JPH0353624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、マツト状苗を載置して一定ストロー
クで往復横移動する苗のせ台の下端を摺動案内す
る摺動レールに苗取出し口を形成するとともに、
この苗取出し口の下部に苗ブロツクの下方移動軌
跡に沿う、横断面形状コの字形の苗ガイドを配設
してある田植機の苗取出し部構造に関する。

〔従来の技術〕

この種の田植機には、苗のせ台の下端から苗を
切出して植付けるまでの過程で植付爪に挾持され
た苗が植付爪から抜け落ちて浮遊苗となるのを防
止するために苗ブロツクの下方移動軌跡に沿つて
横断面形状コの字形の苗ガイドを配設したものが
知られている（実開昭60−114623号参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし、上述の構造においては、苗を苗のせ台
の下端から切出す際にこぼれ落ちた床土の一部が
苗ガイドの内面上部に付着滞留し、これが成長し
て植付爪による苗の正常な搬送の障害となつて苗
の搬送姿勢を崩すことがあつた。

本考案は、苗ガイドに床土が付着成長すること
を防止するとともに、床土部が脆弱なブロツク苗
でも確実に植付けることができるようにすること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の特徴構成
は、苗ガイドの上端側の内部に、苗ブロツクの床
土部背部に接触する遊転ローラを横軸心周りに回
動自在に配備してある点にあり、次のような作
用・効果を奏する。

〔作用〕

つまり、植付爪が苗を挾持し乍ら下降する際
に、苗の根部に付着している床土の背部に遊転ロ
ーラが接触する。そのためローラが回転して苗ガ
イドの凹部内のローラ近傍に付着した土を排除す
るのである。その上、床土部背部とローラとの接
触によつて床土を押し固めると同時に苗を植付爪
に深く挾持させる作用が働くのである。

〔考案の効果〕

その結果、苗ガイドに遊転ローラを設けるとい
う簡単な改造を以つて、床土が苗ガイドに付着す
ることを阻止するのみならず、床土部が脆弱な苗
でも植付爪に確実に挾持させて植付けることがで
き、浮遊苗の発生を可及的に減少させて、植付作
業の能率を向上することができるようになつた。

〔実施例〕

以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第４図は乗用型田植機の側面図を示し、前後に
配設した駆動車輪１，２で走行する機体３の前部
に原動部４を中央部に操縦部５を設けるとともに
後部に平行四連リンク機構６を介して植付装置７
を装着して構成してある。

前記植付装置７は機体前進方向に対して上端部
を前方に傾斜させた苗のせ台８を備えていて、そ
の上にマツト状苗Ｗが搭載されている。このマツ
ト状苗Ｗは、第５図に示すように、底部に孔を有
した凹陥部３３を連続して設けるとともに、各々
の凹陥部３３の間に分離し易くするためのミシン
目１０を設けた紙材製の育苗シートＳを用いて点
播状に播種され生育されたものである。また、苗
のせ台８の下端の苗取出し口２３から苗Ｗを育苗
シートＳの凹陥部３３ごと苗ブロツクＢとして切
出す植付爪９と、植付爪９に挾持された苗Ｗを押
出して植付ける苗押出し具１０と、植付け苗に土
を寄せる土寄せ具１１とを備えた植付アーム１
２、フロート１３に支持されて駆動シヤフト１４
の駆動力を受けて前記苗のせ台８を左右に往復動
させ前記植付アーム１２をクランク式駆動機構１
５によつて循環駆動させるミツシヨンを内蔵した
植付ミツシヨンケース１６等を備えている。

前記クランク式駆動機構１５はミツシヨンケー
ス１６の後端に取付けたブラケツトの上端に枢着
した揺動リンク１８を前記植付アーム１２の後端
に枢支連結するとともに、植付ミツシヨンによつ
て駆動されるクランク軸１９を植付アーム１２に
取付けて前記苗押出し具１０をクランク軸１９で
作動させるとともに、このクランク軸１９の回動
と前記揺動リンク１８の往復揺動との合成運動に
よつて植付アーム１２を揺動させてこの植付アー
ム１２に付設した植付爪９の先端を第３図に示す
ような軌跡で上下に循環回動させるよう構成して
ある。そして、植付ミツシヨンケース１６から突
出させた前記クランク軸１９の基軸部分２０に対
して偏心した偏心軸部分２１に前記植付アーム１
２を取付けてあつて、この偏心軸部分２１に前記
土寄せ具１１を揺動させるカム２２を取付けてあ
る。

植付爪９の上昇過程では、土寄せ具１１の主要
構成部である土寄せ杆２４がばね２５に付勢され
て土寄せ作用面２７が植付爪９の先端よりも下方
に位置していて、上死点で苗ガイド２８の両側で
かつ苗のせ台８の摺動レール２９の下部に位置し
ている。

そして、第１図で示すように、前記苗ガイド２
８は苗ブロツクＢの下方移動軌跡Ｐに沿う横断面
形状コの字形をしていて、その上端側内部には遊
転ローラ３０を横軸心周りに回動自在に配備して
ある。そしてこの遊転ローラ３０の下には、遊転
ローラ３０の表面上に付着した泥土を除去するた
めのスクレーバー３１が設けられている。

植付爪９の下降過程では、苗取出し口２３より
苗Ｗを苗ブロツクＢごとに切出して植付爪９に挾
持して苗ガイド２８に沿つて下方に案内するに、
苗ブロツクＢの床土部背部３２に遊転ローラ３０
が接触して回動し、逆に苗ブロツクＢの床土部背
部３２が押し固められる。尚、植付爪９の下降に
伴つてカム２２でレバー２６を押圧されて土寄せ
作用面２７が植付爪９に対して爪９先端よりも上
方に揺動するとともに植付土面Ｇ近くで略爪９の
下方移動軌跡Ｐに沿つて再び爪９に対して下降し
て、苗押出し具１０によつて植付られた苗ｗの前
方上方から植付箇所に土を寄せて植付時に形成さ
れた溝ｇ内の苗ｗ根部に土盛りをする。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の苗取出し部構造の
実施例を示し、第１図は苗ガイドの縦断面図、第
２図は苗ガイドの横断面図、第３図は主要構成
図、第４図は田植機の側面図、第５図はマツト状
苗の断面斜視図である。 ８……苗のせ台、２３……苗取出し口、２９…
…摺動レール、３０……遊転ローラ、３２……床
土部背部、Ｗ……マツト状苗、S₁……下方移動軌
跡、Ｂ……苗ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マツト状苗Ｗを載置して一定ストロークで往復
   横移動する苗のせ台８の下端を摺動案内する摺動
   レール２９に苗取出し口２３を形成するととも
   に、この苗取出し口２３の下部に苗ブロツクＢの
   下方移動軌跡Ｐに沿う、横断面形状コの字形の苗
   ガイド２８を配設してある田植機の苗取出し部構
   造であつて、前記苗ガイド２８の上端側の内部
   に、苗ブロツクＢの床土部背部３２に接触する遊
   転ローラ３０を横軸心周りに回動自在に配備して
   ある田植機の苗取出し部構造。