JP2000045063A - 透明導電薄膜付きフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

透明導電薄膜付きフィルムおよびその製造方法

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誠治 坪井
Kazuo Hachiman
一雄 八幡
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子フィルム上に透明導電薄膜を形成する
に当たり、膜応力が低く透明導電薄膜付きフィルムとし
たときのカールが小さくなるような透明導電薄膜付きフ
ィルム、及び透明導電薄膜付きフィルムの製造方法を提
供する。 【解決手段】 高分子フィルム上に透明導電薄膜を形成
するに当たり、主たる金属元素含有量が同一である透明
導電薄膜を複数回積層して所望の膜厚を得ることによっ
てカールが小さい透明導電薄膜付きフィルムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子フィルム基
板上の透明導電薄膜の製造方法に関し、さらに詳しくは
高分子フィルム基板上に主としてインジウム酸化物から
なる透明導電薄膜を形成してなる透明導電薄膜付きフィ
ルムおよびその製造方法に関する。この透明導電薄膜付
きフィルムの応用例としては液晶表示用基板、タッチパ
ネル、電子写真、帯電防止材料、面発熱体、固体ディス
プレイ、太陽エネルギ−用材料などの幅広い用途があ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタリング法によって得られ
るITO(In−Sn−O)膜は、高導電性、高透明性
の特性を活かし、液晶ディスプレイ、タッチパネル等の
電極材料として広く用いられている。近年、成膜速度の
制御性、形成された薄膜の均一性等の点から、製造ライ
ンではDC マグネトロンスパッタリング法がその製造
法として一般的となっている。特に最近の薄膜形成技術
の進歩は目覚しく、耐熱性のあまりない高分子フィルム
基板上に透明導電薄膜を形成できるようになった。中で
もスパッタリング法は、長時間にわたって成膜が可能、
長時間膜形成を行っても組成がずれない、広幅化が容易
などの特徴を有し、最も利用されている技術の一つであ
る。そこで、本発明者等も、スパッタリング法で高分子
フィルム基板上にITO膜を形成しその実用性を評価し
た。しかし、ITM(In−SnMetal)またはI
TOターゲットを使用してDCマグネトロンスパッタリ
ング法により高分子フィルム上に連続成膜した場合に
は、成膜時間が長くなるに従って作製した透明導電薄膜
付きフィルムの変形が激しくなるなどの問題があった。
【0003】この透明導電薄膜付きフィルムの変形につ
いて説明する。高分子フィルム自身は平坦であるが、フ
ィルム上に薄膜を堆積するとその薄膜の応力によって透
明導電薄膜付きフィルム自身が変形してしまうことが知
られている。この変形を一般的にカールと称する。カー
ルを抑制するためには堆積する薄膜の応力を低減しなけ
ればならない。従来の技術としてこの膜応力を低減する
手法としては、成膜圧力をできるだけ高くして、作製さ
れる薄膜の密度を疎にする方法がある。その様な薄膜は
膜質が疎であるために膜応力は若干低下して、透明導電
薄膜付きフィルムの変形は抑制される。しかし、成膜条
件によっては圧力を高くしてもその効果が発揮されない
ことがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子フィ
ルム上に連続成膜した場合に、膜応力が低く透明導電薄
膜付きフィルムとしたときのカールが小さくなるような
透明導電薄膜及びその製造方法を提案する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、主としてスパ
ッタリング法による透明導電薄膜の製造方法において、
高分子フィルム上に透明導電薄膜を形成するに当たり、
主たる金属元素含有量が同一である透明導電薄膜を複数
回積層して目的の膜厚を得ることによってカールが小さ
い透明導電薄膜付きフィルムを得る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の方法には、主にスパッタリング法が使用
される。主としてインジウム酸化物を含む層を形成する
スパッタリング法には、インジウムを主成分とする合
金、または酸化インジウムを主成分とする焼結体をター
ゲットとして用いることができる。前者はアルゴンなど
の不活性ガスおよび酸素ガスなどの反応性ガスを真空槽
内に導入して、反応性スパッタリングを行う。後者にお
いては、アルゴンなどの不活性ガス単独かあるいはアル
ゴンなどの不活性ガスに微意量の酸素ガスなどの反応性
ガスを混合したものを用いてスパッタリングを行う。ス
パッタリングの方式は、直流または高周波二極スパッタ
リング、直流または高周波マグネトロンスパッタリン
グ、イオンビームスパッタなど公知の方式が適用でき
る。中でもマグネトロン方式は基板へのプラズマ衝撃が
少なく、高速成膜が可能であり好ましい。
【0007】また、スパッタリング装置としてはその生
産性からロールツーロール方式を用いることが好まし
い。
【0008】本発明者等は主たる金属元素含有量が同一
である透明導電薄膜を複数回積層して目的の膜厚を得る
ことによって薄膜の応力を低減できることを見出した。
そこで高分子フィルム上に主としてインジウム酸化物か
らなる透明導電薄膜を形成してなる透明導電薄膜付きフ
ィルムの製造方法において、従来、ロールツーロール方
式では、放電電力密度とフィルム搬送スピードを調節し
て一回の搬送で目的の膜厚の透明導電薄膜を形成してい
る。そこで本発明者等は、同じ放電電力密度下でフィル
ム搬送スピードを変化させるまたは、同じフィルム搬送
スピードで、かつフィルムの搬送方向を反転させる又は
複数のターゲットを設けて、複数回に分けて積層するこ
とにより透明導電薄膜を形成した。こうして作製された
積層膜は、同じ膜厚であっても一回の搬送で目的の膜厚
を得た単層膜よりも膜応力が低く透明導電薄膜付きフィ
ルムとした時のカールが小さい結果となった。
【0009】ここで複数回とは2回以上であるが、3回
以上の積層の方が所望の膜厚を得るための各層の厚さを
少なくできるため、カールの低減の効果は大きい。また
実質的な上限は10回以下である。
【0010】また、本発明の透明導電薄膜を複数回積層
して形成した積層膜の1層が最終的に得られる膜厚の5
0%以下であることが好ましい。つまり、1層の膜厚が
最終的に得られる膜厚の50%を超える、例えば最終的
に得られる膜厚の80%、10%、10%で3層積層し
た場合、最終的に得られる膜厚の80%を占める層の膜
応力が支配的になるためにあまりカールの低減の効果は
ない。
【0011】またそれぞれの層の厚みは同一である必要
はなく、それぞれの層の厚みが異なる場合のそれぞれの
積層順はそれほど重要ではない。
【0012】本発明の積層による透明導電積層薄膜の製
造方法は、一つのターゲットを用いて透明導電層を形成
させる場合は1回透明導電層を形成させてから巻き取
り、続いてフィルムの搬送方向を反転させ次の透明導電
層を形成させる。1層目の透明導電層を形成させてか
ら、続いて2層目、さらには3層目の透明導電層を形成
させる操作は、連続して行われるか、あるいは一端巻き
取ったロールを改めて別の装置や、別の日時に積層する
ことも可能である。
【0013】また生産効率を考えると一つのターゲット
を用いてフィルム搬送方向を反転させるよりも、ターゲ
ットを複数にして一回のフィルム搬送で作製する方が好
ましい。このように複数のターゲットを用いて連続して
透明導電層の複数層を形成させても同様に膜応力が低く
カールを低減したフィルムを得ることができる。
【0014】本発明に用いられる透明導電薄膜は、主と
してインジウム酸化物を含む層である。インジウム酸化
物は本来透明な電気絶縁体であるが、微量の不純物を
含有する場合、わずかに酸素不足になっている場合な
どに半導体になる。好ましい半導体金属酸化物として
は、例えば不純物としてスズまたはフッ素を含む酸化イ
ンジウムを挙げることができる。特に好ましくは、酸化
スズを2〜20重量%含むインジウム酸化物の層であ
る。本発明に用いられる主としてインジウム酸化物を含
む透明導電薄膜の最終的な膜厚は充分な導電性を得るた
めには100Å以上であることが好ましい。
【0015】また、透明導電薄膜付きフィルムとした時
のカールは透明導電薄膜の膜厚が厚くなるほど大きくな
るため、本発明は目的の膜厚が500Å以上、5000
Å以下である透明導電薄膜を得ようとする場合に特にそ
のカール低減の効果を発揮する。
【0016】本発明における高分子フィルムの材質とし
ては、耐熱性を有する透明な有機高分子化合物であれば
特に限定しないが、通常耐熱性としては、ガラス転移温
度100℃以上、好ましくは130℃以上である。例え
ばポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリスル
ホン、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリオレフィンなどが挙げられる。もちろん
これらはホモポリマー、コポリマーとして、また単独の
ポリマーまたはポリマーブレンドとしても使用できる。
【0017】本発明により得られる透明導電積層薄膜は
膜応力が少ないので、膜厚0.0025mm以上、0.
4mm以下の薄いフィルム上に形成したときに特にその
カール低減の効果を発揮する。
【0018】さらに、透明導電薄膜との密着性を向上さ
せるため、透明導電薄膜形成前に上記高分子フィルム上
に中間層を形成してもよい。中間層としては、厚さ0.
01〜10μmで、例えば有機ケイ素化合物、チタンア
ルキルエステル、ジルコニウムアルキルエステルなどの
有機金属化合物の加水分解により生成された層が好まし
く用いられる。該中間層は、多層構成としても良い。該
中間層は、高分子フィルム上に塗布後、乾燥し、加熱、
イオンボンバードあるいは紫外線、β線、γ線などの放
射線により硬化させる。また、本発明における透明導電
薄膜付きフィルムは、主としてインジウム酸化物を含む
透明導電薄膜上に耐スクラッチ性を向上させる、あるい
は他の塗工層との密着性を向上させるなどの目的のため
に保護層を積層させても良い。
【0019】本発明で得られる透明導電薄膜付きフィル
ムは、透明タッチパネルやエレクトロルミネッセンス用
電極として適しているだけでなく、例えば液晶表示装
置、電子写真、帯電防止材料、面発熱体、固体デイスプ
レイ、太陽エネルギ−用材料などと広い用途を有する。
【0020】図1は、本発明の成膜方法を実施するため
の装置の構成図の一例である。各種の高分子フィルムの
ロールを基板フィルムとして巻き出し軸4にセットし、
フィルムを巻き出して図示の成膜経路を沿って巻き取り
軸7にセットされた巻き芯に巻き取りできるようにセッ
トする。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0022】[カール測定]本発明の薄膜の応力による
透明導電薄膜付きフィルムとしたときの変形率の測定方
法を以下に記載するが、その変形量をカールとする。透
明導電薄膜付きフィルムを10cm角の正方形に切り取
り、恒湿、常温下(25℃、50%RH環境下)で24
時間放置する。その後該透明導電薄膜付きフィルムを水
平な支持板上に透明導電薄膜を設ける面が下になるよう
に置き、四隅の支持板からの高さの平均値(カール)が
0〜20mmの範囲内にあるものを良好な特性として評
価する。
【0023】[実施例1]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して6
x10-6Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に100sccm導入し、圧力を
1.0x10-3Torrに保った後、メインロールの温
度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定して、フ
ィルム速度をVf=0.4m/minとしてスパッタリ
ングを行いこの操作を計4回繰り返して(1回透明導電
層を形成させてから巻き取り、続いてフィルムの搬送方
向を反転させ次の透明導電層を形成させる)4層積層し
た透明導電薄膜を形成することにより透明導電薄膜付き
フィルムを作製した。下記表1に作製した透明導電薄膜
付きフィルムの諸特性を示す。カール特性は下記の比較
例1と比べて低減できている。
【0024】[比較例1]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して6
x10-6Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に100sccm導入し、圧力を
1.0x10-3Torrに保った後、メインロールの温
度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定して、フ
ィルム速度をVf=0.1m/minとしてスパッタリ
ングを行い、単層の透明導電薄膜を形成することにより
透明導電薄膜付きフィルムを作製した。下記表1に作製
した透明導電薄膜付きフィルムの諸特性を示す。
【0025】[実施例2]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して5
x10-5Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に200sccm導入し、圧力を
2.0x10-3Torrに保った後、メインロールの温
度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定して、フ
ィルム速度をVf=0.3m/minとしてスパッタリ
ングを行い、この操作を計3回繰り返して、3層積層し
た透明導電薄膜を形成することにより透明導電薄膜付き
フィルムを作製した。下記表1に作製した透明導電薄膜
付きフィルムの諸特性を示す。カール特性は比較例2と
比べて低減できている。
【0026】[比較例2]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して5
x10-5Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に200sccm導入し、圧力を
2.0x10-3Torrに保った後、メインロールの温
度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定して、フ
ィルム速度をVf=0.1m/minとしてスパッタリ
ングを行い、単層の透明導電薄膜を形成することにより
透明導電薄膜付きフィルムを形成した。下記表1に作製
した透明導電薄膜付きフィルムの諸特性を示す。
【0027】[実施例3]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して5
x10-5Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に200sccm導入し、圧力を
2.0x10-3Torrに保った後、メインロールの温
度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定して、フ
ィルム速度をVf=0.13m/minで1層目、Vf
=1m/minで2層目、3層目を積層した透明導電薄
膜を形成することにより透明導電薄膜付きフィルムを作
製した。下記表1に作製した透明導電薄膜付きフィルム
の諸特性を示す。
【0028】[実施例4]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して
9.3x10-7Torrまで排気した。ターゲットには
Sn=5wt%であるITO(Sn/In=5/95)
ターゲットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2
/Ar=1.2%)を槽内に200sccm導入し、圧
力を2.0x10-3Torrに保った後、メインロール
の温度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定し
て、フィルム速度をVf=0.3m/minとしてスパ
ッタリングを行い、この操作を計3回繰り返して、3層
積層した透明導電薄膜を形成することにより透明導電薄
膜付きフィルムを作製した。下記表1に作製した透明導
電薄膜付きフィルムの諸特性を示す。カール特性は比較
例3と比べて低減できている。
【0029】[比較例3]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して
9.3x10-7Torrまで排気した。その後、O2
Ar混合ガス(O2/Ar=1.2%)を槽内に200
sccm導入し、圧力を2.0x10-3Torrに保っ
た後、メインロールの温度を室温、投入電力密度を1W
/cm2に設定して、フィルム速度をVf=0.1m/
minとしてスパッタリングを行い、単層の透明導電薄
膜を形成した。下記表1に作製した透明導電薄膜付きフ
ィルムの諸特性を示す。
【0030】[実施例5]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して6
x10-6Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に100sccmを導入しかつ水と
酸素の分圧比がH2O/O2=2となるように水分を導入
した。圧力を1.0x10-3Torrに保った後、メイ
ンロールの温度を室温、投入電力密度を1W/cm2
設定して、フィルム速度をVf=0.3m/minとし
てスパッタリングを行い第1層目のA層を形成した。そ
の後水の導入を止め第2層目のB層を形成した。この操
作を交互に繰り返してA/B/A/B/A/Bの6層積
層構造の透明導電薄膜を形成することにより透明導電薄
膜付きフィルムを作製した。下記表1に作製した透明導
電薄膜付きフィルムの諸特性を示す。カール特性は下記
比較例4と比べて低減できている。また得られたA/B
/A/B/A/Bの6層積層構造透明導電薄膜の断面を
TEM観察したところ、6層の積層構造が明確に観察さ
れ膜の垂直方向の成長が切断されていることが分かる。
【0031】[比較例4]基板として厚み100μmの
ポリカーボネートフィルムを用いた。該フィルムを巻き
取り式マグネトロンスパッタリング装置内に設置して6
x10-6Torrまで排気した。ターゲットにはSn=
5wt%であるITO(Sn/In=5/95)ターゲ
ットを用いた。その後、O2/Ar混合ガス(O2/Ar
=1.2%)を槽内に100sccm導入し、圧力を
1.0x10-3Torrに保った後、メインロールの温
度を室温、投入電力密度を1W/cm2に設定して、フ
ィルム速度をVf=0.05m/minとしてスパッタ
リングを行い、単層の透明導電薄膜を形成することによ
り透明導電薄膜付きフィルムを作製した。下記表1に作
製した透明導電薄膜付きフィルムの諸特性を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明により、ロールツーロール方式の
スパッタリング法を用いて、主たる金属元素含有量が同
一である透明導電薄膜を複数回積層して目的の膜厚を得
ることによってカールの小さい透明導電薄膜付きフィル
ムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできる一般的なロールツ
ーロール式成膜法の製造装置の断面図である。
【符号の説明】
1. 真空チャンバー 2. 長尺ロール状ポリマーフィルム 3. ターゲット 4. 巻きだし軸 5. メインロール 6. サブロール 7. 巻き取り軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷田部 俊明 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 4K029 AA11 AA25 BA43 BA45 BA50 BB02 BC09 CA06 DC05 DC39 EA01 EA05 JA10 KA01 4K044 AA16 AB02 BA12 BB03 BC14 CA13 5G307 FA02 FB01 FC10 5G323 BA01 BA02 BB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルム上に所望の膜厚の透明導
    電薄膜を形成するに当たり、主たる金属元素含有量が同
    一である透明導電薄膜を複数回に分けて積層することを
    特徴とする透明導電薄膜付きフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 高分子フィルム上に透明導電薄膜1を形
    成し、ついで主たる金属元素含有量が同一である透明導
    電薄膜2を該透明導電薄膜1の上に積層することを特徴
    とする透明導電薄膜付きフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 透明導電薄膜2の上にさらに主たる金属
    元素含有量が同一である透明導電薄膜3を積層すること
    を特徴とする請求項2に記載の透明導電薄膜付きフィル
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 高分子フィルム上に主たる金属元素含有
    量が同一である複数の透明導電薄膜からなる透明導電薄
    膜付きフィルムであり、かつ透明導電薄膜それぞれの一
    層が最終的に得られる膜厚の50%以下であることを特
    徴とする透明導電薄膜付きフィルム。
  5. 【請求項5】 透明導電薄膜が、インジウム酸化物を主
    成分とし、錫、亜鉛およびガリウムの酸化物から選ばれ
    た少なくとも1種の酸化物を含む事を特徴とする請求項
    4に記載の透明導電薄膜付きフィルム。
  6. 【請求項6】 該高分子フィルムの膜厚が0.0025
    mm以上、0.4mm以下である事を特徴とする請求項
    4〜5のいずれかに記載の透明導電薄膜付きフィルム。
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