JPH0441967B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、苗植付爪による苗取り量の調節がで
きるように、苗植付爪に対する苗供給口を形成す
る苗のせ台摺動用ガイド部材を、前記苗植付爪の
運動軌跡に接近離間する方向に摺動ならびに固定
操作自在に設けた田植機の苗供給装置に関する。

この種の田植機において、従来、例えば実開昭
57−76424号公報に示されるように、苗のせ台摺
動用ガイド部材の機体横方向２箇所に一体摺動自
在に操作部を備えさせ、これる操作部に一端側を
各別に連結した一対の摺動連動杆、及び、これら
連動杆を一体摺動するように連結し、かつ、揺動
自在な操作レバーに連動させた連動杆等により前
記操作部と操作レバーとを連動させると共に、こ
の操作レバーを揺動操作すると、その揺動運動が
連動杆及び摺動連動杆により直線運動に変換して
一対の操作部に伝達され、苗のせ台摺動用ガイド
部材が苗植付爪運動軌跡に接近離間する方向に摺
動するよう構成されたものがあつた。

また、例えば実開昭57−94324号公報に示され
るように、苗のせ台の苗のせ面に直交する方向の
軸芯周りで揺動するように機体に枢着すると共に
遊端側を苗のせ台摺動用ガイド部材に連動させた
操作アームを機体の横方向２箇所に設けると共
に、これら操作アームを連動杆により連動連結
し、そして、一方の前記操作アームに操作レバー
を付設すると共に、この操作レバーを揺動操作す
ると、一対の操作アームが連動杆による連結のた
めに一体に揺動してその揺動力を苗のせ台摺動用
ガイド部材に伝達し、苗のせ台摺動用ガイド部材
が苗植付爪運動軌跡に接近離間する方向に摺動す
るように構成されたものがあつた。

前者及び後者のいずれにおいても構造が比較的
複雑になつていた。また、前者の場合、レバー操
作力が左右の摺動連動杆に作用して摺動連動杆や
苗のせ台摺動用ガイド部材の作動にこじれが出に
くいようにしようとすると、操作レバーが連動杆
の中間箇所に作用するように、操作レバーを機体
の左右中心に位置する箇所に配置する必要があ
る。このために、苗のせ台背後の機体左右中心部
に操縦ハンドルや機体フレーム等の装置が位置す
る際には、操作レバーの中央位置がしにくくて連
動杆等にこじれが発生し易くなり、苗取り量調節
に必要な操作力が重くなるとか、苗のせ台摺動用
ガイド部材の左側と右側に摺動ストローク差が発
生し易くなることがあつた。そして、後者の場
合、苗取り量調節の際に操作アームの揺動にかか
わらず苗のせ台摺動用ガイド部材が機体横方向に
ずれ動かないようにするために、操作アームと苗
のせ台摺動用ガイド部材の間に両者の相対横ずれ
を許容する融通を設ける必要がある。このため
に、作業時に前記融通と機体揺動とのために苗の
せ台摺動用ガイド部材がずれ動き、苗のせ台から
苗取出しする苗植付爪と苗のせ台摺動用ガイド部
材とが接触するトラブルの発生する虞れがあつ
た。

本発明の目的は、苗取り量調節が操作簡単にか
つ精度よくできるように、しかも、構造簡単に得
られると共に操作レバー設置及びガイド部材にお
ける前記不都合を伴わないで済むようにすること
にある。

本発明が特徴構成とするところは、冒記した田
植記の苗供給装置において、苗のせ台摺動用ガイ
ド部材の機体横方向複数箇所に各別に作用する複
数本のガイド部材摺動用アームを機体に回動自在
に取付けた機体横方向の回転支軸から一体揺動自
在な延出させ、ガイド部材摺動操作レバーを、前
記回転支軸から延出させると共に、前記ガイド部
材の摺動を不能にするために、前記操作レバーを
離脱自在に係止させるロツク具を固設してあるこ
とにある。

上記構成とすることにより、本発明は次の効果
を発揮するに至つた。

回転支軸の回動操作により、調節操作力が伝
えられる為、苗のせ台背面の苗のせ台支持装置
や縦送り装置等の密集している部分において、
操作機構としての作動用スペースの少ない状態
で、極めて構造簡単に構成することができると
共に、ガイド部材摺動操作レバーを、回転支軸
の左右方向の任意の位置に設定することが可能
となり、他装置との干渉の少ない操縦し易い位
置に取付けることができる。

機体の前後方向軸芯周りに回動するリンク機
構やカムを使つて苗のせ台の横方向のレバー操
作により、ガイド部材を調節する場合に比べ
て、ガイド部材を横方向に動かす力が全く発生
しない為、横方向のずれ動きを許す融通やそれ
によるガタツキを解消する手段も不要で、長年
月の使用に際してもガイド部材が横方向に移動
して植付爪とガイド部材とが接触して破損する
というような、耐久性の低下となる要因を生じ
させ難い。

レバーを揺動させるに伴い複数本のアームが
ガイド部材の横巾方向複数箇所に各別に作用し
てガイド部材をその左右両側の変位量に誤差が
生じないようにしながら揺動操作するので、植
付爪による苗取り量の調節が１本のレバーを揺
動させるだけの簡単な操作で行えるように、し
かも、植付爪が苗の一端側から苗取出しする際
の量と他端側から苗取出しする際の量とに差が
生じないように精度よく行えるようになつた。
その上、複数本のアームに対する支軸と連動軸
を兼用させると共に、操作レバーを回転支軸に
直結することにより、さらには、操作レバーに
作用するロツク具を採用することにより、これ
らの点からも操作系を構造簡単にできた。

以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、左右一対の走行用車輪
１，１、エンジン２、操縦ハンドル３等を有した
自走機体の下部に、１個の前フロート４、及び、
機体横方向に並列する２個の後フロート５，５を
取付けると共に、自走機体の後部に、機体横方向
に並列する４個の苗植付アーム６……を付設する
と共に、前記苗植付アーム６に各別供給する４枚
のマツト状苗を苗のせ台７に並置しておくように
した苗供給装置を設けて、４条植えが可能な歩行
型田植機を構成してある。

前記苗供給装置を構成するに、第２図及び第４
図に示すように、植付ミツシヨンケース８から延
出された左右一対のフレーム９ａ，９ｂ、及び、
操縦はハンドル支持杆１０夫々のブラケツト１１
に、機体横方向のガイド部材１２をブラケツト１
３を介して架設連結すると共に、前記ハンドル支
持杆１０からアーム１４を延出させ、そして、苗
のせ台７を、下端側ブラケツト１５と上端側レー
ル１６とにより、前記ガイド部材１２、及び、前
記アーム１４のローラ１７にガイド部材１２に沿
つての機体横方向への摺動が自在に取付けると共
に、苗植付アーム６にその運動に連動して左右に
往復移動されるように連動させ、そして、前記ガ
イド部材１２に備えてある苗ストツパー部に、苗
植付アーム６夫々の苗植付爪６ａに対する苗供給
口を形成する切欠き１８を備えさせ、苗植付爪６
ａが前記切欠き１８内を下降して苗のせ台７の載
置苗の下端部から１株分のブロツク苗を切断取り
出しするようにしてある。

前記ガイド部材ブラケツト１３の前記ブラケツ
ト１１に対する連結ボルトの挿通孔を長孔に形成
すると共に、前記レール１６のローラ１７に対す
る上下動を可能に構成して、ガイド部材１２と苗
のせ台７を一体的に苗植付爪６ａの運動軌跡Ａに
接近離間する方向に摺動させられるように構成す
る一方、前記両フレーム９ａ，９ｂにわたつて１
本の回転支軸１９を横架し、２本のガイド部材摺
動用アーム２０ａ，２０ｂを一体揺動するように
前記回転支軸から延出すると共に、両アーム２０
ａ，２０ｂの遊端側をガイド部材１２の左右両端
側に各別に作用するように、左右両端側の前記ブ
ラケツト１３に一体形成された被係合部１３ａに
各別に係止させ、そして、前記回転支軸１９から
操作レバー２１を延出させると共に、レバー２１
の操作ガイド２２をハンドル支持杆１０に固設
し、レバー２１をガイド２２の案内溝に沿わせて
回転支軸１９の軸芯周りで揺動操作することによ
り、回転支軸１９が回動して両アーム２０ａ，２
０ｂが上下揺動し、ガイド部材１２及び苗のせ台
７が上下に摺動するように構成してある。前記操
作レバー２１を枢支軸２３の周りで揺動操作して
ガイド部材２２の切欠きに挿入係止させることに
より、ガイド部材１２及び苗のせ台７の摺動を不
能にできるように構成して、ガイド部材１２及び
苗のせ台７を摺動調節位置にロツクするためのロ
ツク具にレバーガイド２２を兼用すせてある。

要するに、操作レバー２１を揺動操作すること
により、苗植付爪６ａの苗供給口に対する入り込
み深さが変化することにより、苗植付爪６ａによ
る苗取り量を変更調節できるようにしてある。

前記操作アーム２０ａ，２０ｂを、作動ストロ
ークの中間位置に在る状態において、操作アーム
２０ａ，２０ｂの揺動軸芯を通る中心線と、ガイ
ド部材１２及び苗のせ台７の摺動方向とが直交あ
るいはほぼ直交するように構成してある。つま
り、操作レバー２１がストローク中間位置から苗
取り量増大側に単位ストローク操作されるに伴つ
て変化する苗取り量と、操作レバー２１がストロ
ーク中間位置から苗取り量減少側に単位ストロー
ク操作されるに伴つて変化する苗取り量とが同一
あるいはほぼ同一になるように構成してある。

前記ロツク具２２に替えて、操作レバーに切欠
きを並設し、これら切欠きを択一的に機体側のロ
ツクピンに係止させる構成を採用してもよく、こ
れらをロツク具２２と総称する。

尚、上記実施例にあつては、苗のせ台７をもガ
イド部材１２と共に摺動操作するように構成して
いるが、ガイド部材１２のみを摺動させて苗取り
量調節を行うように実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る田植機の苗供給装置の実施
例を示し、第１図は歩行型田植機の全体側面図、
第２図は機体後部の一部切欠き側面図、第３図は
操作具ガイドの斜視図、第４図は苗取り量調整操
作装置の平面図である。 ６ａ……苗植付爪、１２……ガイド部材、１９
……回転支軸、２０ａ，２０ｂ……アーム、２１
……操作レバー、２２……ロツク具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 苗植付爪６ａに対する苗供給口を形成する苗
   のせ台摺動用ガイド部材１２を、前記苗植付爪６
   ａの運動軌跡Ａに接近離間する方向に摺動及び固
   定操作自在に設けた田植機の苗供給装置であつ
   て、前記ガイド部材１２の機体横方向複数箇所に
   各別に作用する複数本のガイド部材摺動用アーム
   ２０ａ，２０ｂを、機体に回動自在に取付けた機
   体横方向の回転支軸１９から一体揺動自在に延出
   させ、ガイド部材摺動操作レバー２１を、前記回
   転支軸１９から延出させると共に、前記ガイド部
   材１２の摺動を不能にするために、前記操作レバ
   ー２１を離脱自在に係止させるロツク具２２を固
   設してある田植機の苗供給装置。