JP3501820B2 - 屈曲性に優れた透明導電性フィルム - Google Patents

屈曲性に優れた透明導電性フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明フィルム基板上に
透明な無機系の酸素及び水蒸気バリヤー性薄膜を形成
し、更に、該バリヤー性薄膜の上に透明導電性薄膜を形
成した、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性、屈曲耐久
性、導電性および透明性の良好な透明導電性フィルムに
関する。尚、本発明において、バリヤー性という用語
は、酸素(ガス)バリヤー性及び水蒸気バリヤー性の両
方を含むものとして使用される。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス技術の急速な進歩にと
もない透明電極の特性の向上が急務となっている。特に
液晶表示素子、太陽電池用光電変換素子などへの応用が
進んでいる。これらに用いる透明電極は、一般にガラス
基板上に形成される。ガラス基板上に形成されたものの
例として、たとえば酸化錫などを薄膜加工したネサガラ
ス、酸化インジウムと酸化錫の混合物(ITO)の薄膜
を形成したITOガラス、硫化カドミニウムあるいは、
金・銀などの導電性金属薄膜を形成した導電性ガラスな
どが知られている。しかしながら基板として用いるガラ
スには、衝撃に弱い、重い、可撓性がない、大面積化が
しにくい、などの欠点があり、それらの欠点を補う意味
でプラスチックフィルムを基板とする透明導電性フィル
ムも製造されている。プラスチックフィルムは、耐衝撃
性、可撓性、軽量、大面積化のしやすさ、加工性の良さ
などの利点を有しており、プラスチックフィルムを基板
とする透明導電性フィルムは、現在でも液晶表示素子、
タッチパネル、帯電防止フィルム、赤外線反射膜などに
用いられている。
【0003】現在、透明導電性フィルムに用いられてい
る導電性薄膜は、導電性と透明性の双方に優れ、しかも
パターン加工が容易であるITO薄膜が主流であり、こ
の透明導電性薄膜はエレクトロニクス表示デバイス分野
で広く利用されている。前記ITO薄膜をプラスチック
フィルム基板上に形成する方法としては、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などが知ら
れており、これらのうちでは、フィルムへの密着性がよ
い、膜の均一性がよい、膜質のコントロールが容易であ
る、生産性がよい、などの理由から、マグネトロンスパ
ッタリング法が多く利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単一のプラス
チックフィルム基材ではガスバリヤー性、水蒸気バリヤ
ー性、耐溶剤性などの諸特性を同時に満足するものは得
られない。そのため、フィルム基材に対し下塗や表面処
理を施し複合化することが多い。複合化に当たっては、
コーティング、スパッタリングなどの公知の方法を用い
れば良いが、従来は溶液コーティングによる複合化が広
く用いられていた。しかし、溶液コーティングによる複
合化では、コーティング材料の制約上、十分なバリヤー
性が得られない。特に液晶表示素子用途の基板として
は、その特性上、高度なガスバリヤー性や表面平滑性が
要求される。そのため、真空薄膜形成により、無機系材
料からなるガスバリヤー薄膜を用いることも知られてい
るが、透明導電層と一体化した場合、透明導電性フィル
ムの屈曲耐久性が充分でなく、取扱い時に欠陥が生じ、
実用に耐えるものは提案されていない。本発明は、透明
プラスチック基板上に酸素及び水蒸気に対して実質的に
不透過性を有する透明な無機系バリヤー層、および透明
導電層からなり、機械的耐久性に優れたバリヤー性を有
する透明導電性フィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記実状に
鑑み前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、バリ
ヤー層および透明導電層のスパッタリング法による成膜
条件を制御することにより、バリヤー性、導電性、透明
性に優れ、かつ屈曲耐久性が十分な透明導電性フィルム
が得られることを見いだし、本発明に到達した。すなわ
ち本発明は、厚みが20〜200μmである透明フィル
ム基板上に、珪素酸化物を主体とする金属酸化物及び/
又は珪素窒化物を主体とする金属窒化物からなり酸素及
び水蒸気に対して実質的に不透過性を有する透明な無機
系バリヤー性薄膜を5〜100nmの厚みで形成し、更
に、該バリヤー性薄膜の上にインジウム酸化物を主体と
する金属酸化物である透明導電性薄膜を20〜400nm
の厚みで形成してなり、透明導電性フィルムを20mmφ
のステンレス丸棒に50回数巻き付ける屈曲試験後の酸
素透過度が5cc/m2/day 以下、水蒸気透過度が5g/
m2/day 以下であることを特徴とする透明導電性フィル
ムを内容とするものである。
【0006】本発明において、透明フィルム基板として
は、好ましくは厚さ20〜200μm程度、より好まし
くは75〜125μm程度で、光線透過率が好ましくは
85%以上、より好ましくは90%以上の表面の平滑性
が良好なプラスチックフィルムが用いられる。基板の厚
さが20〜200μmの範囲内の場合には、光線透過率
が85%以上で表面の平滑性が良好でフィルム厚みの均
一な透明性フィルムが得られやすい。また基板の光線透
過率が90%程度以上の場合には、透明導電性フィルム
の透明度も良好となり、かつ薄膜の表面性も良好とな
り、エッチングなどの微細加工性も向上する。
【0007】プラスチックフィルムは、単一の基材から
のフィルムに限定されるものではなく、付着強度の改
善、バリヤー性の向上、耐溶剤性の改善などの目的で、
各種コーティングや表面処理を施した複合フィルムであ
ってもよい。複合化にあたっては、コーティング、スパ
ッタリングなどの公知の方法を用いれば良い。フィルム
を形成する基材のプラスチックとしては、たとえばポリ
アリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポ
リカーボネート(PC)等の芳香属系ポリエステル、ポ
リエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン、ポ
リアミド、セルローストリアセテート(TAC)などが
挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用い
られるが、これらに限定されるものでなく、透明性プラ
スチック材料が広く利用可能である。前記プラスチック
の中では、透明性・耐熱性に優れたポリアリレート及び
/又はポリカーボネートが好ましく、特に液晶表示素子
の用途に使用するのに好ましい。これら、プラスチック
フィルム基板の形成方法としては、通常のフィルム成型
方法を広く用いることができるが、表面平滑性及び光学
的等方性の点で、溶液キャスティング法が好適である。
【0008】本発明における透明な無機系のバリヤー性
薄膜としては、珪素酸化物を主体とする金属酸化物また
は珪素窒化物を主体とする金属窒化物のバリヤー性薄膜
が好ましく、その厚さは5〜100nm程度、好ましくは
20〜60nm程度で、酸素バリヤー性が5cc/m2/day
以下、好ましくは3cc/m2/day 以下、より好ましくは
1cc/m2/day 以下、水蒸気バリヤー性が5g/m2/da
y 以下、好ましくは3g/m2/day 以下、より好ましく
は1g/m2/day 以下のものである。該バリヤー性薄膜
は、透明フィルムの片面あるいは両面に形成される。ま
た、無機系材料からなるため、耐熱性が高く、ポリアリ
レート等の高耐熱性プラスチック基材を用いた場合、従
来の、溶液コーティング法等により得られる有機材料系
バリヤー性薄膜と比較し、透明導電性フィルムは170
℃を越す高い耐熱性を有しており、液晶組立工程におい
て要求される耐熱安定性を充分満足することができる。
【0009】前記の珪素酸化物を主体とした金属酸化物
または珪素窒化物を主体とした金属窒化物としては、二
酸化珪素あるいはこれを主成分として含み、一酸化珪
素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物の1種以上を含
む化合物、または窒化珪素、あるいはこれを主成分とし
て含み、窒化アルミニウムなどの金属窒化物の1種以上
を含む化合物が好ましく、具体例としては、例えばSi
x 、SiAlNなどが挙げられる。前記珪素酸化物を
主体とした金属酸化物または珪素窒化物を主体とした金
属窒化物のうちでもSiOx 、特にxの値が1.3〜
1.8、好ましくは1.5となるものが、透明性、酸素
および水蒸気バリヤー性を維持しつつ、屈曲耐久性を発
現することから好ましい。
【0010】本発明における透明導電性薄膜としては、
インジウム酸化物を主体とする金属酸化物が好ましい。
透明導電性薄膜の厚さは20〜400nm程度、好ましく
は50〜200nm程度、より好ましくは60〜150nm
程度、光線透過率は好ましくは80%以上、より好まし
くは85%以上、シート抵抗は好ましくは100Ω/□
以下、より好ましくは50Ω/□以下で膜厚分布の均一
なものが用いられる。透明導電性薄膜の厚さが60〜1
50nm程度の範囲内の場合には、シート抵抗および光線
透過率の双方を目的の範囲内にコントロールしやすい。
また、透明導電性薄膜の光線透過率が85%程度以上の
場合には、透明導電性フィルムの透明性も良好にしう
る。
【0011】前記インジウム酸化物を主体とする金属酸
化物としては、酸化インジウムまたはこれを主成分、具
体的には80%(重量%、以下同様)以上、さらには9
0〜95%含み、酸化スズ、酸化カドミウムなどの他の
金属酸化物の1種以上を20%以下、さらには5〜10
%含む化合物が好ましく、具体例としては、例えばIT
O、Cdln2 4 などが挙げられる。前記インジウム
酸化物を主体とした金属酸化物のうちでもITO、とく
に金属換算でスズが10%以下、好ましくは5〜10%
のものが、高い透明性を維持しつつシート抵抗を下げる
点から好ましい。
【0012】つぎに、本発明の透明導電性フィルム製造
法の一例について説明する。本発明の透明導電性フィル
ムは、マグネトロンスパッタリング法によって製造する
のが好ましい。成膜に使用するターゲットとしては、透
明な無機系バリヤー性薄膜の場合は、前述のように珪素
酸化物を主体として酸化アルミニウムなどの他の金属酸
化物または珪素窒化物を主体として窒化アルミニウムの
ような金属窒化物の混合焼結体が用いられる。特に二酸
化珪素と一酸化珪素の複合酸化物焼結体を用いるのが望
ましい。透明導電薄膜用には、酸化インジウムまたはこ
れを主成分として酸化スズなどの他の金属酸化物を含む
複合酸化物焼結体が用いられる。特にITOの焼結体を
用いるのが望ましい。ITOの酸化インジウムと酸化ス
ズの比率としては、前述のように、金属換算でスズが1
0%以下のものが望ましい。
【0013】スパッタリング時のガス組成としては、ア
ルゴンなどの不活性ガスまたはこれを主成分として酸
素、水素などを加えたものが用いられる。総ガス圧とし
ては、バリヤー性薄膜には1×10-3〜3×10-3Torr
の範囲で行うのが望ましい。これよりも低い場合は放電
が不安定になるし、これよりも高い場合は十分なガスバ
リヤー性を示さない。透明導電性薄膜には、3×10-3
〜9×10-3Torrの範囲が望ましい。これよりも低い場
合は透明導電性薄膜の内部応力が大きくなり透明導電性
薄膜の反りが大きくなり、屈曲に対する耐久性や付着力
が低下し、セル組立工程において剥離・ひび割れを起こ
し易く、一方これよりも高い場合はシート抵抗が極めて
悪化するため実用的でない。ガス比率としては、たとえ
ばITO薄膜の場合、酸素分圧を総ガス圧の0.5〜5
%の間でコントロールするのが望ましい。
【0014】使用する電源は、バリヤー性薄膜の場合は
ターゲットの物性からRFが望ましく、透明導電性薄膜
の場合は生産性の観点からDCが望ましい。スパッタリ
ングは上記の各条件を勘案しつつ、ターゲットへの投入
電力などをコントロールすることにより行う。バリヤー
性薄膜の場合は、RF1〜4W/cm2 程度の電力密度、
最大水平磁束密度を400ガウス以上で成膜することが
望ましい。この範囲をはずれると、不十分な屈曲耐久性
しか得られず、また、ターゲットの冷却不足によるター
ゲットの破損等が起こる。バリヤー性薄膜の厚みは前記
の如く5〜100nm、好ましくは20〜60nmとする。
透明導電性薄膜の場合はDC0.1〜2W/cm2 程度で
成膜することが望ましく、さらには1.2W/cm2 以下
で成膜するのが望ましい。2W/cm2 を越えると透明導
電性薄膜の内部応力が増大し、付着力が低下し、剥離等
を起こし易く、一方下限は生産性を考慮して決められる
べきである。透明導電性薄膜の厚みは前記の如く20〜
400nm、好ましくは50〜200nm、より好ましくは
60〜150nmとする。厚いほど電気抵抗は低下し好ま
しいが、折り曲げ時にクラック等を引き起こし易く、透
明導電性フィルムの信頼性を低下させる。
【0015】このように、本発明の透明導電性フィルム
は、バリヤー性薄膜と透明導電性薄膜の成膜条件を総合
的に、特にバリヤー性薄膜の成膜条件をコントロールす
ることにより、透明性、電気電導性、バリヤー性を有
し、かつ、屈曲耐久性に優れた透明導電性フィルムを得
ることができる。また、透明フィルム基板を使用してい
るため、耐衝撃性、軽量、可撓性、大面積化のしやす
さ、加工性の良さなどの特徴を有する。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の評価は下記の方法により行った。 〔酸素バリヤー性〕透明導電性薄膜をエッチングにより
除去したフィルムを、米国モダンコントロール社製OX
−TRAN100を用いて測定し、cc/m2/day の単位
で表示した。 〔水蒸気バリヤー性〕透明導電性薄膜をエッチングによ
り除去したフィルムを、防湿包装材料の透湿度試験方法
(カップ法)JIS−Z−0208に基づいて測定し
た。 〔シート抵抗〕四探針抵抗率測定法に準じて測定した。 〔光線透過率〕空気をリファレンスとして波長550nm
でのフィルム基板を含めた透過率を100分率で表し
た。 〔屈曲試験〕透明導電性フィルムを20mmφのステンレ
ス丸棒に50回数巻き付けた後、特性の変化を測定す
る。
【0017】実施例1 基板として125μmのポリアリレート透明フィルムを
使用し、直径6インチのターゲットを2台備えたマグネ
トロンスパッタ機(島津製作所株式会社製HSM−72
0型)を用いて順次透明な無機系バリヤー性薄膜、透明
導電性薄膜をフィルム上に形成した。バリヤー性薄膜用
ターゲットとしてSiO1.5 、透明導電性薄膜用ターゲ
ットとして酸化スズ比10%のITO、スパッタガスと
してバリヤー性薄膜はアルゴンのみで総ガス圧1.0mT
orr 、ガス流量10sccm、透明導電性薄膜ではアルゴン
に酸素を1%加えたもので総ガス圧7mTorr 、ガス流量
20sccm、パワー条件としてバリヤー性薄膜はRF40
0W(2.35W/cm2 )、最大水平磁束密度500ガ
ウス、透明導電性薄膜はDC0.6A、250V(0.
88W/cm2 )となるようにして成膜を行った。バリヤ
ー性薄膜は1.5分処理し厚さ30nm、透明導電性薄膜
は3分処理し厚さ100nmの透明導電性フィルムを得
た。この透明導電性フィルムは、シート抵抗74Ω/
□、光線透過率79%を示し、酸素及び水蒸気バリヤー
性は、それぞれ0.50cc/m2/day 、0.60g /m2
/day であった。また、屈曲試験を行った後に酸素及び
水蒸気に対するバリヤー性を測定したところ、それぞれ
0.61cc/m2/day 、0.58g/m2/dayであっ
た。更に、この透明導電性フィルムを180℃において
3時間加熱した後、同様にして酸素及び水蒸気のバリヤ
ー性を測定したところ、全く劣化は認められなかった。
【0018】比較例1 基板フィルムとして厚さ125μmのポリアリレート透
明フィルムを使用し、その上にエチレン−酢酸ビニル共
重合体(商品名エバール)を厚さ10μmになるように
塗布して有機物のバリヤー層を形成した後、実施例1と
同様の成膜条件にてITOを成膜し、有機系ガスバリヤ
ー膜付透明導電性フィルムを作成した。この透明導電性
フィルムはシート抵抗55Ω/□、光線透過率78%を
示すものの、酸素及び水蒸気のバリヤー性はそれぞれ4
4cc/m2/day 、16g /m2/day であった。屈曲試験
後の酸素及び水蒸気バリヤー性はそれぞれ45cc/m2
day 、19g/m2/day を示し、実施例1の無機系のバ
リヤー性薄膜に比べて大きく劣っていた。また、この透
明導電性フィルムを180℃にて加熱したところ、1分
程度の極めて短時間で有機バリヤー層が着色・発泡しI
TO層ごと基板から剥離し、後の測定はできなかった。
【0019】実施例2 200×700mm2 のターゲット2台を備えたマグネト
ロンスパッタリング装置(島津製作所株式会社製SLC
−15S型)を使用して、バリヤー性薄膜付透明導電性
フィルムを作成した。基板として125μmポリアリレ
ート透明フィルム、バリヤー性薄膜用ターゲットとして
SiO1.5 、透明導電性薄膜用ターゲットとして酸化ス
ズ比10%のITO、スパッタガスとしてバリヤー性薄
膜はアルゴンのみで総ガス圧1.4mTorr 、ガス流量1
00sccm、透明導電性薄膜ではアルゴンに酸素を1%加
えたもので総ガス圧5mTorr 、ガス流量50sccm、パワ
ー条件としてバリヤー性薄膜はRF1000W(1.1
1W/cm2 )、透明導電性薄膜はDC0.5A、300
V(0.17W/cm2 )となるようにして成膜を行っ
た。バリヤー性薄膜は7.5分処理し、厚さ40nm、透
明導電性薄膜は30分処理し、厚さ100nmの透明導電
性フィルムを得た。バリヤー性薄膜の成膜パワーを上げ
て成膜することにより、シート抵抗50Ω/□、光線透
過率80%、酸素及び水蒸気バリヤー性は、それぞれ
0.43cc/m2/day 、0.25g /m2/day であっ
た。また屈曲試験後の酸素及び水蒸気バリヤー性はそれ
ぞれ0.52cc/m2/day 、0.30g/m2/day であ
った。
【発明の効果】叙上のとおり、本発明の透明導電性フィ
ルムは良好な導電性及び透明性とともに、優れた屈曲耐
久性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 13/00 503 H01B 13/00 503B (56)参考文献 特開 昭63−108614(JP,A) 特開 平1−188660(JP,A) 特開 平4−306513(JP,A) 実開 昭62−136562(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 5/14 B32B 7/02 104 B32B 9/00 C01G 15/00 C23C 14/08 H01B 13/00 503

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが20〜200μmである透明フィ
    ルム基板上に、珪素酸化物を主体とする金属酸化物及び
    /又は珪素窒化物を主体とする金属窒化物からなり酸素
    及び水蒸気に対して実質的に不透過性を有する透明な無
    機系バリヤー性薄膜を5〜100nmの厚みで形成し、更
    に、該バリヤー性薄膜の上にインジウム酸化物を主体と
    する金属酸化物である透明導電性薄膜を20〜400nm
    の厚みで形成してなり、透明導電性フィルムを20mmφ
    のステンレス丸棒に50回数巻き付ける屈曲試験後の酸
    素透過度が5cc/m2/day 以下、水蒸気透過度が5g/
    m2/day 以下であることを特徴とする透明導電性フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 透明導電性薄膜のシート抵抗値が100
    Ω/□以下であり、かつ透明フィルム基板及び透明な無
    機系バリヤー性薄膜を含めた光線透過率が75%以上で
    ある請求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 透明フィルム基板が芳香族系ポリエステ
    ルである請求項1又は2記載の透明導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 透明フィルム基板が、芳香族系ポリアリ
    レート及び/又はポリカーボネートである請求項1又は
    2記載の透明導電性フィルム。
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