JP2593198B2 - 一方向性珪素鋼板の磁気特性向上方法 - Google Patents
一方向性珪素鋼板の磁気特性向上方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、一方向性珪素鋼板の磁気特性を向上する
方法に関して、とくに、いわゆるHCD(Hollow Cathode
Discharge)法によるイオンプレーティング処理を用い
て、鋼板の表面に張力付与被膜を形成することによっ
て、磁気特性を向上しようとするものである。
方法に関して、とくに、いわゆるHCD(Hollow Cathode
Discharge)法によるイオンプレーティング処理を用い
て、鋼板の表面に張力付与被膜を形成することによっ
て、磁気特性を向上しようとするものである。
(従来の技術) 一方向性珪素鋼板の表面に張力付与型の被膜、例えば
TiN膜などを形成することによって、磁気特性を向上す
る手法がよく知られているが、被膜の有利な形成手法に
ついては、具体的に確立されていない。
TiN膜などを形成することによって、磁気特性を向上す
る手法がよく知られているが、被膜の有利な形成手法に
ついては、具体的に確立されていない。
一般的に、TiN膜の形成など、いわゆるセラミックコ
ーティングには、プラズマを利用したイオンプレーティ
ング法が適用されている。イオンプレーティング法とし
ては、HCD法、EB(Electron Beam)+RF(Radio Frequ
ency)法、マルティ・アーク法およびアーク放電法等の
手法が実施されている。
ーティングには、プラズマを利用したイオンプレーティ
ング法が適用されている。イオンプレーティング法とし
ては、HCD法、EB(Electron Beam)+RF(Radio Frequ
ency)法、マルティ・アーク法およびアーク放電法等の
手法が実施されている。
これらの手法の中でHCD法はイオン化率が20〜40%と
高く、また成膜速度も0.05〜0.5μm/minと比較的速いた
め、TiN,TiC,Ti(CN)あるいはCrNなどのセラミックコ
ーティングに広く利用されている。特に、HCD法はN2ガ
ス流量、真空度、バイアス電圧、基板温度、基板の前処
理などの要件が少々変化しても容易かつスムーズにセラ
ミックコーティングを行うことができる利点がある。
高く、また成膜速度も0.05〜0.5μm/minと比較的速いた
め、TiN,TiC,Ti(CN)あるいはCrNなどのセラミックコ
ーティングに広く利用されている。特に、HCD法はN2ガ
ス流量、真空度、バイアス電圧、基板温度、基板の前処
理などの要件が少々変化しても容易かつスムーズにセラ
ミックコーティングを行うことができる利点がある。
すなわち、HCD法によるイオンプレーティングに関し
ては、金属表面技術35〔1〕p16〜24(1984)、粉末お
よび粉末冶金32(1985)p55〜60に解説されている。
ては、金属表面技術35〔1〕p16〜24(1984)、粉末お
よび粉末冶金32(1985)p55〜60に解説されている。
(発明が解決しようとする課題) 最近では、鋼板または鋼帯についても耐食性や装飾性
あるいは耐摩耗性の改善のためにホローカソード法の利
用が試みられているが、現状では実用化にまでは至って
いない。というのは上記のようにHCD法の成膜速度は大
きいとはいえ0.05〜0.5μm/min程度でバッチタイプのコ
ーティングには十分であるが、大表面積を対象とするに
は不向きであるからである。そこでHCD法を大表面積の
コーティングに適用するには、蒸発物質のイオン化率を
高めて高速成膜を行う必要がある。
あるいは耐摩耗性の改善のためにホローカソード法の利
用が試みられているが、現状では実用化にまでは至って
いない。というのは上記のようにHCD法の成膜速度は大
きいとはいえ0.05〜0.5μm/min程度でバッチタイプのコ
ーティングには十分であるが、大表面積を対象とするに
は不向きであるからである。そこでHCD法を大表面積の
コーティングに適用するには、蒸発物質のイオン化率を
高めて高速成膜を行う必要がある。
さて従来HCDガンの容量が300Aあるいは500A程度の常
用のイオンプレーティング装置における成膜速度は、例
えばTiNコーティングで0.05〜0.5μm/min程度であり、
またこのときイオン化率も高々30〜40%程度であったの
に対し、近年成膜速度を数μm/min程度まで上げるた
め、1000Aあるいは1500A程度にも大容量の蒸発用HCDガ
ンの開発が進み、このようにHCDガンを大容量化すると
イオン化率が50%以上となってイオンプレーティングに
よる膜質が大幅に向上するという利点がある。
用のイオンプレーティング装置における成膜速度は、例
えばTiNコーティングで0.05〜0.5μm/min程度であり、
またこのときイオン化率も高々30〜40%程度であったの
に対し、近年成膜速度を数μm/min程度まで上げるた
め、1000Aあるいは1500A程度にも大容量の蒸発用HCDガ
ンの開発が進み、このようにHCDガンを大容量化すると
イオン化率が50%以上となってイオンプレーティングに
よる膜質が大幅に向上するという利点がある。
ところが、このような大容量のHCDガンを用いて成膜
を行う場合、溶解、蒸発した物質のイオン化率は大幅に
向上するが、反応ガスを単に真空槽内に導入したのでは
良好な膜質の被膜は得難く、すなわち在来のイオンプレ
ーティング処理によって方向性珪素鋼板の表面に被膜を
形成した場合、その磁気特性の向上は不十分であった。
を行う場合、溶解、蒸発した物質のイオン化率は大幅に
向上するが、反応ガスを単に真空槽内に導入したのでは
良好な膜質の被膜は得難く、すなわち在来のイオンプレ
ーティング処理によって方向性珪素鋼板の表面に被膜を
形成した場合、その磁気特性の向上は不十分であった。
従って、イオンプレーティング処理を利用した被膜の
形成によって磁気特性を向上するには、蒸発物質のイオ
ン化に加えて、反応ガスの十分なイオン化も同時にはか
る必要があった。
形成によって磁気特性を向上するには、蒸発物質のイオ
ン化に加えて、反応ガスの十分なイオン化も同時にはか
る必要があった。
そこでこの発明は、上記のような種々の問題を排除
し、蒸発物質のイオン化のみならず反応ガスのイオン化
をも促進して、方向性珪素鋼板の磁気特性を向上し得る
手法について提案することを目的とする。
し、蒸発物質のイオン化のみならず反応ガスのイオン化
をも促進して、方向性珪素鋼板の磁気特性を向上し得る
手法について提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、仕上げ焼鈍を経た一方向性珪素鋼板の表
面上の酸化物を除去してから、研磨を施して鏡面状態に
仕上げたのち、反応ガスを導入して真空槽内に、鋼板を
配置し、真空槽内のるつぼに収容した蒸発用物質を大容
量ホローカソードガンによって溶解、蒸発させると同時
にイオン化させ、鋼板の表面に張力付与被膜を形成する
に当たり、るつぼから鋼板の直近にわたって配設した集
束コイルの内側を蒸発物質の移動経路にするとともに、
反応ガス導入管に付設したTa,WおよびLaB6のいずれか1
種からなる細線の加熱によって反応ガスのイオン化を促
進することを特徴とする一方向性珪素鋼板の磁気特性向
上方法である。
面上の酸化物を除去してから、研磨を施して鏡面状態に
仕上げたのち、反応ガスを導入して真空槽内に、鋼板を
配置し、真空槽内のるつぼに収容した蒸発用物質を大容
量ホローカソードガンによって溶解、蒸発させると同時
にイオン化させ、鋼板の表面に張力付与被膜を形成する
に当たり、るつぼから鋼板の直近にわたって配設した集
束コイルの内側を蒸発物質の移動経路にするとともに、
反応ガス導入管に付設したTa,WおよびLaB6のいずれか1
種からなる細線の加熱によって反応ガスのイオン化を促
進することを特徴とする一方向性珪素鋼板の磁気特性向
上方法である。
(作 用) まず、この発明の基礎のなった実験結果について説明
する。
する。
C:0.042%、Si:3.36:、Mn:0.063%、Mo:0.012%、Se:
0.020%およびSb:0.023%を含有する珪素鋼熱延板(厚
み2.0mm,幅500mm)を、950℃の中間焼鈍をはさむ2回の
冷間圧延にて0.20mm厚の最終冷延板とし、その後820℃
の湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍を施してから、MgO
(30%)、Al2O3(65%)、TiO2(3%)およびZrO
2(2%)を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、ついで8
50℃で50hrの2次再結晶焼鈍を行った後、1200℃の乾水
素中で鈍化焼鈍を施し、さらに鋼板表面上の酸化物を除
去し電解研磨により中心線平均粗さで0.06μmに仕上げ
た。その後第1図に示すイオンプレーティング装置を用
いて、700A,60VのHCD条件にてTiN被膜(約1.5μm厚)
を被成するに当り、N2ガスを次の〜に従って導入し
た。なお図中1はHCDガン、2はるつぼ、3は蒸発用物
質(Ti)、4は蒸発物質の移動経路に配した集束コイ
ル、5はシャッター、6は基板、7はヒーター、8は反
応ガス導入管、9は整合装置、10は高周波電源、11は反
応ガス(N2)導入口、12は排気口および13は真空槽であ
る。
0.020%およびSb:0.023%を含有する珪素鋼熱延板(厚
み2.0mm,幅500mm)を、950℃の中間焼鈍をはさむ2回の
冷間圧延にて0.20mm厚の最終冷延板とし、その後820℃
の湿水素中で脱炭・1次再結晶焼鈍を施してから、MgO
(30%)、Al2O3(65%)、TiO2(3%)およびZrO
2(2%)を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、ついで8
50℃で50hrの2次再結晶焼鈍を行った後、1200℃の乾水
素中で鈍化焼鈍を施し、さらに鋼板表面上の酸化物を除
去し電解研磨により中心線平均粗さで0.06μmに仕上げ
た。その後第1図に示すイオンプレーティング装置を用
いて、700A,60VのHCD条件にてTiN被膜(約1.5μm厚)
を被成するに当り、N2ガスを次の〜に従って導入し
た。なお図中1はHCDガン、2はるつぼ、3は蒸発用物
質(Ti)、4は蒸発物質の移動経路に配した集束コイ
ル、5はシャッター、6は基板、7はヒーター、8は反
応ガス導入管、9は整合装置、10は高周波電源、11は反
応ガス(N2)導入口、12は排気口および13は真空槽であ
る。
第2図(a)に示す反応ガス導入管を導入口11に連結
し、導入したN2ガスのイオン化を促進した。なお図中8
−1はグラファイト製の管、8−2はこの管8−1の内
側にコイル状に配設したタングステン製の加熱ワイヤー
および8−3はN2ガスの噴出孔である。
し、導入したN2ガスのイオン化を促進した。なお図中8
−1はグラファイト製の管、8−2はこの管8−1の内
側にコイル状に配設したタングステン製の加熱ワイヤー
および8−3はN2ガスの噴出孔である。
同図(b)に示す反応ガス導入管を導入口11に連結
し、導入したN2ガスのイオン化を促進した。なお図中8
−4は管8−1の噴出孔8−3の出側に設置したタング
ステン製の加熱用ワイヤーである。
し、導入したN2ガスのイオン化を促進した。なお図中8
−4は管8−1の噴出孔8−3の出側に設置したタング
ステン製の加熱用ワイヤーである。
反応ガス導入管を用いないでN2ガスを導入した。
また同様の実験を、第3図に示す従来のHCD法イオン
プレーティング装置(金属表面技術、34(1984)P.16参
照)を用いて表1の条件で行った。
プレーティング装置(金属表面技術、34(1984)P.16参
照)を用いて表1の条件で行った。
表1に各実験の成膜速度、得られた製品の膜質および
磁気特性を調べた結果について示す。
磁気特性を調べた結果について示す。
表1に示す実験No.1〜3から明らかなように、成膜速
度は蒸着物質の移動経路を集束コイルで囲むことで高速
化(2.7〜2.9μm/min)を達成でき、実験No.4の従来のH
CD法に比較して約4〜5倍の成膜速度となる。しかしな
がら実験No.3は膜質および磁気特性において実験No.1お
よび2に比して劣っていたが、これは反応ガスのイオン
化が不十分であったためと考えられる。
度は蒸着物質の移動経路を集束コイルで囲むことで高速
化(2.7〜2.9μm/min)を達成でき、実験No.4の従来のH
CD法に比較して約4〜5倍の成膜速度となる。しかしな
がら実験No.3は膜質および磁気特性において実験No.1お
よび2に比して劣っていたが、これは反応ガスのイオン
化が不十分であったためと考えられる。
すなわち、この発明に従う、集束コイルおよび加熱用
細線を付設した反応ガス導入管によるイオン化の促進
が、磁気特性の向上に寄与する被膜の形成に極めて有効
であることが判明した。
細線を付設した反応ガス導入管によるイオン化の促進
が、磁気特性の向上に寄与する被膜の形成に極めて有効
であることが判明した。
なお、反応ガス導入管はアルミナなどのセラミックス
あるいはグラファイト等が有利に適合し、また付設する
加熱用の細線は高融点金属、すなわち放電特性の良好な
Ta,WおよびLaB6が好適である。
あるいはグラファイト等が有利に適合し、また付設する
加熱用の細線は高融点金属、すなわち放電特性の良好な
Ta,WおよびLaB6が好適である。
また、この発明に適用するHCDガンは電圧40V以上、電
流500A以上の大容量のタイプを用いると、蒸発量が多く
なるために効果的である。ちなみに、このような大容量
のHCDガンを使用した場合には投入電流量が大きくて蒸
発物質のイオン化も促進されるため、同時に反応ガスの
イオン化を促進することが不可欠となる。
流500A以上の大容量のタイプを用いると、蒸発量が多く
なるために効果的である。ちなみに、このような大容量
のHCDガンを使用した場合には投入電流量が大きくて蒸
発物質のイオン化も促進されるため、同時に反応ガスの
イオン化を促進することが不可欠となる。
(実施例) 実施例1 C:0.062%、Si:3.36%、Mn:0.072%、S:0.025%、Al:
0.026%、Cu:0.1%およびSn:0.08%、またはC:0.042
%、Si:3.32%、Mn:0.063%、Mo:0.015%、Se:0.019%
およびSb:0.029%を含有する珪素鋼熱延板(2.2mm厚)
を1100℃(の試料)および950℃(の試料)での中
間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を施して0.20mm厚の最終
冷延板とした。ついで840℃(の試料)または820℃
(の試料)の湿水素中で脱炭を兼ねる1次再結晶焼鈍
を施した後、鋼板表面上にAl2O3(60%)、MgO(35
%)、TiO2(3%)およびZrO2(2%)を主成分とする
焼鈍分離剤を塗布し、その後の試料は850℃から10℃/
hrで1100℃まで昇温してゴス方位2次再結晶粒を発達さ
せ、またの試料は850℃で50時間の2次再結晶焼鈍を
施した後、との試料に1200℃の乾水素中で10時間の
純化焼鈍を施し、その後鋼板表面上の酸化物を酸洗によ
り除去し電解研磨により中心線平均粗さで0.06μmの鏡
面状態に仕上げた。
0.026%、Cu:0.1%およびSn:0.08%、またはC:0.042
%、Si:3.32%、Mn:0.063%、Mo:0.015%、Se:0.019%
およびSb:0.029%を含有する珪素鋼熱延板(2.2mm厚)
を1100℃(の試料)および950℃(の試料)での中
間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を施して0.20mm厚の最終
冷延板とした。ついで840℃(の試料)または820℃
(の試料)の湿水素中で脱炭を兼ねる1次再結晶焼鈍
を施した後、鋼板表面上にAl2O3(60%)、MgO(35
%)、TiO2(3%)およびZrO2(2%)を主成分とする
焼鈍分離剤を塗布し、その後の試料は850℃から10℃/
hrで1100℃まで昇温してゴス方位2次再結晶粒を発達さ
せ、またの試料は850℃で50時間の2次再結晶焼鈍を
施した後、との試料に1200℃の乾水素中で10時間の
純化焼鈍を施し、その後鋼板表面上の酸化物を酸洗によ
り除去し電解研磨により中心線平均粗さで0.06μmの鏡
面状態に仕上げた。
そして第1図の装置(HCD条件:70V、1000A)に第2図
(a)の反応ガス導入管を適用した装置を用いて、VN被
膜を1.2μm厚で形成した。そのときの成膜速度は2.5μ
m/minで、また製品の磁気特性は、の試料がB10=1.94
T,W17/50=0.66W/kgおよびの試料がB10=1.92T,W
17/50=0.63W/kgであった。
(a)の反応ガス導入管を適用した装置を用いて、VN被
膜を1.2μm厚で形成した。そのときの成膜速度は2.5μ
m/minで、また製品の磁気特性は、の試料がB10=1.94
T,W17/50=0.66W/kgおよびの試料がB10=1.92T,W
17/50=0.63W/kgであった。
実施例2 C:0.036%、Mn:0.35%、P:0.009%およびS:0.009%を
含有する低炭素冷延鋼板(0.6mm厚)の表面を脱脂した
後、電解研磨により中心線平均粗さで0.07μmの鏡面状
態に仕上げ、ついで実施例1と同様の装置(HCD条件:65
V、800A)を用いて、鋼板表面にCrN被膜を1.5μm厚)
で形成した。このときの成膜速度は2.3μm/minと高速
で、得られた製品は、90゜曲げを2回繰り返して行って
もはく離はなく、また走査型電子顕微鏡による観察では
表面に凹凸はみとめられず、すなわち密着性および均一
性ともに良好であった。
含有する低炭素冷延鋼板(0.6mm厚)の表面を脱脂した
後、電解研磨により中心線平均粗さで0.07μmの鏡面状
態に仕上げ、ついで実施例1と同様の装置(HCD条件:65
V、800A)を用いて、鋼板表面にCrN被膜を1.5μm厚)
で形成した。このときの成膜速度は2.3μm/minと高速
で、得られた製品は、90゜曲げを2回繰り返して行って
もはく離はなく、また走査型電子顕微鏡による観察では
表面に凹凸はみとめられず、すなわち密着性および均一
性ともに良好であった。
(発明の効果) この発明によれば、蒸発物質および反応ガスのイオン
化率を共に高めることによって、高速成膜の下に、密着
性および膜質の良好な被膜を形成することができるか
ら、張力付与被膜による磁気特性の向上を確実に達成し
得る。
化率を共に高めることによって、高速成膜の下に、密着
性および膜質の良好な被膜を形成することができるか
ら、張力付与被膜による磁気特性の向上を確実に達成し
得る。
第1図はこの発明に適用するイオンプレーティング装置
を示す説明図、 第2図(a)(b)は反応ガス導入管の断面図、 第3図は従来のHCD法イオンプレーティング装置の説明
図である。 1……HCDガン、2……るつぼ 3……蒸着用物質、4……集束コイル 5……シャッター、6……基板 7……ヒーター、8……反応ガス導入管 9……整合装置、10……高周波電源 11……反応ガス導入口、12……排気口 13……真空槽 8−1……管 8−2,8−4……加熱用ワイヤ 8−3……噴出孔
を示す説明図、 第2図(a)(b)は反応ガス導入管の断面図、 第3図は従来のHCD法イオンプレーティング装置の説明
図である。 1……HCDガン、2……るつぼ 3……蒸着用物質、4……集束コイル 5……シャッター、6……基板 7……ヒーター、8……反応ガス導入管 9……整合装置、10……高周波電源 11……反応ガス導入口、12……排気口 13……真空槽 8−1……管 8−2,8−4……加熱用ワイヤ 8−3……噴出孔
Claims (1)
- 【請求項1】仕上げ焼鈍を経た一方向性珪素鋼板の表面
上の酸化物を除去してから、研磨を施して鏡面状態に仕
上げたのち、反応ガスを導入した真空槽内に、鋼板を配
置し、真空槽内のるつぼに収容した蒸発用物質を大容量
ホローカソードガンによって溶解、蒸発させると同時に
イオン化させ、鋼板の表面に張力付与被膜を形成するに
当たり、 るつぼから鋼板の直近にわたって配設した集束コイルの
内側を蒸発物質の移動径路にするとともに、反応ガス導
入管に付設したTa,WおよびLaB6のいずれか1種からなる
細線の加熱によって反応ガスのイオン化を促進すること
を特徴とする一方向性珪素鋼板の磁気特性向上方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63197833A JP2593198B2 (ja) | 1988-03-26 | 1988-08-10 | 一方向性珪素鋼板の磁気特性向上方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7086288 | 1988-03-26 | ||
JP63-70862 | 1988-03-26 | ||
JP63197833A JP2593198B2 (ja) | 1988-03-26 | 1988-08-10 | 一方向性珪素鋼板の磁気特性向上方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01316455A JPH01316455A (ja) | 1989-12-21 |
JP2593198B2 true JP2593198B2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=26411989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63197833A Expired - Lifetime JP2593198B2 (ja) | 1988-03-26 | 1988-08-10 | 一方向性珪素鋼板の磁気特性向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2593198B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5339662A (en) * | 1976-09-22 | 1978-04-11 | Hitachi Ltd | Dial indicator for washer |
JPS6124214A (ja) * | 1984-07-12 | 1986-02-01 | Taiyo Yuden Co Ltd | Co−O系薄膜型垂直磁気記録媒体の製造方法 |
JPS61279666A (ja) * | 1985-06-04 | 1986-12-10 | Citizen Watch Co Ltd | 装身具の金属被膜形成方法 |
JPS6237367A (ja) * | 1985-08-13 | 1987-02-18 | Kawasaki Steel Corp | 方向性けい素鋼板の鉄損低減装置 |
JP2567843B2 (ja) * | 1986-06-04 | 1996-12-25 | 株式会社 昭和真空 | ハイブリツドイオンプレ−テイング方法とその装置 |
-
1988
- 1988-08-10 JP JP63197833A patent/JP2593198B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01316455A (ja) | 1989-12-21 |
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