JPH06201148A - 空調装置の天井吹き出し口用カバーパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属補強体が不要で、断熱性に優れ、しかも
製造の容易な空調装置の天井吹き出し口用カバーパネル
を提供する。 【構成】 所定位置に空気吹き出し用開口部１６，１７
を有して空調装置の天井吹き出し口に設けられるカバー
パネルにおいて、プラスチック製の室内側半体１１２と
天井側半体１４とからなり、前記両半体の少なくとも一
方の半体内面には他方の半体内面に向かうリブ２２，２
４が形成されていて、前記両半体１２，１４が組み合わ
されて両半体内面間に断熱用空間２６が形成されるとと
もに前記リブ２２，２４により断熱用空間２６が複数の
部屋２７に仕切られている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、空調装置の天井吹き
出し口用カバーパネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】ビル等にあっては、天井に空調装置用吹
き出し口を設けて、その吹き出し口から所定温度の空気
を室内に吹き出すようにされることが多い。その場合、
天井の吹き出し口には、図６に示すような天井吹き出し
口用カバーパネルが取り付けられて美観の向上、あるい
は風向きの調節が図られる。Ｋはパネルの所定位置に形
成された空気吹き出し用開口部、Ｇは室内空気吸引用グ
リル部である。

【０００３】図４と図５は、従来の天井吹き出し口用カ
バーパネル５０，６０を示すもので、図６のＡ−Ａ線と
同じ位置で切断した切断端面図である。前者のカバーパ
ネル５０は、プラスチック表皮５２の内側に断熱用発泡
体５４が発泡形成されたもので、断熱用発泡体５４内に
は鉄板等からなる金属補強体５６が埋設されている。ま
た後者のカバーパネル６０は、プラスチック成形品から
なる表面部材６２の内側に金属補強体６４が配置され、
その表面部材６２の内面および金属補強体６４の表面に
断熱用発泡体６６が設けられたものある。図中５７，６
７は空気吹き出し用開口部、５８，６８は室内空気吸引
用グリル部、Ｄは空調装置のダクト、Ｔは天井である。

【０００４】しかし、前記のカバーパネルにあっては、
所定の剛性を得るために金属補強体５６，６４を用いて
いるが、その金属補強体によりカバーパネル自体の断熱
性が低下する。その結果、夏期には室内の熱がカバーパ
ネルに伝わり、空調装置から送られる冷気とカバーパネ
ルとの温度差が大になってカバーパネル表面に結露を生
じ易くなる。したがって、その結露を防ぐには、より多
くの断熱用発泡体５４，６６を配設する必要あり、カバ
ーパネルのコストが高くなる欠点があった。また、金属
補強体の存在によりカバーパネルが重くなり、パネル取
り付け作業等に不便な問題がある。さらにカバーパネル
の製造においては、表皮あるいは表面部材の成形作業、
金属補強体の成形作業、断熱用発泡体の成形作業等多く
の作業が必要になり、製造に手間取る問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、前
記の点に鑑みなされたもので、金属補強体が不要で、断
熱性に優れ、しかも製造の容易な空調装置の天井吹き出
し口用カバーパネルを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、所定位置に
空気吹き出し用開口部を有して空調装置の天井吹き出し
口に設けられるカバーパネルにおいて、プラスチック製
の室内側半体と天井側半体とからなり、前記両半体の少
なくとも一方の半体内面には他方の半体内面に向かうリ
ブが形成されていて、前記両半体が組み合わされて両半
体内面間に断熱用空間が形成されるとともに前記リブに
より断熱用空間が複数の部屋に仕切られたことを特徴と
する空調装置の天井吹き出し口用カバーパネルに係る。

【０００７】

【作用】この発明のカバーパネルは、プラスチック製か
らなり、金属補強体を有しないため断熱性を有する。し
かもプラスチック製の室内側半体と天井側半体の両半体
内面間には断熱用空間があり、その断熱用空間内の空気
により断熱性が高まる。さらにその断熱用空間がリブに
より複数の部屋に仕切られているため、部屋から部屋へ
の自由な熱の拡散、伝達が妨げられ、優れた断熱効果が
得られる。また、前記リブの存在によりパネルの剛性が
高いものになるため、金属補強体が存在しなくても十分
の剛性を発揮する。

【０００８】

【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図１はこの発明の一実施例に係る空調装置の天
井吹き出し口用カバーパネルの要部を切断して示す切断
端面図、図２は他の実施例の切断端面図、図３は同実施
例に用いられているグリル部品の斜視図である。なお図
１および図２は、いずれも図６におけるＡ−Ａ線と同一
位置で切断したものである。

【０００９】図１に示すカバーパネル１０は、プラスチ
ック製の室内側半体１２と天井側半体１４とで構成さ
れ、その外形は図６に示したカバーパネルと同じ外形か
らなる。図中１８は風向を調節するフィン装置、２０は
室内空気吸引用グリル部である。

【００１０】室内側半体１２は、内側が凹状に窪んで上
部が開口した箱状からなり、所定位置には空気吹き出し
用開口部１６が形成されている。この室内側半体１２の
内面には天井側半体１４の内面に至るリブ２２が所定位
置に立設され、そのリブ２２により室内側半体１２の内
側が仕切られている。室内側半体１２としては、ＡＢＳ
樹脂等からなる硬質のプラスチックを射出成形等により
所定形状にしたものが好適である。

【００１１】天井側半体１４は、前記室内側半体１２の
上部の開口を塞ぐ大きさの板状体からなり、前記室内側
半体１２の空気吹き出し用開口部１６に対応する位置に
空気吹き出し用の開口部１７が筒状に形成されている。
この天井側半体１４の内面には前記室内側半体１２の内
面に至るリブ２４が所定位置に立設され、そのリブ２４
により天井側半体１４の内側が仕切られている。天井側
半体１４としては、前記室内側半体１２と同様の材質か
らなる射出成形品等が好適である。またこの天井側半体
１４の表面にシート状発泡体からなる断熱シート１５を
積層すれば、より断熱性を高めることができる。

【００１２】前記室内側半体１２と天井側半体１４と
は、組み合わされて接着により一体にされる。それによ
って、室内側半体１２と天井側半体１４の内面間には断
熱用空間２６が形成される。またその断熱用空間２６
は、両半体１２，１４内面に立設されたリブ２２，２４
により複数の部屋２７に仕切られる。このようにしてな
るカバーパネル１０は、天井側半体１４の空気吹き出し
用開口部１７の周縁が、空調装置の空気吹き出し用ダク
トＤの先端にシール材Ｓを介して接するように天井の吹
き出し口に取り付けられる。

【００１３】なお、この実施例においては、室内側半体
１２のリブ２２と天井側半体１４のリブ２４が互い違い
に形成されているが、両リブ２２，２４の先端が互いに
衝突して一連のリブを構成するようにしてもよい。また
リブの間隔、数は、カバーパネルの形状等により適宜決
定される。

【００１４】図２に示す他の実施例のカバーパネル３０
は、室内側半体３２にはリブを設けないで天井側半体３
４のみにリブ３６を形成し、空気吹き出し用開口部３８
には図３に示す枠状のグリル部品４０を装着したもので
ある。またグリル部品４０の表面には適宜植毛を施して
部分的に結露防止効果を高めることもできる。４２は断
熱用空間、４４はリブにより仕切られた部屋、４６は断
熱シートである。

【００１５】

【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
カバーパネルによれば、内部に形成された複数の部屋か
らなる断熱用空間により優れた断熱性を得ることができ
る。しかも、金属補強体が不要なため軽量になり、天井
への取り付け等が容易になる。また製造の際には金属補
強体の成形作業および配置作業が不要なため作業を簡単
にできる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の要部の切断端面図であ
る。

【図２】他の実施例の要部の切断端面図である。

【図３】同実施例に用いられるグリル部品の斜視図であ
る。

【図４】従来例の要部の切断端面図である。

【図５】他の従来例の要部の切断端面図である。

【図６】空調装置の天井吹き出し口用カバーパネルの斜
視図である。

【符号の説明】

１０ カバーパネル １２ 室内側半体 １４ 天井側半体 １６ 空気吹き出し用開口部 １７ 空気吹き出し用開口部 ２２ リブ ２４ リブ ２６ 断熱用空間 ２７ 部屋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定位置に空気吹き出し用開口部を有し
   て空調装置の天井吹き出し口に設けられるカバーパネル
   において、プラスチック製の室内側半体と天井側半体と
   からなり、前記両半体の少なくとも一方の半体内面には
   他方の半体内面に向かうリブが形成されていて、前記両
   半体が組み合わされて両半体内面間に断熱用空間が形成
   されるとともに前記リブにより断熱用空間が複数の部屋
   に仕切られたことを特徴とする空調装置の天井吹き出し
   口用カバーパネル。