JP2003253438A - 酸化物膜の成膜方法 - Google Patents

酸化物膜の成膜方法

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JP2003253438A
JP2003253438A JP2002051388A JP2002051388A JP2003253438A JP 2003253438 A JP2003253438 A JP 2003253438A JP 2002051388 A JP2002051388 A JP 2002051388A JP 2002051388 A JP2002051388 A JP 2002051388A JP 2003253438 A JP2003253438 A JP 2003253438A
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oxide film
oxygen gas
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gas flow
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JP2002051388A
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Kenro Miyamura
賢郎 宮村
Kimitaka Nashiko
公貴 梨子
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化学量論的組成で、光学吸収が充分に小さい酸
化物膜を、生産性よく成膜できる酸化物膜の成膜方法の
提供。 【解決手段】希ガスと酸素ガスとの混合ガスをスパッタ
リングガスと導入し、反応性直流スパッタリング法で酸
化物膜を成膜する方法であって、一定の放電電力で、か
つ一定の希ガス流量Fのもとで酸素ガス流量を増加し
ていったときに、スパッタリング槽内の圧力が急激に増
加する直前の酸素ガス流量をFとすると、酸素ガスを
0.7F以上0.98F以下の流量の条件とし、か
つF/(F+F)>0.8を満たす条件で成膜す
る酸化物膜の成膜方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物膜の成膜方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属ターゲットまたは半導体ターゲット
を用い、アルゴンガスと酸素ガスの混合ガスを用いた反
応性直流(DC)スパッタリング法による酸化物膜の成
膜方法において、アルゴンガスに対する酸素ガスの導入
量によって、放電状態はターゲットの表面状態に応じて
2つのモードに大別される。
【0003】例えば、放電電力およびアルゴンガス流量
を一定にして酸素ガス流量を増加させていくと、スパッ
タリング槽内の放電空間の全ガス圧は図1に示すように
ある流量まではほぼ一定値を示し、ある酸素ガス流量F
を超えると急激に増加する。このときカソードに印加
される放電電圧は図2に示すようにFで急激に低下す
る。なお、アルゴンガス流量を高く設定した上で放電電
力一定で酸素ガス流量を増加させていく場合は、スパッ
タリング槽内のガス圧が比較的高くなるが、この場合は
図3に示すように放電電圧はFにおいて極大値を示す
ようになる。
【0004】このような酸素ガス流量Fを境界値とし
て、F1より酸素ガス流量が少ない領域(F<F1)は
ハイインピーダンスモード、F1より酸素ガス流量が多
い領域(F>F1)はローインピーダンスモードと呼ば
れる。
【0005】ハイインピーダンスモードでは成膜速度は
大きいが、成膜された酸化物膜の組成は酸化不足のた
め、屈折率nと消衰係数kが大きく、化学量論的組成の
酸化物に近い光学特性が得られない。またハイインピー
ダンスモードでは、ターゲットのエロージョン部でスパ
ッタリングされた金属原子が酸素と反応して非エロージ
ョン部に絶縁性の酸化物が堆積し、該堆積物(以下、単
に絶縁性堆積物という)が絶縁破壊を起こすためにアー
キングが発生し、放電が不安定になったり、成膜される
酸化物膜に欠陥が発生しやすい。前記アーキングは放電
電力の増大とともに発生頻度が増大するため、ターゲッ
トに高電力を投入して成膜速度を高めることは困難であ
った。
【0006】前記欠点を解消するために、カソードを2
個設置して、交互に数十kHz程度の低周波電力を投入
してターゲット表面の電荷の蓄積をキャンセルする、い
わゆる、ダブルマグネトロンが提案されているが、ター
ゲットが2個必要になるため装置の大型化や、電源系の
複雑化を招く。
【0007】一方、充分な酸素ガスを供給するローイン
ピーダンスモードでスパッタリングを行うと、ターゲッ
ト表面で酸化反応が進行し、ターゲット表面に酸化物が
形成されることに起因して成膜速度は小さくなるが、基
板上に成膜される酸化物膜は化学量論的組成の酸化物
で、光学吸収がない緻密な構造の良好な酸化物膜が得ら
れる。
【0008】このため従来、光学用の酸化物膜を反応性
DCスパッタリング法で成膜する場合には、プロセスの
安定性および光学吸収のない実用的な酸化物膜が得られ
ることから、成膜速度が非常に小さいにもかかわらず、
ローインピーダンスモードで成膜していた。また、酸化
物ターゲットを用いて高周波(RF)スパッタリング法
で成膜する方法もあるが、この場合も成膜速度が小さい
という欠点は前記のローインピーダンスモードの場合と
同じである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学量論的
組成で、光学吸収が充分に小さい酸化物膜を、生産性よ
く成膜できる酸化物膜の成膜方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、スパッタリン
グ槽内に、金属ターゲットまたは微量の不純物が添加さ
れた半導体ターゲットを配置し、希ガスと酸素ガスとの
混合ガスをスパッタリングガスと導入し、反応性直流ス
パッタリング法で酸化物膜を成膜する方法であって、一
定の放電電力で、かつ一定の希ガス流量Fのもとで酸
素ガス流量を増加していったときに、スパッタリング槽
内の圧力が急激に増加する直前の酸素ガス流量をF
すると、酸素ガスを0.7F以上0.98F以下の
流量の条件とし、かつF/(F+F)>0.8を
満たす条件で成膜することを特徴とする酸化物膜の成膜
方法を提供する。
【0011】本発明におけるターゲットとしては、T
a、Ti、Nb、Zr、Hfまたは不純物が添加された
Siからなるターゲットが挙げられ、これらターゲット
を用いることで、酸化物膜として、それぞれ、Ta
、TiO、Nb、ZrO、HfOまたは
SiOが成膜される。
【0012】本発明で用いる希ガスとしては、アルゴ
ン、クリプトンまたはキセノンからなる群から選ばれる
1種以上のガスを用いることができる。酸化物膜が形成
される基板としては、ガラス基板、プラスティック基
板、Siウェハ基板等が挙げられる。
【0013】スパッタリングにおいては電源から供給さ
れる電力がカソードを介してターゲットに投入される
が、本発明においては電源として、直流電源または低周
波パルスを重畳した直流電源(パルス波状の電圧を発生
する電源)を用いる。
【0014】本発明においては、ターゲットの面積当た
りの投入電力は7〜15W/cmの範囲であることが
好ましい。ターゲットを冷却する能力が充分であればよ
り大きな電力を投入することが好ましい。
【0015】本発明においては、ターゲット表面への絶
縁性堆積物の付着を防止するため、例えばマグネトロン
用永久磁石を偏芯回転させたり、マグネトロン用電磁石
の電流を周期的に変動させたりして、ターゲットの全面
に渡ってエロージョンが起こるように設計されたカソー
ドを用いることが好ましい。絶縁性堆積物の付着を防止
することにより、アーキングの問題を回避しつつターゲ
ットへの投入電力を増やすことができる。
【0016】ターゲットへの投入電力を増加させると、
成膜速度が大きくなるだけでなく、図4に示すように、
酸素ガス流量に対する放電電圧の変化を示すグラフは右
の方へ移動し、結果、Fが大きくなり酸素ガス流量が
高い条件下においてもローインピーダンスモードに移行
せず、ハイインピーダンスモードのスパッタリングがで
きる。
【0017】本発明においては、ハイインピーダンスモ
ードのスパッタリングを行うことから、0.7F以上
0.98F以下の酸素ガス流量で成膜するが、特に
0.9F以上0.98F以下の酸素ガス流量で成膜
することが好ましい。酸素ガス流量が0.98F超で
は2つの放電モード間の遷移が起こり不安定になる。
【0018】また、基板上での反応は酸素ガス流量比
(F/(F+F))が大きい場合に化学量論的組
成の酸化物膜が得られることから、F/(F
)>0.8を満たすような電力(比較的大きな電
力)を投入する。
【0019】本発明における成膜条件の範囲を図5に模
式的に示す。図5において、0.7F1の曲線と0.9
8F1の曲線とで囲まれる部分であって、かつF
(F+F)>0.8を満たす部分が本発明における
成膜条件の範囲となる。図5における0.7Fの曲線
と0.98Fの曲線は、予察実験で、ある一定の投入
電力のときに(アルゴンガス流量一定で)図1で示すよ
うな酸素ガス流量とガス圧との関係からFを求め、次
いで、異なる投入電力のときに同様にしてFを求めて
いくことによって得ることができる。
【0020】本発明において、複数種のターゲットを用
い、多層膜を積層する(例えば2種類のターゲットから
2種類の酸化物膜を交互に積層する)場合、100層程
度になると1回ほどの頻度で放電スタート時にターゲッ
トの表面状態に起因してローインピーダンスモードへの
遷移が発生する。したがって、多層膜を積層する場合に
は、必要に応じて、成膜に先立ち、希ガス(例えばアル
ゴンガス)のみを導入して適当な時間放電(予備放電)
させてターゲット表面の酸化物層を除去して初期のメタ
ルの状態に復元することが好ましく、その結果、再びハ
イインピーダンスモードを安定に維持できる。
【0021】
【実施例】[例1]スパッタリング槽内に、Siウェハ
基板をセットし、4×10−4Paに排気した後、アル
ゴンガス7sccm、酸素ガス29sccm(酸素ガス
流量とガス圧との関係から予め求めたFは31scc
m、F/(F+F)=0.81、酸素ガス流量は
0.94Fに相当する。なお、sccmとは標準状態
におけるcm/分である。)を導入し、直径7インチ
の金属タンタルターゲットを取り付けたカソードに3k
W(12W/cm)の直流電力を投入し放電させる
と、槽内の圧力は0.06Pa、放電電圧は540Vと
なった。なお成膜に先立って、純アルゴンガス10sc
cmを導入し、5秒間シャッターを閉じてターゲットに
対して予備放電を行った。
【0022】成膜時の成膜速度は0.55nm/秒であ
った。得られたTa膜の波長633nmにおける
屈折率は2.149、消衰係数は0.0001未満であ
った。得られたTa膜は、屈折率と消衰係数の値
から化学量論的組成であると判断される。なお、成膜速
度は触針式段差膜厚計により測定した膜厚を単位成膜時
間に換算して評価した。薄膜の酸化度合いは、エリプソ
を用いて屈折率を評価することによって確認した。
【0023】[例2](比較例) 例1における酸素ガス流量を20sccm(0.65F
相当)に変更した以外は例1同様に成膜した。成膜速
度は0.49nm/秒であったが、得られた膜は不透明
な金属状の膜であった。
【0024】[例3](比較例) 例1における酸素ガス流量を32sccmに変更した以
外は例1同様に成膜した。本例では、ターゲット表面の
酸化反応が進んだため、圧力は0.18Paに増加し、
放電電圧は420Vに低下した。成膜速度は0.04n
m/sまで著しく低下した。得られた酸化物膜の波長6
33nmにおける屈折率は2.094であった。
【0025】[例4](比較例) スパッタリング槽内に、Siウェハ基板をセットし、4
×10−4Paに排気した後、アルゴンガス5scc
m、酸素ガス12sccm(酸素ガス流量とガス圧との
関係から予め求めたFは12.5sccm、F
(F+F)=0.71、酸素ガス流量は0.96F
に相当する)を導入し、直径7インチの金属タンタル
ターゲットを取り付けたカソードに1kW(4W/cm
)の直流電力を投入し放電させると、槽内の圧力は
0.04Pa、放電電圧は590Vとなった。成膜速度
は0.28nm/秒であったが、得られた酸化物膜の酸
化度が不充分なため、波長633nmにおける屈折率は
2.515(例1の酸化物膜よりも高い)であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、高酸素流量比とハイイ
ンピーダンスモードを両立した条件下で、金属膜の成膜
の場合と同等かそれ以上の大きな成膜速度を維持しなが
ら、すなわち、充分な生産性の高さを維持しながら、化
学量論的組成で光学吸収が充分に小さい酸化物膜を得る
ことができる。こうして得られる酸化物膜は屈折率の時
間変化が小さく、したがって、本発明は、100層以上
におよぶ多層膜を安定して再現性よく得る上で好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素ガス流量に対するガス圧の変化を示すグラ
フ。
【図2】酸素ガス流量に対する放電電圧の変化を示すグ
ラフ。
【図3】ガス圧が高いときの酸素ガス流量に対する放電
電圧の変化を示すグラフ。
【図4】投入電力の差による放電電圧挙動の違いを示す
図。
【図5】投入電力とハイインピーダンスモードの最大酸
素ガス流量の関係を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパッタリング槽内に、金属ターゲットま
    たは微量の不純物が添加された半導体ターゲットを配置
    し、希ガスと酸素ガスとの混合ガスをスパッタリングガ
    スと導入し、反応性直流スパッタリング法で酸化物膜を
    成膜する方法であって、一定の放電電力で、かつ一定の
    希ガス流量Fのもとで酸素ガス流量を増加していった
    ときに、スパッタリング槽内の圧力が急激に増加する直
    前の酸素ガス流量をF とすると、酸素ガスを0.7F
    以上0.98F以下の流量の条件とし、かつF
    (F+F)>0.8を満たす条件で成膜することを
    特徴とする酸化物膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】ターゲットとして、Ta、Ti、Nb、Z
    r、Hfまたは不純物が添加されたSiからなるターゲ
    ットを用いる請求項1に記載の酸化物膜の成膜方法。
JP2002051388A 2002-02-27 2002-02-27 酸化物膜の成膜方法 Pending JP2003253438A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015108190A (ja) * 2013-11-07 2015-06-11 エスピーティーエス テクノロジーズ リミティド 二酸化ケイ素の堆積

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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