JP2006092765A - 画像表示装置用金属部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
画像表示装置に適した金属部材を提供できる画像表示装置用金属部材の製造方法を提供する。
【解決手段】
減圧雰囲気中で金属基板21の両面に原料ガスを吹き付け、CVD法によって表面層を成長させる。金属基板21に交流電圧を印加すると、成膜速度を速くすることができる。開口率が高く、熱損傷(変形、酸化)が無く、絶縁信頼性の高い画像表示装置用金属部材が安価に得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)やフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと記す)等の画像表示装置に使用される金属隔壁や背面板等の画像表示装着用金属部材の製造方法に関する。
例えばPDP等のガス放電型画像表示装置においては、一つの放電空間を形成し隣接したセルと色の干渉を防止するための仕切りとして絶縁性隔壁が必要となる。
また、FEDにおいては、冷陰極と蛍光体との間隔を一定に保持するためのスペーサーや隔壁としての役割をする絶縁性材料が必要となる。
これら画像表示装置用金属部材の製造方法について一例を示すと、ガス放電型画像表示装置のうち、例えばPDP用の隔壁では、鉛を含むガラスを原料として使用し、主にサンドブラスト法により製造されているが、このような隔壁の製造法は工程が煩雑であることから、生産性が悪く、コストが高くなるばかりか、製造された隔壁及びサンドブラスト法によって除去されたガラス屑には有害な鉛が多く含まれるため、環境上好ましくないものである。
また、PDPの性能は、隔壁の構造に制限されることが多く、特に高精細化のためには隔壁の幅を小さくすると共に、セルサイズを小さくする必要があるが、ガラス隔壁は脆くて、隔壁の幅を小さくすることが困難である。
上述の問題を解決するため、特開平3−205738号公報(特許文献1)に隔壁としてガラスを含む誘電体を表面に形成した金属隔壁を適用することが提案されており、この特開平3−205738号公報で開示される絶縁処理方法は、金属隔壁用基板に電着法によってガラスを含む誘電体を表面に形成するものである。
また、特開2001−52615号公報(特許文献2)には、上記特開平3−205738号公報の問題を解決するために、気相成膜法(真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等)で絶縁層を成膜することによって、開口率を向上させる方式が開示されている。
また、特開平2001−135223号公報(特許文献3参照)には、CVDの一手法である大気開放型CVDによって、高速で成膜する方式が提案され、特開平2003−342733号公報(特許文献4参照)には、CVDの一手法である常圧プラズマCVDによって、成膜する方式が提案されている。
本発明者等の検討によれば、上述の特開平3−205738号公報で開示される電着法によってガラスを含む誘電体を基板表面に形成する方式では、気泡が絶縁層中に残存するため位置による絶縁性のばらつきが大きくなり、絶縁性を確保するためには膜厚を厚くする必要があるが、膜厚を厚くすると開口率が低下して、高精細化できないという問題があることを知見した。
更に、特開平3−205738号で開示されるディッピング法やスプレー法では膜厚が均一にならないこと、更に金属の焼成酸化法及び陽極酸化法では膜質が緻密にならないために十分な絶縁性が得られないこと、そして静電塗布法では膜厚が厚くなり過ぎて10μm以下に制御することが難しいという問題点があり、実用化されていない。
次に、特開2001−52615号公報で開示された方式は、上記特開平3−205738号公報の問題を解決するために提案されたものであり、上述の通り、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の気相成膜法で絶縁層を形成するものである。
このうち、CVD法は種々の方式があり、その方式は多岐に及ぶ。そして、それぞれのCVD法の実用化の検討がなされてきている。
例えば特開平2001−135223号公報では、大気中で成膜する方法が提案されている。この新たなCVD法は従来のCVD法が有する付回り性に優れ、大面積の被覆にも適用可能と言う利点を活かしながら、生産性を更に向上できるものであり、未だ実用化されていない金属を基板とした画像表示装置用金属部材の実用化に多いに役立つ技術となるが、上記の特開平2001−135223号公報では、金属基板の加熱温度が高いため、金属基板が熱変形したり、表面が酸化する問題がある。
また、特開平2003−135223号公報では、常圧プラズマを利用して成膜する方法が提案されている。
この新たなCVD法は従来のCVD法が有するつき回り性に優れ、大面積の被覆にも適用可能と言う利点を活かしながら、低温で成膜できるものであり、未だ実用化されていない金属を基板とした画像表示装置用金属部材の実用化に多いに役立つ技術となるが、上記の特開平2003−135223号公報では、成膜中に金属基板への異物の付着があり、絶縁信頼性で問題がある。
特開平3−205738号公報 特開2001−52615号公報 特開2001−135223号公報 特開2003−342733号公報
本発明の課題は、開口率が高く、熱損傷(変形、酸化)が無く、絶縁信頼性の高い安価な画像表示装置用金属部材の製造するための絶縁処理プロセスを提供することである。
本発明者等は、金属隔壁を用いて画像表示装置とするに最適な絶縁層を形成するため、種々の絶縁処理方法を鋭意検討した結果、近年の成膜技術の進歩により、高速成膜が可能で、金属隔壁に求められる開口率を満足し、鉛等の有害物質を含まないこと、並びに熱損傷が無く、絶縁信頼性の高い、減圧プラズマ化学気相成長法(以下減圧プラズマCVD法と記す)が画像表示装置用金属隔壁の絶縁層形成に好適であることを発見し、本発明に到った。
即ち、本発明は、金属基板に、減圧プラズマ化学気相成長法によって、表面層を形成する画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、特にその中でも基板に直接電圧を印加する方式の減圧プラズマ化学気相成長法が、画像表示装置用金属隔壁の絶縁層形成に好適であることを発見した。
即ち、本発明は金属基板に、電圧を印加して減圧プラズマ化学気相成長法によって、表面層を形成する画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は複数の前記金属基板に同時に前記表面層を形成する画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は前記金属基板に印加する電力密度が0.01W/cm2以上10W/cm2以下で、周波数が1kHz以上60MHz以下の高周波電圧にした画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は、前記表面層が酸化物層でなり、該酸化物層の組成は、Al23、SiO2、ZrO2、MgO、TiO2のうちの少なくとも一種を主成分とする画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は、前記表面層が窒化物層でなり、該窒化物層の組成は、AlN、Si34、BNのうちの少なくとも一種を主成分とする画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は、表面層を厚さ0.1μm以上10μm以下に形成する画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は、Niを質量%で38%以上52%以下の範囲で含有するFe−Ni系合金によって構成された前記金属基板を用いる画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は、画像表示装置用金属部材は、プラズマディスプレイ用金属隔壁または背面板である画像表示装置用金属部材の製造方法である。
また、本発明は、表面層を形成させる原料ガスを、減圧雰囲気下で金属基板に吹き付けながら表面層を成長させる画像表示装置用金属部材の製造方法であり、金属基板に複数の貫通孔が形成されている場合、原料ガスを金属基板の両面に吹き付けることができる。
金属基板には高周波電圧を印加することができる。
本発明によれば、開口率が高く、熱損傷(変形、酸化)が無く、絶縁信頼性の高い画像表示装置用金属部材を、高い生産性を有す製造方法により、安価に提供することが可能となる。
本発明の重要な特徴は、画像表示装置用金属部材となる金属基板に、減圧プラズマCVD法によって、表面層を形成することにある。
以下に本発明を詳しく説明する。
先ず、本発明で言う減圧プラズマCVD法とは、金属元素を含む有機物を気化して原料ガスとした後、減圧下(真空度:10Pa以上1000Pa以下)においてキャリアガスと共に放電プラズマの中を通過または滞在させて、活性な状態になった原料ガスを基板と接触させることにより、基板表面に酸化物層または窒化物層等の表面層を成膜する方法を言う。
本発明の減圧プラズマCVD法としては、下記の4つの特長がある。
(1)大面積の基板に対し、表面全体(表裏、孔内)の同時処理が可能。
(2)キャリアガスとして安価なArやN2ガスの使用が可能。
(3)プラズマを利用するため、毎分0.1μm以上の高速成膜が可能。
(4)プラズマを利用するため、低温での成膜が可能であり、基板の損傷(熱変形、酸化)が少ない。
このうち、(1)及び(2)の特長は、従来のCVD法が有する特長であり、(3)及び(4)で示す特長は、プラズマを利用して初めて達成できたものである。
そして、本発明の減圧プラズマCVD法は、上記の特開平2001−135223号公報で示す大気中で成膜する熱CVD法のように、基板を高温で処理する必要は無いため、基板の熱変形や表面酸化が無く、かつ大型の基板にも対応でき、特に大型製品を対象としているPDPやFEDの絶縁性を有した表面層形成への適用に特に有効である。
そして、更には本発明の減圧プラズマCVDでは、真空チャンバー内で成膜処理するために、成膜時に異物が基板に付着することが少ないという利点があり、絶縁信頼性が高い。
本発明では、上述した減圧プラズマCVD法を利用して、金属基板に表面層を形成する。なお、本発明の表面層は絶縁性を有するものである必要がある。
本発明で用いる金属基板は、予め画像表示装置用の部材の形状に加工を加えたものであれば良く、例えば、隔壁であればエッチングによって複数の貫通孔又は非貫通孔が形成されたものや、エッチングによって格子状等の所定の形状に形成されたものを用いれば良い。
この金属基板の表面に、絶縁性を有する表面層を形成するが、絶縁性を有する表面層は電気を絶縁する目的で形成するため、電気的に絶縁が可能なものを形成する。なお、電気的に絶縁を行うためには、絶縁耐圧として100V程度の電気絶縁特性を有していれば良い。
ところで、本発明の金属基板に直接電圧を印加する方式の減圧プラズマCVD法としては、上記の減圧プラズマCVD法が有する4つの特長に加えて、5番目に以下のような特長がある。
(5)複数枚の金属基板を同時に成膜処理することが容易であり、生産性が高い。
つまり、本発明の金属基板に直接電圧を印加する方式の減圧プラズマCVD法は、従来の1枚づつ成膜するCVD法よりも極めて生産性が高い。特に、PDPやFED等の画像表示装置用の部材では、例えば30インチ以上のサイズに大型化が図られており、大型サイズの画像表示装置用の金属基板を如何にして大量に効率良く表面全体を処理できるかがコスト削減の鍵となり、コスト削減により部材としての製品価格の低減が達成できれば、PDPやFEDの普及に大きく寄与できる。
このことからも、画像表示装置用の金属基板を一度に大量に効率良く表面全体を処理できる本発明の方法は、画像表示装置用金属部材の製造方法として最適である。
次に、本発明の減圧プラズマCVD法の好ましい製造条件を説明する。
金属基板に印加する電力密度は、0.01W/cm2以上10W/cm2以下とするのが良い。これは、0.01未満の電力ではプラズマ密度が低くなり、十分な化学反応が進まずに不純物や未反応物が膜中に含まれるようになるためである。10W/cm2を超えると電極である基板がプラズマなどによる加熱により変形や、一部溶融などの問題が生じ易いためである。
また、周波数を1kHz以上60MHz以下の高周波電圧としたのは、1kHz未満では十分なプラズマ密度を得るためには高い電力を投入する必要あり、この高電力に伴い陰極降下電圧VDCが大きくなるため基材が局所的にスパッタリングされてしまうという不具合が生ずる。
他方、60MHzを超える周波数では大型電極上に定在波が生ずることによって空間的なプラズマの粗密(偏り)が発生し、均一な膜質が得られないという問題が生ずる。このため、本発明では周波数を1kHz以上60MHz以下の高周波電圧とした。
次に、好ましい本発明の絶縁性を有する表面層について説明をする。
本発明では、表面層は絶縁性を有するものでなければならない。そのためには、表面層を酸化物層とすれば良い。
酸化物として、Al23、SiO2、ZrO2、MgO、TiO2を選べば、その膜が絶縁性を有し、原料が安く比較的入手しやすい。そして、本発明ではAl23、SiO2、ZrO2、MgO、TiO2のうち、少なくとも一種を主成分とすることで、絶縁性を確保できる。
もちろん、これらの酸化物で2層から成る酸化物絶縁層にしても問題はない。また、これらの酸化物を主体に他の元素を添加して、複合酸化物としても良い。例えば、SiO2の場合PやBを含有させ複合化して成膜することも可能である。
また、本発明では絶縁性を有する表面層を窒化物層としても良い。
窒化物として、AlN、Si34、BNを選べば、その膜が絶縁性を有し、原料が安く比較的入手しやすい。そして、本発明ではAlN、Si34、BNのうち、少なくとも一種を主成分とすることで、絶縁性を確保できる。
もちろん、これらの成分で2層から成る窒化物絶縁層にすることができる。また、これらの窒化物を主体に他の元素を添加して、複合窒化物としても良い。例えば、Si34の場合PやBを含有させ複合化して成膜することも可能である。
また、この窒化物層を、成膜中に酸化させるか、或いは成膜後に酸化させて、酸窒化物層として用いることも可能である。
本発明の減圧プラズマCVD法を用いれば、絶縁性を有する表面層の膜厚を所望の厚みにすることができる。例えば0.1μm以上10μm以下程度の薄い絶縁層であっても緻密に形成することができ、かつ複数の金属基板を同時に成膜することが可能であるため、性能(開口率、絶縁性)と生産性を両立できる。
この表面層の厚みが過度に厚くなると、開口率の低下につながるため、絶縁性を有する表面層の膜厚として、好ましい厚みは0.1μ以上10μm以下程度が良く、厚みが0.1μm未満では十分な絶縁性が得られない場合があり、また膜厚が10μmを超えると、例えば隔壁に用いた場合、開口率向上の効果を減じる上、金属基板との熱膨張差により絶縁層にき裂が入り易くなり、かえって絶縁性は低下する。更に好ましくは0.3μm以上2μm以下程度が良い。
ところで、本発明に用いられる金属基板は絶縁層で被覆されて、金属隔壁としても使用可能である。この金属隔壁として使用される場合、金属隔壁は前面板ガラスと背面板ガラスの間に挟まれて使用される。
この金属隔壁は、パネルの組立工程で450〜500℃の熱サイクルを受けるため、前面板ガラスや背面板ガラスとの熱膨張差が大きい場合、熱応力が発生し、パネルが破損して画像表示装置として機能できなくなる。それを防ぐために、隔壁は前面板及び背面板と熱膨張係数を近似させることが好ましい。
現状では、例えばPDP前面板・背面板ガラスには熱膨張係数が8.5×10-6/℃程度のソーダライムガラスや高歪点ガラスが用いられているため、金属基板にはNiを質量%で38%以上52%以下の範囲で含んでいて、残部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金を用いると良い。
この範囲でNiを含有するFe−Ni系合金は熱膨張係数を上記ガラスに近似させることができ、且つエッチング法により微細なパターンを容易に形成できるため、金属隔壁用素材に適している。特に好ましくはNiが質量%で46%以上50%以下の範囲である。
上述のFe−Ni系合金の具体的な化学組成としては、42%Ni−Fe合金、48%Ni−Fe合金、50%Ni−Fe合金等が代表的である。これらの他、42%Ni−6%Cr−Fe合金等のFe−Ni−Cr系合金、或いはNiの一部を10%以下のCoで置換したFe−Ni−Co系合金を本発明ではFe−Ni系合金と言う。
なお、上述のFe−Ni系合金に、更に強度を向上させたり、熱間加工性やエッチング性等を向上させる元素を適宜添加しても良い。
以上説明するように、本発明の製造方法を適用すれば、大型サイズの金属基板を高速で且つ大量に効率良く表面全体を処理できることから、画像表示装置用部材として、表面全体の絶縁処理が必要なプラズマディスプレイ用金属隔壁または背面板の製造方法として最適である。
以下、本発明を更に詳細に実施例を用いて説明する。
図1の符号1は、本発明方法に用いることができる減圧プラズマCVD装置の一例である。
この減圧プラズマCVD装置1は、真空容器11を有している。
真空容器11の外部には、真空排気系18が接続されており、真空容器11内部を減圧雰囲気にできるように構成されている。
真空容器11の内部には、複数のガス導入アノードプレート12が配置されている。
ガス導入アノードプレート12は、平板状であり、互いに所定間隔だけ離間して平行に配置されている。
ガス導入アノードプレート12内部は中空であり、その片面又は両面には、複数のガス噴出口15が形成されており、ガス導入アノードプレート12の間に成膜対象の金属基板を配置し、ガス導入アノードプレート12の中空内部に原料ガスを導入し、噴出口15から噴出すると、金属基板の両面に原料ガスが吹き付けられるように構成されている。
図1の符号21は金属基板であり、符号16はガス導入アノードプレート12の中空内部と不図示のガス供給源とを接続し、ガス導入アノードプレート12に原料ガスを供給するパイプである。
この図1ではガス導入アノードプレート12は、真空容器11内に5個配置されており、ガス導入アノードプレート12の間には、金属基板21を1枚ずつ配置できるので、一度に4枚の金属基板21の処理が可能である。
真空容器11の外部には、交流電圧源31が配置されており、真空容器11内に配置された各金属基板21は、それぞれコイル32を介して交流電圧源31に接続されている。
真空容器11は接地電位に接続されており、コイル32のインピーダンスの大きさを変え、各金属基板21と交流電圧源31との間のインピーダンスを調節しておき、交流電圧源31を起動すると、各金属基板21には、同じ周波数で同じ大きさの交流電圧が印加される。
金属基板21として、熱膨張係数8.5×10-6/℃の質量%で48%のNiを含有し、残部がFe及び不可避的不純物でなるFe−Ni系合金製の薄板(厚さ0.2mm×幅200mm×長さ200mm)を用い、画像表示装置用部材としてPDP用の隔壁となるように、多数の貫通孔をFeCl3水溶液をノズルから噴射するスプレー式の湿式エッチング法で形成し、金属基板21とした。
図2(a)は、金属基板21の部分拡大図であり、符号22は貫通孔を示している。
次に、金属基板21に、減圧プラズマCVD装置1を用い、単数枚数又は複数枚数の金属基板に対して同時に表面層を形成した。ここでは、原料ガスを替え、下記表1に示すように、Al23、SiO2、ZrO2、MgO、TiO2、Si34の表面層を形成し、図2(b)に示すような画像表示装置用金属部材2を得た。同図の符号23は表面層を示しており、貫通孔22の内周面にも表面層23が形成されている。
SiO2の形成には、テトラエトキシシランを原料ガスに用いることができる。また、SiH4とN2OとArの混合ガスや、SiH4とN2OとN2の混合ガスを原料ガスに用いることができる。
Si34の形成にはヘキサメチルジシラザンを原料ガスに用いることができる。
また、Al23にはトリsecブトキシアルミニウム、ZrO2にはテトラ-i-ブロポキシジルコニウム、MgOにはアセチルアセトマグネシウム、TiO2にはテトラ-i-ブロポキシチタンを用いることができる。
表1中の直接電圧印加を行わないCVD法(実施例1)は、図1のプラズマCVD装置ではなく、通常のプラズマCVDの真空容器内に配置された接地電極上に基板を置き、上方のシャワーノズルから原料ガスを金属基板に吹き付け、先ず、片面に成膜し、次に、ひっくり返してもう一方の片面に成膜した。実施例1の成膜条件は、基板温度:350℃、真空度:165Pa、電極に印加する電力密度:0.4W/cm2、周波数:13.56MHzの高周波電圧である。1回に成膜する枚数は一枚である。成膜中の基板は接地電位に置かれる。
他の実施例(実施例2から7)は、図1のプラズマCVD装置を用い、電圧を直接印加する減圧プラズマCVD法で成膜した。その成膜条件は、基板温度:350℃、真空度:200Pa、金属基板に印加する電力密度:0.3W/cm2以上0.5W/cm2以下、周波数は13.56MHzの高周波電圧であり、処理枚数は一度に3枚とした。
比較例として、特開平3−205738号で開示されるように、上記の金属基板21と同じ隔壁用金属基板に、電着法によってBi−B−Si−O系ガラスを表面に形成した後、550℃×0.5hの条件で大気中で加熱し、焼付けて表面層を形成し、画像表示装置用金属部材を得た。
次に、本発明の画像表示装置用金属部材2及び比較例の画像表示装置用金属部材の評価方法について説明する。
本発明及び比較例の表面層の厚みは、金属隔壁の断面を走査電子顕微鏡を用いて観察した。それらの表面層の絶縁性は、成膜後、550℃×1h、大気中の条件で、冷熱サイクルをかけた後、金属隔壁で孔の無い平面部において絶縁破壊電圧をJIS−C2110に従い測定し、10点の平均値として評価した。
熱変形については、成膜後の本発明及び比較例の画像表示装置用金属部材を平坦なガラス板上に置いた状態で、隙間があるかどうかで判定した。
これらの結果を表1にまとめて示す。
Figure 2006092765
表1の結果より、実施例1では、1回の処理で1枚であるが、実施例2〜実施例7は、1回の処理で3枚を同時に処理することができた。実施例1〜実施例7までは絶縁破壊電圧として、100V以上が確保されており、PDPのパネルに組み立てて駆動させても絶縁性は問題なく、PDPとして正常に作動した。
しかし、比較例は、成膜後の熱変形が大きいため、PDPの組み立て工程におけるガラス背面板との接合ができなかった。
なお、本発明の減圧プラズCVD法で作製した画像表示装置用金属部材は、熱CVDに見られるような熱変形や金属基板の酸化は確認できなかった。
以上の結果から、本発明の製造方法を適用することで、絶縁層の膜厚を片面で10μm以下に抑えても十分な絶縁性を得ることができ、開口率も問題ないため、PDPの性能面でも従来方式と比較して輝度を確保できることが判明した。また、複数枚を同時に処理できるため、生産性が高く、かつ、熱変形も生じないことが判明した。また、減圧下で成膜するため、異物の付着も少なかった。
なお、上述のFe−Ni系合金製の金属基板のサイズは、ディスプレイの性能確認用として作製した実験機用のものであり、実機サイズである幅700mm×長さ1200mmの50インチサイズの金属基板を10枚程度、一度に処理することが可能である。
本発明は、薄膜で高い絶縁性を有し、かつ生産性の高い絶縁処理プロセスを提供することが可能となるため、絶縁性を必要とする貫通孔または溝付きの3次元的形状を有す金属部材に適用できる。
本発明方法に用いることができる減圧プラズマCVD装置の一例 (a):金属基板の一例 (b):画像表示装置用金属部材の一例
符号の説明
2……画像表示装置用金属部材
21……金属基板
23……表面層

Claims (19)

  1. 金属基板に、減圧プラズマ化学気相成長法によって、表面層を形成する画像表示装置用金属部材の製造方法。
  2. 複数の前記金属基板に同時に前記表面層を形成する請求項1記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  3. 前記表面層が酸化物層でなり、該酸化物層の組成は、Al23、SiO2、ZrO2、MgO、TiO2のうちの少なくとも一種を主成分とする請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  4. 前記表面層が窒化物層でなり、該窒化物層の組成は、AlN、Si34、BNのうちの少なくとも一種を主成分とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  5. 前記表面層を厚さ0.1μm以上10μm以下に形成する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  6. Niを質量%で38%以上52%以下の範囲で含有するFe−Ni系合金によって構成された前記金属基板を用いる請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  7. 画像表示装置用金属部材は、プラズマディスプレイ用金属隔壁または背面板である請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  8. 前記表面層を形成させる原料ガスを、減圧雰囲気下で前記金属基板に吹き付けながら前記表面層を成長させる請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  9. 前記金属板には複数の貫通孔が形成され、前記原料ガスは前記金属板の両面に吹き付ける請求項8記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  10. 金属基板に、電圧を印加して減圧プラズマ化学気相成長法によって、表面層を形成する画像表示装置用金属部材の製造方法。
  11. 複数の前記金属基板に同時に前記表面層を形成する請求項10記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  12. 前記金属基板に印加する電力密度が0.01W/cm2以上10W/cm2以下で、周波数が1kHz以上60MHz以下の高周波電圧である請求項10記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  13. 前記表面層が酸化物層でなり、該酸化物層の組成は、Al23、SiO2、ZrO2、MgO、TiO2のうちの少なくとも一種を主成分とする請求項10乃至12のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  14. 前記表面層が窒化物層でなり、該窒化物層の組成は、AlN、Si34、BNのうちの少なくとも一種を主成分とする請求項10乃至12のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  15. 前記表面層を厚さ0.1μm以上10μm以下に形成する請求項10乃至請求項14のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  16. Niを質量%で38%以上52%以下の範囲で含有するFe−Ni系合金によって構成された前記金属基板を用いる請求項10乃至請求項15のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  17. 画像表示装置用金属部材は、プラズマディスプレイ用金属隔壁または背面板である請求項1乃至16のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  18. 前記表面層を形成させる原料ガスを減圧雰囲気下で前記金属基板に吹き付けながら、該金属基板に高周波電圧を印加する請求項10乃至請求項17のいずれか1項記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
  19. 前記金属基板には複数の貫通孔が形成され、前記原料ガスを前記金属基板の両面に吹き付ける請求項18記載の画像表示装置用金属部材の製造方法。
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