JP2000129427A - 透明導電積層体の製造方法 - Google Patents

透明導電積層体の製造方法

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JP2000129427A
JP2000129427A JP10297946A JP29794698A JP2000129427A JP 2000129427 A JP2000129427 A JP 2000129427A JP 10297946 A JP10297946 A JP 10297946A JP 29794698 A JP29794698 A JP 29794698A JP 2000129427 A JP2000129427 A JP 2000129427A
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oxygen
partial pressure
water
inert gas
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Hiroshi Hara
寛 原
Takeshi Sasaki
毅 佐々木
Seiji Tsuboi
誠治 坪井
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なエッチング特性を有する透明導電積層
体を与える製造方法を提供する。 【解決手段】 In−Sn−Oを主成分とするターゲッ
トを用いた、DCマグネトロンスパッタリング法による
透明導電積層体の製造方法において、不活性ガスと水分
を含む反応性ガスとからなる雰囲気における、不活性ガ
スに対する酸素と水分との合計分圧比が0.03〜0.
001の範囲であり、かつ水分の分圧に対する酸素の分
圧比が0〜10の範囲である雰囲気中で、含有する溶媒
量が5重量%以下である高分子フィルムの上に製膜する
ことを特徴とする透明導電積層体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電積層体の製
造方法に関し、特に高分子透明フィルムの上に透明導電
膜を設けてなるタイプの、エッチング特性が良好な透明
導電積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種表示素子或いは薄膜太陽電池の電極
部には、可視光線透過率が高く、低抵抗な特性を有する
透明導電膜が欠かせない。また、近年の携帯移動端末の
急激な小型化・軽量化に伴って、透明電極基板にも、よ
り軽量の部材が要求されている。そのため、基板材料と
しては、ガラスに比べてより軽量な透明高分子材料にI
n−Sn−Oを主成分とする膜(以下ITO膜と記す)
を積層した透明導電性フィルムが使用されつつある。
【0003】ITO膜をガラス及び/または高分子フィ
ルムに形成するためには、DCマグネトロンスパッタリ
ング、RFマグネトロンスパッタリング、真空蒸着法、
イオンプレーティング法が用いられている。現在は、I
TOターゲットをスパッタリングし、ITO膜を形成す
る方法が主流になっている。これは、スパッタリング法
が比較的容易に、比抵抗が低く平滑性の高い膜を形成す
ることができるためである。
【0004】高分子フィルム上に積層されたITO膜も
ガラス基板上に積層されたITO膜同様、電極として加
工される場合においては、エッチング処理を伴う。エッ
チング時における非晶部のエッチング速度は、結晶部の
エッチング速度に比して100倍程度速い(表面技術第
43巻40頁(1992年))ため、結晶部の多いIT
O膜では、エッチング後に結晶部が残渣として残ってし
まい、ITO膜のパターニング特性が悪いということが
明らかにされている。一方、液晶表示素子の大面積化・
高精細化に伴い、電極加工においては、線幅の細さが要
求されている。このためには、ITO膜の抵抗を低下さ
せることはもとより、エッチング加工特性に優れたIT
O膜が必要とされている。
【0005】スパッタリング法により成膜されたITO
膜の結晶部と非晶部は、成膜温度によっては、それらが
混在した状態となる。特に、成膜温度が200℃以下の
場合、その傾向は顕著になる。このように結晶部と非晶
部が混在したITO膜においてパターニング特性を向上
させるには、いかにしてITO膜に非晶部のみを形成す
るかという問題を内在している。また、そのための成膜
制御技術が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、結晶部を低減
した膜を形成するためには、成膜温度を室温乃至200
℃程度にするという方法が取られている。しかし、IT
O膜の結晶部の低減は、成膜温度の低温化によってのみ
実現されるとは限らない。低温成膜においても、結晶部
と非晶部が混在したITO膜が形成されてしまう。従っ
て、エッチング特性向上のためには、結晶部を極力低減
させる必要があり、それを実現するためには成膜温度の
制御のみでは対応できない。そこで、例えば混合ガスと
して不活性ガスに酸素及び水素を添加して結晶部を制御
するような手法が提案されている(特開平9−5071
2号公報)。しかしながら工業的なプロセスを考慮した
場合、爆発性の危険を伴う水素をプロセスに導入するこ
とは、安全の面から望ましいとは言い難い。また、比抵
抗を低減させるためではあるが、不活性ガスに酸素及び
水分を添加するという手法が提案されている(特開平2
−163363号公報)。しかし、雰囲気を制御すると
いう観点において、厳密性を欠いている。
【0007】そこで、本発明では、製膜雰囲気の制御及
び用いる高分子フィルムに主眼を置き、雰囲気制御を通
じてエッチング特性の優れた、即ち、膜中の結晶部を低
減したITO膜を製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明における高分子フ
ィルム上へのITO膜製造方法は、反応性ガスとして水
分及び酸素を不活性ガスに添加し、特定の高分子フィル
ム上に連続成膜することにより、ITO膜の結晶化度を
制御する方法を提供する。
【0009】すなわち本発明は、In−Sn−Oを主成
分とするターゲットを用いた、DCマグネトロンスパッ
タリング法による透明導電積層体の製造方法において、
不活性ガスと水分を含む反応性ガスとからなる雰囲気に
おける、不活性ガスに対する酸素と水分との合計分圧比
が0.03〜0.001の範囲であり、かつ水分の分圧
に対する酸素の分圧比が0〜10の範囲である雰囲気中
で、含有する溶媒量が5重量%以下である高分子フィル
ムの上に製膜することを特徴とする透明導電積層体の製
造方法である。
【0010】具体的には、反応ガスとして導入する水分
と酸素について、水分の分圧に対する酸素の分圧比を0
〜10の範囲内で所望の値となるように制御し、膜形成
を行うことを特徴としている。さらに、不活性ガスに対
する酸素及び水分の分圧比を0.03〜0.001の範
囲で所望の値となるように制御し膜形成を行うことを特
徴としている。さらにまた、フィルム中の含有溶媒量が
特定量以下の高分子フィルムを用いることを特徴として
いる。
【0011】より好ましい態様は、上記製膜時におい
て、背圧を5×10-5Torr以下とした後、水分を導
入し、ついで酸素及び不活性ガスを導入した雰囲気中で
製膜することを特徴とする上記透明導電積層体の製造方
法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、本発明者らは真
空装置における背圧すなわち製膜時の所望の雰囲気とす
る前の真空槽内の雰囲気圧力は、1.0×10-8Torr
程度までであれば、真空装置内の水分の分圧を意味して
いる点を見出した。つまり、背圧が5×10-5Torr
のときは、雰囲気中に予め水分を5×10-5Torr含
んだ状態であるということを意味している。従って、成
膜中のチャンバー内のガス種としては、不活性ガス(A
rなど)及び反応ガスとして導入している酸素、そして
水分が存在していると考えることができる。
【0013】発明者らは背圧が水分を意味することに着
目し、背圧のもたらす水分以外に、外部からも積極的に
反応ガス中に導入することを鋭意検討した結果、背圧、
酸素及び水分の分圧比を制御することで、ITO膜の結
晶部を任意に制御できることを明らかにした。
【0014】反応ガスとして酸素のみを用いた場合、形
成されたITO膜の結晶構造は、酸化インジウムのbi
xbite結晶サイトにおいて、部分的にSnが置換し
た状態にある。この中で、In或いはSnの入らないサ
イトが存在すると、そのサイトはOの静電的反発力によ
って、あたかも中心にIn或いはSnが存在しているよ
うに秩序性を保ってしまい結晶部が形成される。一方、
反応ガス中に水分を添加した場合、水はプラズマ中にて
水素と酸素に分解されていると考えられる。このうち、
酸素の効果は、反応がスとして添加している酸素と同様
であるが、水素は、In或いはSnの入るべきサイトに
入り込み、その電荷を緩和し、静電的反発力を抑制す
る。In或いはSnに比して原子半径の小さな水素が、
O間に入ることにより構造が乱れ、結晶部は抑制され
る。
【0015】本発明においては、反応性DCマグネトロ
ンスパッタリングにおいて形成されたITO膜の(22
2)面に由来するX線回折強度を計測することにより、
結晶部の量を評価した。
【0016】線回折強度はRigaku社製Rotaf
lex RU−300において、ブラッグ−ブレンター
ノの光学配置によって測定した。光源にはCuKα線
(波長:1.541Å)を50kV、200mAのパワ
ーで用い、発散スリット1°、受光スリット1°及び散
乱スリット0.15°を光学系として採用した。また、
グラファイトのモノクロメーターも使用した。ITO膜
の(222)面からの回折線は、CuKα線を使用した
場合、およそ30.5°(2θ)の位置に表われる。I
TO膜の(222)面からのX線回折強度は29〜32
°(2θ)の領域を0.02°刻みで観測し、1刻みあ
たり2秒をかけた。
【0017】こうして、得られたX線回折図形より求め
た(222)面からのX線回折強度を、そのITO膜の
膜厚で規格化し、1000Åあたりの強度に換算した値
をI222と定義した。
【0018】膜室の背圧は電離真空計にて測定を行っ
た。反応ガスは不活性ガスに酸素を混合したガスボンベ
(高千穂化学工業株式会社)から導入した。酸素の分圧
は、酸素と不活性ガスの混合比及びガス流量と排気速度
から計算して求めた。水分はあらかじめ減圧しておいた
水タンクより、バリアブルリークバルブ(アネルバ
(株)製)を通じて成膜室に直接導入した。水分の分圧
はバリアブルリークバルブの開口率に比例し、酸素と不
活性ガスを導入する直前に、電離真空計にて測定した。
【0019】真空槽に導入する不活性ガス分圧に対す
る、酸素ガス分圧と水分圧の和は0.03〜0.001
の範囲である。酸素ガス分圧と水分圧の和が不活性ガス
分圧に対して0.03を超えると、形成されるITO膜
の化学量論比を超える程度に酸素がITO膜中に供給さ
れる。その結果抵抗値が実用性を持たない値となってし
まう。一方、酸素ガス分圧と水分圧の和が不活性ガス分
圧に対して0.001を下回ると、形成されるITO膜
の透過率が著しく悪化してしまう。酸素ガス分圧と水分
圧の和が不活性ガス分圧に対して、0.03〜0.00
1の範囲であれば、エッチング特性以外の特性において
は、ITO膜の諸特性が著しく悪化することはない。よ
り好ましくは不活性ガス分圧に対する、酸素ガス分圧と
水分圧の和の比は0.02〜0.005の範囲である。
【0020】水分圧に対する酸素分圧が0〜10の範囲
に入っていれば、膜中に水に由来するプロトンが効率的
に取り込まれ、ITO膜の構造に乱れを生じさせ、全体
を非晶質とすることができる。水分圧に対する酸素分圧
が10を超えると、ITO膜が著しく結晶質となってし
まう。これに対して、水分圧に対する酸素分圧が0とい
うのは、ArのみでITO膜を形成することを意味して
いるが、水分のみの成膜においてでも、不活性ガス分圧
に対して、0.03〜0.001の範囲の分圧比であれ
ば、良好な膜質のITO膜を得ることができる。より好
ましくは水分圧に対する酸素分圧の比は0.02〜0.
005の範囲である。
【0021】高分子フィルムとしては、透明性に秀でて
いることが重要であり、例えばポリカーボネイト、ガラ
ス転移温度の高いポリカーボネイト、ポリエーテルスル
ホン、ポリアリレート等からなるフィルムが望ましい。
【0022】上記高分子フィルムは、溶融製膜法、溶液
製膜法等いずれの方法で製造されたものでよいが、溶液
法を用いると、残留溶媒としてかかる高分子フィルム中
に少量存在することができ、さらに得られるフィルムの
透明性が優れるので好ましい。かかる溶液法で用いる溶
媒としては、メチルクロライド、ジオキソラン等の沸点
が100℃以下の低沸点化合物を用いるのが好ましい。
かかる溶媒は、フィルム中に残留溶媒として存在する
が、本発明によれば、驚くべきことにかかる残留溶媒量
が5重量%以下である高分子フィルムを用いて、製膜中
の雰囲気を制御することにより、結晶性を制御し、透明
性とエッチング特性が良好な透明導電積層体を得ること
ができる。これらの溶媒は沸点が低いために10-3To
rr程度の圧力において高分子フィルム中から実質的に
すべて抜けるため、真空槽の到達真空度を5×10-5
orr以下にすることによって、最終的には十分に取り
除くことができるが、真空到達時間を遅延させ歩留まり
の向上の妨げにもなる。また溶媒量は5重量%より多い
と、エッチング特性が不十分となり、またITO膜とフ
ィルムとの界面における密着性にも影響を及ぼすことが
ある。さらに残留溶媒はより望ましくは0.1重量%以
下0.001重量%以上がよい。
【0023】本発明においては、高分子フィルムとして
は、ポリカーボネイトフィルムが特に好ましい。フィル
ムの膜厚としては0.01〜0.4mm、好ましくは
0.1〜0.4mmである。生産性を考慮すると、ポリ
カーボネイトは薄いものが望まれるが、実際の使用形態
より0.1mm程度のものが望ましい。また、0.4m
m程度の厚みであれば、連続成膜が可能であるので、シ
ート状の基板を必要とするときには、高分子基板の厚み
が0.4mmであっても構わない。
【0024】上記高分子フィルムの少なくとも片面には
少なくとも1層以上からなるコーティング層が設けてあ
っても良い。コーティング層は、ガスバリア性を向上さ
せるため、および/またはITOと高分子フィルムとの
接着性を向上させることを目的として設けるものであ
り、有機材料および/または無機材料を用いることがで
きる。
【0025】本発明によれば、比抵抗が1×10-3Ω・
cm以下で1×10-4Ω・cm以上の範囲にある電気的
特性のITO膜を得ることができる。そして、このよう
な電気的特性を持ったITO膜において、I222とし
ては0以上、1000以下程度を示すITO膜がエッチ
ング特性の観点より望ましいITO膜である。
【0026】本発明におけるエッチング特性は、水:濃
塩酸:40%FeCl3を81:8:7重量%で混合し
たエッチング液を30℃に加温し、その中にITO膜を
積層した試料を浸し、膜の除去を目視によって評価し
た。また、1分以内にITO膜が除去できることを、良
好なエッチング特性と呼ぶ。
【0027】DCマグネトロンスパッタリングに用いる
不活性ガスはArを用いるのが一般的であるが、Ne、
Kr、Xeを用いることもできる。
【0028】
【実施例】[実施例1]ITO膜は、巻き取り式DCマ
グネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒(メ
チレンクロライド)が0.1重量%で厚さが0.1mm
のポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−Oから
なり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲットに1
W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フィル
ムを導入した状態で、真空槽内の背圧は3.0×10-6
Torrであった。導入水分圧は真空ゲージにて読み取
ったところ2×10-5Torrであった。残留水分及び
導入した水分の分圧の和は2.3×10-5Torrとな
る。また、成膜中、水分は連続的に導入しつづけた。成
膜時の真空槽内の圧力は不活性ガス、水分、酸素の各分
圧の和であるが、真空ゲージで調べたところ3mTor
rであった。酸素Ar混合ボンベから供給した酸素ガス
の分圧は4.4×10-6Torrであった。フィルムの
搬送速度は、ITO膜厚が1300Å程度になるように
調整した。水分圧に対する酸素分圧の比が、0.2であ
る反応ガス組成であり、不活性ガス分圧に対する酸素ガ
ス及び水分の分圧和の比は0.01であった。この条件
で形成したITO膜のI222は370であった。ま
た、エッチング特性は良好であった。比抵抗は6.6×
10-4Ω・cmであった。
【0029】[実施例2]ITO膜は、巻き取り式DC
マグネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒
(メチレンクロライド)が0.1重量%で厚さが0.1
mmのポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−O
からなり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲット
に1W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フ
ィルムを導入した状態で、真空槽内の背圧は3.0×1
-6Torrであった。導入水分圧は真空ゲージにて読
み取ったところ2×10-6Torrであった。残留水分
及び導入した水分の分圧の和は5.0×10-6Torr
となる。また、成膜中、水分は連続的に導入しつづけ
た。成膜時の真空槽内の圧力は不活性ガス、水分、酸素
の各分圧の和であるが、真空ゲージで調べたところ3m
Torrであった。酸素Ar混合ボンベから供給した酸
素ガスの分圧は1.5×10-5Torrであった。基板
フィルムの搬送速度は、ITO膜厚が1300Å程度に
なるように調整した。水分圧に対する酸素分圧の比が、
3である反応ガス組成であり、不活性ガス分圧に対する
酸素ガス及び水分の分圧和の比は0.007であった。
この条件で形成したITO膜のI222は600であっ
た。また、エッチング特性は良好であった。比抵抗は
7.2×10-4Ω・cmであった。
【0030】[実施例3]ITO膜は、巻き取り式DC
マグネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒
(メチレンクロライド)が0.1重量%で厚さが0.1
mmのポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−O
からなり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲット
に1W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フ
ィルムを導入した状態で、真空槽内の背圧は1.0×1
-5Torrであった。水分は外部から導入はしなかっ
た。水分の分圧は1.0×10-5Torrとなる。成膜
中においても水分は導入しなかった。成膜時の真空槽内
の圧力は不活性ガス、水分、酸素の各分圧の和である
が、真空ゲージで調べたところ3mTorrであった。
酸素Ar混合ボンベから供給した酸素ガスの分圧は1.
5×10-5Torrであった。基板フィルムの搬送速度
は、ITO膜厚が1300Å程度になるように調整し
た。水分圧に対する酸素分圧の比が、1.5である反応
ガス組成であり、不活性ガス分圧に対する酸素ガス及び
水分の分圧和の比は0.008であった。この条件で形
成したITO膜のI222は300であった。また、エ
ッチング特性は良好であった。比抵抗は7.0×10-4
Ω・cmであった。
【0031】[実施例4]ITO膜は、巻き取り式DC
マグネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒
(メチレンクロライド)が0.5重量%で厚さが0.1
mmのポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−O
からなり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲット
に1W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フ
ィルムを導入した状態で、真空槽内の背圧は4.6×1
-6Torrであった。導入水分圧は真空ゲージにて読
み取ったところ1.3×10-6Torrであった。残留
水分及び導入した水分の分圧の和は5.9×10-6To
rrとなる。また、成膜中、水分は連続的に導入しつづ
けた。成膜時の真空槽内の圧力は不活性ガス、水分、酸
素の各分圧の和であるが、真空ゲージで調べたところ3
mTorrであった。酸素Ar混合ボンベから供給した
酸素ガスの分圧は1.8×10-5Torrであった。フ
ィルムの搬送速度は、ITO膜厚が1300Å程度にな
るように調整した。水分圧に対する酸素分圧の比が、3
である反応ガス組成であり、不活性ガス分圧に対する酸
素ガス及び水分の分圧和の比は0.008であった。こ
の条件で形成したITO膜のI222は390であっ
た。また、エッチング特性は良好であった。比抵抗は
6.2×10-4Ω・cmであった。残留溶媒による膜の剥
離は起こらなかった。
【0032】[比較例1]ITO膜は、巻き取り式DC
マグネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒
(メチレンクロライド)が0.1重量%で厚さが0.1
mmのポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−O
からなり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲット
に1W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フ
ィルムを導入した状態で、真空槽内の背圧は3.0×1
-6Torrであった。水分は外部から導入しなかっ
た。残留水分の分圧は3.0×10-6Torrとなる。
成膜中においても水分は導入しなかった。成膜時の真空
槽内の圧力は不活性ガス、水分、酸素の各分圧の和であ
るが、真空ゲージで調べたところ3mTorrであっ
た。酸素Ar混合ボンベから供給した酸素ガスの分圧は
3.8×10-5Torrであった。基板フィルムの搬送
速度は、ITO膜厚が1300Å程度になるように調整
した。水分圧に対する酸素分圧の比が、13である反応
ガス組成であり、不活性ガス分圧に対する酸素ガス及び
水分の分圧和の比は0.01であった。この条件で形成
したITO膜のI222は1090であった。エッチン
グ特性は良好でなかった。比抵抗は1.5×10-3Ω・
cmであった。エッチングの観点からも、比抵抗の観点
からも好ましい膜は形成できなかった。
【0033】[比較例2]ITO膜は、巻き取り式DC
マグネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒
(メチレンクロライド)が0.1重量%で厚さが0.1
mmのポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−O
からなり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲット
に1W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フ
ィルムを導入した状態で、真空槽内の背圧は6.0×1
-5Torrであった。水分の分圧は6.0×10-5
orrとなる。成膜中においても水分は導入しなかっ
た。成膜時の真空槽内の圧力は不活性ガス、水分、酸素
の各分圧の和であるが、真空ゲージで調べたところ3m
Torrであった。酸素Ar混合ボンベから供給した酸
素ガスの分圧は3.8×10-5Torrであった。基板
フィルムの搬送速度は、ITO膜厚が1300Å程度に
なるように調整した。水分圧に対する酸素分圧の比が、
0.6である反応ガス組成であり、不活性ガス分圧に対
する酸素ガス及び水分の分圧和の比は0.04であっ
た。この条件で形成したITO膜のI222は0であっ
た。エッチング特性は良好であった。しかし、比抵抗値
は2.5×10-3Ω・cmとなってしまい実用性を喪失
した。
【0034】[比較例3]ITO膜は、巻き取り式DC
マグネトロンスパッタリング装置において、残留溶媒メ
チレンクロライド)が7.5重量%で厚さが0.1mm
のポリカーボネイトフィルム上に、In−Sn−Oから
なり、Snの酸化物を5重量%含む焼結ターゲットに1
W/cm2の直流電力を投じることで形成した。フィル
ムを導入した状態で、真空槽内の背圧は3.0×10-6
Torrであった。導入水分圧は真空ゲージにて読み取
ったところ2.0×10-5Torrであった。残留水分
及び導入した水分の分圧の和は2.3×10-6Torr
となる。また、成膜中、水分は連続的に導入しつづけ
た。成膜時の真空槽内の圧力は不活性ガス、水分、酸素
の各分圧の和であるが、真空ゲージで調べたところ3m
Torrであった。酸素Ar混合ボンベから供給した酸
素ガスの分圧は4.4×10-6Torrであった。基板
フィルムの搬送速度は、ITO膜厚が1300Å程度に
なるように調整した。水分圧に対する酸素分圧の比が、
0.2である反応ガス組成であり、不活性ガス分圧に対
する酸素ガス及び水分の分圧和の比は0.01であっ
た。この条件で形成したITO膜のI222は300で
あった。比抵抗は7.5×10-4Ω・cmであった。しか
し、真空槽内の背圧が3.0×10−6Torrに到達
するために、実施例1に比較して5倍程度の時間がかか
り、排気系への負荷が非常に大きくなる。さらに、密着
性が悪く剥離が容易に起こってしまい、実用上不適であ
った。エッチング特性は十分ではなかった。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、不活性ガ
スに、反応ガスとして水分と必要に応じて酸素とを用
い、それらの分圧比を0〜10の範囲で制御することに
より、I222を1000以下に制御することができ
る。また、本発明により形成したITO膜は良好なエッ
チング特性を有する。このように得られた透明導電積層
体は、液晶表示装置用、タッチパネル用等の透明電極基
板に特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 誠治 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 谷田部 俊明 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 4K029 AA11 AA25 BA50 BC09 CA06 DC05 DC34 DC39 EA01 EA03 EA05 5F051 BA15 CB15 CB27 CB29 FA04 GA05 5G323 BA02 BB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 In−Sn−Oを主成分とするターゲッ
    トを用いた、DCマグネトロンスパッタリング法による
    透明導電積層体の製造方法において、不活性ガスと水分
    を含む反応性ガスとからなる雰囲気における、不活性ガ
    スに対する酸素と水分との合計分圧比が0.03〜0.
    001の範囲であり、かつ水分の分圧に対する酸素の分
    圧比が0〜10の範囲である雰囲気中で、含有する溶媒
    量が5重量%以下である高分子フィルムの上に製膜する
    ことを特徴とする透明導電積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 背圧を5×10-5Torr以下とした
    後、水分を導入し、ついで酸素及び不活性ガスを導入し
    た雰囲気中で製膜することを特徴とする請求項1記載の
    透明導電積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 雰囲気中に存在する水分は、製膜中随時
    添加されることを特徴とする請求項1または2記載の透
    明導電積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 高分子フィルムは、溶液製膜法により製
    造されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の透
    明導電積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 高分子フィルムの膜厚が0.4mm以下
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の透明導電積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 高分子フィルムの少なくとも片面に少な
    くとも1層以上のコーティング層が設けられていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電
    積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 コーティング層が有機材料及び/または
    無機材料からなる請求項6に記載の透明導電積層体の製
    造方法。
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