JP3932230B2 - 苗移植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、煙草などの作物用の苗を畑の畝に沿って移植するための苗移植機の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、畑の畝に沿って苗を深く移植するための苗移植機は、例えば、本出願人が先に提案した実開平7−250513号公報に開示されているように、走行機体の左右両側の前後に設けた車輪にて、圃場に形成された畝を左右に跨ぐようにして走行しながら、走行機体に設けた苗植付け装置における上下揺動アームの先端の移植用カップにて、畝の上面に凹所を作り、その底部に苗を移植する構成があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14の点線で示すように、前記上下揺動アームの昇降による移植用カップの移動軌跡(対走行機体の軌跡)が、その下方部位(畝の上面より下方に押し付ける部位)で、走行機体の進行方向の前方に対して凸湾曲状になっていると、前記凹所に食い込んだ移植用カップの抵抗の反動により、走行機体が前方に押しやられように進行速度が増大し、その結果、下死点から移植用カップが上昇するとき、当該移植用カップの前面側(走行機体の進行方向の前側)で、凹所内の土表面を押して、この凹所の土崩れが発生するという問題があった。
【0004】
また、煙草の苗のように、成育すると葉が広い範囲で繁るものでは、畝への移植間隔を長くし、また、畝の上面側での開口面積の大きい深い植付け穴内に移植する必要がある。
そのため、移植用カップの形状を上面側の開口面積の大きい下窄まりの半割りの円錐形に構成していたから、当該移植用カップの前面側での凹所内の土くずれ現象が増大する。特に乾いた土の畝に苗を移植する場合には、前記の土崩れが激しくなり、畝の上面の回りの乾いた土が前記苗の植付け穴内に戻ってしまい、その土くずれにて苗葉が土に埋もれ、ポット苗の苗移植の姿勢や深さがばらついて、苗の成育が悪くなるという問題もあった。
【0005】
本発明はこれらの問題を解決すべくなされたものであって、畑の畝の上面に形成すべき植付け穴用の凹所の土崩れを起こさないようにした苗移植機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の苗移植機は、左右走行車輪にて畝を跨いで自走する走行機体に、エンジンと、ミッションケースと、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置と、前記移植用カップを装着した上下揺動アームを上下動させてポット苗を畝に移植するための移植機構により構成された苗植付け装置と、を備えてなる苗移植機において、前記上下揺動アームを上下方向に案内するための縦ガイドレールを走行機体に立設し、該縦ガイドレールの案内溝のうち略上半部を地面に対して略垂直状に形成すると共に縦ガイドレールの案内溝のうち略下半部を下に行くに従って走行機体の進行方向後側になるよう傾斜形成したものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の苗移植機において、土寄せ体が、畝上面より下方に一定区間保持され、前記移植用カップが下降するとき、前記土寄せ体が畝上面より上方位置に保持されるように連動するように構成された土寄せ装置を、前記移植機構より前方に備えたものである。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の苗移植機において、前記苗植付け装置には、前記苗供給装置からポット苗を上昇位置の移植用カップに受け継がせるための苗取出し爪等からなる受け継ぎ機構を備え、前記移植用カップが上昇位置にあるとき、前記土寄せ体が畝上面より下方に位置すべく連動しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施例について説明する。図1は苗移植機の概略側面図、図2は苗移植機の概略平面図、図8(a)は土寄せ装置の概略側面図、図7(b)は土寄せ装置による作用を示す断面図、図9は移植機構の要部側面図、図10は移植機構の要部平断面図、図14は走行機体に対する移植用カップの移動軌跡の図、図15は畝面に対する移植用カップの移動軌跡の図である。
【0009】
走行機体1における前部フレーム1aには、エンジン18と変速機構を内蔵したミッションケース17と、左右両側に配置する前走行車輪4,4と後走行車輪5,5とが昇降機構を介して装着され、畑の畝7を左右に跨いで走行するように構成されている。
昇降機構は次のように構成されている。即ち、走行機体1の前部位の軸受け部に回動可能に軸支されて左右に延びる回動軸9の中途のアームには、昇降用の油圧シリンダ(図示せず)のピストンロッドを連結して回動可能とする。そして、前記回動軸9の左右両端部に固着したアーム12を走行機体1の後方に延ばし、各アーム12に前走行車輪4を取付ける。
【0010】
他方、ミッションケース17の左右両側から突出する車軸に、後走行車輪5におけるスイングケース15の基端を上下回動可能に装着し、各スイングケース15内の動力伝達機構を介して後走行車輪5を回転駆動させる。また、各スイングケース15の基端部と前記回動軸9とをリンク機構16を介して回動可能に連結し、油圧シリンダのピストンロッドを後退させると、回動軸9及びアーム12を介して前走行車輪4を走行機体1に対して下降動し、同様に回動軸9及びリンク機構16とスイングケース15とを介して後走行車輪5を下降動させて、走行機体1を地面に対して上昇させる(対地高さを大きくする)。反対に油圧シリンダのピストンロッドを突出させると走行機体1に対して前走行車輪4及び後走行車輪5を一斉に上昇させて、走行機体1を地面に対して下降させるものである。
【0011】
前記走行機体1には、後向きに延びるハンドル19を設け、このハンドル19の左右一対の支持杆19a,19aに跨がって苗載台20を左右に往復移動可能に配置した苗供給装置3を設け、この苗載台20を横送り機構21を介して左右往復動させるように構成し、この苗載台20には、苗ポット部27aを平面視で進行方向の前後左右にマトリックス状に設けた苗用トレイ27を載置し、苗載台20に設けた縦送り機構22にて、前記横送りの移動終端で、苗ポット部27aを走行機体1の前進方向に1ピッチずつ間欠的に縦送りするように構成するものである。
【0012】
図1〜図6を参照しながら苗供給装置3についてさらに詳細に説明する。苗載台20は図2及び図3等にに示すように、平面視で略矩形状の枠フレーム100と、該枠フレーム100の一側に配置した縦送り機構としての縦送り用伝動部を内蔵した縦送りケース101と、苗用トレイ27を縦送りするための搬送チェン102と、大小のチェンスプロケット103,104と、空の苗用トレイ27がハンドル19の後端方向に導かれるにように配置したガイドフレーム105等からなる。
【0013】
前記苗載台20の枠フレーム100等に装着した前後方向の案内コロ108と上下方向の案内コロ109とを、前記ハンドル19における左右支持杆19a,19a等に固定された左右長手の前後一対のコ字型ガイドレール106,107に当接させて苗載台20が上下及び前後にガタつかないで左右に移動可能に装架されている。
【0014】
苗用トレイ27は可撓性を有する軟質合成樹脂材にて構成し、搬送チェン102に搭載されて搬送されるとき大径のチェンスプロケット103の円周に沿って湾曲可能となっている。そして、前記左右一対の搬送チェン102,102は縦送りケース101内の動力伝達系を介して駆動される縦送り駆動軸110に装着された大径チェンスプロケット103と枠フレーム100に回転自在に装着された従動軸111における小径チェンスプロケット104とに巻掛けられている。前記左右一対の搬送チェン102,102には、適宜ピッチにて横向きの係合ピン112が突設されており、この左右の係合ピン112が苗用トレイ27における搬送前後方向に並ぶ苗ポット部27aの連設部下面側に係合して確実に図4の矢印C方向に搬送するものである。なお、大径チェンスプロケット103の外周に沿って苗用トレイ27が湾曲するようにガイドする案内片113を枠フレーム100等に設けてある。
【0015】
横送り機構21における伝動ケースから突出する横送り軸115には往復送りねじ部が形成されており、該往復送りねじ部に螺合する船型キー付き送りブロック116と苗載台20におけるフレームから突出する係合ボルト等の係合片117とを連結させ、苗載台20を苗用トレイ27の横幅方向に左右往復移動させるように構成する(図5参照)。他方、前記伝動ケースから突出する縦送り軸118は、前記苗載台20の横送り終端位置で間欠的に回動し、該縦送り軸118に前記横送り距離だけ隔てて設けた一対の蹴り爪119,119は、縦送りケース101に設けた従動カム(図示せず)を蹴り回動させ、縦送りケース101内の伝動部を介して前記縦送り駆動軸110を間欠回動させ、苗ポット部27aが一定ピッチP2だけ間欠縦送りされるように構成するものである。
【0016】
苗植付け装置2は、図8(a)に示すように、上下揺動する揺動アーム31と該揺動アーム31の先端に移植すべきポット苗を保持して畝7に移植するための移植用カップ32等からなる移植機構30と、前記苗供給装置3における苗用トレイ27の苗ポット部27aから移植用カップ32に移送するため苗取出し爪60等からなる受け継ぎ機構29(図6参照)とにより構成し、前記苗供給装置3及び受け継ぎ機構29に対してはミッションケース17からチェンスプロケットに巻掛けられた複数のチェン64等を介する伝達経路を経て動力伝達される。
【0017】
次に、図6及び図7を参照しながら、苗取出し爪60等からなる受け継ぎ機構29の構成について説明する。この受け継ぎ機構29は後述する左右一対の苗取出し爪60,60が走行機体1の左右ほぼ中心に配置されるように、走行機体1に固着したブラケット67に支持板68を固設し、この支持板68に固定された太陽歯車70の内周には、前記チェンス64などから動力が伝達される入力軸71を回転自在に嵌合し、この入力軸71の他端をロータリケース72に固着して一体的に回転するように構成する。
【0018】
ロータリケース72内には、太陽歯車70に噛み合う中間歯車73と、クランク軸74に固着して中間歯車73に噛み合う遊星歯車75とを内装してあり、クランク軸74に取付けられたクランクアーム76の先端から突出するカム軸77には、一端に左右一対の苗取出し爪60,60が装着された苗取出しアーム78を回転自在に被嵌する。苗取出しアーム78の他端から突出したガイド軸79は、前記支持板68と平行状に固定されたガイド板80における略円弧状のガイド溝81に摺動自在に嵌合されており、前記入力軸71周りのロータリケース72の一回転にて、前記一対の苗取出し爪60,60が図6の実線の姿勢から二点鎖線の姿勢(苗用トレイ27の苗ポット部27a内に苗取出し爪が突き刺さってポット苗を挟持する姿勢)を経て元に戻る軌跡を辿るように構成されている。
【0019】
また、前記左右一対の苗取出し爪60,60の基端取付け片83,83は、L状の枢軸84,84に固着され、該各枢軸84は苗取出しアーム78における眼鏡状の取付け部78aに回動可能に装着され、左右両取付け片83,83を連結するばね(図示せず)にて、左右一対の苗取出し爪60,60の先端側が常時閉じる方向に付勢されている。
【0020】
前記カム軸77にはカム板86を固着し、該カム板86の広幅表裏面には、円周方向に沿って回動角度の一区間において円弧状の端面カム部87,87を突設し、前記左右一対の苗取出し爪60,60の基端取付け片83,83から相対向するように突出する球状等の当接片88,88が端面カム部87,87箇所に乗り上げて当接すると、両苗取出し爪60,60の先端が前記ばねの力に抗して開くように構成されている。
【0021】
さらに、前記苗取出しアーム78のピン89箇所周りに回動可能な装着板90には一対の棒状の押出具(図示せず)の基端が回動可能に装着されており、該各押出具の先端環状部91aが前記箸状の苗取出し爪60,60に摺動自在に被嵌され、且つ装着板90と苗取出しアーム78とに装架されたばね93にて前記両先端環状部91aが苗取出し爪60,60先端方向に移動すべく付勢されている。そして、装着板90に取付くコロ92が前記カム板86の周面(周面カム部)に対して常時当接しており、カム板86の所定の回動区間の凹所にコロ92が位置するとき(苗取出し爪60,60にて突き刺され挟持されたポット苗が移植用カップ32の上方に位置したとき)、前記両押出具における先端環状部91aにてポット苗を押し出して、苗取出し爪60,60からポット苗を放出(抜き出す)ように構成されている。
【0022】
次に、移植機構30及び土寄せ装置120の構造を図8〜図13を参照して説明する。まず移植機構30について説明すると、図9及び図10に示すごとく、ミッションケース17の側面に突出する出力軸23に、移植機構30におけるチェンケース34内の基端側チェンスプロケット35を取付けし、チェンケース34における自由端側の回転軸36に被嵌したチェンスプロケット37と前記チェンスプロケット35とにチェン38を巻掛けして動力伝達する。
【0023】
チェンケース34における自由端側の一側外面には、ロータリケース40を回転可能に被嵌すると共に、前記回転軸36と同心状に太陽歯車39を固定的に設け、該太陽歯車39に噛み合う中間歯車41とこれに噛み合う遊星歯車42とはロータリケース40内にて回転自在に軸支されている。なお、チェンスプロケット37と回転軸36との間には過負荷時に回転軸36が滑って動力伝達不能とする摩擦クラッチ43が設けられている。
【0024】
前記遊星歯車42が取付けられた支軸44にはクランクアーム45を固着し、該クランクアーム45の先端軸46を前記揺動アーム31の中途部に回転可能に装着する。該揺動アーム31の基端の案内コロ47は、地面に対して略垂直状になるように立設した縦ガイドレール48に上下摺動自在に嵌合している。
なお、縦ガイドレール48における前記案内コロ47が摺動する上下縦長の案内溝48aは、その上半部では、地面に対して略垂直状であるが、下半部では、下に行くに従って、走行機体1の進行方向の後側になるように後傾斜状に形成されている。
【0025】
移植用カップ32は下向きに窄まる略円錐状のものを前後に半割りした一対のカップ体32a,32bとからなり、カップ体32a,32bそれぞれの上端側に固着した回動支軸49a,49bは、前記揺動アーム31の一側から突出する支持板50に回動可能に枢支されており、二つのリンク片の中途をピンにて枢着してなる側面視X字状のリンク機構51を介して両回動支軸49a,49bを相互に反対向きに回動するように構成し、且つリンク機構51には一対のカップ体32a,32bの下端側が常時閉まる方向にばね52にて付勢されている。また、前記リンク機構51に連結した押し杆53の基端は、揺動アーム31に対して進退動自在に支持され、且つ押し杆53の基端は、前記クランクアーム45の先端軸46に被嵌して一体的に回転するカム54に常時当接しているように設けられている。
【0026】
この構成により、出力軸23の回転にてチェンスプロケット35、37及び回転軸36を介してロータリケース40を図9の矢印A方向(図9における時計方向)に回転させるとき、前記太陽歯車39、中間歯車41、遊星歯車42の噛み合い回転により、クランクアーム45は矢印B方向(図9における反時計方向)に回転し、このクランクアーム45に連結する揺動アーム31は案内コロ47の箇所を中心に前後揺動しつつ縦ガイドレール48における上下縦長の案内溝48aに沿って上下移動するから、移植用カップ32は、前記苗用トレイ27の前方位置から畝7まで上下移動する。
【0027】
このとき、前述のごとく、縦ガイドレール48における前記案内コロ47が摺動する上下縦長の案内溝48aは、その上半部48a1では、地面に対して略垂直状であるが、下半部48a2では、下に行くに従って、走行機体1の進行方向の後側になるように後傾斜状に形成されている(図9参照)ので、図14の実線で示すように、走行機体1に対する移植用カップ32下端の移動軌跡55は、回転軸36の位相0度(前記案内コロ47が前記上半部48a1のほぼ最上位置から若干下った位置にあるとき)から位相90度近傍までは、前記案内コロ47が上半部48a1を通過する区間に相当して、走行機体1の進行方向(矢印D方向)に凸湾曲状であるが、位相90度近傍から位相150度近傍までの区間(前記案内コロ47が下半部48a2を通過する区間に相当する区間)は、地面に対してほぼ垂直に下降するようになる。なお、図14の点線の軌跡Kは、縦ガイドレール48における上下縦長の案内溝48aが一直線で、且つ地面に対して略90度の姿勢である場合(従来例)の移植用カップ32下端の移動軌跡を示す。
【0028】
この2つの軌跡を比較すると理解できるように、軌跡Kでは、前記位相90度近傍から位相150度近傍までの区間においても、走行機体1の進行方向(矢印D方向)に凸湾曲状であるため、畝7の凹所に食い込んだ移植用カップ32の抵抗の反動により、走行機体1が前方に押しやられように進行速度が増大し、その結果、下死点近傍から移植用カップ32が上昇するとき、当該移植用カップの前面側(走行機体の進行方向の前側)で、凹所内の土表面を押して、この凹所の土崩れが発生するが、本発明のように畝7の上面に対してほぼ垂直に移植用カップ32が下降すると、ほぼ下死点(位相ほぼ165度)からの上昇行程においても走行機体1を前方に押しやる分力が殆ど作用せず、従って、前記凹部139の前面側(走行機体の進行方向の前側)の土を崩すことがなくて、移植したポット苗Nの菜葉が土に埋もれることもないから、後の生成も良好となるのである。
【0029】
なお、移植用カップ32は前記下死点(位相ほぼ165度)まで閉じた状態であり、これより開き始め、位相略240度で最大開きとなり、位相利己クラッチ285度で閉じるものである。
図15の実線は、本実施形態のように、下向き後傾斜状の下半部48a2を有する縦ガイドレール48に沿って案内コロ47が上下移動をする場合の、地面(畝7)に対する移植用カップ32下端の移動軌跡(動軌跡ともいう)56を示し、この場合、位相120度近傍から下死点近傍までは地面に対して略垂直に下降することができ、当該移植用カップの前面側(走行機体の進行方向の前側)で、凹所内の土表面を押すことがないから土崩れが発生しないことが分かる。なお、図15の点線の軌跡は、図14の点線の軌跡K(従来例)に対応し、静止位置である畝7に対する移動軌跡(動軌跡ともいう)である。
【0030】
また、移植用カップ32は、その上昇位置では一対のカップ体32a,32bの下端が閉じており、従って、その内部に移植すべきポット苗Nを上から挿入しても姿勢保持できる。この場合、煙草のポット苗Nを移植するために、実施形態における一対のカップ体32a,32bの上端の円形の開口面積が広く、高さ寸法が短い円錐形状であるため、前記苗取出し爪60,60から移植用カップ32上に放出されたポット苗Nが横倒れしないように、各カップ体32a,32bの内径側に、上下の半径差が少ない半割り状の截頭円錐状の案内筒32c,32dを備えている。
【0031】
他方、移植用カップ32が下降して、カップ体32a,32bの下端が畝7の土壌面に突き刺さるときには、カム54にて押し杆53を押し出し、リンク機構51を介して両回動支軸49a,49bを相互に反対向きに回動させ、カップ体32a,32bの下端が開くから、内部のポット苗Nは畝7に移植できるのである。
【0032】
土寄せ装置120は、図8(a)及び図8(b)に示すように、前記移植機構30より前方位置に配置され、図12及び図13に示すごとくの平面視で山形状に形成された金属板からなる土寄せ体121が適宜タイミングにて昇降して、畝7の上面に適宜前後間隔にて凹所を形成するように構成されたものであり、前記回転軸36の端部にボルト止め等にて固定されているカム板122(図10参照)と、従動コロ126を有する下記のリンク機構を介して土寄せ体121を間欠的に昇降駆動させる。
【0033】
前記チェンケース34と平行状にて走行機体1の下面に突設したブラケット板124に支持軸123を横向きに突設し、該支持軸124に回動可能に被嵌した回動レバー125の一端に枢支した従動コロ126を前記カム板122の外周カム面122aに摺接するように配置する。前記リンク機構は、前記回動レバー125と、その他片125aに穿設された第1係合穴127に一端をピン128にて連結させたターンバックル129と、該ターンバックル129の他端が、前記ブラケット板124の下端側に横設したボス131に対して回動可能に枢支された枢軸130と一体的に回動する一方の回動片132にピン133を介して連結されているように構成されている。
【0034】
さらに、前記枢軸130の両端に取付けられた一対の回動片132,132に穿設された上下複数の取付け穴132aの任意の一つに対して、土寄せ体121の両端から突出するアーム134,134を各々連結ピン135を介して連結することにより、土寄せ体121の高さ位置(後述の土寄せの深さH1の大小)を調節可能となるように構成されている。なお、前記ボス131の外周に巻回されたねじりばね136の一端は、前記ブラケット板124等に係止し、ねじりばね136の他端を一方の回動片132等に係止することにより、土寄せ体121が上向きに付勢されている。この場合、前記ボス130と回動片134との間に、螺合高さを変更可能なボルトとそれに当接する規制片とからなるストッパー機構137を設けて、土寄せ体121の上昇位置を規制し、且つその高さを調節できるように構成されている。
【0035】
前記カム板122における外周カム面122aにて従動コロ126を押圧すれば、回動レバー125,125a及びターンバックル129を介して回動片132を図11において時計方向に回動させるので、前記ねじりばね136の付勢力に抗して土寄せ体121を畝7の上面より下方に押し下げる。この押し下げのタイミングは、前記移植用カップ32が上昇位置にて一定時間停止している間に実行され、土寄せ体121が、畝7の上面より下方のレベル7aにて一定区間保持される(図8(a)参照)。そして、前記移植用カップ32が下降するとき、従動コロ126がカム板122の無い位相に位置して、前記ねじりばね136の付勢力にて前記土寄せ体121が畝7の上面より上方位置に保持されるように連動するのである。
【0036】
また、上述のように土寄せ体121を間欠的に昇降駆動させたくない場合、即ち、土寄せ装置120を非作動状態に保持したい場合には、前記ねじりばね136により土寄せ体121が撥ね上げられた状態にて、前記回動レバー125における他片125aに穿設された第2係合穴127b(前記第1係合穴127よりも枢軸130に近い位置)に対してターンバックル129の一端をピン128連結させるように構成した位置切替え装置により、回動レバー125の先端の従動コロ126はカム板122と無関係になるように遠ざかるので、土寄せ体121を常時畝7の上面より上方に位置させて下降を無くすことができ、土寄せを必要としない苗移植作業にも簡単に適用できるという効果を奏する。
【0037】
前記の構成により、走行機体1を前進させながら、苗供給装置3及び苗植付け装置2を作動させると、苗供給装置3における苗載台20は進行方向の右または左方向に移動し、この移動に同期して受け継ぎ機構29における対の苗取出し爪60,60が苗用トレイ27の苗ポット部27aからポット苗Nを挟持して抜き出し、移植機構30における上昇位置にて停止している移植用カップ32にポット苗Nを放出する。その間に、上記の土寄せ装置120の構成により、土寄せ体121が下降して畝7の上面を深さH1だけ、且つ前後長さL1だけ土寄せした後土寄せ体121が上昇位置に戻る(図8(a)参照)。次いで、移植用カップ32の下降し、前記レベル7aより下方まで土を下向きに押し込み、凹部139を形成する。その行程の下端部近傍にて畝7にポット苗Nを図8(b)の箇所に植付けする。
【0038】
畝7の土が乾燥しているときに、いきなり移植用カップ32を下降させて深い凹部を形成すると、当該移植用カップ32を上昇させたとき、土崩れのために凹部内に土が戻って、ポット苗Nの葉部を埋めてしまい、太陽光線が当たらず、苗の成育不良となるが、本発明のように、畝7の上面の一部を土寄せ体121にて一旦凹ませた後に移植用カップ32にて植付穴としての凹部139を形成することにより、乾燥した土であっても、土崩れが発生せず、しかも、凹部139の上側が大きく開口できる。さらに、土寄せ体121による土寄せにて元の畝7の上面には図8(b)に示すごとく凹部139の前後位置に盛土部分140が形成されるので、後の工程でマルチフィルム141を敷設したとき、凹部139の空間が大きくなり、採光も良好にできるという効果を奏する。
【0039】
なお、土寄せ体121の形状を、図13に示すごとく、走行機体1の進行方向の左右両端側の深さが浅く、左右中央側が深くなり、且つ左右中央側で走行機体1の進行方向の前側になるように形成しておけば、土寄せ作業時の土の抵抗が少なく、且つ後の移植用カップ32にて植付穴としての凹部139を形成するときの押し込み抵抗も少なくできる。
【0040】
本実施形態の土寄せ装置は、走行機体に載置した苗トレイから作業者が手でポット苗を取り出して、移植機構の移植用カップ32上に落とし込むタイプの苗移植機に対しても適用できることはいうまでもない。
さらに、本発明のように縦ガイドレール48の案内溝のうち略上半部を地面に対して略垂直状に形成すると共に縦ガイドレールの案内溝のうち略下半部を下に行くに従って走行機体の進行方向後側になるよう下方後傾斜状に形成した移植機構は、前記の土寄せ装置や苗の受け継ぎ機構を備えないタイプのものにも適用できることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上に詳述したように、請求項1に記載の発明の苗移植機は、左右走行車輪にて畝を跨いで自走する走行機体に、エンジンと、ミッションケースと、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置と、前記移植用カップを装着した上下揺動アームを上下動させてポット苗を畝に移植するための移植機構により構成された苗植付け装置と、を備えてなる苗移植機において、前記上下揺動アームを上下方向に案内するための縦ガイドレールを走行機体に立設し、該縦ガイドレールの案内溝のうち略上半部を地面に対して略垂直状に形成すると共に縦ガイドレールの案内溝のうち略下半部を下に行くに従って走行機体の進行方向後側になるよう傾斜形成したものである。
【0042】
このように構成することにより、畝の上面に対してほぼ垂直に移植用カップを下降させることができ、下死点近傍からの上昇行程においても走行機体を前方に押しやる分力が殆ど作用せず、従って、植付け穴としての凹部の前面側(走行機体の進行方向の前側)の土を崩すことがなくて、移植したポット苗の菜葉が土に埋もれることもないから、後の生成も良好となるという効果を奏する。
【0043】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の苗移植機において、土寄せ体が、畝上面より下方に一定区間保持され、前記移植用カップが下降するとき、前記土寄せ体が畝上面より上方位置に保持されるように連動するように構成された土寄せ装置を、前記移植機構より前方に備えたものである。
このように構成することにより、畝の土が乾燥しているときに、いきなり移植用カップを下降させて深い凹部を形成すると、当該移植用カップを上昇させたとき、土崩れのために凹部内に土が戻って、ポット苗の葉部を埋めてしまい、太陽光線が当たらず、苗の成育不良となるが、本発明のように、畝の上面の一部を土寄せ装置にて一旦凹ませた後に移植用カップにて植付穴としての凹部を形成することにより、そして、請求項1の発明の構成により、移植用カップが土寄せしたあとの土の上面箇所に対してほぼ垂直状に下降することになるので、乾燥した土であっても、土崩れが発生せず、しかも、凹部の上側が大きく開口でき、採光効率も向上するという効果を奏する。
【0044】
そして、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の苗移植機において、前記苗植付け装置には、前記苗供給装置からポット苗を上昇位置の移植用カップに受け継がせるための苗取出し爪等からなる受け継ぎ機構を備え、前記移植用カップが上昇位置にあるとき、前記土寄せ体が畝上面より下方に位置すべく連動しているものであるから、請求項2による作用・効果に加えて、土寄せ体の昇降動作と移植用カップの昇降動作との間欠連動動作のタイミングにより、互いに部品が干渉せず、しかも、上昇位置にある移植用カップに対して受け継ぎ機構にて苗供給装置から自動的にポット苗を移替えできるので、苗移植作業が至極簡単になるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗移植機の概略側面図である。
【図2】苗移植機の概略平面図である。
【図3】苗載台の要部概略側面図である。
【図4】苗供給装置の概略側面図である。
【図5】苗載台の横移動構成部の要部平面図である。
【図6】受け継ぎ機構と苗供給装置と移植用カップとの位置関係を示す側面図である。
【図7】受け継ぎ機構の要部断面図である。
【図8】(a)は移植機構と土寄せ装置とを示す概略側面図、(b)はポット苗の移植状態を示す図である。
【図9】移植機構の要部側面図である。
【図10】移植機構の要部平断面図である。
【図11】土寄せ装置の作用説明図である。
【図12】土寄せ装置の概略平面図である。
【図13】土寄せ体の斜視図である。
【図14】走行機体に対する移植用カップの上下移動の軌跡である。
【図15】畝に対する移植用カップの上下移動の軌跡である。
【符号の説明】
1 走行機体
2 苗植付け装置
3 苗供給装置
4 前走行車輪
5 後走行車輪
7 畝
17 ミッションケース
27 苗用トレイ
29 受け継ぎ機構
30 移植機構
31 揺動アーム
32 移植用カップ
34 チェンケース
40 ロータリケース
45 クランクアーム
55 移動軌跡
60 苗取出し爪
120 土寄せ装置
121 土寄せ体
122 カム板
125 回動レバー
126 従動コロ
129 ターンバックル
134 アーム
139 凹部

Claims (3)

  1. 左右走行車輪にて畝を跨いで自走する走行機体に、エンジンと、ミッションケースと、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置と、前記移植用カップを装着した上下揺動アームを上下動させてポット苗を畝に移植するための移植機構により構成された苗植付け装置と、を備えてなる苗移植機において、
    前記上下揺動アームを上下方向に案内するための縦ガイドレールを走行機体に立設し、該縦ガイドレールの案内溝のうち略上半部を地面に対して略垂直状に形成すると共に縦ガイドレールの案内溝のうち略下半部を下に行くに従って走行機体の進行方向後側になるよう傾斜形成したことを特徴とする苗移植機。
  2. 土寄せ体が、畝上面より下方に一定区間保持され、前記移植用カップが下降するとき、前記土寄せ体が畝上面より上方位置に保持されるように連動するように構成された土寄せ装置を、前記移植機構より前方に備えていることを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記苗植付け装置には、前記苗供給装置からポット苗を上昇位置の移植用カップに受け継がせるための苗取出し爪等からなる受け継ぎ機構を備え、前記移植用カップが上昇位置にあるとき、前記土寄せ体が畝上面より下方に位置すべく連動していることを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
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