JPH0235898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は大洗浄および小洗浄において夫々一定
量の洗浄水を排出させることのできる水洗用水タ
ンクの排水弁装置、特にそれに用いられる玉鎖の
連結装置に関する。

この種の排水弁装置は、第１図に示すように、
周囲に通孔を有する支持筒２と弁座３とを備えか
つ水タンクの底４に固定される出口管５と、支持
筒２の上端に連結され、円筒内壁６と円筒外壁７
および小孔８付の底壁９で浮子室１０を構成する
内壁１１と、この内筒１１の円筒外壁７を囲んで
下端が出口管５に固定されかつ側方流入口１２を
有しこれを開閉する錘１３付のフラツプ弁１４を
回動自在に取付けた節水筒１５と、内筒１１の円
筒内壁６を貫ぬいて延び、下端に出口管５の弁座
３と協働する弁板１６を備えた操作管１７と、操
作管１７に固定されたストツパ１８と、浮子室１
０の中に配置された浮子１９とからなり、操作管
１７およびフラツプ弁１４は夫々玉鎖２０，２１
を介してタンクのハンドル装置に連結され、ハン
ドル装置の操作で大洗浄のときは操作管１７だけ
を、又小洗浄のときは操作管１７とフラツプ弁１
４の両方を作動するようになつている。水タンク
の満水時にはその水位は操作管１７の上端から幾
分下の位置にあり、従つて排水弁装置は全体が水
没することになる。大洗浄に当つて、ハンドル装
置の操作で操作管１７を引き上げると、弁板１６
がその弁座３から離れて開弁し、浮子１９は操作
管１７に固定されているストツパ１８の上方への
移動に追従し浮子室１０内の水中を浮上して弁板
１６を開位置に保つ。弁板１６の開放によりタン
ク内の水は、その水位が節水筒１５の流入口１２
の下縁に達するまで、内筒１１の円筒外壁７と節
水筒１５との間の流路および節水筒１５の流入口
１２を通つて出口管５へ多量に排出される。一方
タンク内の水位が内筒１１の上縁に達した後浮子
室１０内の水位は、内筒１１の底壁９にある小孔
８により水の流出が制限されているために、ゆつ
くりと下がり、これに伴つてゆつくりと下降する
浮子１９はストツパ１８を介して操作管１７の下
降を制御し、従つて弁板１６がゆつくりと弁座３
に近ずいてついにはこれを閉じる。水タンクが再
び給水されると先に述べた水位を回復する。小洗
浄は、ハンドル装置の操作で操作管１７を引き上
げて弁板１６をその弁座３から離して開弁し、同
時にフラツプ弁１４を上方に回動させて節水筒１
５の流入口１２を閉じることによつて行なわれ
る。弁板１６の開弁により、タンク内の水はその
水位が節水筒１５の上縁に達するまで内筒１１の
円筒外壁７と節水筒１５との間の流路を通つて出
口管５へ排出され、その際、フラツプ弁１４は流
路内を通る水流により節水筒の内側と外側との間
に生ずる圧力差によつて節水筒１５の流入口１２
に圧接維持されて閉弁状態に維持される。タンク
内の水位が節水筒１５の上縁に達した後節水筒１
５内の水が流出すると今度は、節水筒１５の囲り
の水の水圧でフラツプ弁１４は流入口１２に圧接
されて閉弁状態に維持される。尚弁板の閉弁動作
は先に大洗浄の際に述べたのと同じである。タン
クへの給水で排水弁装置が水没すると節水筒１５
の内側と外側との水圧が等しくなるためフラツプ
弁１４はその錘１３の作用で下開きして節水筒１
５の流入口１２を開く。

本考案は上述の排水弁装置の操作管およびフラ
ツプ弁を操作するための玉鎖の連結装置に関し、
その目的とするところは、玉鎖の連結を容易に
し、かつ操作管およびフラツプ弁の連結部に簡単
かつ確実に装着しうる連結具をもつた玉鎖の連結
装置を提供することである。

本考案によれば操作管およびフラツプ弁には、
小外径上部と大外径下部とで段部を構成した円筒
形の連結部が設けられ、該連結具は頂部をドーム
形とした円筒部を備え、上記連結部は又連結具の
上記円筒部を下から受け入れ又玉鎖を受け入れる
貫通受口を備え、連結具の円筒部にはそのドーム
の頂に小孔が、又ドームの小孔から内筒部の下縁
まで垂直に延び、玉を円筒部内に位置させるべく
玉鎖の線を通すためのスロツトが設けられ、円筒
部には又その下縁から実質的にＵ形に折曲げられ
て上方に延び、円筒部が受口に差し込まれると
き、円筒形の連結部の大外径下部の外周に位置す
る複数本の脚部が設けられ、各脚部の先端部に、
連結部の段部に係合する実質的にく字形の係止部
を形成して成ることを特徴とする玉鎖の連結装置
を提供する。玉鎖が操作管又はこれとフラツプ弁
の両方を操作すべく引張られるとき、玉鎖の玉の
１つは連結具の円筒部のドーム下面に係合し、一
方連結具の連結部からの抜けは、円筒部のＵ形脚
部が連結部の大径下部の下面に当ることによつて
阻止される。又不作動時において玉鎖がゆるんで
いる場合、連結具は、その脚部の係止部が連結部
の外周段部に係合しているから連結具の受口から
抜け落ちることがない。

以下本考案をフラツプ弁に適用した実施例につ
いて第２図を参照して説明すると、フラツプ弁１
４はこれと一体に側方に延びたアーム２２の先端
に連結部２３を備えている。この連結部は小外径
上部２４と大外径下部２５とで段部２６を構成し
た円筒形をなし、内部に貫通受口２７を備えてい
る。連結具２８は頂部をドーム形２９とした円筒
部３０を有し、この円筒部３０は連結部２３の受
口２７に下から受け入れられるような寸法形状に
なつている。連結具２８の円筒部３０には、その
ドーム２９の頂に、玉鎖３１に玉３２の直径より
は小さいが玉鎖３１の線３３を通すには十分な大
きさの小孔３４が設けられている。玉鎖３１の線
３３を通すことのできるスロツト３５がドーム２
９の小孔３４から円筒部３０の下縁まで円筒部３
０に垂直方向に延びて設けられている。円筒部３
０には又、その下縁から実質的にＵ形に折曲げら
れて上方に延びる複数本の脚部３６が設けられ、
これら脚部３６は、円筒部３０が連結部２３の受
口２７に差し込まれるとき、連結部２３の大外径
下部２５の外周に位置するようになつている。各
脚部３６にはその先端部に連結部２３の段部２６
に係合する実質的にく字形の係止部３７が形成さ
れている。

玉鎖の取付けに当つては、先ず、玉鎖３１の下
端の玉３２を連結具２８の円筒部３０に下から入
れてその線３３を円筒部３０のスリツト３５に通
し、玉３２をドーム２９に向けて移動させる。し
かるときは、線３３はドーム２９の小孔３４に達
し、玉３２はドーム２９の下面に当つて連結具２
８から上に抜けなくなる。この状態で玉鎖３１を
フラツプ弁１４の連結部２３の受口２７に下から
通して引き上げれば、連結具２８の円筒部３０が
受口２７に下から受け入れられるとともに、Ｕ形
の脚部３６は連結部２３の大径下部の周囲を抱く
ようにその部分に位置することになる。脚部３６
のく字形係止部３７は連結部２３の段部２６に係
合して連結具２８の連結部２３からの脱落を防止
する。以上の例では玉鎖に連結具を取付けてから
玉鎖３１を連結部２３の受口２７に通す例につい
て述べたが、玉鎖を連結具２３に取付けるに先立
つてこれを受口２７に通しても良いことは明らか
である。

以上述べた実施例はフラツプ弁についてのもの
であるが、本考案の連結装置は弁板の操作管にも
同様な仕方で適用される。この場合アームおよび
連結部が操作管の適所にフラツプ弁におけると同
様に設けられることは明らかである。

本考案は上述のように構成されているから、玉
鎖を取付けた連結具を操作管およびフラツプ弁の
連結部の受口に差し込めば、連結具の脚部が連結
部の下面に当つてこれを抱くことになり、玉鎖の
引張りの際連結具が連結部から抜け出すことはな
いし、又脚部のく字形係止部が連結部の外周段部
に係合するから連結具の連結部からの脱落も生じ
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は水洗用水タンクの排水弁装置の縦断面
図、第２図は玉鎖の取付けを示すフラツプ弁の斜
視図、第３図は玉鎖の取付部の詳細を示す断面
図、第４図は玉鎖の連結具の斜視図である。 １４……フラツプ弁、１７……操作管、２３…
…連結部、２４……小外径上部、２５……大外径
下部、２６……段部、２７……受口、２８……連
結具、２９……ドーム３０……円筒部、３１……
玉鎖、３２……玉、３３……線、３４……小孔、
３５……スロツト、３６……脚部、３７……係止
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水洗用水タンクの排水弁装置の操作管およびフ
   ラツプ弁に設けられ、小外径上部と大外径下部と
   で段部を構成し内部に受口を有する円筒形の連結
   部と、頂部をドーム形とその頂に小孔を、又この
   小孔から垂直に延びるスロツトを有する円筒部を
   備えた連結具とからなり、連結具の円筒部はその
   下縁から実質的にＵ形に折曲げられて上方に延
   び、円筒部が受口に差し込まれるとき、円筒形の
   連結部の大外径下部の外周に位置する複数本の脚
   部を備え、各脚部の先端部を、連結部の段部に係
   合する実質的にく字形の係止部として形成し、玉
   鎖の線を前記スロツトに通して前記円筒部内に玉
   鎖の玉を係合させて玉鎖を前記連結部の受口に通
   して成ることを特徴とする排水弁装置用玉鎖連結
   装置。