JP3436021B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP3436021B2
JP3436021B2 JP29286296A JP29286296A JP3436021B2 JP 3436021 B2 JP3436021 B2 JP 3436021B2 JP 29286296 A JP29286296 A JP 29286296A JP 29286296 A JP29286296 A JP 29286296A JP 3436021 B2 JP3436021 B2 JP 3436021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱式の
炊飯器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】電磁誘導加熱式の炊飯
器においては、電磁誘導加熱用の加熱コイルに高周波電
流を供給するインバータ回路などに、高周波スイッチン
グ素子などの高温になる発熱部品が含まれており、この
発熱部品を冷却する必要がある。
【0003】この冷却としては、従来、例えば特開平4
−170917号公報に記載されているように、送風フ
ァンによる強制的な冷却が一般的である。しかし、送風
ファンを用いるのでは、部品点数の増加によるコストア
ップ、炊飯器本体の大型化などの問題がある。
【0004】そこで、送風ファンによる強制冷却を用い
ずに、自然冷却により発熱部品を冷却する炊飯器も提案
されている。例えば、特開平6−269348号公報に
は、炊飯器本体の後面に、通風ケースを後方へ突出させ
て設け、この通風ケース内に、高周波スイッチング素子
であるパワートランジスターを放熱器とともに配設した
炊飯器が記載されている。通風ケースは、下面部および
上面部に下通風口および上通風口を各々有しており、パ
ワートランジスターの発熱により、下通風口から通風ケ
ース内に流入し上通風口から流出する対流を生じさせる
ことにより、放熱器を冷却するものである。しかし、こ
の特開平6−269348号公報に記載の炊飯器では、
通風ケースが本体後部に突出しているため、この通風ケ
ースが邪魔になるとともに、外観性を損なうなどの問題
がある。
【0005】また、特開平7−51158号公報には、
炊飯器本体内の下部にインバータ回路装置を配設すると
ともに、炊飯器本体の外殻部において、底面部に吸気孔
を形成する一方、側面上部に排気口を形成し、吸気孔か
ら排気口への空気の流れ道にインバータ回路装置の放熱
器を配設した炊飯器が提案されている。放熱器は、図面
から判断する限り、インバータ回路装置の下側に設けら
れており、単なる矩形の一体ものになっている。そし
て、インバータ回路装置の発熱により、吸気孔から炊飯
器本体内に流入し排気口から流出する気流が生じ、この
気流により放熱フィンが冷却される。しかし、特開平7
−51158号公報に記載の炊飯器では、放熱器が単な
る矩形の一体ものからなっていて小さいため、放熱効率
が悪く、十分な冷却ができないなどの問題がある。
【0006】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、自然冷却により発熱部品を十分に冷却で
きるとともに、外観性なども良好にでき、かつ、製造性
よく、さらには放熱器部材が複数個あるにもかかわら
ず、これらの放熱器部材を炊飯器本体内に簡単に保持で
き、加熱基板の取り扱いが容易で、製造工数の増大を防
止できる電磁誘導加熱式の炊飯器を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、炊飯器本体と、この炊飯器本体
内に収納された鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱コ
イルと、この加熱コイルに高周波電流を供給する高周波
電流供給回路と、この高周波電流供給回路に含まれる発
熱部品の自然冷却を行う放熱器とを備えた炊飯器におい
て、前記放熱器は、複数個の放熱器部材を熱的に結合し
てなるとともに、前記発熱部品を含めて高周波電流供給
回路を形成する部品を搭載した加熱基板に前記放熱器部
材を取り付け、この放熱器部材に結合された他の放熱器
部材を前記炊飯器本体内に形成した保持部に保持した
のである。
【0008】炊飯時などにおいて、高周波電流供給回路
から加熱コイルに高周波電流が供給されることにより、
鍋が電磁誘導加熱されるが、このとき、高周波電流供給
回路に含まれる発熱部品の発する熱が放熱器により放熱
され、発熱部品が自然冷却される。放熱器は複数個の放
熱器部材を熱的に結合してあるが、これにより、炊飯器
本体内の限られた空間内に十分な大きさを有する放熱器
を配設することが容易に可能になり、発熱部品を十分に
冷却できる。
【0009】さらに、放熱器部材が複数個あるにもかか
わらず、これらの放熱器部材を炊飯器本体内に簡単に保
持できる。また、加熱基板に半田槽で半田付けを行う
際、発熱部品が取り付けられる放熱器部材のみを加熱基
板に取り付け、炊飯器本体の保持部に保持される放熱器
部材は加熱基板に取り付けていない状態で半田付けを行
うことにより、加熱基板の取り扱いが容易になる。ま
た、大きな放熱器が一体ものであったとすると、この放
熱器を半田槽での半田付け後に加熱基板に取り付けよう
とすると、発熱部品も回路基板に後付けしなければなら
なくなるが、このような工数の増大も回避される。
【0010】請求項の発明は、請求項の発明の炊飯
器において、前記発熱部品を含めて高周波電流供給回路
を形成する部品を搭載した加熱基板に対してほぼ平行に
一部の放熱器部材を配設し、ほぼ垂直に他の放熱器部材
を配設したものである。
【0011】これにより、放熱器全体を大きくしても、
加熱基板および放熱器全体の投影面積は小さく抑えるこ
とができる。例えば、加熱基板および一部の放熱器部材
を炊飯器本体の底面および側面のうちの一方に沿わせ、
他の放熱器部材を炊飯器本体の底面および側面のうちの
他方に沿わせることにより、炊飯器本体内の限られた空
間内に大きな放熱器を配設できる。
【0012】請求項の発明は、請求項1または2の発
明の炊飯器において、前記炊飯器本体内に形成した保持
部に前記放熱器部材を保持し、この放熱器部材の片端を
他の放熱器部材に固定したものである。
【0013】これにより、放熱器部材が複数個あるにも
かかわらず、これらの放熱器部材を炊飯器本体内に簡単
に保持できる。
【0014】請求項の発明は、請求項の発明の炊飯
器において、前記炊飯器本体の保持部に保持された放熱
器部材は、他の放熱器部材の放熱フィンを案内としてこ
の放熱器部材に固定したものである。
【0015】これにより、炊飯器本体の保持部に保持さ
れた放熱器部材と他の放熱器部材とを容易に確実に固定
できる。
【0016】請求項の発明は、請求項1からのいず
れか1項の発明の炊飯器において、前記複数の放熱器部
材間の熱的結合部に、良熱伝導性のグリスを塗布または
良熱伝導性のシートを挟着したものである。
【0017】そして、複数の放熱器部材間で、良熱伝導
性のグリスあるいはシートを介して熱が伝わる。このよ
うにグリスあるいはシートを放熱器部材間に介在させる
ことにより、これら放熱器部材の結合面の仕上げ精度を
上げることなく、これら放熱器部材の熱的結合を良好な
ものとできる。
【0018】請求項の発明は、請求項1からのいず
れか1項の発明の炊飯器において、前記放熱器部材は、
アルミニウム板をプレス加工してなるものである。
【0019】アルミニウム板をプレス加工して放熱器部
材を製造することにより、その製造を容易にできる。
【0020】
【発明の実施形態】以下、本発明の炊飯器の第1実施例
について、図1および図2を参照しながら説明する。図
面において、1は炊飯器本体で、この炊飯器本体1は、
その外殻を形成するほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の
底面開口を塞ぐ底板3と、炊飯器本体1の中央部に位置
する鍋収納部を形成する容器状の下内枠4となどにより
構成されている。また、外枠2の上部内周側には、鍋収
納部の上部を形成する筒状の内枠上部5が形成されてお
り、この内枠上部5の下側に下内枠4が取り付けられて
いる。そして、これら下内枠4および内枠上部5により
構成される鍋収納部内には、米や水を入れる鍋6が挿脱
自在に収納されて保持されている。この鍋6は、鍋本体
7の外面の下部に、電磁誘導加熱のための磁性金属から
なる発熱層8を形成したものである。
【0021】そして、前記下内枠4の外底面には加熱コ
イル11が固定されているとともに、この加熱コイル11を
外側から覆ってコイルカバー12が設けられている。さら
に、このコイルカバー12の外側にはフェライトコア13が
設けられている。また、下内枠4の底面部中央には、前
記鍋6の底面に当接してこの鍋6の温度を検出する温度
センサ14が設けられている。さらに、前記外枠2内の前
部には、使用者の操作の受け付ける操作部や表示のため
表示部を含めた制御回路15を形成する部品を搭載した制
御基板16が操作パネル17により保持して設けられてい
る。そして、この制御回路15に前記温度センサ14が電気
的に接続されている。
【0022】また、前記炊飯器本体1内の後下部には、
下面を部品取り付け面とした加熱基板21が水平に固定さ
れている。この固定は、図示していないが、外枠2ある
いは下内枠4に形成されたボスへのねじ止めなどによ
る。そして、加熱基板21には、整流回路と、前記加熱コ
イル11に高周波電流を供給する高周波電流供給回路であ
るインバータ回路22となどを形成する部品が搭載されて
いる。このインバータ回路22は、前記加熱コイル11およ
び前記制御回路に電気的に接続されている。
【0023】前記整流回路およびインバータ回路22は、
高周波スイッチング素子23などの高温になる発熱部品を
有しているが、これら発熱部品には、その自然冷却を行
うための放熱器26が設けられている。この放熱器26は、
熱伝導性のよい材質、例えばアルミニウムの押し出し成
型品からなるほぼ平板状の第1の放熱器部材27と第2の
放熱器部材28とを熱伝導性良好に結合して構成してあ
る。第2の放熱器部材28は第1の放熱器部材27よりも大
きい。第1の放熱器部材27は、加熱基板21の後部下側に
ねじ29により水平に固定してあり、前記高周波スイッチ
ング素子23などの発熱部品が固定されて熱的に結合して
ある。ねじ29は、加熱基板21に形成された通孔30に挿通
され、第2の放熱器部材28に形成されたねじ孔31に螺着
されている。また、第2の放熱器部材28は、第1の放熱
器部材27の上面の後部にねじ32により垂直に立てて固定
してある。これらのねじ32は、第1の放熱器部材27に形
成された通孔33に挿通され、第2の放熱器部材28に形成
されたねじ孔34に螺着されている。また、第1の放熱器
部材27は、下面に複数の放熱フィン35を有しているとと
もに、上面にも1条の左右方向の放熱フィン36を有して
いる。この放熱フィン36は加熱基板21よりも後方に位置
しており、この放熱フィン36を案内として、第1の放熱
器部材27に第2の放熱器部材28の下端が固定されてい
る。一方、この第2の放熱器部材28は、後面に複数の放
熱フィン37を有している。さらに、前記外枠2内の上部
には、保持部としての複数のガイドリブ38が一体に垂設
されており、これらガイドリブ38に形成された保持溝39
に第2の放熱器部材28が下から挿入されている。これに
より、第2の放熱器部材28の上部が炊飯器本体1に対し
保持されて固定されている。なお、保持溝39の下部は、
第2の放熱器部材28を挿入しやすいように、下方へ向か
ってテーパー状に幅を拡げてある。
【0024】さらに、前記底板3には、複数の吸気孔41
が加熱基板21および第1の放熱器部材27の下方位置に開
口形成されている。一方、前記外枠2の後側面上部に
は、複数の排気孔42が第2の放熱器部材26の上部に対向
させて開口形成されている。
【0025】46は前記鍋6の上面開口を開閉自在に閉じ
る蓋体で、この蓋体46は、炊飯器本体1の後部上側に位
置するヒンジ47により、炊飯器本体1の上側に回動自在
に支持されている。また、蓋体46は、その前部に位置す
るクランプ装置48により閉じた状態に保持されるように
なっている。さらに、蓋体46には、鍋6の内部を外部に
連通させる蒸気口49が設けられている。
【0026】次に、前記の構成について、その作用を説
明する。炊飯あるいは保温時には、制御回路15からの出
力信号に応じて、加熱基板21上のインバータ回路22が駆
動し、加熱コイル11に高周波電流が供給される。これに
より、鍋6の発熱層8が発熱して鍋6が電磁誘導加熱さ
れ、炊飯あるいは保温が行われる。
【0027】その際、インバータ回路22の高周波スイッ
チング素子23などの発熱部品が高温になるが、これらの
部品は、高温限界温度になると故障するので、ある一定
温度以下に保って機能させる必要がある。放熱器26は、
そのために設けられたものであり、高周波スイッチング
素子23などの発する熱は、まず第1の放熱器部材27に放
熱され、さらに、この第1の放熱器部材27から第2の放
熱器部材28に放熱される。また、この熱により、図1に
矢印で示すように、炊飯器本体1外の空気が底板3の吸
気孔41から炊飯器本体1内に吸気され、加熱基板21およ
び放熱器26の周囲を通って、外枠2の排気孔42から炊飯
器本体1外へ排気されることにより、放熱器26からの放
熱が促進される。その際、放熱器26、特に第2の放熱器
部材28と空気との熱交換によるドラフト効果によって、
空気の上昇流が促進され、熱せられた空気が排気孔42か
ら速やかに排気されるとともに、吸気孔41から新たな冷
気が炊飯器本体1内に間断なく吸気される。こうして、
高周波スイッチング素子23などの発熱部品が確実に自然
冷却される。
【0028】従来の電磁誘導加熱式の炊飯器では、加熱
基板に放熱器を設け、送風ファンにより強制冷却する構
成を採っていたが、送風ファンを設けずに、放熱器のみ
による自然空冷によって十分な冷却を行うためには、放
熱器の設置場所、放熱器の放熱面積、熱交換用の空気の
流入出を考慮して設計を行う必要がある。そこで、本実
施例の炊飯器では、前述のように、平板状の第1の放熱
器部材27と第2の放熱器部材28とを結合して放熱器26を
構成している。これにより、十分な熱交換に必要な大型
の放熱器26を炊飯器本体1内の限られた空間内に配設す
ることが容易に可能になる。
【0029】まず配置に関しては、加熱基板21およびこ
れと平行な第1の放熱器部材27を下内枠4の下方で炊飯
器本体1内の底部に水平に配し、第1の放熱器部材27の
一端側に垂直に立設された第2の放熱器部材28を外枠2
および下内枠4の側面間に配したので、炊飯器本体1内
の限られた空間内に大型の放熱器26を配設でき、十分に
良好な放熱性を確保できる。これとともに、吸気孔41を
加熱基板21および第1の放熱器部材27の下方位置で底板
3に形成し、排気孔42を第2の放熱器部材28の上部に対
向させて外枠2の後側面上部に形成したので、吸気孔41
から排気孔42へ流れる気流により、放熱器26を確実に放
熱させられる。
【0030】また、製造上、各放熱器部材27,28が平板
状になっていることにより、その製造が容易である。
【0031】また、加熱基板21に対し半田槽において自
動半田付けを行うに際しては、加熱基板21に第1の放熱
器部材27を取り付ける一方、第2の放熱器部材28は取り
付けていない状態で半田付けを行うとよい。その際、第
1の放熱器部材27に高周波スイッチング素子23などの発
熱部品を固定して熱的に結合しておく。このように重く
て大きい第2の放熱器部材28を取り付けていない状態
で、加熱基板21を半田槽に通すことにより、第2の放熱
器部材28が邪魔になることがなく、取り扱いが容易にな
る。
【0032】ところで、大きな放熱器が一体ものであっ
たとすると、半田槽での自動半田付け時に放熱器が邪魔
にならないようにするには、この放熱器を半田槽での半
田付け後に加熱基板に取り付けなければならない。この
場合、放熱器に結合される発熱部品も半田槽での半田付
け後に加熱基板に手作業により後付けしなければならな
いが、これは工数の増大を招く。これに対して、前述の
ように、両放熱器部材27,28のうち第1の放熱器部材27
のみを高周波スイッチング素子23などとともに加熱基板
21に取り付けた状態で半田槽での半田付けを行えば、後
付け工程は不要になり、工数の増大を回避できる。
【0033】また、その後の組み立てに際しては、外枠
2を使用時とは上下反転させた状態で、まず外枠2内に
第2の放熱器部材28を挿入し、その先端部を外枠2内の
ガイドリブ38に係合させる。ついで、第2の放熱器部材
28上に、加熱基板21に既に取り付けられている第1の放
熱器部材27を載せ、両放熱器部材27,28をねじ32により
固定する。その際、外枠2内のガイドリブ38により第2
の放熱器部材28が容易にかつ確実に位置決めされる。さ
らに、両放熱器部材27,28を結合する際、第1の放熱器
部材27の放熱フィン36が第2の放熱器部材28の案内とな
るので、両放熱器部材27,28を相互に容易にかつ確実に
位置決めできる。このように、放熱器26は、第2の放熱
器部材28を外枠2内に挿入し、この第2の放熱器部材28
に第1の放熱器部材27をねじ止めするのみの簡単な操作
により組み立てて炊飯器本体1内に組み込みことができ
る。
【0034】以上のように前記実施例の構成によれば、
一対の放熱器部材27,28を結合して放熱器26を構成した
ので、炊飯器本体1内の限られた空間に大きな放熱器26
を配設することが可能になり、また、特に大きな第2の
放熱器部材28は、空気と熱交換しやすい位置に配するこ
とができ、高周波スイッチング素子23などの発熱部品を
自然冷却により十分に冷却できる。一方、放熱器26が一
対の放熱器部材27,28からなっているにもかかわらず、
放熱器26の組み立て、加熱基板21への放熱器26および高
周波スイッチング素子23などの取り付け、および、放熱
器26と高周波スイッチング素子23などとの熱的結合は前
述のように容易に行える。そして、放熱器26の配設のた
めに、炊飯器本体1に外方へ突出した放熱器収納部を形
成するような必要がないので、外観性も良好にできる。
【0035】図3は、本発明の炊飯器の第2実施例を示
すもので、この第2実施例は、第1の放熱器部材27と第
2の放熱器部材28との間に、熱伝導性が良好で適度の可
撓性を有する物質であるシリコーンなどからなるシート
51を挟み込んだものである。このシート51は、両放熱器
部材27,28を相互に固定するねじ32が通る通孔52を有し
ており、これにより、両放熱器部材27,28間に確実に固
定される。
【0036】このように両放熱器部材27,28間に良熱伝
導性のシート51を挟み込むことにより、両放熱器部材2
7,28間の接触部(熱的結合部)の熱伝導性がよくな
り、より放熱効果が向上する。これとともに、両放熱器
部材27,28の相互の密着度を上げるためにこれらの両者
の接触部の仕上げ加工精度を上げることなく、両放熱器
部材27,28の熱的結合を良好にできるので、加工費を安
価にでき、経済的効果も得られる。
【0037】なお、良熱伝導性のシート51に代えて、両
放熱器部材27,28間の接触部に良熱伝導性のグリスを塗
布しても、同様に、熱伝導性の向上の効果および経済的
効果を得ることができる。
【0038】図4は、本発明の炊飯器の第3実施例を示
すもので、この第3実施例は、第2の放熱器部材28の後
側に形成された縦方向の放熱フィン37と同様の形状で、
第1の放熱器部材27の後側に放熱フィン56を形成したも
のであり、これら放熱器部材27,28の放熱フィン37,56
は、互いに繋がって連続する縦方向のフィンを形成す
る。
【0039】これにより、放熱フィン37,56のまわりに
おける空気の流れが滑らかになり、放熱効果が向上す
る。
【0040】図5は、本発明の炊飯器の第4実施例を示
すもので、この第4実施例は、アルミニウム板をプレス
加工して放熱器部材27,28を製造したものである。この
場合、放熱フィン36,37は切り起こし、折り曲げなどの
手段により形成できる。なお、第2の放熱器部材28の下
面部には、第1の放熱器部材27の放熱フィン36が係合さ
れる切り欠き部57が形成されている。この係合は、両放
熱器部材27,28を結合する際の案内になる。
【0041】押し出し成型による放熱器部材27,28の製
造はコストが高くつくが、本第4実施例のようにアルミ
ニウム板をプレス加工することによる製造ならば、加工
費を安価にできる。
【0042】なお、第1の放熱器部材27を前記第1実施
例のような押し出し成型品からなるものとし、第2の放
熱器部材28を第4実施例のようなプレス加工品からなる
ものとするなど、押し出し成型品からなる放熱器部材と
プレス加工品からなる放熱器部材とを組み合わせてもよ
い。
【0043】さらに、本発明は、前記実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の
変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、2つ
の放熱器部材27,28により放熱器26を構成したが、3つ
以上の放熱器部材により放熱器を構成してもよい。ま
た、前記実施例では、発熱部品として高周波スイッチン
グ素子を例示したが、発熱部品は整流回路を構成する部
品などであってもよく、要は、発熱による劣化を防止す
る必要のある発熱部品に対して本発明を適用できる。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、電磁誘導加熱
式の炊飯器において、加熱コイルに高周波電流を供給す
る高周波電流供給回路に含まれる発熱部品の自然冷却を
行う放熱器は、複数個の放熱器部材を熱的に結合してな
るので、炊飯器本体内の限られた空間内に十分な大きさ
を有する放熱器を配設することが容易にでき、自然冷却
により発熱部品を十分に冷却できる。また、放熱器の配
設のために、炊飯器本体に外方へ突出した放熱器収納部
を形成するような必要がないので、外観性も良好にでき
る。さらに、発熱部品を含めて高周波電流供給回路を形
成する部品を搭載した加熱基板に放熱器部材を取り付
け、この放熱器部材に結合された他の放熱器部材を炊飯
器本体内に形成した保持部に保持したので、放熱器部材
が複数個あるにもかかわらず、これらの放熱器部材を炊
飯器本体内に簡単に保持できる。また、加熱基板に半田
槽で半田付けを行う際、発熱部品が取り付けられる放熱
器部材のみを加熱基板に取り付けて半田付けを行うこと
により、炊飯器本体の保持部に保持される放熱器部材が
邪魔になることはなく、加熱基板の取り扱いが容易にな
る。一方、半田槽での半田付け後に放熱器とともに発熱
部品を加熱基板に後付けするような必要がないので、製
造工数の増大を防止できる。
【0045】請求項の発明の炊飯器によれば、請求項
の発明の効果に加えて、加熱基板に対してほぼ平行に
一部の放熱器部材を配設し、ほぼ垂直に他の放熱器部材
を配設したので、放熱器全体を大きくしても、加熱基板
および放熱器全体の投影面積は小さく抑えることがで
き、炊飯器本体内の限られた空間内に大きな放熱器を配
設でき、したがって、十分な冷却効果を得られる。
【0046】請求項の発明の炊飯器によれば、請求項
または2の発明の効果に加えて、炊飯器本体内に形成
した保持部に放熱器部材を保持し、この放熱器部材の片
端を他の放熱器部材に固定したので、放熱器部材が複数
個あるにもかかわらず、これらの放熱器部材を炊飯器本
体内に簡単に保持できる。
【0047】請求項の発明の炊飯器によれば、請求項
の発明の効果に加えて、炊飯器本体の保持部に保持さ
れた放熱器部材は、他の放熱器部材の放熱フィンを案内
としてこの放熱器部材に固定したので、炊飯器本体の保
持部に保持された放熱器部材と他の放熱器部材とを容易
に確実に固定できる。
【0048】請求項の発明の炊飯器によれば、請求項
1からのいずれか1項の発明の効果に加えて、複数の
放熱器部材間の熱的結合部に、良熱伝導性のグリスを塗
布または良熱伝導性のシートを挟着したので、複数の放
熱器部材の熱的な結合が向上し、放熱効果が向上する。
これとともに、放熱器部材の結合面の仕上げ精度を上げ
る必要がないので、加工費を安価にできる。
【0049】請求項の発明の炊飯器によれば、請求項
1からのいずれか1項の発明の効果に加えて、放熱器
部材は、アルミニウム板をプレス加工してなるので、加
工費を安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炊飯器の第1実施例を示す断面図であ
る。
【図2】同上放熱器付近の分解斜視図である。
【図3】本発明の炊飯器の第2実施例を示す放熱器付近
の分解斜視図である。
【図4】本発明の炊飯器の第3実施例を示す放熱器付近
の分解斜視図である。
【図5】本発明の炊飯器の第4実施例を示す放熱器付近
の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 炊飯器本体 6 鍋 11 加熱コイル 21 加熱基板 22 インバータ回路(高周波電流供給回路) 23 高周波スイッチング素子(発熱部品) 26 放熱器 27 第1の放熱器部材 28 第2の放熱器部材 36 放熱フィン 38 ガイドリブ(保持部) 51 シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−154076(JP,A) 特開 平7−51158(JP,A) 特開 平7−38023(JP,A) 特開 平5−261016(JP,A) 特開 平5−275582(JP,A) 実開 平3−30934(JP,U) 実開 昭58−74345(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 H05B 6/12 H05K 7/20 H01L 23/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炊飯器本体と、この炊飯器本体内に収納
    された鍋と、この鍋を電磁誘導加熱する加熱コイルと、
    この加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給
    回路と、この高周波電流供給回路に含まれる発熱部品の
    自然冷却を行う放熱器とを備えた炊飯器において、前記
    放熱器は、複数個の放熱器部材を熱的に結合してなる
    ともに、前記発熱部品を含めて高周波電流供給回路を形
    成する部品を搭載した加熱基板に前記放熱器部材を取り
    付け、この放熱器部材に結合された他の放熱器部材を前
    記炊飯器本体内に形成した保持部に保持したことを特徴
    とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 前記発熱部品を含めて高周波電流供給回
    路を形成する部品を搭載した加熱基板に対してほぼ平行
    に一部の放熱器部材を配設し、ほぼ垂直に他の放熱器部
    材を配設したことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 【請求項3】 前記炊飯器本体内に形成した保持部に前
    記放熱器部材を保持し、この放熱器部材の片端を他の放
    熱器部材に固定したことを特徴とする請求項1または2
    記載の炊飯器。
  4. 【請求項4】 前記炊飯器本体の保持部に保持された放
    熱器部材は、他の放熱器部材の放熱フィンを案内として
    この放熱器部材に固定したことを特徴とする請求項
    載の炊飯器。
  5. 【請求項5】 前記複数の放熱器部材間の熱的結合部
    に、良熱伝導性のグリスを塗布または良熱伝導性のシー
    トを挟着したことを特徴とする請求項1からのいずれ
    か1項に記載の炊飯器。
  6. 【請求項6】 前記放熱器部材は、アルミニウム板をプ
    レス加工してなることを特徴とする請求項1からのい
    ずれか1項に記載の炊飯器。
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