JP2000064027A - 画像表示装置用金属隔壁およびその製造方法 - Google Patents

画像表示装置用金属隔壁およびその製造方法

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JP2000064027A
JP2000064027A JP23522498A JP23522498A JP2000064027A JP 2000064027 A JP2000064027 A JP 2000064027A JP 23522498 A JP23522498 A JP 23522498A JP 23522498 A JP23522498 A JP 23522498A JP 2000064027 A JP2000064027 A JP 2000064027A
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vapor deposition
insulating layer
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physical vapor
film
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JP23522498A
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Ryoji Inoue
良二 井上
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Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPやPALCに用いられる隔壁に、薄く
絶縁層を形成した金属材料を用いて安価でかつ量産性に
優れた隔壁を提供する。 【解決手段】 本発明では、金属材料に蒸着法によっ
て、Al質絶縁層が形成させる。望ましくは、ス
パッタリングまたはイオンプレーティング若しくは両方
の組合せと言った、物理蒸着法を用いてAl質絶
縁層をコーティングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置とし
て使用されるプラズマディスプレイ(以下PDPと称
す)やプラズマを利用した液晶ディスプレイ(以下PA
LCと称す)に使用される隔壁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に複数の放電セルを配置したPDP
パネルにおいては、隣接セルへのクロストークを防止す
るため、絶縁性の隔壁が必要とされており、ガラスベー
スの多層印刷や、サンドブラスト加工によりガラス質の
隔壁が利用されている。しかしながら、これらの製法で
は、製造コストが高くなりPDPの応用範囲が限定さ
れ、民生用として普及していないのが現状である。そこ
で製造コスト低減の目的から、特開平3−205738
号に金属隔壁を応用することが開示されているが、現在
のところPDPやPALCに実用化されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前述の特
開平3−205738号に記載された具体的な絶縁処理
方法について鋭意検討を行った結果、これらのいずれの
手法においても本用途には実用化が難しいことが判明し
た。すなわち、ディッピング法、スプレー法では、膜厚
が均一にならないこと、金属の焼成酸化法、陽極酸化法
では膜質が緻密にならないために絶縁性が悪いこと、静
電塗装法、電着法では膜厚が厚くなり過ぎて10μm以
下の薄い膜厚の制御はできないことを明らかにした。特
に、前記特許の中で最も有望とされている電着法につい
ては、膜厚を10μm以下の薄い膜厚に抑制することが
極めて困難であり、20μm以上の厚さでコントロール
する必要があるため、開孔率の点から大幅にダウンし
て、現実的にPDPとして採用されないという問題点が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、物理蒸着法
や、化学蒸着法と言った蒸着法を用いてAl絶縁
層をコーティングすることにより、上記問題点を解決す
ることが可能となる。すなわち、金属材料に蒸着法によ
って、Al質絶縁層が形成されている画像表示装
置用金属隔壁である。好ましくは、物理蒸着法によっ
て、Al質絶縁層が形成されている画像表示装置
用金属隔壁である。さらに好ましくは、Al質絶
縁層の厚さが1〜9μmである画像表示装置用金属隔壁
である。
【0005】また、本発明の画像表示装置であるPDP
やPALC用金属隔壁の製造方法として、金属材料への
Al質絶縁層は、蒸着法で形成する画像表示装置
用金属隔壁の製造方法である。好ましくは、物理質絶縁
層は、蒸着法で形成する画像表示装置用金属隔壁の製造
方法である。さらに好ましくは、Al質絶縁層の
形成は、成膜処理開始時には成膜速度:2μm/h以下
の低速で行い、その後成膜速度を2μm/h以上の高速
で物理蒸着処理する画像表示装置用金属隔壁の製造方法
である。また、物理蒸着処理において、金属材料の温度
を150〜450℃に制御した画像表示装置用金属隔壁
の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下の本発明を詳しく説明する。
先ず、本発明の重要な特徴は、蒸着法を用いてAl
質絶縁層を形成することにある。本発明の蒸着法とし
ては、物理蒸着法や化学蒸着法を採用することできる
が、特に好適なのは高速で成膜が可能な物理蒸着法であ
る。ここで、物理蒸着法には、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、分子線蒸着法や、反
応性PVD法が知られているが、このうち、本発明のA
質絶縁層を高速で、且つ膜厚の制御に好適なも
のとしては、スパッタリング法またはイオンプレーティ
ング法若しくは両方組合せである。
【0007】本発明において、スパッタリングやイオン
プレーティング若しくは両方組合せと言った、物理蒸着
法を用いる利点の第一は、近年、成膜の高速化が進めら
れており、Al質絶縁層を高速で形成できること
にある。したがって、スパッタリングまたはイオンプレ
ーティングなどの物理蒸着法を用いることで、生産性を
向上することができると言う利点がある。特に、スパッ
タリングとイオンプレーティングとを同時に作動させ
て、超高速で成膜できる装置を用いれば、特に高速で連
続生産も可能となる。
【0008】また、物理蒸着法のうち、スパッタリング
で成膜する場合、成膜開始から2μm/h以上の高速で
処理を行うと金属隔壁に射突するスパッタ粒子が多くな
るため、蓄積されたエネルギーが大きくなり、材温が上
がってスパッタ粒子中の酸素と反応して表面に酸化膜を
形成し、絶縁層との密着性を低下させるという問題が発
生する。したがって、好ましくはスパッタ開始当初は、
2μm/h以下の低速で成膜を行って、金属表面を完全
に絶縁層で被覆した後、2μm/h以上の高速処理を施
すことによって、良好な膜が得られると同時に、短時間
で処理を施すことができる。
【0009】また、本発明の蒸着法のうち、スパッタリ
ングまたはイオンプレーティング若しくは両方の組合せ
と言った、物理蒸着法を用いる利点の第二は、スパッタ
リングまたはイオンプレーティング若しくは両方を用い
て形成されるAl質絶縁層は、均一な膜厚が得ら
れるため、たとえば、従来では膜厚の制御ができない1
〜9μm程度の薄い厚さでも十分に制御が可能となるこ
とにある。したがって、PDPやPALCに必要とされ
る開孔率を低減することはない。
【0010】また、本発明においては、金属材料を用い
る。本発明に用いることができる金属材料は、特に限定
されるものではないが、好適な金属材料としては、エッ
チング特性に優れ且つハンドリング性に優れた金属材料
が良い。たとえば、本発明者の提案する特願平10−7
2242号に記載の合金を用いることが特に好ましい。
【0011】また、本発明では上述したスパッタリング
やイオンプレーティング若しくは両方の組合せと言っ
た、物理蒸着法を用いて、Al質の絶縁層を形成
する。本発明の絶縁層は、求められる特性のうち、熱膨
張係数が最も重要な特性の一つであるため、隔壁の金属
材料は前面板および背面板ガラスに近い熱膨張係数に調
整されているため、絶縁層もこれらの板ガラスに近い熱
膨張係数を有するAl 利用する。したがって、現
状の板ガラスの熱膨張係数が8.3×10−6/℃(3
00〜500℃)であるため、絶縁物の中でもこれに近
い熱膨張係数を有するAl (熱膨張係数:7×1
−6/℃)とする必要がある。これは、PDPやPA
LCの組立工程において500℃程度の熱サイクルが加
わるため、隔壁基材との熱膨張差が大きいと剥離が生じ
る場合があるためである。
【0012】上記の剥離に関し、Al質絶縁層の
膜厚が厚いほど、隔壁基材との熱膨張差による膜応力が
大きくなり、剥離が起こり易くなる。本発明の場合、従
来に比べてAl質絶縁層の厚みは薄く制御できる
が、好ましくは、この膜応力を最小限に抑制するため
に、スパッタリングまたはイオンプレーティング若しく
は両方組合せなどで物理蒸着処理する際に、隔壁基材を
150〜450℃に加熱しながら、成膜することによっ
て、PDPやPALCの組立工程における熱サイクルで
絶縁層に作用する応力は低減が可能となる。
【0013】また、本発明における絶縁層の厚さについ
て、1μm以下では絶縁性が不足し、厚いほど好ましい
が、絶縁体が厚くなると開孔率が小さくなり、PDPや
PALCとしての性能が大きく低下する。したがって、
絶縁物の厚さは1〜9μmが好適である。
【0014】
【実施例】(実施例1)基板となる帯鋼(Fe−48%
Ni,厚さ0.15t,熱膨張係数:9×10 −6
℃)を、画像表示装置の一つであるPDP用隔壁の形状
にエッチング加工を施した後、表1に示す成膜条件で、
蒸着法の中から、物理蒸着法のスパッタリングにより、
Alをコーティングした。
【0015】評価方法について説明する。酸化は外観で
判断し、Fe,FeO,Fe 等が生成する
と絶縁層の密着性が低下する。次に、剥離と絶縁耐圧
は、500℃の熱処理後に判定、測定したものである。
絶縁耐圧は、JIS−C2110にしたがって測定し
た。
【0016】
【表1】
【0017】表1の結果から、絶縁層の厚みとして絶縁
耐圧の点から目標の400Vを得るためには、1μm以
上が必要であり、好ましくは3μm以上であることがわ
かる。しかしながら、9μmを越えると剥離が生じる。
しかし、No.7に示すように、基板となる隔壁を30
0℃に加熱して成膜した場合には、剥離は生じてなく改
善効果が見られた。ところが、基板を500℃まで昇温
すると逆に効果は得られなかった。次に、成膜速度につ
いて、初期から3μm/hの高速で処理したNo.9で
は酸化が起こり、黒色に変色した。
【0018】(実施例2)実施例1と同じ基板に絶縁層
の材質を変更してテストを行った。SiO(熱膨張係
数:4.0×10−6℃)のターゲットを用いて、絶縁
層として1〜5μmの膜厚の膜を形成した後、PDPや
PALCの組立中の工程と同様の500℃の熱サイクル
を施したが、基板との熱膨張係数が大きく異なるため、
剥離が生じた。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、PDPやPALCの製
造コストが大幅に低減し、民生用として大きく普及する
ことが可能となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料に蒸着法によって、Al
    質絶縁層が形成されていることを特徴とする画像表示装
    置用金属隔壁。
  2. 【請求項2】 蒸着法は物理蒸着法であることを特徴と
    する請求項1に記載の画像表示装置用金属隔壁。
  3. 【請求項3】 Al質絶縁層の厚さが1〜9μm
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像
    表示装置用金属隔壁。
  4. 【請求項4】 金属材料へのAl質絶縁層は、蒸
    着法で形成することを特徴とする画像表示装置用金属隔
    壁の製造方法。
  5. 【請求項5】 蒸着法は物理蒸着法であることを特徴と
    する請求項4に記載の画像表示装置用金属隔壁。
  6. 【請求項6】 Al質絶縁層の形成は、成膜処理
    開始時には成膜速度:2μm/h以下の低速で行い、そ
    の後成膜速度を2μm/h以上の高速で物理蒸着処理す
    ることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置用金
    属隔壁の製造方法。
  7. 【請求項7】 物理蒸着処理において、金属材料の温度
    を150〜450℃に制御したことを特徴とする請求項
    5または6に記載の画像表示装置用金属隔壁の製造方
    法。
JP23522498A 1998-08-21 1998-08-21 画像表示装置用金属隔壁およびその製造方法 Pending JP2000064027A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005133133A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Toyobo Co Ltd 真空薄膜形成装置用防着板
KR100685807B1 (ko) 2005-01-17 2007-02-22 삼성에스디아이 주식회사 무기막 형성 방법 및 무기막을 이용한 유기전계발광소자의제조 방법

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