JPS6314256Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、天井内に配置される空気調和機本体
と天井下面に配置されるパネルとをチヤンバーに
よつて接続してなる天井埋込型空気調和機に関す
るものである。

（従来技術） 比較的広い部屋に天井埋込型空気調和機を適数
個取付けてこれら各空気調和機によつて室内空気
の温度調整を行なう場合には、第１図に示す如く
部屋の中央部に設置される中央側空気調和機Z₁か
らは部屋の隅々に向つて広範囲に空気を吹出し、
また部屋の隅近くに設置される隅側空気調和機
Z₂、Z₂からは部屋の中央部に向けて空気を吹出す
ようにその風向調整即ち、ペリメータ処理を行な
う必要がある。

このような天井埋込型空気調和機においてペリ
メータ処理を行なう場合、従来は第１図に示す如
く中央側空気調和機Z₁として二方向吹出式のパネ
ル１１３を備えた中央側空気調和機を、また隅側
空気調和機Z₂として一方向吹出式のパネル１２３
を備えた空気調和機を適用するのが通例であつ
た。

ところが、従来例の如く形状の異なるパネルを
もつた空気調和機を同一室内に配置するようにし
た場合には、室内意匠の統一性に欠けるため居住
者に違和感を与え、それだけ商品価値が低下する
という問題があつた。

さらに、このようにパネル形式の異なる二種類
の空気調和機を使用するようにした場合には、そ
れだけ部品点数が多くなりコストアツプを招くと
いう問題もあつた。

（考案の目的） 本考案は上記の如き従来の天井埋込型空気調和
機の問題に鑑み、パネル形式を変えることなく風
向調整を可能とすることにより複数個の天井埋込
型空気調和機を同一室内に併設した場合における
室内の意匠に統一性を付与しもつて高品価値の向
上を図るとともに、部品の共通化を促進してコス
トの低廉化を図るようにした天井埋込型空気調和
機を提供することを目的としてなされたものであ
る。

（考案の構成） 本考案の天井埋込型空気調和機は、天井内に配
置される本体ケーシング内を吸込側空気通路と吹
出側空気通路に区画して該吸込側空気通路に適数
個のフアンをまた前記吹出側空気通路内に熱交換
器をそれぞれ配置してなる空気調和機本体と、中
央部に吸込口をまた該吸込口の両側に第１吹出口
と第２吹出口をそれぞれ有し且つ天井下面に配置
されるパネルとを、吸込通路と吹出通路を有する
チヤンバーによつて接続してなる天井埋込型空気
調和機において、前記チヤンバーとして、前記吸
込通路により前記空気調和機本体の吸込側空気通
路を前記パネルの吸込口に連通させまた前記吹出
通路により前記空気調和機本体の前記吹出側空気
通路を前記パネルの第１吹出口と第２吹出口に同
時に連通させ得るような通路構成をもつ第型の
チヤンバーと、前記吸込通路により前記空気調和
機本体の吸込側空気通路を前記パネルの吸込口と
第２吹出口に同時に連通させまた前記吹出通路に
より前記空気調和機本体の吹出側空気通路を前記
パネルの第１吹出口に連通させ得るような通路構
成をもつ第型のチヤンバーとを適用可能とし、
該第型チヤンバーと第型チヤンバーを選択使
用することにより前記空気調和機本体の前記フア
ンからの吹出空気を、前記パネルの第１吹出口と
第２吹出口の両方からあるいは前記パネルの第１
吹出口のみから選択的に吹出させ得るように構成
したことを特徴とするものである。

（実施例） 本考案の天井埋込型空気調和機は、第２図に示
す如く中央側空気調和機Z₁として適用される場合
にも隅側空気調和機Z₂として適用される場合に
も、後に詳述する如くチヤンバー２，１２の構造
を変えることのみにより同一型式のパネルを使用
して所定のペリメータ処理を行ない得るようにし
たものであり、以下、中央側空気調和機Z₁として
適用される場合と隅側空気調和機Z₂として適用さ
れる場合についてそれぞれ具体的な構造並びにそ
の作用を説明することにする。

第３図には中央側空気調和機として適用される
空気調和機Z₁が示されている。この空気調和機Z₁
は、吊りボルト５０，５０により天井内に吊り下
げられた本体ケーシング４内を、第１仕切板３１
によつて吸込側空気通路２８と吹出側空気通路２
９とに区画して吸込側空気通路２８内に両吸込方
式のフアン（シロツコフアン）５をまた吹出側空
気通路２９内に熱交換器６を夫々配置してなる空
気調和機本体１と、中央部に吸込口２１をまた該
吸込口２１の両側に第１吹出口１９と第２吹出口
２０を夫々その長手方向に列状に形成するととも
に、該吸込口２１にグリル７とエアフイルター８
を取付けて構成され且つ天井４０の下面４０ａ側
に配置されるパネル３と、前記空気調和機本体１
と前記パネル３の間を接続する本考案の主体をな
す第型チヤンバー２（後に詳述する）とで構成
され、これらの空気調和機本体１とパネル３と第
型チヤンバー２を本体ケーシング４とパネル３
を連結する結合ボルト５１，５１…及び第型チ
ヤンバー２とパネル３を接合するビス５２，５２
…（第４図参照）によつて上下方向に一体的に結
合されている。

第型チヤンバー２は、第３図及び第５図に示
す如く一対の長尺の第１側板４２Ａと第２側板４
２Ｂ及び短尺の第３側板４２Ｃと第４側板４２Ｄ
により長方形筐状に形成された枠体４１を有して
いる。この枠体４１内の第１側板４２Ａと第２側
板４２Ｂから夫々所定寸法だけ枠体中央寄り位置
には、枠体４１の長手方向に向けて長尺の第１仕
切板４３と第２仕切板４４が夫々その上部を枠体
中央寄りに適宜角度だけ傾斜させ且つ第３側板４
２Ｃと第４側板４２Ｄにまたがつて取付けられて
おり、該第１、第２仕切板４３，４４によつて枠
体４１内部に三つの空気通路即ち、該各仕切板４
３，４５間（枠体４１の中央）に位置し且つ上方
に向つてその通路面積が漸減する吸込通路２２
と、第１側板４２Ａ側に位置し且つ上方に向つて
その通路面積が漸増する第１吹出通路２４Ａと、
第２側板４２Ｂ側に位置し且つ上方に向つてその
通路面積が漸増する第２吹出通路２４Ｂとが形成
されている。さらに、枠体４１の長手方向中央部
には、前記吸込通路２２と第１吹出通路２４Ａを
ともに横断するようにして断面Ｖ形のＶ形仕切板
４５が、吸込通路２２の長手方向中央部を頂点と
して上方に向けてＶ字状に拡開するようにして取
付けられている。このＶ形仕切板４５内に形成さ
れるＶ形通路４６は、第２吹出通路２４Ｂに連通
せしめられており、後述する如く熱交換器６通過
後の吹出空気の一部を専ら第２吹出通路２４Ｂ側
に分流せしめる分岐通路として作用するものであ
り、以下、このＶ形通路４６を吹出分岐通路４６
という。

枠体４１の上面４１ｂ側においては、上記各空
気通路のうち、吸込通路２２と第１、第２吹出通
路２４Ａ，２４Ｂ及び吹出分岐通路４６の前記第
１吹出通路２４Ａに対応する部分のみが開口し、
他の部分は蓋板４７によつて閉塞されている。こ
の各空気通路の枠体上面４１ｂ側の開口端のう
ち、吸込通路２２は前記空気調和機本体１の吸込
側空気通路２８に、また第１吹出通路２４Ａと吹
出分岐通路４６は空気調和機本体１の吹出側空気
通路２９に夫々連通せしめられる。又、前記パネ
ル３との関係においては、吸込通路２２はパネル
３の吸込口２１に、第１吹出通路２４Ａはパネル
３の第１吹出口１９に、また第２吹出通路２４Ｂ
はパネル３の第２吹出口２０に夫々連通せしめら
れる。

上述の如く構成された空気調和機Z₁において
は、パネル３の吸込口２１から第型チヤンバー
２の吸込通路２２を通つてフアン５内に吸込まれ
た空気ｗは、熱交換器６を通過した後、吹出側空
気通路２９から第型チヤンバー２側に吹出さ
れ、さらに第型チヤンバー２内において第１吹
出通路２４Ａと第２吹出通路２４Ｂに分流された
のち、パネル３の第１吹出口１９と第２吹出口２
０からそれぞれ室内にしかも広範囲に吹出され
る。従つて、この空気調和機Z₁は、室の中央部に
設置される中央側空気調和機として好適な吹出特
性を有しているといえる。

第４図には、隅側空気調和機として適用される
空気調和機Z₂が示されている。この空気調和機Z₂
は、前記中央側の空気調和機Z₁において使用した
のと同一構造の空気調和機本体１とパネル３を有
しており、前記中央側空気調和機Ｚとはチヤンバ
ーの形状が異なるのみであるため、以下、このチ
ヤンバーの構造のみを詳述し、空気調和機本体１
とパネル３の構造説明は省略する。

この隅側の空気調和機Z₂には第型チヤンバー
１２が使用されている。この第型チヤンバー１
２は、第４図及び第６図に示す如く一対の長尺の
第１側板４２Ａと第２側板４２Ｂ及び短尺の第３
側板４２Ｃと第４側板４２Ｄにより長方形筐状に
形成された枠体４１を有している。この枠体４１
内の第１側板４２Ａ寄り位置には、枠体４１の長
手方向に向けて長尺の仕切板４８がその上部を枠
体中央寄りに適宜角度だけ傾斜させた状態で第３
側板４２Ｃと第４側板４２Ｄにまたがつて取付け
られており、該仕切板４８によつて枠体４１内部
に二つの空気通路即ち、該仕切板４８と第２側板
４２Ｂ間（枠体４１の中央寄り）に位置し且つ上
方に向つてその通路面積が漸減する吸込通路２２
と、第１側板４２Ａと仕切板４８の間に位置し且
つ上方に向つてその通路面積が漸増する吹出通路
２４とが形成されている。この吸込通路２２と吹
出通路２４の枠体上面４１ｂ側の開口端のうち、
吸込通路２２は前記空気調和機本体１の吸込側空
気通路２８に、また吹出通路２４は空気調和機本
体１の吹出側空気通路２９に夫々連通せしめられ
る。又、前記パネル３との関係においては、吸込
通路２２はパネル３の吸込口２１と第２吹出口２
０の両方に、吹出通路２４はパネル３の第１吹出
口１９のみに夫々連通せしめられる。

上述の如く構成された空気調和機Z₂において
は、パネル３の吸込口２１から第型チヤンバー
１２の吸込通路２２を通つてフアン５内に吸込ま
れた空気ｗは、熱交換器６を通過した後、吹出側
空気通路２９から第型チヤンバー１２側に吹出
され、該第型チヤンバー１２の吹出通路２４を
通つてパネル３の第１吹出口１９から室内に吹出
される。即ち、この空気調和機Z₂においては、パ
ネル３には第１吹出口１９と第２吹出口２０の二
つの吹出口が形成されているにも拘わらず、空気
は一方の吹出口即ち、第１吹出口１９のみから吹
出される。従つて、この空気調和機Z₂は室の隅部
に設置される隅側空気調和機として好適な吹出特
性を有しているといえる。

上述の如く本考案の天井埋込型空気調和機は、
チヤンバーとして吹出空気の分配機能をもつ第
型チヤンバー２と吹出空気の分配機能をもたない
第型チヤンバー１２とを選択使用することによ
り、空気調和機本体１及びパネル３の仕様変更を
行なうことなく吹出特性の異なる２種類の空気調
和機を容易に得ることが可能となる。

（考案の効果） 本考案の天井埋込型空気調和機は、吹出空気の
分配機能をもつた第型チヤンバーと分配機能を
有しない第型チヤンバーとを用意し、これらを
適宜に選択使用することにより、二方向吹出方式
のパネルをもつ空気調和機を、二方向吹出式空気
調和機あるいは一方向吹出式空気調和機として適
用し得るようにしているため、 (1) 比較的広い室内に複数個の天井埋込型空気調
和機を設置し、室内の中央部に設置される空気
調和機を二方向吹出式とし、室内の隅部に設置
される空気調和機を一方向吹出式としていわゆ
るペリメータ処理を行なう場合においても、室
内に露出する各空気調和機のパネルが同一形状
（意匠）であるところから意匠的な統一性があ
り、室内の意匠性が向上し、延いては空気調和
機自体の商品価値が向上する、 (2) チヤンバー形状のみを変更することで仕様の
異なる二種類の空気調和機を容易に得ることが
でき、それだけ機種間の部品共通化を促進して
製造コストの低廉化を図ることができる、 等の実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造の空気調和機の設置状態図、
第２図は本考案の空気調和機の設置状態図、第３
図は本考案実施例に係る空気調和機の第１の構成
例を示す縦断面図、第４図は本考案実施例に係る
空気調和機の第２の構成例を示す縦断面図、第５
図は第３図に示した空気調和機において使用され
た第型チヤンバーの斜視図、第６図は第４図に
示した空気調和機において使用された第型チヤ
ンバーの斜視図である。 １……空気調和機本体、２……第型チヤンバ
ー、３……パネル、４……本体ケーシング、５…
…フアン、６……熱交換器、１２……第型チヤ
ンバー、１９……第１吹出口、２０……第２吹出
口、２１……吸込口、２２……吸込通路、２４…
…吹出通路、２８……吸込側空気通路、２９……
吹出側空気通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井内に配置される本体ケーシング４内を吸込
   側空気通路２８と吹出側空気通路２９に区画して
   該吸込側空気通路２８に適数個のフアン５をまた
   前記吹出側空気通路２９内に熱交換器６をそれぞ
   れ配置してなる空気調和機本体１と、中央部に吸
   込口２１をまた該吸込口２１の両側に第１吹出口
   １９と第２吹出口２０をそれぞれ有し且つ天井下
   面に配置されるパネル３とを、吸込通路２２と吹
   出通路２４を有するチヤンバーによつて接続して
   なる天井埋込型空気調和機であつて、前記チヤン
   バーとして、前記吸込通路２２により前記空気調
   和機本体１の吸込側空気通路２８を前記パネル３
   の吸込口２１に連通させまた前記吹出通路２４に
   より前記空気調和機本体１の前記吹出側空気通路
   ２９を前記パネル３の第１吹出口１９と第２吹出
   口２０に同時に連通させ得るような通路構成をも
   つ第型のチヤンバー２と、前記吸込通路２２に
   より前記空気調和機本体１の吸込側空気通路２８
   を前記パネル３の吸込口２１と第２吹出口２０に
   同時に連通させまた前記吹出通路２４により前記
   空気調和機本体１の吹出側空気通路２９を前記パ
   ネル３の第１吹出口１９に連通させ得るような通
   路構成をもつ第型のチヤンバー１２とが適用可
   能とされ、且つ該第型チヤンバー２と第型チ
   ヤンバー１２を選択使用することにより前記空気
   調和機本体１の前記フアン５からの吹出空気を、
   前記パネル３の第１吹出口１９と第２吹出口２０
   の両方からあるいは前記パネル３の第１吹出口１
   ９のみから選択的に吹出させ得るように構成され
   ていることを特徴とする天井埋込型空気調和機。