JPH0434331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、壁面等に設けられた空気流通用の前
面グリルの内方に設置して使用される空気調和機
に関するものである。

（従来の技術） 近年、室内の装飾性を重要視する傾向が強くな
つており、空気調和機のような大型の機器を室内
空間ではなく、壁面等に埋め込んで設置すること
が多くなつている。例えば、壁面等に格子状の前
面グリルを形成し、該前面グリルの内方に空気調
和機を設置するようにしたものが知られている
（実開昭59−178534号公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように前面グリルの内方に空気調和機を
設置して使用する場合、空気調和機と前面グリル
との間にある程度の間隔ができると、空気調和機
から吹き出された冷風あるいは温風が前面グリル
に当たつて吸込側にシヨートサーキツトすること
があり、サーモスタツトの追随性が悪くなつた
り、熱交換器の凝縮温度あるいは蒸発温度が適正
な負荷と異なる温度になる等の悪影響が発生する
おそれがある。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
前面グリルと空気調和機との間隔に対応させて、
空気調和機の吹出グリルの位置を前記前面グリル
内面に近接し得る位置に位置調節可能となして、
吹出空気流のシヨートサーキツトを防止し得るよ
うにすることを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、図面に示すように、壁面２等に設けられ
た空気流通用の前面グリル３の内方に設置される
空気調和機において、該空気調和機本体４前面に
形成された吹出口６に、該吹出口６の口縁に対し
て進退自在とされた一対の側枠９，９と、これら
側枠９，９間において上下に架設された補強枠１
０ａ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂとからなり且つ内
面および外面に断熱材１２，１３を張設してなる
ダクト８を設けるとともに、該ダクト８の前端面
に吹出グリル１４を設けている。

（作用） 本考案では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、空気調和機本体４の前面に形成された吹
出口６に、前面グリル３と空気調和機本体４の設
置個所との間の間隔Ｌに応じた長さのダクト８を
設けることができるとことから、該ダクト８の前
端面に設けられた吹出グリル１４から吹き出され
る冷風あるいは温風は、前面グリル３を通つて室
内側へ吹き出されることとなり、吸込側へのシヨ
ートサーキツトを防止することができるのであ
る。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本考案の好適な実
施例を説明する。

本実施例の空気調和機は、第１図および第２図
図示の如く、部屋１の壁面２に設けられた空気流
通用の前面グリル３の内方に設置されて使用され
るものであり、該前面グリル３は、吸込空気W₁
および吹出空気W₂の通過を許容すべく格子状と
されている。なお、本実施例の場合、空気調和機
本体４の前面と前面グリル３内面との間には、所
定間隔Ｌが介在せしめられている。

空気調和機本体４内には、図示しない熱交換器
およびフアンが内臓されており、その前面には、
エアフイルター７が付設された吸込口５と該吸込
口５の上位に位置する吹出口６とが形成されてい
る。

該吹出口６には、その左右両側口縁に対して進
退自在とされ、前記空気調和機本体４の前面と前
面グリル３の内面との間隔Ｌと略等しい長さ突出
せしめられる一対の側枠９，９と、これら側枠
９，９間において上下に架設された補強枠１０
ａ，１０ｂおよび１１ａ，１１ｂとからなり且つ
内面および外面に断熱材１２，１３を張設してな
るダクト８（第１図および第２図参照）が設けら
れている。該ダクト８の前端面には、吹出空気の
方向を規制すべく構成された多数の垂直羽根１
５，１５……を有する吹出グリル１４が設けられ
ている。そして、該吹出グリル１４の外周枠部と
前記前面グリル３の内面との間には、シール材を
兼用する断熱材１６が介設せしめられている。

また、本実施例においては、吸込空気温度を検
出すべく空気調和機本体４の前面に設けられ、サ
ーモセンサー部として作用するサーミスタ−１７
も、空気調和機本体４の前面に対して進退自在と
されており、空気調和機本体４の前面と前面グリ
ル３の内面との間隔Ｌに対応して引き出される。
このようにすることにより、サーモスタツトの追
随性が良好となる。

なお、空気調和機本体４を前面グリル３の内面
直近に設置する場合には、前面グリル８を設ける
ことなく、吹出口６に直接吹出グリル１４を取り
付ければ良い。

ついで、図示の空気調和機におけるダクト８の
組付手順を説明する。

先ず、第３図イ図示の如く、空気調和機本体４
前面の吹出口６の左右両側口縁に形成された嵌挿
部６ａ，６ａに、ダクト８の側板となる一対の側
枠９，９を進退可能に嵌挿する。該各側枠９，９
の前端部は外向きに屈曲され、前記ダクト８前端
面左右におけるフランジ部８ａ，８ａとされる。
そして、該側枠９，９の突出長さが空気調和機本
体４前面と前面グリル３内面との間の間隔Ｌと略
等しくなるようにした後、第２図図示の如く、こ
れら側枠９，９の上部前後および下部前後間に、
断面Ｌ字状の補強枠１０ａ，１０ｂおよび１１
ａ，１１ｂを架設する。これら前部補強枠１０
ａ，１１ａの起立辺は、ダクト８前端面上下にお
けるフランジ部８ｂ，８ｂを構成している。一
方、後部補強枠１０ｂ，１１ｂの起立辺は、吹出
口６の上下口縁に対してビス止めされている。そ
の後、前記側枠９，９および補強枠１０ａ，１０
ｂ，１１ａ，１１ｂの内外両面に、所望の寸法に
切断された断熱材１２，１２……および１３，１
３……を張り付けることによりダクト８が完成す
る。かくして完成したダクト８前端面のフランジ
部８ａ，８ａ，８ｂ，８ｂに対して、ビス１８，
１８を用いて吹出グリル１４を取り付ければ、吹
出グリル１４の位置を前面グリル３の内面に近接
せしめることができるのである。

上記の如く構成することにより、空気調和機本
体４前面と前面グリル３内面との間の間隔Ｌに対
応させて、ダクト８を形成することが可能とな
り、ダクト８前端の吹出グリル１４から吹き出さ
れる冷風あるいは温風は、前面グリル３を通つて
室内側へ吹き出されることとなり、吸込側へのシ
ヨートサーキツトが防止されるのである。

本考案は、上記実施例の構成に限定されるもの
ではなく、考案の要旨を逸脱しない範囲において
適宜設計変更可能なことは勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、壁面２等に設け
られた空気流通用の前面グリル３の内方に設置さ
れる空気調和機において、該空気調和機本体４前
面に形成された吹出口６に、該吹出口６の口縁に
対して進退自在とされた一対の側枠９，９と、こ
れら側枠９，９間において上下に架設された補強
枠１０ａ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂとからなり且
つ内面および外面に断熱材１２，１３を張設して
なるダクト８を設けるとともに、該ダクト８の前
端面に吹出グリル１４を設けたので、吹出口６
に、前面グリル３と空気調和機本体４の設置個所
との間の間隔Ｌに応じた長さのダクト８を設ける
ことができることとなり、該ダクト８の前端面に
設けられた吹出グリル１４から吹き出される冷風
あるいは温風は、前面グリル３を通つて室内側へ
吹き出され、吸込側へのシヨートサーキツトを防
止することができるという実用的な効果がある。

また、空気調和機本体４を、ダクト８の長さ分
だけ前面グリル３から離れた位置に設置すること
ができるので、前面グリル３を通して空気調和機
本体４が見えにくくなり、デザイン性が向上する
という効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる空気調和機の
設置状態を示す一部を断面とした側面図、第２図
は本考案の実施例にかかる空気調和機の正面図、
第３図イ，ロは本考案の実施例にかかる空気調和
機におけるダクトの組立手順を示す分解斜視図で
ある。 ２……壁面、３……前面グリル、４……空気調
和機本体、６……吹出口、８……ダクト、９……
側枠、１０ａ，１０ｂ……補強枠、１１ａ，１１
ｂ……補強枠、１２，１３……断熱材、１４……
吹出グリル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面２等に設けられた空気流通用の前面グリル
   ３の内方に設置される空気調和機であつて、該空
   気調和機本体４前面に形成された吹出口６に、該
   吹出口６の口縁に対して進退自在とされた一対の
   側枠９，９と、これら側枠９，９間において上下
   に架設された補強枠１０ａ，１０ｂ，１１ａ，１
   １ｂとからなり且つ内面および外面に断熱材１
   ２，１３を張設してなるダクト８を設けるととも
   に、該ダクト８の前端面に吹出グリル１４を設け
   たことを特徴とする空気調和機。