JPS6335294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は空気調和機に係り、特に天井に埋込ま
れ、送風機、熱交換器および露受皿を内蔵する本
体と、天井板の下面に固定される天井露出パネル
とからなる空気調和機に関する。

〔考案の背景〕

従来、この種の空気調和機は、第１図に示すよ
うに本体１内に仕切板２が設けられ、本体１の内
壁面と仕切板２とによつて吹出空気通路３が形成
されている。仕切板２内は上下２つに区画され、
下部には送風機４が設けられ、上部には２つの熱
交換器５Ａ，５Ｂが上方になるにつれて互いの間
隔が次第に広くなるように設置され、これらの熱
交換器５Ａ，５Ｂの下方に露受皿６が設けられて
いる。

また第２図に示す従来の空気調和機は、本体１
内に仕切板７が設けられ、本体１の内壁面と仕切
板７とにつて吹出空気通路８が形成されている。
仕切板７内は上下２つに区画され、下部には送風
機９が設けられ、上部には２つの露受皿１０Ａ，
１０Ｂが設けられ、これらの露受皿１０Ａ，１０
Ｂの上方であつて、仕切板７と本体１の天井面と
の間に２つの熱交換器１１Ａ，１１Ｂが下方にな
るにつれて互いの間隔が次第に広くなるように設
置されている。

これらの空気調和機において、熱交換器を２つ
有しているため本体内部構造が複雑となり、送風
機、露受皿および熱交換器が本体内に垂直方向に
設置されているため、本体埋込部が高くなり、か
つ本体内部へ他の機器類を組込むスペースがほと
んどない。更に各熱交換器の下方垂直方向全面に
露受皿面が確実に位置していないため、熱交換器
から落下する露水が露受皿部分以外に滞留しやす
く防露対策上問題があつた。

実開昭58−93720号公報には、熱交換器を１個
とした空気調和機が記載されているが、送風機と
熱交換器とが高さ方向にほぼ積み重なるように配
置されているので、天井内への本体埋め込み部の
高さが小さくならず、また熱交換器通過後の空気
流が鋭角に曲げられるので通風抵抗や騒音が避け
られない。また送風機と吸込口との間隔が少な
く、加湿機等の機器を設置するのが困難であつ
た。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、本体の内部構造を簡単、かつ
小型化および軽量化でき、機器類の設置スペース
を大きくでき、しかも防露対策を十分なものとす
ることができる空気調和機を提供することにあ
る。

〔考案の概要〕

本考案は、空気調和機本体ケースの天井面およ
び両側面と所定の間隔をもつてケース内部に設け
られるともにその一側面上部側に開口部を有する
仕切板と、この仕切板と空気調和機本体ケースの
天井面および一側面との間隙によつて形成される
第１の吹出空気通路と、前記開口部を有する一側
面の仕切板と空気調和機本体の一側面との間隙に
よつて形成される第２の吹出空気通路と、前記仕
切板によつて覆われる区画部内に設置された送風
機と、前記開口部付近に配置された熱交換器と、
この熱交換器の下方に取り付けられた露受皿とを
備えた空気調和機において、 前記送風機を前記区画部の上部側に、送風口を
前記開口部に対向させて設置し、前記熱交換器を
前記送風機からの送風方向に直交する方向に立設
し、前記露受皿を前記第２の吹出空気通路に突出
して設けたものである。

〔考案の実施例〕

第３図は本考案の一実施例を示す断面図であつ
て、図において空気調和機本体ケース３１の天井
面と一側壁面と所定の間隔をもつて仕切板３２Ａ
が設けられれ、仕切板３２Ｂは前記本体ケース３
１の他の一側壁面のほぼ下半分と所定の間隔をも
つて設けられ、これによつて前記仕切板３２Ａ，
３２Ｂによつて覆われる区画部５０、第１の吹出
空気通路３３Ａ、第２の吹出空気通路３３Ｂ、お
よび該通路３３Ａ，３３Ｂと前記区画部５０とを
連通する開口部５１が形成されている。

仕切板３２Ａ，３２Ｂによつて覆われる区画部
５０の上部には、送風機３４が、その送風口５２
を前記開口部５１に対向させて設けられ、この開
口部５１には送風機３４からの送風方向に対して
直交する方向に、かつほぼ鉛直に熱交換器３５が
設置されている。

熱交換器３５の下方には露受皿３６が設けら
れ、この露受皿３６の一端部は吹出空気通路３３
Ｂに突出するようになつている。

天井露出パネルの構造は、従来の同じ構造でも
よいが本実施例においては、吹出空気通路３３
Ａ，３３Ｂにそれぞれ天井露出パネルに固定され
た摺動ダクト３７が摺動自在に設置されるように
なつている点が従来構造と異なる。したがつて、
天井露出パネルにおいて、従来と同一部材は同一
符号で示す。すなわち、天井露出パネル３８には
吹出空気通路３３Ａ，３３Ｂに対応して空気吐出
口３９Ａ，３９Ｂが設けられ、これらの空気吐出
口の内側には吸込みパネル４０が設けられ、この
吸込みパネル４０の上方にはエアフイルタ４１が
取り付けられている。なお、４２は天井である。

このような熱交換器において、送風機３４を介
して吸込みパネル４０から吸い込まれた空気は、
エアフイルタ４１で清浄にされた後、送風機３４
から熱交換器３５に垂直に供給される。熱交換器
３５を出た空気は吹出空気通路３３Ａと吹出空気
通路３３Ｂとに分かれて流通する。この際、吹出
空気通路３３Ｂ側は、吹出空気通路３３Ａ側より
も通風路が短くなつているが、吹出空気通路３３
Ｂ側には露受皿３６の一端部が突出している。し
たがつて、吹出空気通路３３Ｂに突出する露受皿
の部分はダンパーとしての機能を有する。このた
め、吹出空気通路３３Ａと吹出空気通路３３Ｂと
における空気通過抵抗を均等にすることが可能に
なり、空気吐出口３９Ａおよび空気吐出口３９Ｂ
から吐出される風量のバランスを調整できる。

本実施例によれば、送風機と熱交換器が高さ方
向に積み重なる形で配置されるのではなく、ほぼ
同一の高さに配置され、かつ熱交換器が立設され
たので、空気調和機本体ケースの高さを小さくす
ることができ、さらに送風機と吸込パネルとの間
隔を大きくして騒音を低くすることができた。ま
た、上述のように、送風機と吸込みパネルとの間
隔が大きいので、ここに加湿機等の機器を設置す
ることが可能になつた。さらに、露受皿３６が、
ダンパーとしても機能するので、風量調節のため
の部品を別に設ける必要がなく、構造が簡素化さ
れた。また、熱交換器を通過したあとの空気流が
一度本体ケースの側面に当る構造となつており、
調和された空気が混合されるため、空気流の温度
分布改良のための別の部品も不要となつた。

本考案において、吹出空気通路３３Ｂにおける
ダンパー機能を有する部材としては、必ずしも露
受皿である必要はなく、露受皿の下部に適当な板
状部材を設けてもよい。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、本体内の熱交換
器は１つで足り、他の部品点数も少なくなつたの
で本体内部構造が簡単となり、かつ本体の天井埋
込み部の高さを小さくできると共に軽量化を図る
ことができる。また送風機および熱交換器は本体
の上部側に設置されるので本体内部の空気吸込側
に余剰スペースがとれ、このスペースに集塵機、
加湿機、高性能フイルタ等の機器類の組込みが容
易となる。更に天井露出パネルの２つの吐出口か
ら吐出される風量を均等にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の空気調和
機を示す断面図、第３図は本考案の一実施例を示
す断面図である。 ３１……本体ケース、３２Ａ，３２Ｂ……仕切
板、３３Ａ，３３Ｂ……吹出空気通路、３４……
送風機、３５……熱交換器、３６……露受皿、３
７……摺動ダクト、３８……天井露出パネル、３
９Ａ，３９Ｂ……空気吐出口、４０……吸込みパ
ネル、４１……エアフイルタ、５０……区画部、
５１……開口部、５２……送風口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 空気調和機本体ケースの天井面および両側面と
   所定の間隔をもつてケース内部に設けられるとと
   もにその一側面上部側に開口部を有する仕切板
   と、この仕切板と空気調和機本体ケースの天井面
   および一側面との間隙によつて形成される第１の
   吹出空気通路と、前記開口部を有する一側面の仕
   切板と空気調和機本体の一側面との間隙によつて
   形成される第２の吹出空気通路と、前記仕切板に
   よつて覆われる区画部内に設置された送風機と、
   前記開口部付近に配置された熱交換器と、この熱
   交換器の下方に取り付けられた露受皿とを備えた
   空気調和機において、 前記送風機は前記区画部の上部側に、送風口を
   前記開口部に対向させて設置されていることと、 前記熱交換器は前記送風機からの送風方向に直
   交する方向に立設されていることと、 前記露受皿は前記第２の吹出空気通路に突出して
   設けられていることと、 を特徴とする空気調和機。