JPH05230636A - 金属酸化物薄膜の成膜方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜の成膜方法

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JPH05230636A
JPH05230636A JP9231992A JP3199292A JPH05230636A JP H05230636 A JPH05230636 A JP H05230636A JP 9231992 A JP9231992 A JP 9231992A JP 3199292 A JP3199292 A JP 3199292A JP H05230636 A JPH05230636 A JP H05230636A
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JP
Japan
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thin film
target
film
sputtering
metallic oxide
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JP9231992A
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Tadahiko Saito
忠彦 斉藤
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分に酸化した金属酸化物薄膜を高い成膜レ
ートで形成する。 【構成】 直流反応性スパッタリングを用いた金属酸化
物薄膜の成膜方法において、反応ガスに酸素ガスを用
い、ターゲットに前記金属酸化物と該金属酸化物を形成
している金属自身との混合物を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直流反応性スパッタリ
ングを用いた金属酸化物薄膜の成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物の一種である五酸化タンタル
の薄膜は、光に対して高い屈折率を有するため、高屈折
率物質として光学用コーティングに使用されている。ま
た、最近ではサーマルヘッドの耐磨耗膜、EL素子の絶
縁膜、およびEC素子の固体電解質膜としても利用され
ている。
【0003】このような金属酸化物の薄膜の成膜には、
従来、真空蒸着法、スパッタリング法、ゾルーゲル法等
の薄膜形成法が利用されてきた。この中で、スパッタリ
ング法は、大面積の基板に効率良く薄膜を形成できると
いう利点がある。そして、このスパッタリング法(以
下、スパッタリングと略す)にも様々な形式があり、放
電形式によって高周波(以下、RFという)スパッタリ
ングと直流(以下、DCという)スパッタリングとに大
別できる。
【0004】また、スパッタリングの際に、ターゲット
に金属を用い、プラズマ中に反応ガスとして窒素ガスあ
るいは酸素ガス等を導入すれば、金属窒化物あるいは金
属酸化物の薄膜を作成することができる。このようにし
て成膜する方法を反応性スパッタリングという。そし
て、この反応性スパッタリングにDC放電を利用する反
応性DCスパッタリングを用いて化合物薄膜を成膜する
と、電源装置の構成が簡単である、金属ターゲット
を用いるので酸化物ターゲットのように焼結させる必要
がなく、大きなターゲットを容易に作成できる、RF
スパッタリングと比べると、成膜する基板に生じる温度
上昇が小さいため高パワーでの成膜ができ成膜時間が短
縮できる、等の利点がある。
【0005】そのため、反応性DCスパッタリングは、
大面積の基板に均一に薄膜を形成させることが可能で、
建材用板ガラスのコーティング等に広く用いられてい
る。そして、前記五酸化タンタル薄膜の成膜に際して
も、一般にはターゲットにタンタルの単体を、反応ガス
に酸素ガスを用いた反応性DCスパッタリング法が用い
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、反応性DC
スパッタリングでは、成膜レートおよび形成した薄膜の
化学組成が、反応ガスの分圧に大きく依存することが知
られている。例えば、金属酸化物の薄膜を成膜する場
合、反応ガス(この場合、酸素ガス)の分圧が高いと、
十分に酸化された薄膜が基板上に成膜されていくが、こ
れと同時に金属ターゲットの表面でも酸化反応が起こ
る。そのため、ターゲット表面に該ターゲットの酸化物
の皮膜が形成される。
【0007】ところが、酸化物のスパッタ収率は金属に
比べて小さいので、前記酸化物皮膜の成長に伴ってター
ゲットが十分にスパッタされなくなり、基板の成膜レー
トが低下するという現象が生じていた。また、ターゲッ
トの酸化物が電子絶縁性である場合は、アーク放電等の
異常放電が起こる恐れもあった。一方、反応ガスの分圧
が低いと、ターゲット表面に形成される酸化皮膜の成長
速度よりも、ターゲットがスパッタされるスパッタ速度
の方が速くなる。そのため、常にターゲットの金属面が
露出している状態となり高い成膜レートが得られる。
【0008】その反面、基板面に供給される酸素が不足
するため、成膜された薄膜は十分に酸化されていない、
いわゆる「メタルリッチな膜」(以下、不完全酸化膜と
いう)となっていた。このように、反応性DCスパッタ
リング法には、反応ガスの分圧が高い場合に起こる「低
成膜レート、完全酸化膜の形成」モードと、反応ガスの
分圧が低い場合に起こる「高成膜レート、不完全酸化膜
の形成」モードという2つの安定モードが存在する。
【0009】通常、完全酸化膜が形成され、かつ最高の
成膜レートが得られるのは、前記2つのモードの遷移点
の状態で成膜した場合であるが、この遷移点での成膜は
非常に不安定であった。図1に反応ガスに酸素ガスを用
い、ターゲットにTa(タンタル)の単体を用いた反応
性DCスパッタリングにおける、ターゲットの放電電流
および放電電圧の特性(曲線B)を示す。放電電流を大
きくすると徐々に放電電圧も増大していくが、ある点で
電圧が減少する。この点が、十分な酸化膜が形成され、
かつ最も高い成膜レートが得られる遷移点である。この
遷移点より放電電流を大きくすると、前述のように急激
な成膜レートの上昇により酸化不足の膜(メタルリッチ
な膜)が生成される。このことを遷移点での不連続性と
いう。
【0010】以上のような理由から、一般に金属酸化物
薄膜の成膜に際しては、完全酸化膜が得られるように、
前記遷移点よりもやや低い成膜レートに設定して成膜せ
ざるを得なかった。ところで、理論的には一定の酸素ガ
スの分圧下でイオン電流を一定に保てば、定常状態が得
られるはずである。しかし、実際には成膜を行うスパッ
タリング装置に生じる様々な要因によってある程度の分
圧の揺らぎが避けられない。その結果、安定モード下で
の定常状態の維持が困難になり、前記遷移点付近での不
連続性が生じると考えられる。
【0011】すなわち、低成膜レート側の安定モードの
状態で酸素分圧の低下あるいはイオン電流の増加が生じ
ると、前述のようにターゲット面の酸化速度よりもスパ
ッタリング速度の方が大きくなり、ターゲットの表面に
形成されていた酸化皮膜が減少する。そのため、ターゲ
ットの金属面が露出するようになり、スパッタレートが
上昇する。
【0012】その一方、基板および真空容器内部の壁面
ではスパッタされた金属が付着していくが、この付着し
た金属は酸素ガスと反応して酸化物を形成するため、酸
素の消費が増える(これを、ゲッタリングという)。従
って、スパッタレートの上昇に伴って酸素分圧がさらに
低下するが、酸素分圧が低下すれば前述の如くスパッタ
レートが上昇する。つまりこの場合、「スパッタレート
の上昇」と「酸素分圧の低下」、という2つの現象間で
フィードバック作用が働くことになる。そして、この作
用は、「高成膜レート、不完全酸化膜の形成」側の安定
モード状態に達するまで継続することになる。なお、こ
の状態では、ターゲットに対するイオン電流密度の上昇
にともなって放電電圧が低下する現象が見られる。
【0013】つまり、遷移点付近での不連続性は、前記
ゲッタリングによる酸素の消費速度の変動で放電状態が
不安定になることが原因と考えられる。例えば、建材用
等の大型ガラス基板のコーティングに用いられるインラ
イン型スパッタリング装置では、グロー放電が起こって
いる成膜室内を基板が高速で移動するため、コンダクタ
ンスの変化による圧力変化や蒸着面積の増減によって、
前記ゲッタリングによる酸素の消費速度の変動が避けら
れず、放電の安定化が困難であった。
【0014】そのため、これまでに反応性DCスパッタ
リングの放電状態を安定化させるための様々な方法が提
示されているが、いずれの方法も大がかりな装置を必要
としていた。また、プラズマ発光や水晶モニタによるフ
ィードバック制御を基本としているため、大型スパッタ
リング装置の場合は、装置の時定数が大きすぎて安定し
たフィードバック制御ができない恐れがあった。
【0015】本発明は、このような課題を解決すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的のために、本発
明では、直流反応性スパッタリングを用いた金属酸化物
薄膜の成膜方法において、反応ガスに酸素ガスを用い、
ターゲットに前記金属酸化物と該金属酸化物を形成して
いる金属との混合物を用いるようにした。
【0017】
【作用】前述のように、遷移点付近で放電状態が不連続
になる原因は、ターゲット表面の酸化状態の変動にあ
る。そして、この変動はターゲット付近の酸素分圧の微
小変化や異常放電に起因することが多い。本発明で使用
するターゲットには酸化物が含まれているため、常に金
属と酸化物との混合割合に応じた酸化物がターゲット表
面に現れていることになる。そのため、酸素分圧の変化
やターゲット電流の変化(異常放電)が生じてもスパッ
タレートの変動が起こりにくくなり、前記フィードバッ
ク作用が働かなくなる。その結果、各安定モード間での
不連続な成膜レートの変化は生じず、最高の成膜レート
が得られる条件下で安定した成膜を行うことができる。
【0018】また、ターゲットに酸化物が含まれている
ので成膜時はこの酸化物がスパッタされることになる。
そのため、金属単体のターゲットを用いた場合よりも低
い酸素分圧あるいは高い成膜レートの場合でも、酸素の
供給が十分に行われるので完全酸化膜を成膜することが
可能となる。
【0019】
【実施例】以下、実施例として五酸化タンタル薄膜を成
膜する場合について説明する。まず、金属タンタルの粉
末45重量%と酸化タンタルの粉末55重量%(それぞれ純
度99%)とを常法により混合、焼結して直径5インチ、
厚さ5mmの円板状のターゲットを作成し、このターゲッ
トをスパッタリング装置の水冷マグネトロンカソードに
装着した。
【0020】次に、薄膜が成膜される基板を前記スパッ
タリング装置の真空槽内に設置するとともに、この槽内
を排気して真空度が1×10-5Torrとなるようにした。そ
して、全ガス圧力を10mTorr 、放電電流を 1.5 Aに設定
して、前記スパッタリング装置によって酸素ガスを反応
ガスとした反応性DCスパッタリングを行ない、五酸化
タンタル薄膜を成膜した。
【0021】この時、ターゲットの放電電流と放電電圧
の特性を求めた。また、比較例として金属タンタル 100
%のターゲットを用いて同様の実験を行った。この結果
を図1に示す。図1から、本実施例の場合は曲線Aで示
すように明確な遷移点は認められず、放電状態は連続的
に変化した。また、成膜された五酸化タンタル薄膜の酸
化状態も放電電流に応じてその膜内で連続的に変化して
おり、不連続点は存在しなかった。
【0022】一方、比較例の場合は曲線Bで示すような
遷移点が認められ、成膜された薄膜の酸化状態にも不連
続点が存在していた。このように本発明によれば、高い
成膜レートが得られる条件下で十分に酸化された五酸化
タンタル薄膜を成膜することができる。なお、本発明は
五酸化タンタル以外の種々の金属酸化物(例えば、三酸
化タングステン)の薄膜を成膜する場合にも応用できる
ものであり、特に比較的厚い膜を高速で成膜する場合に
有効である。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、直流反応性スパッタリ
ングを用いた金属酸化物薄膜の成膜時に生じる、酸素分
圧や放電電流の変動によるターゲットの表面状態の変化
を抑えることができる。そのため、高い成膜レートで完
全に酸化した金属酸化物薄膜を成膜することができる。
【0024】また、本発明ではスパッタリング装置の改
造や付属装置の設置が不要であり、低コストで実施でき
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、反応性DCスパッタリング時の放電特性の
一例を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流反応性スパッタリングを用いた金属
    酸化物薄膜の成膜方法において、 反応ガスに酸素ガスを用い、ターゲットに前記金属酸化
    物と該金属酸化物を形成している金属との混合物を用い
    たことを特徴とする金属酸化物薄膜の成膜方法。
JP9231992A 1992-02-19 1992-02-19 金属酸化物薄膜の成膜方法 Pending JPH05230636A (ja)

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JP9231992A JPH05230636A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 金属酸化物薄膜の成膜方法

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JP9231992A JPH05230636A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 金属酸化物薄膜の成膜方法

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JPH05230636A true JPH05230636A (ja) 1993-09-07

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ID=12346417

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JP9231992A Pending JPH05230636A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 金属酸化物薄膜の成膜方法

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JP (1) JPH05230636A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001077404A1 (fr) * 2000-04-10 2001-10-18 Nikko Materials Company, Limited Cible pour pulverisation cathodique servant a former les films protecteurs de disques optiques
DE10345514A1 (de) * 2003-09-30 2005-05-12 Infineon Technologies Ag Verfahren zum Ausbilden einer Schicht auf einem Substrat

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WO2001077404A1 (fr) * 2000-04-10 2001-10-18 Nikko Materials Company, Limited Cible pour pulverisation cathodique servant a former les films protecteurs de disques optiques
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