JPS628154Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、加熱コイルに高周波電力を供給する
ことにより、その加熱コイルで例えば調理鍋を誘
導加熱して食品を加熱調理する誘導加熱装置に係
わり、詳述すれば該誘導加熱装置におけるスイツ
チング素子の取り付け構造に関する。

(ロ) 従来技術 従来此種誘導加熱装置においては実公昭57−
18709号公報等で開示しているように作動時に発
熱し易いスイツチング素子（例えばスイツチング
トランジスタ）を放熱部材（例えばヒートシン
ク）にビスで固定していた。

また、現在一般に市販されている樹脂モールド
タイプのトランジスタは樹脂部又は放熱板上にビ
ス孔を開設しており、このビス孔を使用して別個
の放熱部材にこのトランジスタを固定する場合に
は、放熱部材のビス孔とトランジスタのビス孔と
が合致しない時、トランジスタの放熱板にビスの
締め付け回転方向に強い力が加わつて該放熱板は
ひずみを生じてトランジスタ内部のペレツトが壊
れてしまうという問題が発生していた。

(ハ) 考案の目的 本考案は、上述したような点に鑑み為されたも
ので、トランジスタ等の発熱し易いスイツチング
素子を放熱部材に取り付ける際にこのトランジス
タを簡単に且つ確実に固定することを目的とす
る。

(ニ) 考案の構成 本考案は、このためにインバータ回路を構成す
るスイツチング素子と、前記スイツチング素子の
発熱を放散して冷却する放熱部材とを有する誘導
加熱装置において、前記放熱部材に直接固定する
固定部と、前記スイツチング素子を前記放熱部材
に押圧保持するバネ作用を有した第１の押圧部
と、前記放熱部材の温度を検知し異常温度を検知
すると前記インバータ回路が作動しないようにす
る温度検知素子を前記放熱部材に押圧保持する第
２の押圧部とを一体形成した押え板を設けたもの
である。

(ホ) 実施例 以下本考案の一実施例を第１図〜第５図に基づ
き説明する。

第１図は、誘導加熱装置の外観斜視図であり、
１は電源スイツチ、２は出力調節つまみ、３は上
記電源スイツチ１の投入時に点灯する確認ラン
プ、４は調理鍋等をトツププレート５上に載置し
て加熱を行なつた場合の出力状態を表示する
LED等から成る出力表示部である。

第２図は、第１図のＡ−A′断面図であり、６
は前記トツププレート５の下面に設けた加熱コイ
ル、７はインバータ回路基板や電力部品等を収納
する筐体で、該筐体７内部には吸気フアン８を軸
支したモータ９を配置している。１０はインバー
タ回路基板で、インバータ回路を構成するスイツ
チング素子としてのスイツチングトランジスタ１
１は後述する放熱部材１２に発熱面を押え板１３
により押圧保持させている。

前記スイツチングトランジスタ１１を放熱部材
１２に押圧保持させる押え板１３の形状を第３図
〜第５図に基づき以下説明する。第３図は第２図
のスイツチングトランジスタ１１の取り付け部を
下方から見た図で、第４図は第３図のＢ−B′断面
図、第５図は押え板１３の外観斜視図である。前
記押え板１３は、熱伝導の良好な例えばステンレ
ス等の金属板にビス孔１５，１５を穿設した固定
板部１４の一側上方に立ち上げ片１６を夫々折曲
形成すると共に、外方へ張り出し片１７，１７，
１７を折曲形成し、その先端にはバネ作用を有す
る第１の押圧部１８，１８，１８を折曲させてお
り、前記張り出し片１７，１７，１７は区画溝１
９，１９により別個に形成している。また前記押
え板１３は熱伝導の良好な金属板であるため、前
記放熱部材１２と共に放熱が促進されるものであ
る。

また、他側適所には上方に起立片２０を折曲形
成すると共に、その先端を外方へ折曲した第２の
押圧部２１を形成し、その第２の押圧部２１の周
囲２辺には下方へ垂下させた保持片２２，２２を
折曲形成している。

１２は、熱伝導の良好な例えばアルミ等から形
成し、一面に複数の放熱部１２ａ，１２ａ…１２
ａを一体形成した放熱部材で、該放熱部材１２の
他面適所には凹溝２３を形成して、この凹溝２３
の一端には前記スイツチングトランジスタ１１の
ベース・コレクタ・エミツタを夫々外方へ折曲す
ると共に、他端に止着している基板２４にこのベ
ース・コレクタ・エミツタをはんだ付け２４′し
ているものである。前記凹溝２３はベース・コレ
クタ・エミツタと放熱部材との電位が異なり両者
の接触を避けるため空間距離を長くするように設
けた溝であり、絶縁のための部品を使用する必要
がない。

また、このスイツチングトランジスタ１１の樹
脂面は、前記押え板１３の第１の押圧部１８，１
８，１８のバネ作用により放熱部材１２の他面に
押圧保持される。前記第１の押圧部１８，１８，
１８により個々のスイツチングトランジスタ１１
を破損することなく均一に押圧保持できる。

また、前記押え板１３は放熱部材１２にビス２
５，２５により止着する際に他側適所に設けた第
２の押圧部２１と放熱部材１２との間にサーミス
タ等の温度検知素子２６を介在させて保持固定し
ており、該温度検知素子２６がスイツチングトラ
ンジスタ１１の異常加熱による誤動作を防止す
る。前記温度検知素子２６により異常加熱が発見
されると冷却に要する吸気フアン８駆動のための
電源を除くインバータ機能を停止するようにイン
バータ回路を不作動に制御する。従つて前記第２
の押圧部２１により放熱部材１２に温度検知素子
２６を容易に取り付けることができる。

(ヘ) 考案の効果 本考案は、上述する如く下記の効果を奏する。

スイツチング素子及び温度検知素子を放熱部材
に押圧保持すべく、押え板に前記放熱部材に固定
する固定部と、適所に第１及び第２の押圧部を設
けたことにより、前記スイツチング素子及び温度
検知素子を夫々破損することなく均一に前記放熱
部材に押圧保持することができるから前記放熱部
材と共にスイツチング素子の放熱が促進され温度
検知素子の温度検知が適切となる。また押え板を
別々に形成する必要がないため小型化が可能とな
り、全体としての小型化及び軽量化を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は誘導加熱装置の外観斜視図、第２図は
第１図のＡ−A′断面図、第３図はスイツチング
トランジスタ等の放熱部材への取り付け状態を下
方から見た図、第４図は第３図のＢ−B′断面図、
第５図は押え板の外観斜視図である。 １１……スイツチングトランジスタ、１２……
放熱部材、１３……押え板、１８……第１の押圧
部、２１……第２の押圧部、２３……凹溝、２６
……温度検知素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インバータ回路を構成するスイツチング素子
   と、前記スイツチング素子の発熱を放散して冷却
   する放熱部材とを有する誘導加熱装置において、
   前記放熱部材に直接固定する固定部と前記スイツ
   チング素子を前記放熱部材に押圧保持するバネ作
   用を有した第１の押圧部と前記放熱部材の温度を
   検知し異常温度を検知すると前記インバータ回路
   が作動しないようにする温度検知素子を前記放熱
   部材に押圧保持する第２の押圧部とを一体形成し
   た金属製押え板を設けたことを特徴とする誘導加
   熱装置。