JPH05230622A - 加工性の良好なチタンめっき鋼板 - Google Patents
加工性の良好なチタンめっき鋼板Info
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- JPH05230622A JPH05230622A JP3497492A JP3497492A JPH05230622A JP H05230622 A JPH05230622 A JP H05230622A JP 3497492 A JP3497492 A JP 3497492A JP 3497492 A JP3497492 A JP 3497492A JP H05230622 A JPH05230622 A JP H05230622A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】Ti皮膜のC軸配向性を抑制することによっ
て、加工性を改善して優れた特性を有するTiめっき鋼
板を得る。 【構成】冷延鋼板および鋼板表面に、x線回折パタ―ン
の測定において(010)、(002)、および(01
1)ピ―クの強度の和に対する(002)ピ―クの強度
の比率を0.40以下としたC軸結晶配向性の少ない結
晶方位を持つTi皮膜を形成する。
て、加工性を改善して優れた特性を有するTiめっき鋼
板を得る。 【構成】冷延鋼板および鋼板表面に、x線回折パタ―ン
の測定において(010)、(002)、および(01
1)ピ―クの強度の和に対する(002)ピ―クの強度
の比率を0.40以下としたC軸結晶配向性の少ない結
晶方位を持つTi皮膜を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性に優れたTiめっ
き鋼板に関する。
き鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建材、自動車、家電など薄板材料
が使用される分野において、耐食性に優れた材料の要求
はますます強くなりつつある。Tiは耐食性に優れ、耐
久性に富んだ材料である。この反面、高価なために、航
空機用材料など限られた分野しか使用されていない。こ
のため、安価に使用できる方法として鋼板等にTiをめ
っきすることが検討されたが、工業的に採用されている
電気めっき法や溶融めっき法では原理的に困難であると
いう問題点があった。
が使用される分野において、耐食性に優れた材料の要求
はますます強くなりつつある。Tiは耐食性に優れ、耐
久性に富んだ材料である。この反面、高価なために、航
空機用材料など限られた分野しか使用されていない。こ
のため、安価に使用できる方法として鋼板等にTiをめ
っきすることが検討されたが、工業的に採用されている
電気めっき法や溶融めっき法では原理的に困難であると
いう問題点があった。
【0003】しかし、真空蒸着やイオンプレ―ティング
などの物理蒸着法(PVD)の発達にともない、Tiめ
っきをおこなうことが可能となり、特開昭63−210
297号や特開昭63−235464号に真空蒸着およ
びイオンプレ―ティングによるTiめっきが示されてい
る。しかし、これらの特許ではTiめっき層に生ずるピ
ンホ―ルの発生を防止することができない。この課題を
解決するため、特開昭63−210297号ではクロム
酸処理によりTi層のピンホ―ルを埋めることで対処し
ている。また、特開昭63−235464号ではTiめ
っき後500〜800℃の温度領域で加熱しTi層と基
板との合金化によりピンホ―ルをなくし加工性と耐食性
を確保していた。しかし、これらの方法はいずれもTi
めっき後の処理工程が加わるため、製造コストが増加す
ることは避けることができなかった。
などの物理蒸着法(PVD)の発達にともない、Tiめ
っきをおこなうことが可能となり、特開昭63−210
297号や特開昭63−235464号に真空蒸着およ
びイオンプレ―ティングによるTiめっきが示されてい
る。しかし、これらの特許ではTiめっき層に生ずるピ
ンホ―ルの発生を防止することができない。この課題を
解決するため、特開昭63−210297号ではクロム
酸処理によりTi層のピンホ―ルを埋めることで対処し
ている。また、特開昭63−235464号ではTiめ
っき後500〜800℃の温度領域で加熱しTi層と基
板との合金化によりピンホ―ルをなくし加工性と耐食性
を確保していた。しかし、これらの方法はいずれもTi
めっき後の処理工程が加わるため、製造コストが増加す
ることは避けることができなかった。
【0004】一方、Tiめっき層のピンホ―ルが避けら
れないものとして、Ti皮膜とAl皮膜を順次形成する
Al/Ti二層めっき鋼板が特開昭52−123343
と特開昭62−80262において提案されている。す
なわち、特開昭52−123343は、被処理体表面に
まずTiを蒸着、次いでAlを蒸着する複合蒸着処理方
法である。また特開昭62−80261は鋼板表面に厚
さ0.02〜5μmのTi皮膜を順次形成するととも
に、全皮膜厚さが0.5〜20μmでTi皮膜の厚さが
全皮膜厚さの60%以下としためっき鋼板である。しか
し、このようなAl/Ti二層めっき鋼板では耐食性や
耐熱性を有するものの、用途に応じては、Ti固有の表
面性状がAlによって損なわれるという欠点があった。
れないものとして、Ti皮膜とAl皮膜を順次形成する
Al/Ti二層めっき鋼板が特開昭52−123343
と特開昭62−80262において提案されている。す
なわち、特開昭52−123343は、被処理体表面に
まずTiを蒸着、次いでAlを蒸着する複合蒸着処理方
法である。また特開昭62−80261は鋼板表面に厚
さ0.02〜5μmのTi皮膜を順次形成するととも
に、全皮膜厚さが0.5〜20μmでTi皮膜の厚さが
全皮膜厚さの60%以下としためっき鋼板である。しか
し、このようなAl/Ti二層めっき鋼板では耐食性や
耐熱性を有するものの、用途に応じては、Ti固有の表
面性状がAlによって損なわれるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点を解決し、実用性に優れたTiめっきを実現する
ための検討をおこなった結果、Ti皮膜のC軸配向性を
抑制することによって、加工性を改善し優れた特性を有
するTiめっき鋼板を提供することにある。
問題点を解決し、実用性に優れたTiめっきを実現する
ための検討をおこなった結果、Ti皮膜のC軸配向性を
抑制することによって、加工性を改善し優れた特性を有
するTiめっき鋼板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、冷延鋼板ある
いはステンレス鋼板表面に、(010)、(002)、
および(011)ピ―クの強度の和に対する(002)
ピ―クの強度の比率を0.40以下としたC軸結晶配向
性の少ない結晶方位を持つTi皮膜を形成することによ
り加工性を改善したTiめっき鋼板、である。
いはステンレス鋼板表面に、(010)、(002)、
および(011)ピ―クの強度の和に対する(002)
ピ―クの強度の比率を0.40以下としたC軸結晶配向
性の少ない結晶方位を持つTi皮膜を形成することによ
り加工性を改善したTiめっき鋼板、である。
【0007】表面処理鋼板は、通常加工した後に使用さ
れるため、めっき皮膜の加工性がきわめて重要である。
そのため、本発明では特に加工性および被覆性の向上を
図っている。
れるため、めっき皮膜の加工性がきわめて重要である。
そのため、本発明では特に加工性および被覆性の向上を
図っている。
【0008】
【作用】本発明の理解を容易にするために、以下に具体
的にかつ詳細に説明する。
的にかつ詳細に説明する。
【0009】まず鋼板あるいはステンレス鋼板のような
Cr含有鋼板の表面を清浄化した後に、Ti皮膜をめっ
きする。Ti皮膜の形成について、成膜方法の制限はな
い。すなわち、高真空中のイオンプレ―ティング、真空
蒸着、イオンビ―ム蒸着あるいはスパッタリングなど乾
式めっきのいずれでもよい。しかし、影近らによって報
告されたごとく加工性と生産性の点でイオンプレ―ティ
ングが好適である(影近博、兵藤知明、木部洋、安江良
彦:NKK技報、No.135(1991)P23)。
イオンプレ―ティングの場合、直流放電イオンプレ―テ
ィングや高周波放電イオンプレ―ティングのように導入
ガスを用いた低、中真空中のイオンプレ―ティングもT
i皮膜の形成が可能であるが、この場合皮膜の密着性や
緻密さを損ない、ピンホ―ルの発生率が増加するので例
えばア―ク放電型イオンプレ―ティングのような1×1
0-5Torr以下の高真空中におけるイオンプレ―ティ
ングが望ましい。
Cr含有鋼板の表面を清浄化した後に、Ti皮膜をめっ
きする。Ti皮膜の形成について、成膜方法の制限はな
い。すなわち、高真空中のイオンプレ―ティング、真空
蒸着、イオンビ―ム蒸着あるいはスパッタリングなど乾
式めっきのいずれでもよい。しかし、影近らによって報
告されたごとく加工性と生産性の点でイオンプレ―ティ
ングが好適である(影近博、兵藤知明、木部洋、安江良
彦:NKK技報、No.135(1991)P23)。
イオンプレ―ティングの場合、直流放電イオンプレ―テ
ィングや高周波放電イオンプレ―ティングのように導入
ガスを用いた低、中真空中のイオンプレ―ティングもT
i皮膜の形成が可能であるが、この場合皮膜の密着性や
緻密さを損ない、ピンホ―ルの発生率が増加するので例
えばア―ク放電型イオンプレ―ティングのような1×1
0-5Torr以下の高真空中におけるイオンプレ―ティ
ングが望ましい。
【0010】Tiめっき材の加工性を向上させるために
は、HCP構造のTi皮膜のC軸結晶配向性を少なくす
る、すなわち(002)ピ―ク強度を(010)、(0
02)、および(011)ピ―クの強度の和に対し0.
40以下とすることが必須である。このことは発明者ら
が新たに見いだした新規な事項である。ここで、ピ―ク
強度の測定はX線回折でおこなう。例えば、X線回折は
ディフラクトメ―タ法によるもので、X線源としてCu
の特性X線(CuKα)を用い、X線源の出力は10k
Wで、表面処理材を回折するためにX線の入射角を2°
とした薄膜光学系を採用する。
は、HCP構造のTi皮膜のC軸結晶配向性を少なくす
る、すなわち(002)ピ―ク強度を(010)、(0
02)、および(011)ピ―クの強度の和に対し0.
40以下とすることが必須である。このことは発明者ら
が新たに見いだした新規な事項である。ここで、ピ―ク
強度の測定はX線回折でおこなう。例えば、X線回折は
ディフラクトメ―タ法によるもので、X線源としてCu
の特性X線(CuKα)を用い、X線源の出力は10k
Wで、表面処理材を回折するためにX線の入射角を2°
とした薄膜光学系を採用する。
【0011】C軸配向性の低いTi皮膜を有する表面処
理鋼板を製造するには、例えば、(1)高真空下でイオ
ン化率を高めたイオンプレ―ティング、(2)基板に負
のバイアス電圧を印加したイオンプレ―ティング、
(3)イオンビ―ムスパッタリング、(4)基板温度を
500℃以上とした真空蒸着などで達成される。
理鋼板を製造するには、例えば、(1)高真空下でイオ
ン化率を高めたイオンプレ―ティング、(2)基板に負
のバイアス電圧を印加したイオンプレ―ティング、
(3)イオンビ―ムスパッタリング、(4)基板温度を
500℃以上とした真空蒸着などで達成される。
【0012】この種の表面処理鋼板では、加工によって
割れが発生する場合、加工後の耐食性も劣化するため、
加工を施しても割れが発生しないことが必須である。本
発明に係るC軸配向性の小さいTiめっき鋼板は結晶粒
径の大きな柱状晶組織となり、結晶粒界を伝播する亀裂
が著しく減少する。一方、C軸配向性の高いTi皮膜を
有する表面処理鋼板は、膜厚方向に成長が進み結晶粒径
の小さな柱状晶組織を呈するため、加工時に結晶粒界を
伝播する形で亀裂が生じやすい。
割れが発生する場合、加工後の耐食性も劣化するため、
加工を施しても割れが発生しないことが必須である。本
発明に係るC軸配向性の小さいTiめっき鋼板は結晶粒
径の大きな柱状晶組織となり、結晶粒界を伝播する亀裂
が著しく減少する。一方、C軸配向性の高いTi皮膜を
有する表面処理鋼板は、膜厚方向に成長が進み結晶粒径
の小さな柱状晶組織を呈するため、加工時に結晶粒界を
伝播する形で亀裂が生じやすい。
【0013】Tiめっき鋼板において、Ti皮膜におけ
るC軸配向性と加工性との関係を調べた。この結果を図
1に示す。加工性はTiめっき鋼板を180°折り曲げ
走査型電子顕微鏡によって観察した割れを、図の脚注に
示した評価点の基準で分類する方法によった。本図から
明らかなように、(002)ピ―ク強度が(010)、
(002)、および(011)ピ―クの強度の和に対し
0.40以下の場合には、曲げ部に割れは認められなか
ったのに対し、0.40を越える場合には割れが認めら
れた。
るC軸配向性と加工性との関係を調べた。この結果を図
1に示す。加工性はTiめっき鋼板を180°折り曲げ
走査型電子顕微鏡によって観察した割れを、図の脚注に
示した評価点の基準で分類する方法によった。本図から
明らかなように、(002)ピ―ク強度が(010)、
(002)、および(011)ピ―クの強度の和に対し
0.40以下の場合には、曲げ部に割れは認められなか
ったのに対し、0.40を越える場合には割れが認めら
れた。
【0014】なお、イオンプレ―ティングによるTi皮
膜の結晶配向性について、沖らは金属表面技術協会の第
74回講演大会要旨集(昭和61年9月2日原稿受理)
に報告している。この中で彼らはX線回折の(002)
面と(011)面の相対強度比を調べ、ガス圧が増加す
る(真空度が劣化する)とTi(002)への配向率が
減少し結晶粒が細かくなると指摘したが、加工性につい
ては全く言及していない。本発明は、イオンプレ―ティ
ングやスパッタリングなど基板表面において蒸着粒子の
運動エネルギ―が高い場合(イオン化率が高い場合)に
は、この研究とは逆にTi(002)への配向率が減少
するとともに結晶粒径が増大し、良好な加工性が得られ
ることを見いだしたことに特徴づけられる。
膜の結晶配向性について、沖らは金属表面技術協会の第
74回講演大会要旨集(昭和61年9月2日原稿受理)
に報告している。この中で彼らはX線回折の(002)
面と(011)面の相対強度比を調べ、ガス圧が増加す
る(真空度が劣化する)とTi(002)への配向率が
減少し結晶粒が細かくなると指摘したが、加工性につい
ては全く言及していない。本発明は、イオンプレ―ティ
ングやスパッタリングなど基板表面において蒸着粒子の
運動エネルギ―が高い場合(イオン化率が高い場合)に
は、この研究とは逆にTi(002)への配向率が減少
するとともに結晶粒径が増大し、良好な加工性が得られ
ることを見いだしたことに特徴づけられる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0016】板厚0.1〜1.5mmの、JISG314
1で規定される冷間圧延鋼板(冷延鋼板)およびJIS
G4305で規定される冷間圧延ステンレス鋼板を10
0〜300℃に予備加熱した後、真空中でArボンバ―
ドによる前処理を行なった。Alキルド鋼板は本方法は
1.0×10-3TorrのArガス雰囲気中で高周波放
電を起こし、同時に鋼板に−1kVの負電圧を印加して
Arイオンを鋼板に衝突させ、鋼板表面上の酸化物を除
去し、清浄な鋼板表面を得る方法である。
1で規定される冷間圧延鋼板(冷延鋼板)およびJIS
G4305で規定される冷間圧延ステンレス鋼板を10
0〜300℃に予備加熱した後、真空中でArボンバ―
ドによる前処理を行なった。Alキルド鋼板は本方法は
1.0×10-3TorrのArガス雰囲気中で高周波放
電を起こし、同時に鋼板に−1kVの負電圧を印加して
Arイオンを鋼板に衝突させ、鋼板表面上の酸化物を除
去し、清浄な鋼板表面を得る方法である。
【0017】次いで鋼板を100〜350℃加熱のまま
Tiをめっきする。めっき条件として、1.0×10-5
Torr以下の雰囲気圧力で、純Tiを電子ビ―ムによ
って加熱蒸発させ、蒸発したTi粒子をイオン化し、−
100〜−500Vの負電圧を印加した鋼板にめっきす
る条件で行なった。
Tiをめっきする。めっき条件として、1.0×10-5
Torr以下の雰囲気圧力で、純Tiを電子ビ―ムによ
って加熱蒸発させ、蒸発したTi粒子をイオン化し、−
100〜−500Vの負電圧を印加した鋼板にめっきす
る条件で行なった。
【0018】このようなめっき処理により成膜されたT
i皮膜を有するめっき鋼板を皮膜の膜厚をそれぞれ変え
て製造し、密着性、加工性、および被覆性について調べ
た。結果を表1に示す。
i皮膜を有するめっき鋼板を皮膜の膜厚をそれぞれ変え
て製造し、密着性、加工性、および被覆性について調べ
た。結果を表1に示す。
【0019】Ti膜の結晶配向性はディフラクトメ―タ
法によるX線回折により求めた。X線源としてCuの特
性X線(CuKα)を用い、X線源の出力を10kWと
し、X線の入射角を2°とした薄膜光学系を採用した。
法によるX線回折により求めた。X線源としてCuの特
性X線(CuKα)を用い、X線源の出力を10kWと
し、X線の入射角を2°とした薄膜光学系を採用した。
【0020】密着性は、折曲げテ―プ剥離試験によって
評価した。本試験は180°のOt曲げ1回行なうごと
にテ―プ剥離試験を行ない、それを母材が折りきれるま
で繰り返し、めっき皮膜の剥離の有無を調べることによ
り評価した。加工後密着性は、エリクセン加工(7cm押
し出し)後、テ―プ剥離試験を行ない、めっき層の剥離
の有無を調べる方法で評価した。加工性はめっき鋼板を
180°のOt曲げをおこない、表面を10〜25kV
の加速電圧による走査型電子顕微鏡で観察する方法で評
価した。
評価した。本試験は180°のOt曲げ1回行なうごと
にテ―プ剥離試験を行ない、それを母材が折りきれるま
で繰り返し、めっき皮膜の剥離の有無を調べることによ
り評価した。加工後密着性は、エリクセン加工(7cm押
し出し)後、テ―プ剥離試験を行ない、めっき層の剥離
の有無を調べる方法で評価した。加工性はめっき鋼板を
180°のOt曲げをおこない、表面を10〜25kV
の加速電圧による走査型電子顕微鏡で観察する方法で評
価した。
【0021】めっき皮膜の均一被覆性はADC(Anodi
c Dissolution Current)試験でおこなった。本試験
は電気化学的評価方法の一種で、皮膜が測定溶液中で不
動態、下地の鉄が活性な電位の時に流れる鉄の溶出電流
を測定するものである。被覆率が高い場合には溶出電流
が小さくなる(原富啓、影近博、余村良則:鉄と鋼,V
ol.65,No.11(1979)S950)。本表
より、Tiめっき層の(002)C軸結晶配向性を0.
40以下とすることにより加工性が向上することが明ら
かである。
c Dissolution Current)試験でおこなった。本試験
は電気化学的評価方法の一種で、皮膜が測定溶液中で不
動態、下地の鉄が活性な電位の時に流れる鉄の溶出電流
を測定するものである。被覆率が高い場合には溶出電流
が小さくなる(原富啓、影近博、余村良則:鉄と鋼,V
ol.65,No.11(1979)S950)。本表
より、Tiめっき層の(002)C軸結晶配向性を0.
40以下とすることにより加工性が向上することが明ら
かである。
【0022】
【発明の効果】Ti皮膜のC軸配向性を抑制することに
よって、加工性を改善して優れた特性を有するTiめっ
き鋼板を得ることができる。
よって、加工性を改善して優れた特性を有するTiめっ
き鋼板を得ることができる。
【0023】
【表1】
【図1】Ti皮膜におけるC軸配向性と加工性との関係
を示す図。
を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 冷延鋼板および鋼板表面に、x線回折パ
タ―ンの測定において(010)、(002)、および
(011)ピ―クの強度の和に対する(002)ピ―ク
の強度の比率を0.40以下としたC軸結晶配向性の少
ない結晶方位を持つTi皮膜を形成してなる加工性の良
好なチタンめっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3497492A JPH05230622A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 加工性の良好なチタンめっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3497492A JPH05230622A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 加工性の良好なチタンめっき鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230622A true JPH05230622A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12429119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3497492A Pending JPH05230622A (ja) | 1992-02-21 | 1992-02-21 | 加工性の良好なチタンめっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05230622A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2661294C1 (ru) * | 2017-08-03 | 2018-07-13 | федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Уфимский государственный авиационный технический университет" | Способ получения многослойной детали из титанового сплава |
-
1992
- 1992-02-21 JP JP3497492A patent/JPH05230622A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2661294C1 (ru) * | 2017-08-03 | 2018-07-13 | федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Уфимский государственный авиационный технический университет" | Способ получения многослойной детали из титанового сплава |
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