦送りベルト8cの苗送り量の
調節レバーに兼用する構成となっている。前述のよう
に、縦送りベルト8cの苗送り量の調節レバーと苗取り
量調節レバー15とを兼用する構造に代えて、縦送りベ
ルト8cの苗送り量の変更専用の調節レバーを備える構
成としてもよい。
【0024】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置の全体側面図
【図2】縦送り装置の側面図
【図3】縦送り装置において、縦送りベルトの苗送り量
の変更の構造を示す正面図
【図4】苗植付装置の平面図
【符号の説明】
1 苗のせ台 2 植付機構 14 支持部材 15 苗取り量変更部 18 縦送り装置 29 ワイヤ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苗を載置して左右方向に往復横移動する
    苗のせ台(1)と、前記苗のせ台(1)の下部から苗を
    取り出して田面に植え付ける植付機構(2)とを備え、 前記苗のせ台(1)に載置された苗を前記苗のせ台
    (1)の下部側に送る縦送り装置(18)を備えて、前
    記縦送り装置(18)の苗送り量を変更可能に構成し、 前記苗のせ台(1)の下部を左右方向に往復横移動自在
    に支持する支持部材(14)の位置を上下方向に変更し
    て、前記苗のせ台(1)の下部から前記植付機構(2)
    が取り出す苗取り量を変更する苗取り量変更部(15)
    を備えると共に、 前記植付機構(2)の苗取り量が少なくなると前記縦送
    り装置(18)の苗送り量が小さくなり、且つ、前記植
    付機構(2)の苗取り量が多くなると前記縦送り装置
    (18)の苗送り量が大きくなるように、前記苗取り量
    変更部(15)と縦送り装置(18)とを連係するワイ
    ヤ(29)を備え、このワイヤ(29)を、一端側が前記苗取り量変更部
    (15)に連結され、かつ他端側が縦送り装置(18)
    に連結されたインナーワイヤ(29a)と、そのインナ
    ーワイヤ(29a)を挿通状態に支持して相対摺接移動
    自在に案内するアウターワイヤ(29b)とから構成
    前記ワイヤ(29)の苗取り量変更部(15)に対する
    連結側端部と縦送り装置(18)に対する連結側端部と
    の何れをも、上側から下側に向く姿勢に配置して、前記
    アウターワイヤ(29b)の両端部を、ともに下端側が
    開放された下向き姿勢で設けてある 田植機の縦送り装置
    調節構造。
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