JP3846641B2 - 光導波路製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は次のものに係わる。
・金属ターゲットを反応性磁場によりDCスパッタリングすることによって製造され、633nmの光波長において損失が最大限15dB/cmである光学被覆材料。
・633nmの波長において光損失が最大限1.5dB/cmであるTiO
・633nmの波長において光損失が最大限3dB/cmであるTa25
・≧0.5Å/sec、好ましくは≧0.9Å/secの被覆速度で被覆した本発明の材料から成る光学被覆。
・≦150℃、好ましくは≦100℃、さらに好ましくは≦70℃の温度で被覆した本発明の材料の層を少なくとも1つ含む光学被覆系。
・本発明の光学被覆材料から成る光学被覆を含む光学的構成要素。
・少なくとも2つの被覆層を有し、そのうち上記の光学被覆(本発明のもの)の層が他方の層よりも屈折率の高い材料から成る光学被覆系を有する導波路。
・633nmの波長における光損失がTM単一モードにおいて現われる本発明の被覆材料から成る導波被覆に好適な材料の製法。
【0002】
【従来の技術】
公知技術として下記の例が挙げられる。
(1)1984年Springer社刊行、R.G.Hunsperger著“光学IC:理論と技術”;
(2)Arnold等の“ソリッド薄膜”、165、(1988)、p.1−p.9、“光学IC用低損失Al2 3 膜のイオンビームスパッタリング”;
(3)Bell Syst. Tech, J. 48、3445(1969)に報告されたGoell & Stanleyの“光学IC用スパッタリング加工ガラス導波管”;
(4)M.D.Himel 等の“IEEE Photonics Technology Letters" 3(10)、(1991)、p.921以降;
(5)Appl. Optics, 26(13)、1987,2621に報告されたC.Henry 等の“Siを基板とする低損失Si3 4 −SiO4 光導波路" ;
(6)J.Appl. Phys. 71(9)、(1992)、p.4136に報告されたGraeupner 等の論文;
(7)DE−A−41 37 606;
(8)“プラズマ−インパルスCVD加工TiO2 導波膜:性質及び光ICセンサーシステムへの応用”Mat. Res. Soc., Spring Meeting San Francisco, 1992、Conference publication;
(9)“マグネトロンスパッタリング加工AIN導波管:構造が光学的性質に与える効果”、A.Cachard 等、Vacuum41/numbers 4−6/p.1151−1153/1990:
(10)Applied Optics、第14巻、第9号、1975年9月、New York US、p.2194−2198、Ingrey等の“O2 /N2 混合ガス雰囲気下のタンタルのスパッタリングによる可変屈折率及び複屈折導波管”;
(11)Journal of Vacuum Science and Technology, 第11巻、第1号、1974年1月、New York, US、p.381−384、Westwood等の“反応スパッタTa205に及ぼす圧力の影響”;
(12)Journal of Electronic Materials, 第3巻、第1号、1974年、US、p.37−50、Cheng 等の“五酸化タンタル導波管における損失”;
(13)Proceedings of the Spie:Hard Material in Optics, 第1275巻、1990年3月14日刊、The Hague, NL、P.75−79、Howson等の“酸化スズの硬質光学膜の反応スパッタリング”;
(14)Journal of Vacuum Science and Technology, Part A,第2巻、第2号、1984年4月、New York, US、p.1457−1460、Demiront等の“酸化チタンのイオン/ビームスパッタリングにおける酸素の影響”;
(15)Surface and Coatings Technology 、第49巻、第1−3号、1991年12月10日刊、Lausanne、p.239−243、Martin等の“ろ過アーク蒸着によるTiN,TiC及びTiO2 膜の蒸着”。
【0003】
反応DCスパッタリングによって金属窒化物被覆、即ち、633nm、TE0 モードにおける損失が約11dB/cmより大きい導波被覆用のAIN被覆を形成することは公知技術(9)から公知であり、このような被覆によって損失は5dB/cmまで軽減される。
【0004】
導波モードにも波長にも関係なく損失が<10dB/cmである導波被覆用TiO2 の製造は公知技術(4)から公知である。さらにまた、伝播モードも光波長も明確でないが、損失が5dB/cm以下のTa2 5 を導波被覆として利用することも公知である。ここではイオンめっき法によって被覆を形成する。
【0005】
この公知技術と同様の内容が公知技術(7)でも開示されている(1991年)。即ち、酸化チタンは屈折率が極めて大きく、化学耐性がすぐれ、極めて硬質であるから、酸化チタンはその物理的・化学的性質に基づき導波薄層用材料として極めてふさわしいにもかかわらず、TiO2 は製造の過程で極めて結晶し易いため、低損失TiO2 導波薄層の製法は記述されていない。
【0006】
公知技術(7)はパルス状マイクロ波プラズマCVD法によって導波被覆に適したTiO2 層を形成することを提案している。導波被覆として使用すると、波長は明確でないがTE01波用として公知技術(7)に従って形成されたTiO2 は約2.5dB/cmの損失を示す。波長に関しては、基本的には波長が短いほど損失が大きくなる。
【0007】
伝播モードも光波長も明確でないが、損失が<1dB/cmと小さいAl2 3 被覆をイオンビームスパッタリングで形成することは公知技術(2)から公知である。イオンビームを使用するから、この公知技術によって提案されている製法は広い面には不適当であり、被覆速度は比較的遅い。従って、被覆形成の経済性に問題がある。
【0008】
導波層用の材料としてHfスパッタリングしたガラスを利用することは公知技術(3)から公知である。公知技術(5)は導波手段として好適な材料を低圧プラズマCVD及びこれに続く焼もどしによって製造する方法を提案している。
【0009】
公知技術(8)は633nmにおいて損失がTE0 モードで2.4dB/cm、TM0 モードで5.1dB/cmの単一モード導波管用TiO2 をプラズマインパルスCVDによって製造することを提案している。公知技術(9)によってすでに公知ではあるが、金属ターゲットを金属窒化物、即ちAlNで反応スパッタリング加工することによって、導波層として利用した場合に伝播モードは明確でないが損失が300dB/cmという極めて高いレベルを示す被覆が得られることは公知技術(6)にも記述されている。このような材料は損失があまりに大きいから光学被覆材料としては不適当であり、ましてや導波層としては全く不適格である。
【0010】
公知技術(7)に記載のTiO2 と同様にその他の金属酸化物も光学被覆材料として極めて好適であると考えられるが、公知技術(2)のイオンビームスパッタリング、公知技術(7)のマイクロ波パルスプラズマCVD、公知技術(8)のプラズマインパルスCVD、公知技術(5)の低圧プラズマCVDまたは公知技術(4)のイオンめっき法などのような従来の製法は、特に広面積被覆及び被覆速度に関して欠点があるから、このような被覆材料を市販できるほど広い用途に利用するのは実現困難である。
【0011】
製造の過程でTiO2 が結晶し易いという公知技術(7)に記載の所見は、1975年に公知技術(10)でも報告されている。公知技術(10)によれば、すでに1975年にN2 /O2 混合ガス雰囲気下の反応性DCダイオードスパッタリングによる導波層、即ちタンタルオキシニトリド層が提案されている。
約0.4Å/sec の被覆速度及び約200℃の温度において、波長が約633nmのTE0 モード及びTM0 モードでの損失は≦1dB/cmであるとの所見が示されている。この結果はスパッタリング雰囲気中の窒化物に帰因するとされている。
【0012】
薄膜コンデンサ及び光導波路を製造するためO2 /アルゴン雰囲気下で反応性DCダイオードスパッタリングすることによってTa2 5 被覆を形成することは、1974年の公知技術(11)や公知技術(10)からすでに公知である。種々のスパッタリングパラメータを調整しながら得られた最良の被覆では損失が約1dB/cmであったと記載されている。下記の関係が確認されている。
スパッタリング圧が増大すると、
・光学損失が増大し、
・被覆速度が増大し、
・被覆温度が低下する。
【0013】
約1.6×10-2 mbar の低い使用圧では温度が160℃ないし350℃、約8×10-2 mbar の高い使用圧では温度が約180℃となる。
【0014】
公知技術(12)では、一部を同じ著者が執筆している公知技術(10)及び(11)においても言及されているが、種々の方法で得られたTa2 5 被覆、例えば550℃ないし650℃において反応性DCスパッタリングで得られた被覆を、加熱による後酸化を伴う金属スパッタリングによって得られたTa2 5 被覆と比較している。反応性DCスパッタリングによって得られたTa2 5 被覆では、約0.12Å/sec の被覆速度及び200℃の処理温度において、TE0 モードで損失が1ないし6dB/cmである。
【0015】
公知技術(12)ないし(10)を要約すると、比較的低い被覆速度と比較的高い被覆温度の反応性ダイオードDCスパッタリングにおけるタンタルオキシニトリドへの変化によって低損失Ta2 5 被覆の形成が可能になる。
【0016】
DCスパッタリングによるSnO2 被覆の形成は公知技術(13)から公知である。報告された測定結果によれば、損失は3×104 dB/cm程度と考えられる。
【0017】
イオンビームスパッタリングによってTiO2 被覆を形成することは公知技術(14)から公知である。報告された測定データから判断して損失は400dB/cm程度である。
【0018】
最後に、アーク蒸着によるTiN,TiC及びTiO2 被覆の形成は公知技術(15)から公知である。TiO2 被覆材料の消衰定数が633nmの波長において0.07であることから、光学損失は極めて高くなる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明の第1の目的は製造コストが低く、光学損失が小さく、公知の光学被覆よりも低温で形成できる金属酸化物の光学被覆材料を提供することにある。
【0020】
この目的は、金属ターゲットを反応性磁場によりDCスパッタリングすることによって製造され、633nmの光波長において損失が最大限15dB/cmであることを特徴とする光学被覆材料によって達成される。
【0021】
磁場利用の反応性DCスパッタリングを利用することにより上記低光学損失を維持することができ、しかも、詳しくは後述するように、低い被覆温度で高い被覆速度が達成される。なお、「磁場利用スパッタリング」という概念は、磁力線がターゲット表面上にトンネル状にまたがっているかターゲット表面から隣接の構造部分まで湾曲して延びているかのいずれかまたは双方のすべてのDCスパッタリング技術を意味する。このような磁場利用DCスパッタリング技術の特に好ましい例がマグネトロンDCスパッタリングである。
【0022】
これは上記の光学被覆材料、即ち、金属ターゲットを反応性磁場によりDCスパッタリングすることによって製造され、633nmの光波長において損失が最大限15dB/cmである光学被覆材料によって実現される。
【0023】
好ましい被覆材料は損失が最大限4dB/cmである材料であり、633nmにおける損失が著しく軽減される。
【0024】
本発明の第2の目的は光学損失に関して改良されたTiO2 またはTa2 5 を提供することにあり、この目的は633nmの波長において光損失が最大限1.5dB/cmであるTiO2 材料、または633nmの波長において光損失が最大限3dB/cmであるTa2 5 材料によって達成される。
【0025】
本発明の好ましいTiO2 またはTa2 5 材料は、金属ターゲットを反応性磁場によりDCスパッタリングすることにより製造されたものである。
【0026】
上記の材料の好ましい実施態様は、次のとおりである。
・前記損失が最大限1.5dB/cm、好ましくは最大限0.7dB/cm、さらに好ましくは最大限0.3dB/cmであるもの。
・金属から成るターゲットをスパッタリングすることによって製造されたもの。
・好ましくは最大限30kHz 、さらに好ましくは最大限20kHz のサイクル周波数のパルスDCスパッタリングによって製造されたもの。
・製造時のプロセス運転点をそれ自体は不安定な過渡モードに安定させたもの。
・マグネトロンスパッタリングによって製造されたもの。
・633nmの光波長における吸収定数kが最大限1.2×10-6であるもの。・≧0.5Å/sec 、好ましくは≧0.9Å/sec の被覆速度で被覆したもの。
・≦150℃、好ましくは≦100℃、さらに好ましくは≦70℃の温度で被覆したもの。
【0027】
これらの実施態様のうち、特に好ましい材料はTiO2 及びTa2 5 であり、なかでもTiO2 が特に好ましい。
【0028】
金属ターゲットを反応性磁場によりDCスパッタリングして製造され、633nmの光波長において損失が最大限15dB/cmである、経済性にすぐれた材料、及び/または、光学特性にすぐれた、633nmの波長において光損失が最大源1.5dB/cmであるTiO2 もしくは633nmの波長において光損失が最大限3dB/cmであるTa2 5 材料を使用すれば、本発明のすぐれた光学被覆、もしくは光学被覆系(この光学被覆系は少なくとも2つの被覆層を有し、そのうちの前記光学被覆の層が他方の層よりも屈折率の高い材料から成る)、または上記特性の個々についてもしくは組み合わせにおいてすぐれた、本発明の光学的構成要素(光学効果を有する被覆または被覆系として上記の被覆または被覆系を有するもの)が得られる。
【0029】
上記長所の1つまたは2つ以上を考慮すると、特にTiO2 またはTa2 5 、どちらかといえばTiO2 を導波被覆材として使用することにより、前記損失がTM単一モードにおいて現われる、すぐれた光導波路が得られる。
【0030】
光学被覆に好適な金属酸化物を形成する本発明の方法は、磁場利用の反応性DCスパッタリングを特徴とする、633nmの光波長において損失が最大限15dB/cmである光学被覆に好適な金属酸化物の製法である。この方法の好ましい実施態様は以下のとおりである。
【0031】
・金属ターゲットのスパッタリング、好ましくは酸化物のスパッタリングを行うもの。
・それ自体は不安定な過渡モードにおける反応性DCスパッタリングを行うもの。
・好ましくは最大限30kHz の、さらに好ましくは最大限20kHz のサイクル周波数でパルスDCスパッタリングを行うもの。
・マグネトロンスパッタリングを行うもの。
・特にTiO2 またはTa2 5 被覆を形成するための材料から成る光学被覆を製造するためのもの。
・導波被覆を形成するためのもの。
・前記損失が最大限4dB/cmである被覆を形成するためのもの。
・前記損失が最大限1.5dB/cmであるTiO2 被覆または前記損失が最大限3dB/cmであるTa2 5 被覆、好ましくは前記損失が最大限1.5dB/cm、好ましくは最大限0.7dB/cm、さらに好ましくは最大限0.3dB/cmである被覆を形成するためのもの。
・スパッタ供給源及び対向電極をDC操作し、この区間を間歇的に低抵抗接続させ、好ましくはこの接続を介して流れる放電電流及び/または処理室における障害放電(Stoerentladungen) を観察し、これに対する実測制御量として低抵抗接続の繰返し頻度及び/またはこの接続のそれぞれの持続時間を制御回路において利用するもの。
・被覆速度が≧5Å/sec 、好ましくは≧0.9Å/sec であるもの。
・被覆温度が≦150℃、好ましくは≦100℃、さらに好ましくは≦70℃であるもの。
【0032】
これらの好ましい態様は任意に組み合わせることができる。
【0033】
【実施例】
以上の説明に加えて、当業者にとってさらに必要と思われる範囲で本発明を以下に説明する。
【0034】
添付の図1は本発明の材料を製造すると共に本発明の方法を実施するための好ましい実施態様の1つを装置/機能ブロックダイヤグラムで図示したものである。
【0035】
本発明の材料は、例えばヨーロッパ特許出願公開第0347567号、米国特許第4863594号、ドイツ国特許出願公開第3700633号、米国特許第4693805号、米国特許第4692230号、またはヨーロッパ特許出願公開第0501016号各明細書に開示されているような磁場利用反応プラズマDCスパッタリング法によって製造される。
【0036】
好ましくは、本願出願人のヨーロッパ特許出願公開第0508359号明細書から公知のように、プロセス運転点が過渡モードにある製法を用いる。この製法、特に本願明細書に組込まれている製法に関しては、ヨーロッパ特許出願公開第0508399号明細書に詳細に記載されている。
【0037】
本発明の材料を本発明の方法で製造するための装置として、円筒状可動基板ケージ、及びDCスパッタリング源としての矩形の平坦なマグネトロンを含む、本願出願人のBAK760が今日使用されている。ヨーロッパ特許出願公開第0508359号明細書に記載されているように、プロセスはそれ自体は不安定な過渡モードにおいて制御によって安定化される。
【0038】
真空容器1へ開口する給気管3を介して、反応ガスまたは反応ガス混合物が広範囲に亘って導入される。好ましいTiO2 またはTa2 5 材料の場合には、酸素と例えばアルゴンが導入される。スパッタリング源として、図示したように磁場Bを利用するスパッタリング源5、例えばマグネトロンを設け、磁場Bがターゲットに対して固定または可動とする。被加工物9を被覆すべき反応生成物の金属相、即ち、好ましいTiO2 またはTa2 5 材料の場合なら好ましくは高含有率の純粋なTiまたはTaが磁場にスプレーされる。
【0039】
DC信号発生器11により、陰極として作用するスパッタリング源5と陽極7の間に発生するプラズマ放電PLが維持される。DC信号発生器11は、一実施例として破線で示すように、放電制御装置13を介して、電極7,5間に形成されるプラズマフィールドに作用することができる。制御入力Eを有する制御装置13(もし設けた場合)は、所定の繰返し頻度fr で端子を前記電極と持続して、極めて短い所定の時間τに亘って低抵抗で回路を閉じる。
【0040】
このτ及びfr はあらかじめ設定することができる。特にスパッタリング源5が絶縁性部分被覆を行う場合に起こり易いフラッシュオーバーや穴あき(Durchschlaegen) が発生してもこれを観察することができる。このようなフラッシュオーバーや穴あきの発生頻度及び/または強度はセンサ15によって検知され、図示するように比較装置17において所定の目標頻度及び/または目標強度と比較される。比較結果の大きさに応じて入力Eにおいて低抵抗接続の時間τ及び/または繰返し頻度fr が調整される。もし容器1内で過度に頻繁な及び/または過度に強い前記スパーク発生が起こる場合には、時間τ及び/または繰返し頻度fr を適当に高める。
【0041】
装置13の低抵抗接続により、絶縁層の、特にスパッタリング源5における帯電が抑制される。
【0042】
上記スパーク発生を制御量として検知する代わりに、(装置13を設けたとして)低抵抗接続時に装置13を流れる電流またはその動向を実測制御量として利用することもできる。
【0043】
ヨーロッパ特許出願公開第0508359号明細書に開示されているように、過渡モードにおいてプロセスが進行する装置で図示の装置13を設けずに下記材料を製造した。
・真空容器:99.99%の金属から成る5″×25″のターゲット、平坦なマグネトロン、Herasil (商品名)から成る回転基板を含み、ターゲット/基板間の間隔を7cmとした、拡散ポンプの作用下にある立方状の被覆装置。
【0044】
例1
TiO 2 (a) (b)
出力 10kW 6kW
Ar 圧 8×10-4mbar 8×10-4mbar
Ar 流量 70sccm 71sccm
2 分圧 1.5×10-4mbar 1.8×10-4mbar
2 流量 38.1sccm 28sccm
Ti 強度 20% 24%
ターゲット電圧 −595V −595V
(メタルモード)
ターゲット電圧 −560V −550V
(運転点)
被覆速度 1Å/sec 0.25Å/sec
【0045】
結果
光波長633nmについて
の屈折率 2.42 2.42
導波層としての厚さ 75.5nm 112nm
633nm、TM0 モード
における損失 0.77dB/cm 0.6dB/cm
基板温度 ≦70℃ ≦70℃
【0046】
例2
Ta 2 5
出力 6kW
Ar 圧 2×10-3mbar
r 流量 50sccm
2 分圧 8×10-4mbar
2 流量 50sccm
【0047】
結果
633nmにおける屈折率 2.11
導波層としての厚さ 91.8nm
633nm、TM0 モードにおける損失 0.7dB/cm
基板温度 ≦70℃
【0048】
例3
図示の装置13を使用してTiO2 を製造した。
出力 5kW
Ar 圧 3×10-3mbar
r 流量 38.23sccm
2 分圧 1.2×10-3mbar
2 流量 36sccm
Ti 強度 26%
ターゲット電圧 −630V
(メタルモード)
ターゲット電圧 −554V
(運転点)
サイクル周波数fr 43kHz
被覆速度 0.94Å/sce
結果
導波層としての厚さ 89.2nm
633nm、TM0 モードにおける損失 0.7dB/cm
以上に示した損失は最大限0.3dB/cmに最適化できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の材料を製造する装置の一実施例を示す装置/機能ブロックダイヤグラムである。
【符号の説明】
1…真空容器
3…給気管
5…スパッタリング源
7…陽極
9…被加工物
11…DC信号発生器
13…放電制御装置
15…センサ
17…比較装置

Claims (22)

  1. 被加工物とこの被加工物上の光導波膜とを備えた光導波路の製造方法であって、当該光導波膜が633nmの波長の光について当該膜に沿っての光損失が最大で15dB/cmの金属酸化物製であり、当該光導波膜を当該被加工物上への磁場利用の反応性DCスパッタリングにより被覆形成することを含む光導波路製造方法。
  2. 前記光導波膜を不安定な過渡モードのDCスパッタリングにより被覆形成し、そして当該過渡モードのDCスパッタリングを安定化させる工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記光導波膜を間歇式に行うDCスパッタリングにより被覆形成する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記スパッタリングを最高30kHzの周波数で間歇的に行うことを更に含む、請求項記載の方法。
  5. 間歇式の前記スパッタリングを最高20kHzの周波数で行う工程を更に含む、請求項記載の方法。
  6. 前記光導波膜をマグネトロンスパッタリングにより被覆形成する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  7. 前記光導波膜を、TiO2又はTa25をスパッタリングで被覆することにより被覆形成する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  8. 前記光損失が最大で4dB/cmの前記光導波膜を作る工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  9. TiO2膜を被覆する工程を更に含み、前記損失が最大1.5dB/cmである、又はTa25膜を被覆する工程を含み、前記損失が最大3dB/cmである、請求項1記載の方法。
  10. 光損失が最大で1.5dB/cmの前記膜を被覆形成することを更に含む、請求項1記載の方法。
  11. 光損失が最大で0.7dB/cmの前記膜を被覆形成することを更に含む、請求項1記載の方法。
  12. 前記スパッタリングのためのターゲットと対向電極との間にDC電流源を配置し、そして当該対向電極と当該ターゲットを低抵抗の電流路により間歇的に接続する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
  13. 前記膜の被覆形成の際の前記低抵抗の電流路を通る電流を観察することとアークを観察することの少なくとも一方で対照測定値を得て、この測定値を既定値と比較し、そしてこの比較の結果に応じて前記低抵抗の電流路を有効にする繰り返しの速度を調整することを含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記光導波膜を少なくとも0.5Å/secの速度で被覆形成する工程を含む、請求項1記載の方法。
  15. 前記速度が少なくとも0.9Å/secである、請求項14記載の方法。
  16. 前記光導波膜を上に被覆形成する前記被加工物を当該被覆形成の際に最高150℃の温度に保持することを更に含む、請求項1記載の方法。
  17. 前記温度が最高100℃である、請求項16記載の方法。
  18. 前記被加工物を前記膜の被覆形成の際最高70℃の温度にさらす、請求項1記載の方法。
  19. 前記光導波膜が低屈折率材料の少なくとも1つの光学膜と高屈折率材料の少なくとも1つの光学膜とを備えた光学多層系の膜であり、当該高屈折材料の膜を前記磁場利用の反応性スパッタリングにより被覆形成する、請求項1記載の方法。
  20. 前記光損失がTM単一モードにおいてのものである、請求項1記載の方法。
  21. 前記光損失がTM0モードについてのものである、請求項1記載の方法。
  22. 前記光導波膜が実質的に平坦である、請求項1記載の方法。
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