JPS63145766A - 密着性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表面積鋼板の製造方法 - Google Patents

密着性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表面積鋼板の製造方法

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JPS63145766A
JPS63145766A JP30805186A JP30805186A JPS63145766A JP S63145766 A JPS63145766 A JP S63145766A JP 30805186 A JP30805186 A JP 30805186A JP 30805186 A JP30805186 A JP 30805186A JP S63145766 A JPS63145766 A JP S63145766A
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征夫 井口
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、密着性、耐食性および均質性に富む表面被
膜をそなえる大表面積鋼板およびその製造方法に関し、
とくに表面被膜の被成法としてホローカソード法を用い
たドライプレーティング法を活用することによって、密
着性、耐食性および均質性に優れた金属および/または
半金属被膜を得ようとするものである。
近年、プラズマを利用したコーティング技術が著しく進
歩し、各方面でその利用が広まりつつある。かかるコー
ティング技術を利用したものとしては、たとえば磁気記
録薄膜や各種耐摩耗性、耐食性コーティング、さらには
装飾用コーティングなどが挙げられる。
通常、プラズマを利用すると、金属および半金属等の蒸
発物質をイオン化又は活性化し、かつ高い運動エネルギ
ーを付与することができるため、蒸着被膜と基板との密
着性や膜質の良好なものが得られる。
プラズマ・コーティング法としてはマグネトロンスパッ
ク法、イオンブレーティング法およびプラズマCVD法
などがあり、最近では真空アークを利用したマルティ・
アーク法やホロー・カーソド(Hollow Cath
ode Discharge、 HCD)などが開発さ
れている。
この発明は、とくにHCD法を利用したドライプレーテ
ィング法によって、低炭素鋼やステンレス鋼などの大面
積鋼板に対し、密着性および均質性に優れた各種金属お
よび/または半金属の被成を実現したものである。
(従来の技術) 従来、優れた装飾性や耐食性が要求されるたとえば建材
用の大面積鋼板の表面へ、その要求に応えるために金属
や半金属を被覆する場合、被覆法としては大容量のエレ
クトロンビーム法によるドライプレーティング処理が多
用されてきた。このエレクトロンビーム走査によって物
質の・蒸着を行なう最大の利点は、物質を大量に蒸発さ
せることが可能なことである。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながらこのようなエレクトロンビーム使用によっ
てドライプレーティング処理を施して得たコーティング
被膜は膜質および密着性が不充分であること、被膜の平
滑性に問題あることが指摘されている。
特に建材用等に使用する場合、これらのコーティング被
膜の装飾性・耐食性が重要である。
この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、ドラ
イプレーティングによって大表面積の鋼板に金属や半金
属を被成した場合に、被膜の密着性や耐食性、均質性は
勿論のこと表面平滑性にも優れた表面被膜をそなえる大
表面積鋼板を、その有利な製造方法と共に提案すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) さて発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重
ねた結果、HCD法を蒸発手段として、Ti。
Zr、 Hf、 V+ Nb+ Ta、 Cr、 Mo
、 W、 Mn+ Co+ Ni+ Cu+Au、 A
g、 Zn、 TI+ Al、 B、 Si、 Geお
よびSnなどをドライプレーティング処理すると、各元
素に固有の優先方位をもつ被膜が形成され、しかもかか
るドライプレーティング処理において鋼板に対する印加
電圧に工夫を加えたり、予備加熱処理を施すことによっ
て表面が平滑でかつ密着性、耐食性および均質性にも優
れた被膜が得られることの知見を得た。
さらにとくにHCD法によるイオンブレーティング処理
によって、TiN 、 Tic 、 Ti(N+C)ま
たはCrNなどの活性反応型セラミックのコーティング
を施す場合に、イオン化率のより大きいホローカソード
ガンを使用することにより、より−N優れた効果が得ら
れることも併せて突き止めたのである。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明の要旨構成は次のとおりである。
(11表面に、下記A、BまたはCのいずれかのグルー
プから選んだ少なくとも一種からなる組成になり、かつ
固有の優先方位をそなえる金属および/または半金属の
ドライプレーティング被膜を有することを特徴とする、
密着性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる
大表面積鋼板。
記 Aグループ: Ti、 Zr、 Hf、 CoおよびZ
nであって(002)面が優先方位になるもの。
Bグループ:V、 Nb+ Ta、 Cr+ Mo+ 
W、 Si、 GeおよびSnであって(110)面が
優先方位になるもの。
Cグループ:Ni、 Cu、 AlおよびAuであって
(111)面が優先方位になるもの。
(2)大表面積鋼板上に、ホローカソード法を用いたド
ライプレーティング処理によって、下記A。
BまたはCのいずれかのグループから選んだ少なくとも
一種の組成になりかつ固有の方位をそなえる金属および
/または半金属の被膜を被成することによって表面被膜
付き大表面積鋼板を製造するに当り、 上記ドライプレーティング処理を、鋼板への印加電圧:
10〜200vの条件下に行うことを特徴とする、密着
性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表
面積鋼板の製造方法。
記 Aグループ:Ti + Zr + Iff + Coお
よびZnであって(002)面が優先方位になるも の。
Bグループ: V 、 Nb 、 Ta 、 Cr 、
 Mo 、 W 、 St。
GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
もの。
Cグループ:Ni 、 Cu 、 AlおよびAuであ
って(111)面が優先方位になるもの。
(3)大表面積鋼板上に、ホローカソード法を用いたド
ライプレーティング処理によって、下記A。
BまたはCのいずれかのグループから選んだ少なくとも
一種の組成になりかつ固有の方位をそなえる金属および
/または半金属の被膜を被成することによって表面被膜
付き大表面積鋼板を製造するに当り、 該ドライプレーティング処理に先立ち、鋼板に対して1
00〜600℃の温度範囲における予備加熱処理を施す
ことを特徴とする、密着性、耐食性および均質性に富む
表面被膜をそなえる大表面積鋼板の製造方法。
記 Aグループ:Ti 、 Zr、 HE 、 Coおよび
Znであって(002)面が優先方位になるも の。
Bグループ: V 、 Nb 、 Ta 、 Cr 、
 Mo 、 W 、 Si 。
GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
もの。
Cグループ:Ni 、 Cu 、 AlおよびAuであ
って(111)面が優先方位になるもの。
(4)大表面積鋼板上に、ホローカソード法を用いたド
ライプレーティング処理によって、下記A。
BまたはCのいずれかのグループから選んだ少なくとも
一種の組成になりかつ固有の方位をそなえる金属および
/または半金属の被膜を被成することによって表面被膜
付き大表面積鋼板を製造するに当り、 該ドライプレーティング処理に先立ち、鋼板に対して1
00〜600℃の温度範囲における予備加熱処理を施し
たのち、鋼板への印加電圧=10〜200Vの条件下に
ドライプレーティング処理を施すことを特徴とする密着
性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表
面積鋼板の製造方法。
記 Aグループ:Ti、Zr、Hf、CoおよびZnであっ
て(002)面が優先方位になるも の。
Bグループ: V 、 Nb 、 Ta 、 Cr 、
 Mo 、 W 、 St 。
GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
もの。
Cグループ:Ni 、 Cu + AlおよびAuであ
って(111)面が優先方位になるもの。
上記した製造方法の発明において、鋼板に対する印加電
圧の制御下にドライプレーティング処理を施す場合、該
処理の初期段階では印加電圧を50〜200Vと高めに
設定する一方、後半段階では10〜50vと低めに設定
することが好ましい。
またドライプレーティングによるコーティング処理とり
わけ活性反応型セラミックスのコーティング処理を施す
場合には、イオン化率が50%以上のホロカソードガン
を用いることが望ましい。
以下この発明を具体的に説明する。
まずこの発明の基礎となった実験結果について説明する
C: 0.051wt%(以下単に%で示す) 、Mn
: 0.33%、P: 0.008%およびS: 0.
012%を含有する低炭素冷延鋼の熱延板(厚み2.2
mm、幅500mm)を、0.7mm厚に冷延し、つい
で750℃で再結晶焼鈍を施したのち、鋼板表面を中心
線平均粗さRaで(11μmに電解研磨し、しかるのち
下記■、■および■に示す手法により、鋼板表面上に1
.5μmのTiを蒸着した。
■エレクトロンビーム走査によるTiの蒸着(ピアスタ
イプのEBを用いた。そのときのEBの条件は加速電圧
: 60kV、電流:5A) ■マグネトロンスパッタリングによるTiの蒸着(加速
電圧: 15kV 、電流:3A)■HCD法によるT
iの蒸着(HCDガンを2本用いた。
各々の加速電圧:50V、電流: 1000 A)なお
これら3種のドライプレーティング処理に際しては、以
下に述べるfa)〜(f)の6条件でそれぞれ行なった
すなわち fat予備加熱および印加電圧なし。
(b) 400℃の予備加熱で、印加電圧なし。
fc)予備加熱なしで、印加電圧は■のEBでは100
OV、■のスパッタリングでは5oov 、■のHCD
では50v。
(d)予備加熱なしで、印加電圧は■のEBでは前段1
200V(0,3urn厚まテ)、後段200v、■ノ
スバノタリングでは前段1000V(0,3μm厚まで
)、後段100V、■f7)l(CD テは前段100
V(0,3μm厚まで)、後段20v。
+81400℃の予備加熱で、鋼板に対する印加電圧は
(C)と同じ。
(f) 400℃の予備加熱で、鋼板に対する印加電圧
は(d)と同じ。
かくして得られた製品の表面性状(走査型電顕観察)、
X線回折、耐食性および密着性について調べた結果を表
1に示す。
表1 !塩水噴霧試験=3.5%食塩水、35℃、4時開噴霧
・1時間乾燥×6サイクル表1からは明らかなように■
のHCD法によるTi蒸着は、■および■の通常のエレ
クトロンビーム走査によるTiの蒸着およびスパッタリ
ングによるTiの蒸着に比較して、ドライプレーティン
グの条件によって若干の相異は見られるものの、走査電
顕による表面観察では凹凸がきわめて少なく平滑であり
、またX線回折では(002)面のピークが極端に強く
、他の■および■の手法による場合に(010) 、 
(002)、 (011)および(012)面などの種
々のピークが観察されたのときわめて異なっており、さ
らには耐食性、密着性の面でも極めて優れていた。
さらにこのHCD法によるTiコーティングにおいては
、表1の密着性のテストの中で最も条件のきびしい高温
焼鈍後の360°曲げによる密着性に関し、telの条
件が最も優れていることが注目される。
この理由は、コーティングの前段で印加電圧を高くする
ことによって密着性が確保されるだけでなく、後段の低
印加電圧でTiめ膜中の内部歪が小さくなるためである
と考えられる。
次に第1図に、HCD法を用いたドライプレーティング
処理によってTiコーティングを施すに際し、予備加熱
温度やコーティング中の印加電圧を種々に変化させた場
合における製品の密着性について調べた結果を、予備加
熱温度と印加電圧との関係で示す。
同図から明らかなように、Tiコーティング前の予備加
熱温度が100〜600℃、印加電圧がlO〜200ν
の範囲においてとりわけ良好な密着性が得られている。
上述したようにHCD法による金属および/又は金属の
コーティングに際し、コーティング前に予備加熱を採用
すること、ならびにコーティング時には印加電圧を附加
すること、とくにかかる印加電圧の附加に際してはコー
ティングの初期段階を高電圧に、一方後半を低電圧にす
ることによって、コーティング被膜の膜質を良好にする
ことができることが究明されたのである。
次にC: 0.039%、Mn : 0.35%、 P
 : 0.009%およびS : 0.011%を含有
する低炭素鋼の熱延板(厚み:2.2tm、幅500m
m)を0.8 tmに冷間圧延し、ついで750℃で1
0時間の再結晶焼鈍を施した後、鋼板表面を中心線平均
粗さRaで0.3μmに電解研摩した。その後HCD法
により300Aから600OAまでHCDガンの容量が
異なるHCDガンを使用して鋼板に対する印加電圧:3
0vの条件下にCrの蒸着(1,5μm厚)を行なった
そのときのイオン化率および成膜速度を第2図に、また
そのときのCrの蒸着被膜の品質調査結果(HCDガン
の電流が50OAと150OAのとき)を表2に示す。
第2図から明らかなように1(CDガンの加速電流を増
加させるに伴ってCrのイオン化率、蒸着速度が増加す
ることがわかる。また同図には、その上方にそのときの
Cr膜と鋼板との密着性の状況についても示したが、H
CDガンの加速電流が100OA以上すなわちイオン化
率が50%以上でははく離が全く起らないことがわかる
表2には現行(500A)とこの発明の好適加速電流(
1500A)でドライプレーティングを行った場合にお
ける表面性状、結晶構造、耐食性および密着性の調査結
果を示したが、イオン化率:50%以上のHCDガンを
用いることによってCr被膜の膜質がすべてにわたって
向上していることが注目される。
(作 用) 前述したとおりHCD法により鋼板上に蒸着したTi被
膜の特性は、従来のエレクトロンビームあるいはスパッ
タリングによる結果とは全く異なった良好な特性を示す
ことが明らかとなった。
かかるHCD法は鋼板表面上に、TjL TtC,Ti
(C+N)等のセラミックコーティングを行なったとき
にイオン化率が高いという理由で良好なセラミック被膜
が形成されることは知られているが、この発明では上記
したようなTi等の金属の蒸着においても綱板表面上に
Tiの(002)面の稠密面が優先的に形成されること
を見出したものであり、このような被膜形成が被膜面を
きわめて平滑にすると共に、Tiのイオン化を高めるこ
とによって密着性、耐食性の優れた鋼板が得られるもの
と考えられる。
このllCD法使用による物質の蒸着は、従来小物の装
飾品等の作製に用いられた公知のZr、 Hf、 V。
Nb、 Ta、 Cr、 Mo、 W、 Mn、 Co
、 si、 Cu、 Au、 Ag、 Zn。
TI、 Al、 B、 Si、 GeおよびSnなどの
金属・半金属の1種以上の蒸着処理に有効に用いること
ができる。またこの発明のHCD法の使用に当っては、
鋼板の板巾方向にわたってIIcDガンを並列にならべ
て蒸着量および均一性を確保することによって幅500
mm以上のコイルにも適用するこができ、かくして鋼板
と金属・半金属の蒸着物との密着性を顕著に改善し得る
が、それでもなおより一層の密着性、耐食性および均質
性を確保したい場合には、コーティング前に100〜6
00°Cの温度で予備加熱を行うか、コーティング中に
鋼板に10〜200vの印加電圧を付加することが肝要
である。
なおコーティング前の予備加熱は、通常エレクトロンビ
ームを用いて行うが、その他界外線または通常の抵抗加
熱を用いてもよい。
また鋼板に10〜200vの印加電圧を付加するに当っ
ては、コーティング前段を50〜200vの高印加電圧
、後段を10〜50Vの低電圧とすることが被膜密着性
向上の観点からは一層有利である。
さらにHCDガンの電流を大きくすることによって、金
属のイオン化率を向上させることができ、ひいては被成
した被膜の品質を向上させることができる。ここに被膜
の品質の向上のためには少なくとも50%以上のイオン
化率が必要であると考えられる。
この発明では、基板としては、広い面積が容易に得られ
、また比較的安価でもある低炭素冷延鋼板あるいはステ
ンレス鋼板がとりわけ有利に適合する。
そしてドライプレーティング処理を施すに先立ち、鋼板
表面を完全に脱脂後、あるいは場合によっては鋼板表面
を機械研磨あるいは化学的・電気的研磨処理によって鏡
面状態に仕上げておくことが好ましく、かかる鏡面仕上
げ表面上に上記の金属あるいは半金属の物質を少なくと
も1種以上をHCD法により蒸着させるのである。
またこのときの蒸着膜厚は0.1〜5μm程度が適切で
ある。
なおこのようなIIcD法による金属・半金属の蒸着に
は通常連続真空ラインの装置を用いて鋼板表面上に行な
われるが、大容量のバッチタイプの蒸着装置を用いても
よい。
(実施例) 実施例I C二 0.04%、   Si:  0.2%、   
Mn:   1.2%、 Cr:   18.5%およ
びMo: 1.1%を含有するステンレス蝿の熱延板(
2,2mm厚)を、0.6mm厚に冷延したのち、焼鈍
処理を施してから、0.6mm X 6QOmm X 
600mmの大きさに切出して基板とした。
その後、この基板を表面脱脂後、その表面にZr+V、
 Nb+ Cr、 Mo、 Ni+ Cu+ Al、 
Si+ Sn、 Cu−At、 Cr−Mo、 V−N
bおよびCr−Mo−VをそれぞれHCD法によってい
ずれも3μm厚に蒸着した。
なお上記の蒸着に際しては、600mm X 600m
mの大面積に均一にコーティングができるように、対角
方向に4本のHCDガンを配置した。それぞれのHCD
ガンの出力はいずれも、加速電圧:30V、加速電流:
 300Aであって、鋼板に対する印加電圧は20Vと
した。
かくして得られた表面被膜付きステンレス鋼板の走査電
顕による表面観察およびX線回折結果ならびに密着性、
耐食性についての調査結果を表3に示す。
実施例2 C: 0.03%、Si: 0.1%、Mn: 1.5
%、Cr: 19.5%およびMo: 1.5%を含有
するステンレス鋼の熱延板(2,2mm厚)を、0.6
mm厚に冷延したのち、焼鈍処理を施してから、0.6
mm X 600mm X 600mmの大Uきさに切
出して基板とした。
その後、この基板を表面脱脂後、その表面にZr。
V、 Nb、 Cr、 Mo、 Ni、 Cu、 Al
、 Si、 Sn、 Cu−Al、 Cr−Mo、 V
−NbおよびCr−Mo−VをそれぞれHCD法によっ
ていずれも2μm厚に蒸着した。
なお上記の蒸着に際しては、600mm X 600m
mの大面積に均一にコーティングができるように、対角
方向に2本のHCDガンを配置した。それぞれのHCD
ガンの出力はいずれも、加速電圧=30V、加速電流:
 1000 Aとした。
さらにコーティングに先立ちエレクトロンビームを用い
て鋼板表面を500℃に予(liff ’−Ill熟後
、泪仮にバイアス電圧を附加した。この印加電圧はコー
ティング初期(0,3〜0.5μm厚の初期段階)は1
20V、それ以後のコーティングでは15Vに設定した
かくして得られた表面被膜付きステンレス柵板の走査電
顕による表面観察およびX線回折結果、密着性ならびに
耐食性についての調査結果を表4に示す。
実施例3 C: 0.042%、Si: 0.01%、Mn: 0
.36%、P : 0.009%およびS : 0.0
11%の組成になる低炭素冷延板(2,2mm厚の熱延
板を冷延により0 、7 sm厚とした)に、680℃
で10時間の再結晶焼鈍を施したのち、鋼板表面を電解
研磨により中心線平均粗さRaで0.2μmに研摩後、
連続コーティングライン(HCD法)により、Tiを蒸
着した(Ti B’i、厚=3.0μm)。
かかるドライプレーティング処理に先立ち、鋼板をエレ
クトロンビームを用いて400°Cに予ON 加熱する
と共に、Tiコーティング中は前段では100V (0
,4μm厚)、一方後段では20Vの印加電圧を附加し
た。
かくして得られたTiの被膜は、表面性状(走査電顕観
察)は勿論のこと、密着性および耐食性も良好であった
実施例4 C: 0.035%、Si: 0.2%、Mn: 1.
8%、Cr: 。
20%およびMo: 2.5%を含有するステンレス鋼
の熱延板(2,0mm厚)を、0.71厚に冷延したの
ち、焼鈍処理を施してから、0.7mm X 700m
m X 700mmの大きさに切出して基板とした。
その後、この基板を表面脱脂後、その表面にZr+V+
 Nb1 Mo+ Ni+ Cu、 A1. Si、 
Sn、 Cu−Al、 Cr−Mo。
V−NbおよびCr−Mo−VをそれぞれHCD法(I
IcDガンの容量1500A 、イオン化率55%)に
よっていずれも2.5μl厚に蒸着した。
かくして得られた表面被膜付きステンレス鋼板の表面性
状、構造、耐食性および密着性について調べた結果を表
5に示す。
表5 傘塩水噴霧状験・3.5%食塩水、35℃、4時間噴霧
・1時間乾燥×6サイクル実施例5 C: 0.033%、Si: 0.012%、Mn: 
0.42%、P : 0.008%およびS : 0.
011%を含有する低炭素冷延鋼板に680℃で1分間
の連続焼鈍により再結晶焼鈍を施し、ついで鋼板表面を
電界研磨により中心平均粗さRaで0.15μmに研磨
後、連続コーティングライン(HCD法により前段10
00AのllCDガン2個、イオン化率55%、後段1
500AのHCDガン2個、イオン化率62%)でTi
を2.6μm厚に蒸着した。なおこの連続ラインの予備
加熱は、エレクトロンビームを走査して300℃に鋼板
を予備加熱すると共に1.前段のコーティングでは70
v、後段のコーティングでは20Vの印加電圧を附加し
た。
かくして得られたTi被膜の膜質は、表面性状(走査電
顕観察)は勿論のこと、密着性および耐食性も良好であ
った。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、被膜の密着性、耐食性およ
び均質性に冨み、しかも表面状態も平滑な金属および/
または半金属被膜をそなえる大表面積鋼板を得ることが
でき、゛有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ドライプレーティングに先立つ予備加熱温度
と鋼板に対する印加電圧が、製品板の被膜密着性に与え
る影響を示したグラフ、第2図は、)ICDガンの加速
電流と、Crのイオン化率および蒸着速度との関係を示
したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、表面に、下記A、BまたはCのいずれかのグループ
    から選んだ少なくとも一種からなる組成になり、かつ固
    有の優先方位をそなえる金属および/または半金属のド
    ライプレーティング被膜を有することを特徴とする、密
    着性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大
    表面積鋼板。 記 Aグループ:Ti、Zr、Hf、CoおよびZnであっ
    て(002)面が優先方位になるもの。 Bグループ:V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、
    GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
    もの。 Cグループ:Ni、Cu、AlおよびAuであって(1
    11)面が優先方位になるもの。2、大表面積鋼板上に
    、ホローカソード法を用いたドライプレーティング処理
    によって、下記A、BまたはCのいずれかのグループか
    ら選んだ少なくとも一種の組成になりかつ固有の方位を
    そなえる金属および/または半金属の被膜を被成するこ
    とによって表面被膜付き大表面積鋼板を製造するに当り
    、 上記ドライプレーティング処理を、鋼板への印加電圧:
    10〜200Vの条件下に行うことを特徴とする、密着
    性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表
    面積鋼板の製造方法。 記 Aグループ:Ti、Zr、Hf、CoおよびZnであっ
    て(002)面が優先方位になるもの。 Bグループ:V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、
    GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
    もの。 Cグループ:Ni、Cu、AlおよびAuであって(1
    11)面が優先方位になるもの。3、該ドライプレーテ
    ィング処理における鋼板に対する印加電圧を、初期段階
    では50〜200Vと高めに設定する一方、後半段階で
    は10〜50Vと低目に設定してなる特許請求の範囲第
    2項記載の方法。 4、ホローカソード法によるドライプレーティング処理
    が、イオン化率:50%以上のホローカソードガンを用
    いるものである特許請求の範囲第2または3項記載の方
    法。 5、大表面積鋼板上に、ホローカソード法を用いたドラ
    イプレーティング処理によって、下記A、BまたはCの
    いずれかのグループから選んだ少なくとも一種の組成に
    なりかつ固有の方位をそなえる金属および/または半金
    属の被膜を被成することによって表面被膜付き大表面積
    鋼板を製造するに当り、 該ドライプレーティング処理に先立ち、鋼板に対して1
    00〜600℃の温度範囲における予備加熱処理を施す
    ことを特徴とする、密着性、耐食性および均質性に富む
    表面被膜をそなえる大表面積鋼板の製造方法。 記 Aグループ:Ti、Zr、Hf、CoおよびZnであっ
    て(002)面が優先方位にな るもの。 Bグループ:V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、
    GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
    もの。 Cグループ:Ni、Cu、AlおよびAuであって(1
    11)面が優先方位になるもの。6、ホローカソード法
    によるドライプレーティング処理が、イオン化率:50
    %以上のホローカソードガンを用いるものである特許請
    求の範囲第5項記載の方法。 7、大表面積鋼板上に、ホローカソード法を用いたドラ
    イプレーティング処理によって、下記A、BまたはCの
    いずれかのグループから選んだ少なくとも一種の組成に
    なりかつ固有の方位をそなえる金属および/または半金
    属の被膜を被成することによって表面被膜付き大表面積
    鋼板を製造するに当り、 該ドライプレーティング処理に先立ち、鋼板に対して1
    00〜600℃の温度範囲における予備加熱処理を施し
    たのち、鋼板への印加電圧:10〜200Vの条件下に
    ドライプレーティング処理を施すことを特徴とする密着
    性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表
    面積鋼板の製造方法。 記 Aグループ:Ti、Zr、Hf、CoおよびZnであっ
    て(002)面が優先方位にな るもの。 Bグループ:V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si、
    GeおよびSnであって(110)面が優先方位になる
    もの。 Cグループ:Ni、Cu、AlおよびAuであって(1
    11)面が優先方位になるもの。8、該ドライプレーテ
    ィング処理における鋼板に対する印加電圧を、初期段階
    では50〜200Vと高めに設定する一方、後半段階で
    は10〜50Vと低目に設定してなる特許請求の範囲第
    7項記載の方法。 9、ホローカソード法によるドライプレーティング処理
    が、イオン化率:50%以上のホローカソードガンを用
    いるものである特許請求の範囲第7または8項記載の方
    法。
JP30805186A 1986-07-17 1986-12-25 密着性、耐食性および均質性に富む表面被膜をそなえる大表面積鋼板の製造方法 Granted JPS63145766A (ja)

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WO2007040161A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Mitsubishi Electric Corporation 放電表面処理用電極及び放電表面処理方法並びに被膜

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