JPS628465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ゴム管が外れたときまたはゴム管を
取付けずにガスコツクを開いたとき、無負荷や多
流量状態でガスが流れるとそのガス流動圧で弁子
を移動させて弁孔を閉塞してガス供給を遮断する
ガス用安全弁に関するものである。

従来、ガス供給管路内に設けた球状の弁子を一
定以上のガス流動圧にて転動させて弁孔を閉塞し
てガス供給を遮断するガス用安全弁においては、
ガスコツクを開いたときのような一時的な多流量
状態でのガス圧の高まりで、瞬時に作動させ、閉
成させてしまい、そして一担閉成された弁子は、
多流量状態が直ちに治つたとしてもこれにかかわ
らずガスを遮断し続けるものであり、安全ではあ
るが誤動作が生じやすく使いにくいという欠点が
あつた。このような問題を解消するのに、弁子が
自重に抗して上昇させられる転動経路を長くして
閉成に要する弁子の揚程を大きくして一時的な多
流量状態による弁子の押上げ動作を吸収すること
も考えられるが、かかる手段ではガス用安全弁の
上下高さが高くなり、床面に埋設するのに、床面
の上下高さが薄くなる傾向にある現状に対してガ
ス用安全弁を使用し得なくなるという欠点があ
る。そこで更に、転動経路を形成している筒体
（シリンダー）にピンを打込み、このピンにて弁
子のすばやい動きを抑制させて遅延機能を備えさ
せることも考えられるが、ピンの打込み代にバラ
ツキが生じやすく、遅延機能を安定させにくいと
いう欠点がある。このため、単に転動経路を傾斜
させることも考えられるが、ガス用安全弁及びこ
れを組込んだガス接続具（ガスコンセント）が大
型化となり、そのうえガス用安全弁をガス接続具
に対して傾斜させて組込むため、ガス接続具側に
斜め加工が必要となる欠点がある。

本考案はこのような種々の問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、弁子の
動作を遅延させて誤動作を無くすことができ、こ
の遅延機能を安定化させやすく、しかもコンパク
トでかつガス接続具への組込みも容易で薄型に構
成することができるガス用安全弁を提供すること
にある。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳述する。

Ａはガス接続具（ガスコンセント）であり、床
９に埋設する横型にしてある。ガス接続具Ａの構
成を説明する。筒状の器具本体１０の中央部に閉
子孔１１を穿孔して閉子１２を回動自在に装着し
てある。１３はこの閉子１２の操作軸であり、操
作軸１３をまわせば回転子１４を介して閉子１２
は閉子孔１１内で回転し、閉子１２に設けられた
導通孔１５により管路が開閉される。器具本体１
０のガス流出側端部にソケツト（図示せず）接続
用のプラグ１６が連結されている。器具本体１０
のガス流入側端部にはガス用安全弁１７を内蔵さ
せてフランジ管１８が接続されている。フランジ
管１８の側端部にガス管（図示せず）接続用のテ
ーパねじ１９を形成してある。ガス用安全弁１７
内のガス供給管路２０内に一定以上のガスが流入
すると、この多流量状態のガス圧にてガス用安全
弁１７が作動して自動的にガス供給を停止させる
ことができるようにしてある。以下その構成を説
明する。

ガス用安全弁１７は第４図に示すように、ガス
供給管路２０方向に円柱状となる経路部材３と円
筒の一端が閉塞された円筒ケース６とから構成し
てある。そして経路部材３にはその直径方向に略
への字状に屈曲しかつ水平方向に対して一部が傾
斜する屈曲傾斜経路４を貫通させてある。つまり
屈曲傾斜経路４は鉛直経路４ａとこれの下端に連
らなり経路部材３の外周部程下り傾斜する傾斜経
路４ｂとから構成してある。そしてこれら屈曲傾
斜経路４のガス流入側の端部（ガス供給管路２０
の上流側部分）は屈曲傾斜経路４の全域にわたつ
て開口する開口５を形成してある。経路部材３の
ガス流出側の端部には鍔部２１を周設して円筒ケ
ース６の先端を当接して位置決めできるようにし
てある。更に経路部材３のガス流出側の端部には
鉛直経路４ａに連通させて弁孔２を設けてある。
図中２２は円筒ケース６を固着するためのねじ孔
である。このような経路部材３は焼結合金の成形
品であり、寸法精度を高めて、弁子２の作動のた
めの流量及び遅延（後述）機能を安定化させてあ
る。なお経路部材３を切削加工にて得てもよい。
円筒ケース６は第４図に示すように、円筒体の一
端部を閉塞壁７にて閉塞したものであり、閉塞壁
７の上方部に主として通常の流量状態でガスが流
入する通孔２４を設けてあり、下方部には屈曲傾
斜経路４にガスを導入させることができるガス導
入口８を開口させてある。しかして屈曲傾斜経路
４内に球状の弁子２を転動自在に遊嵌させ、円筒
ケース６を経路部材３にキヤツプ状に外嵌して屈
曲傾斜経路４の開口５を閉塞し、円筒ケース６と
経路部材３とをねじ止めしてガス用安全弁１７を
得るのである。

このように構成したガス用安全弁１７は第３図
に示すように、器具本体１０の直管状部分に形成
した受段２５に経路部材３の端部を入り込ませ、
フランジ管１８に形成した押え段２６にて押える
ことで、ガス接続具Ａに組込むのである。

このような構成によれば、ガス流量が一定以上
に多くなると、ガス導入口８から入り込んだ多流
量状態のガス圧にて弁子１を傾斜経路４ｂに沿つ
て転動上昇させ、鉛直経路４ａの下端部の奥壁４
ｃに弁子１が衝突することで、弁子１が瞬時に上
昇するのを防ぎ、多流量状態が直ちに治まる場合
には、弁子１は傾斜経路４ｂに沿つて転動下降し
て元の弁子１の位置に戻り、そして多流量状態が
一定時間以上継続する場合には、弁子１を鉛直経
路４ａに沿つて押し上げ、弁孔２を閉塞してガス
を遮断するのである。

次に弁孔２に押付けられた弁子１を外すリセツ
ト構造を説明する。第２図に示すように、ガス用
安全弁１７と閉子１２との間にばね２７にて閉子
１２側に付勢してリセツト棒２８を設け、リセツ
ト棒２８の軸部２９先端を閉子１２の周面に弾接
させてある。リセツト棒２８の軸部２９先端がば
ね２７による付勢で弾接する閉子１２の周面にカ
ム面３０を設けてある。このカム面３０は閉子１
２の導通孔１５の孔縁に連続する外周面の径を変
えたものである。しかして操作軸１３の開方向へ
の回転操作に伴う閉子１２の回転に伴つて閉子１
２に弾接している軸部２９の先端頭部が閉子１２
のカム面３０に摺接し、閉子１２の開状態におい
てその導通孔１５内に進入し、軸部２９の後端部
が弁孔２から遠ざかり、ガス圧で弁子１が移動し
た場合に弁孔２を閉塞できるようにしてある。そ
してガス圧によつてしまつたガス用安全弁１７を
リセツトするには、閉子１２を閉方向にまわし
て、閉子１２のカム面３０でリセツト棒２８の軸
部２９を押圧してリセツト棒２８を移動させ、リ
セツト棒２８で弁子１を弁孔２から強制的に押出
し、ガス圧の低下に伴つて弁子１が自重落下して
リセツトが行われる。

第６図から第１０図に示すものは、夫々本考案
の他の実施例を示していて、第６図のものは、鉛
直経路４ａの上方に更に傾斜路４ｄを設けたもの
である。第７図のものは経路部材３の奥壁４ｃの
背方に空所４ｅを設けたもの。第８図及び第９図
のものは弁子１が衝突する奥壁４ｃを上方に設け
たものである。第１０図のものは屈曲傾斜経路４
のコーナー部に面取り４ｆを設けて弁子１が円滑
に移動できるようにしたものである。

以上要するに本考案は、弁子が転動する上下方
向に形成された経路は屈曲傾斜しているので、一
定以上のガス圧を受けて弁子が上昇しようとして
も屈曲傾斜経路の傾斜路特に屈曲部に当ること
で、瞬時に上昇するということを抑制でき、弁子
の上昇を大巾に遅延させることができ、このた
め、この遅延されている間に多流量状態が治る場
合には、つまりガスコツクを開いたときのように
多流量状態が短時間で治る場合には、弁子を移動
させることがなく、使いやすいという利点があ
る。そのうえ、殊に本考案にあつては、屈曲傾斜
経路のガス流入側部を全域にわたつて開口させ、
ガス供給管路方向に円筒状となり円筒状のガス流
入側が閉塞壁にて閉塞された円筒ケースを経路部
材に外嵌して屈曲傾斜経路の上記開口を閉成する
ので、弁子を転動自在に内蔵しているガス用安全
弁の形状をガス供給管路方向に対して円柱状にで
き、このため、ガス接続具に組込むに際して、ガ
ス接続具には直管状の受部を構成するだけでよ
く、組込みが容易であるとともにガス接続具側の
加工も容易であり、しかも全体形状を嵩低く薄型
にできるという利点がある。更に経路部材を成形
品にて得る場合には、屈曲傾斜経路の寸法精度を
高めることができ、遅延機能を安定化させ、ガス
用安全弁の作動を安定化させることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガス用安全弁を組込んだガス
接続具の平面図、第２図は同上の縦断面図、第３
図は第２図の部分拡大断面図、第４図は同上のガ
ス用安全弁の分解斜視図、第５図は同上の組立て
状態の断面図、第６図乃至第１０図は同上の夫々
他の実施例の断面図であり、１は弁子、２は弁
孔、３は経路部材、４は屈曲傾斜経路、５は屈曲
傾斜経路の開口、６は円筒ケース、７は円筒ケー
スの閉塞壁、８はガス導入口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス供給管路内に設けた球状の弁子を一定以上
   のガス流動圧にて弁子の重力に抗して上昇転動さ
   せて弁孔を閉塞してガス供給を遮断するガス用安
   全弁において、ガス供給管路方向に円柱状となる
   経路部材の直径方向に屈曲傾斜する屈曲傾斜経路
   を上下方向に形成し、屈曲傾斜経路のガス流入側
   部を全域にわたつて開口させ、経路部材のガス流
   出側端部に屈曲傾斜経路の上端部と連通させて上
   記弁孔を形成し、ガス供給管路方向に円筒状とな
   り円筒状のガス流入側が閉塞壁にて閉塞された円
   筒ケースを経路部材に外嵌して屈曲傾斜経路の上
   記開口を閉成し、円筒ケースの閉塞壁に屈曲傾斜
   経路の下端部に連なるガス導入口を設けて成るガ
   ス用安全弁。