JPH05332568A - 天井埋込型空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】空気調和機本体１０と化粧パネル６間を低熱伝
導率の膜質材で、内層ｎは伸縮自在のハニカム形状とし
て外皮ｍ両面ではさみ込み、内層ｎの空間は空気層Ｐと
した材料でフレキシブル性をもたせた吸込ダクト１４，
第１吹出ダクト１５，第２吹出ダクト１６で連通構成す
る。また、第１，第２吹出ダクトの通路開口比はそれぞ
れの通路抵抗比とし、さらに、第２吹出ダクト１６は長
手方向に複数配列させた。 【効果】天井内の空気調和機本体と天井面化粧パネル間
を連通する吸込，吹出通路が安価に構成され、据付施工
上・上体と天井面寸法、本体と化粧パネルの位置ずれが
柔軟に対応可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は天井埋込型空気調和機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の天井埋込型空気調和機の一例を図
５，図６および図７に示す。図中、１は、ベース２内に
送風機３と熱交換器４を設けてなる空気調和機本体、そ
の内部には吸込通路５ａと複数に区画された第１吹出通
路５ｂと吸込通路５ａをとり囲むようにして第２吹出通
路５ｃを有する吹分チャンバ５，両側部内側に内部で連
通した吸込口６ａをまた該吸込口６ａの両側部に第１吹
出口６ｂと第２吹出口６ｃを形成するとともに吸込口６
ａ内にエアフィルタ７を取付けてなる化粧パネル６とで
構成され、化粧パネル６を天井下面側に、また空気調和
機本体１と吹分チャンバ５を天井内にそれぞれ取付けて
いる。

【０００３】次に運転状態を説明すると、送風機３によ
り化粧パネル６の吸込口６ａから吹分チャンバ５の吸込
通路５ａを介して空気調和機本体１の吸込側通路８内に
吸込んだ吸込空気を吹出側空気通路９内の熱交換器４に
おいて熱交換し、冷風あるいは温風（以下冷温風とい
う）とし、この冷温風の一部を吹出空気通路９に連通す
る吹分チャンバ５の第１吹出通路５ｂを介して化粧パネ
ル６の第１吹出口６ｂから、また他の一部は第２吹出通
路５ｃを介して化粧パネル６の第２吹出口６ｃからそれ
ぞれ室内側に吹出される。

【０００４】これらに関連したものに特願昭62−60909
号明細書がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の天井
埋込型空気調和機では、次の問題点があった。すなわ
ち、(1）図６に示すように吹分チャンバ５は上部ブロッ
ク５Ａと第２吹出通路５ｃを形成させるがため、下部ふ
さぎ板５Ｂとを重ね合わせ構成され、下部ふさぎ板５Ｂ
には上部ブロック５Ａが有している吸込通路５ａ，第１
吹出通路５ｂ，第２吹出通路５ｃに合体して、吸込通路
入口５ｄ，第１吹出通路出口５ｅ，第２吹出通路出口５
ｆがそれぞれ設けられている。ここで吹分チャンバ５を
製作加工する場合、一般に、上部ブロック５Ａは通路形
成が複雑となる事、又、空気吸込通路と空気吹出通路が
同一部品内で交差するため、その仕切を構成する材質は
熱伝導率の低い発泡スチロール成形品が利用されてい
る。従って、各通路を形成する仕切はある程度の厚さが
必要とされるがため、外形寸法が固定されると通路面積
が制限される。又、下部ふさぎ板５Ｂは発泡スチロール
製上部ブロック５Ａの強度不足を補う事より鋼板製が用
いられている。しかし熱伝導率が高いため、断熱材を設
けるなどの追加処置が必要となる。吹分チャンバ５はこ
れらの部品をまとめて構成されるため、総合的に重量が
増す他、製作工数の面でも高くなる欠点がある。

【０００６】(2）図７は空気調和機本体１の下面と天井
（Ａ）の距離Ｌが多くなった場合の設置例を示したもの
である。この場合、距離Ｌすなわち工事施工上の裕度は
吹分チャンバ５の空気調和機本体１内に挿入し、スライ
ド出来るＬ₀ 寸法によって決定される。従って、空気調
和機本体１の製品高さＨ寸法は高さを低くするうえで限
度がある欠点があった。

【０００７】(3）さらに、従来の構造は、空気調和機本
体１に取付けられる吹分チャンバ５の各通路と、天井面
（Ａ）に取付けられる化粧パネル６の第１吹出口６ｂ及
び第２吹出口６ｃを合わす必要があるため、空気調和機
本体１の取付けと、化粧パネル６の天井開口寸法との位
置関係は工事施工上精度を要求される欠点もあった。

【０００８】本発明の目的は、空気調和機本体と天井下
面に設置する化粧パネルとの吸込・吹出の各通路を伸縮
自在にすると共に、空気調和機本体と化粧パネルの位置
関係で工事施工上の裕度をもたせた天井埋込型空気調和
機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は天井内に設置される空気調和機本体と天井
下面に設置される化粧パネル間の空気吸込通路と、第
１，第２の各吹出通路をそれぞれ伸縮自在で、しかも、
フレキシブル性のあるダクト構造で構成する。又、各ダ
クトを構成する材質は低熱伝導率を有する膜質材を使用
し、ダクト層の断面構造は内部を空気層としたハニカム
形状としたことにより達成される。

【００１０】また、２方向の風量バランス均一化につい
ては、第１吹出ダクトに対し通路抵抗比が合うように複
数の第２吹出ダクトを設ける事により吹出口の風量バラ
ンス均一化を可能にした。さらに第１，第２ダクトの周
囲をとり囲み、空気調和機本体下面と化粧パネルとを連
通する空気吸込ダクトとしたので、空気吸込通路は複数
の第２吹出ダクト間等空気吸込ダクト内で有効に得られ
る。

【００１１】

【作用】送風機３が運転されると室内空気は矢印Ｗで示
すように化粧パネル６の吸込口６ａ，エアフィルタ７を
通過後、吸込空気ダクト１４内に設けた複数の第２吹出
ダクト１６間を通り送風機３内へ吸入される。送風機３
より吹出側空気通路９内に吹出される吹出空気は、熱交
換器４により熱交換され、吹出側空気通路出口１７に導
かれる。ここで吹出空気は第１吹出ダクト１５と各第２
吹出ダクト１６にそれぞれ分流されるが、第１，第２吹
出ダクトの通路開口比はそれぞれの通路抵抗比としてい
るためほぼ同等の風量にて分配される。第１，第２吹出
ダクトから導かれる吹出空気は化粧パネル６の第１吹出
口６ｂ，第２吹出口６ｃからバランスのとれた風量とし
て吹出される。さらに、第２吹出口６ｃの長手方向の風
量分布は第２吹出ダクト１６を長手方向に複数配列させ
たことによりほぼ均等な分布となる。

【００１２】また、各ダクトの材質の断面構造は図３，
図４に示すように、低熱伝導率を有する膜質材で内層ｎ
は伸縮自在のハニカム構造とし、内層ｎをはさみ込むよ
うに両面を外皮ｍで、内層ｎの空間はそれぞれ空気層ｐ
の構成とした。従って、各ダクトは伸縮自在のフレキシ
ブル構造となっているため、据付工事上、空気調和機本
体１０と天井面（Ａ）の間隔及び空気調和機本体１０と
化粧パネル６の位置関係が大きくとれ、据付施工上裕度
のある構造である。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１ないし図４に
基づいて説明する。

【００１４】図１において、１０はベース２を吊りボル
ト１１により天井（Ａ）内に吊り下げられた空気調和機
本体、ベース２内は送風機台１２および露受皿１３によ
って吸込側空気通路８と吹出側空気通路９に区画して吸
込側空気通路８内には送風機台１２に取付けられた送風
機３（シロッコ形送風機）を、また、吹出側空気通路９
内の露受皿１３上方には熱交換器４を設けている。

【００１５】６は長手方向両側の中央寄りに内部で連通
した吸込口６ａを、また吸込口６ａの外両側に第１吹出
口６ｂ，第２吹出口６ｃを形成するとともに吸込口６ａ
内にはエアフィルタ７を有し、天井下面に装着された化
粧パネルである。

【００１６】次に、空気調和機本体１０と化粧パネル６
との接続を説明する。１４は空気調和機本体１０下部と
化粧パネル６の天井内面側のほぼ全周との間を連通した
吸込空気ダクトである。１５は空気調和機本体１の吹出
側空気通路出口１７から化粧パネル６の第１吹出口６ｂ
に連通して設けられた第１吹出ダクト、１６は吹出側空
気通路出口１７から化粧パネル６の第２吹出口６ｃに連
通して設けた複数の第２吹出ダクトである。ここで第１
吹出ダクト１５と複数の第２吹出ダクト１６の吹出通路
開口部面積比は、第１吹出ダクト１５と複数の第２吹出
ダクト１６のほぼ通路抵抗比とし、化粧パネル６の第１
吹出口６ｂと第２吹出口６ｃの風量バランスを均一化と
している。さらに、複数の第２吹出ダクト１６はそれぞ
れ間隔を置いて配設し、各々の第２の吹出ダクト１６間
は、吸込空気ダクト１４内での吸込空気通路がさまたげ
られないようにされている。

【００１７】また、各ダクトの材質の断面構造は図３，
図４に示すように、低熱伝導率を有する膜質材で内層ｎ
は伸縮自在のハニカム構造とし、内層ｎをはさみ込むよ
うに両面を外皮ｍで、内層ｎの空間はそれぞれ空気層Ｐ
の構成としている。

【００１８】従って、各ダクト１４，１５，１６は伸縮
自在のフレキシブル構造であるため、据付工事上、空気
調和機本体１０と化粧パネル６の取付位置がくるった場
合にも容易に対応できる。

【００１９】この様に構成された天井埋込型空気調和機
の運転状態について説明する。送風機３が運転されると
室内空気は矢印Ｗで示すように化粧パネル６の吸込口６
ａ，エアフィルタ７を通過後、吸込空気ダクト１４内に
設けた複数の第２吹出ダクト１６間を通り送風機３内へ
吸入される。送風機３より吹出側空気通路９内に吹出さ
れる吹出空気は、熱交換器４により熱交換され、吹出側
空気通路出口１７に導かれる。ここで吹出空気は第１吹
出ダクト１５と各第２吹出ダクト１６にそれぞれ分流す
るが、第１，第２吹出ダクトの通路開口比はそれぞれの
通路抵抗比としているためほぼ同等の風量で分配され
る。第１，第２吹出ダクトから導かれる吹出空気は化粧
パネル６の第１吹出口６ｂ，第２吹出口６ｃからバラン
スのとれた風量として吹出される。さらに第２吹出口６
ｃの長手方向の風量分布は、第２吹出ダクト１６を長手
方向に複数配列させたことによりほぼ均等な分布とな
る。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、空気調和機本体と化粧
パネル間の吸込空気通路、第１，第２吹出通路を、低熱
伝導率を有する膜質材で、しかも、内層は伸縮自在のハ
ニカム形状とし、外皮両面ではさみ込み、内層の空間は
空気層とした材料でフレキシブル性をもたせたダクト構
造とした事で、従来の吹分チャンバ方式に比べ、断熱性
も良く、特に吸込空気と吹出空気がダクト内外で交差す
る吹出ダクトでも特に冷房時の結露の問題はない他、構
造が簡単で安価に構成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の天井埋込型空気調和機の断面図。

【図２】本発明の空気調和機に装着されたダクトの斜視
図。

【図３】ダクトの材料の断面図。

【図４】図３の横断面図。

【図５】従来の天井埋込型空気調和機の縦断面図。

【図６】従来の空気調和機に装着された吹分チャンバの
斜視図。

【図７】図５の他の据付例の説明図。

【符号の説明】 ３…送風機、４…熱交換器、６…化粧パネル、６ａ…吸
込口、６ｂ…第１吹出口、６ｃ…第２吹出口、１４…吸
込ダクト、１５…第１吹出ダクト、１６…第２吹出ダク
ト、（Ａ）…天井、ｍ…外皮、ｎ…内層、Ｐ…空気層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天井内に設置される本体内部を吸込側空気
   通路と吹出側空気通路に二分して設け、前記吸込側空気
   通路に送風機、前記吹出側空気通路内に熱交換器をそれ
   ぞれ設けた空気調和機本体と、中央付近に吸込口、前記
   吸込口の両側部に第１吹出口と第２吹出口をそれぞれ設
   け、天井下面に設置される化粧パネルと、前記空気調和
   機本体の吹出側空気通路と前記化粧パネルの第１吹出口
   及び第２吹出口にそれぞれ連通する第１吹出ダクト、及
   び第２吹出ダクトを設け、さらに前記空気調和機本体の
   下部外周と前記化粧パネルの外周とが連通した吸込空気
   ダクトで接続された天井埋込型空気調和機において、前
   記各吸込空気ダクト及び前記第１，第２吹出ダクトを構
   成する材質は低熱伝導率を有する膜質材とすると共に、
   ダクト層の構造は内部を空気層とした伸縮自在のハニカ
   ム構造としたことを特徴とする天井埋込型空気調和機。