JPS626674A - トロパン系アルカロイドの製造方法 - Google Patents

トロパン系アルカロイドの製造方法

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JPS626674A
JPS626674A JP60143881A JP14388185A JPS626674A JP S626674 A JPS626674 A JP S626674A JP 60143881 A JP60143881 A JP 60143881A JP 14388185 A JP14388185 A JP 14388185A JP S626674 A JPS626674 A JP S626674A
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Hikari Yamagata
光 山形
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SEITAI KINOU RIYOU KAGAKUHIN SHINSEIZOU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はズボイシア属植物の根および不定根の如き植物
組織を培養してスコポラミン、ヒヨスチアミンなどのト
ロパン系アルカロイドを製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
スコポラミンは鎮痙剤、鎮痛剤および副交感神経しゃ新
薬として重用されている。この化合物は、天然の植物体
中から抽出して製造されているが、天然物を原料として
いるため、その生産が天候に左右されること、収穫時期
が限定されていることが問題となっている。そのためこ
の化合物を植物の組織培養により生産する研究が内外で
数多く行われた。カルスによる生産では、山田らによる
ヒヨスのカルスによる生産例が知られている〔プラント
セルレポート(Plant Ce1lReports 
)上、101〜103 (1982) )が、スコポラ
ミン含量は20ppmと、天然の植物体中の含量と比較
して低いものであった。また手間、出端、本島はダクラ
のカルスを用いトロピンを添加培養してアセチルトロピ
ンの生産を報告している〔ファイトケミストリー(Ph
ytochemistry) 12,795−799(
1973) )。さらに形弁らはズボイシアのカルスを
培養してイソブチロイルトロピンおよびバレロイルトロ
ピンの生産を報告している(特開昭56−121494
号公報)。しかし両者のカルス中の含量は約1100p
pと低いものであった。
一方、ズボイシアの植物にはチグロイジン等の攪拌性ト
ロパン系アルカロイドが含まれていることが用谷、宮崎
の文献に記載されている〔熱帯農業、工、129−13
6 (1963) )。山田らは、ズボイシア(Dub
oisia Leichhardt’u F、Muel
l)の組織培養により得られる不定根中に著量のスコポ
ラミンおよびヒヨスチアミンが存在することを見出して
いる〔プラントセルレポート(Plant Ce1l 
Reports)主、186−188  (1984)
 ]が、その量はまだ充分とは言えないものであった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
したがってこのような組織培養法によりトロパン系アル
カロイドの工業的な生産を目指す場合、さらに生産性を
高めることが重要な課題であった。
このような事情にかんがみ、本発明者らは、ズボイシア
属植物の組織を効率よく培養してトロパン系アルカロイ
ドを従来法に比べて多く得る方法について検討した。
〔問題点を解決するための手段〕
その結果、本発明者等はズボイシア属植物の組織培養に
おいては、組織培養物によるトロパン系アルカロイドの
生産性は培地の溶存酸素濃度に大きく影響されることを
見出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発明の
方法によれば、ズボイシア属に属する植物を液体培地を
用いて組織培養するに当たり、該培地の溶存酸素濃度を
10ないし65ppmにしてトロパン系アルカロイドを
生産することを特徴とするズボイシア属植物の組織培養
方法、が提供される。
本発明では組織培養はズボイシア属に属する植物を用い
て行われるが、該ズボイシア属植物として具体的にはD
uboisia myoporoides R,Br。
Duboisia Leichhardt’u  F、
MuellおよびDu−boisia hopwood
ii F、Muell等を例示できる。
本発明で使用される液体培地は、無機成分および炭素源
を必須成分とし、これに植物ホルモン類、ビタミン類を
添加し、更に必要に応じてアミノ酸類を添加した培地で
ある。
該培地の無機成分としては、窒素、リン、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マ
ンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ヨウ素、コ
バルト等の元素を含む無機塩を挙げることができ、具体
的には硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム
、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、硫
酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、
硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、モリ
ブデン酸ナトリウム、二酸化モリブデン、ヨウ化カリウ
ム、硫酸亜鉛、ホウ酸、塩化、コバルト等の化合物を例
示できる。
該培地の炭素原としては、ショ糖等の炭水化物とその誘
導体、脂肪酸等の有機酸およびエタノール等の1級アル
コールなどを例示できる。
該培地の植物ホルモン類としては、例えば、ナフタレン
酢酸(NAA) 、インドール酢酸(IAA)、p−ク
ロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
(2,4−D) 、インドール酪酸(IBA)およびこ
のらの誘導体等のオーキシン類およびベンジルアデニン
(BA) 、カイネチン、ゼアチンのサイトカイニン類
を例示できる。本発明ではサイトカイニン類は通常は培
地に添加しないことが望ましいが、必要に応じて添加す
る場合にはサイトカイニン類は濃度が通常10−’M 
(0,02■/l)以下の低濃度で使用することが好ま
しい。
該培地のビタミン類としては、ビオチン、チアミン(ビ
タミンB、)、ピリドキシン(ビタミンB、)、ピリド
キサール、ピリドキサミン、パントテン酸カルシウム、
アスコルビン酸(ビタミンC)、イノシトール、ニコチ
ン酸、ニコチン酸アミドおよびリボプラビン(ビタミン
B2)などを例示できる。
該培地のアミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニ
ン、グルタミン酸、システィン、フェニルアラニンおよ
びリジンなどを例示できる。
本発明の前記培地は、通常は、前記無機成分を約0.1
μMないし約100mM、前記炭素源を約1g/lない
し約100g/i前記植物ホルモン類を約0,1mg/
j!ないし約100mg/ l、前記ビタミン類を約Q
、1mg/βないし約150mg/ lおよび前記アミ
ノ酸類を0ないし約1000mg/ l含ませて使用す
ることが望ましい。
本発明のズボイシア属植物の組織培養に用いられる前記
培地として具体的には、従来から知られている植物の組
織培養に用いられている培地、例えば、ムラシゲ・スク
ーグ(’62 )  (Murashige& Sko
og)の培地、リンスマイヤー・スクーグ(RM−19
65)  CLinsmaier & Skoog)の
培地、ホワイト(’63 )  (White )の培
地、ガンボルグ(Gamborg )のB−5培地、三
井のM−9培地、エッチ・エッチの培地(Nitsch
  &N1tsch)等に前記した炭素源および植物ホ
ルモンを添加し、更に必要に応じて前記したビタミン類
、アミノ酸類を添加して調製される培地を例示できるが
、本発明ではこの中でも特にエッチ・ニッチ、リンスマ
イヤー・スクーグ又はムラシゲ・スクーグの培地を用い
て調製される培地が好ましい。なお、上記した従来公知
の培地の組成に関しては、例えば、行内、中島、古谷著
の「新植物組織培養JP386〜P391、利金書店、
1979年に記載されている。
本発明では前記した液体培地を用いてズボイシア属植物
の組織培養を行い、トロパン系アルカロイドが生産され
るが、この場合、本発明では培地の溶存酸素濃度が通常
IOないし65ppm 、好ましくは25ないし50p
pmとなるようにして組織培養が行われる。溶存酸素濃
度が通常10ppmよりも低い場合および65ppmよ
りも高い場合にはトロパン系アルカロイドの生産量が低
下するので好ましくない。
培地の溶存酸素濃度を本発明で行われる前記濃度範囲に
する方法としては以下に示す方法を例示できる。すなわ
ち通常23ないし30℃で組織培養が行われる液体培地
において、該培地に接触する酸素含有ガスの酸素分圧を
通常190mmHg以上、好ましくは400mmHgな
いし1,131g / crA absにしてこの酸素
含有ガスと培地を適宜の方法によって接触させることに
より、培地の溶存酸素濃度を前記範囲にすることができ
る。このばあいの酸素含有ガスとしては具体的にはチッ
素等の不活性成分を含んだ種々の酸素濃度を有するガス
や純酸素ガスを例示できる。酸素含有ガスとして空気を
大気圧以下で培地と接触させる方法は従来のズボイシア
属植物の組織培養において採用された方法であって、こ
の方法では培地の溶存酸素濃度は培養温度によっても多
少異なるが通常8ppm程度と低いためトロパン系アル
カロイドの生産量は少ないので好ましくない。本発明で
は必要に応じて酸素含有ガスとして空気を用いることも
出来、この場合には該ガスを加圧することによって系内
の全圧を高くしてガス中の酸素分圧を前記範囲にするこ
とによって、培地の溶存酸素濃度を本発明の範囲にする
ことができる。大気圧下で組織培養を行う場合には純酸
素ガスを使用しても培地の溶存酸素濃度は通常40pp
m程度しか高まらないため、更に酸素濃度を高めたい場
合には通常知られている適宜方法によって加圧した系で
組織培養を行う方法が採用される。
要するに本発明では、状況に応じて酸素含有ガス中の酸
素分圧を適宜選ぶことによって培地の溶存酸素濃度を前
記範囲にして培養が行われる。
本発明では酸素含有ガスと培地を接触させる方法として
は特にどのような方法を用いなければならないというこ
とは無く、通常知られているどのような方法でも採用で
きる。そして該接触方法として具体的には、例えば液体
培地中に置かれた多数の孔を有するガス分散器を介して
培地中に酸素含有ガスを放出させる通気培養方法、ある
いはシリコン、テフロン等の特殊な材料から作られた酸
素透過性の膜からできた任意形状のガス送入部を培地と
接触させてこの膜を介して培地中に酸素を供給する方法
などを例示できる。酸素透過性の膜を用いる方法では、
通気培養のときのような激しい気泡の発生も無いので培
養物に好ましくない外力をかけないようにすることがで
きるので一層好ましい。
培地の溶存酸素濃度を調節する方法としては、例えば以
下に示すような方法がある。ガルバニックセル型の酸素
電極を用いて溶存酸素濃度に比例して発生する電流を測
定し、所定の溶存酸素濃度に対応する電流以上になると
自動的に供給酸素量を減じ、かつ該電流値以下の場合、
自動的に供給量を増加せしめることによって培地の溶存
酸素濃度を所定の値に維持する方法である。
本発明で実施される組織培養においては、培養槽あるい
は培養装置については特にどのようなものを用いなけれ
ばならないということはなく、前記した本発明の要件を
満足できるものであればどのようなものでも使用できる
。本発明では培地を、必要に応じて培養槽自体の振とう
、旋回あるいは攪拌羽根等の手段によって攪拌しても良
いし、又静置しても良い。あるいは又本出願人が特願昭
59−262099号によって提案した液体散布の方法
、すなわち液体培地を培養物の上方からシャワー状に散
布するようにして培養する方法を採用することもできる
。この場合には液体培地を培養器とは別の所で酸素含有
ガスと接触させて培地の溶存酸素濃度を前記範囲に調整
してからこの液体培地を培養器に導入し、リサイクル使
用する方法を例示できる。
本発明では前記した方法によってズボイシア属植物の組
織片が組織培養されてスコポラミン、ヒヨスチアミン等
のトロパン系アルカロイドを多く含有する組織培養物が
得られる。この場合の該組織片として具体的には根、葉
、茎、種子、花芽などを例示でき、又該アルカロイドを
含有する組織培養物を得るための組織培養方法として以
下の方法を例示できる。すなわち、通常本発明ではこれ
らの組織片からカルスが誘導され、該カルスを継代培養
して得られる組織培養物は本発明の前記培地を用いて増
殖培養されてトロパン系アルカロイドを含有する多量の
組織培養物が得られる。この場合、本発明では組織培養
物としてカルス誘導時に形成される根および又は不定根
を使用し、これを継代培養し、増殖培養することが特に
好ましい。
植物の組織片として根を用いる場合にはこれをそのまま
培養して組織培養物を得る方法を手用することもできる
。本発明ではカルス誘導時において形成される根および
又は不定根を用いる場合には、カルス誘導時の際に植物
の組織片を例えば毛根病菌アグロバクテリウムリゾゲネ
ス(Agrobacteriumrhizogenes
)で感染させ、これによって出現する毛根を用いること
もできる。
また本発明では、本出願人が特願昭60−107044
号で出願したズボイシアの組織培養方法で開示した方法
である、培地のアンモニウムイオン(a)と硝酸イオン
(blの比率(a/b)を0.2以上とした培地を用い
て、本発明の方法を通用して培養を行うとスコポラミン
の生産量が増大するので好ましい。
本発明の方法によればトロパン系アルカロイドとしてス
コポラミンの他にもヒヨスチアミン及びアセチルトロピ
ン、イソブチロイルトロピン、バレロイルトロピン、チ
グロイジンなどが生成し、スコポラミンだけでなく他の
トロパン系アルカロイドの生成量も培地の溶存酸素濃度
の影響を特異的に受けるため、本発明の様に溶存酸素濃
度を高くするとこれらトロパン系アルカロイドの生成量
を高めることができる。本発明は特にスコポラミンの生
産に好適である。
〔発明の効果〕
本発明のズボイシア属植物の組織培養方法を採用すれば
、従来法に比べてトロパン系アルカロイドを多量に効率
良く生産することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の方法を実施例によって更に具体的に説明
する。
実施例1 当社薬草園にて栽培したDuboisia myopo
roi−des R,Br、の葉を洗浄し、10%アン
チホルミン液に10分間浸漬し、次いで滅菌水で3回洗
浄した後、約1cIIIに切断し、ナフタレン酢酸およ
びベンジルアデニンをそれぞれ10  Mおよび10 
 Mとなるように添加したリンスマイヤー・スクーグの
寒天培地に置床し、25℃で30日間培養する。カルス
形成と同時に発生した不定根を切り出し、インドール酪
酸を10−rMになるように添加したエッチ・ニッチの
液体培地に移植し、6ケ月間継代培養した。
このようにして得た不定根0.8g (乾燥面M)を溶
存酸素濃度調節計および底部に通気用のガラスフィルタ
ー板を備え、上記液体培地izを含む通気培養槽に移植
し、溶存酸素濃度を40ppmに保ちながら3週間培養
した。得られた不定根を乾燥した後の重量は12.3g
であった。これを塩基性のクロロホルム−メタノール液
11で抽出した。これにIIlのIN硫酸を加えてアル
カロイドを硫M層に移した。さらにアンモニア水100
mfおよびクロロホルムIJを加えてアルカロイドをク
ロロホルム層に移し、これを減圧濃縮し、抽出物をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、乾燥重量あたり
のスコポラミン、ヒヨスチアミン、アセチルトロピン、
イソブチロイルトロピン、バレロイルトロピン、チグロ
イジンのトロパン系アルカロイドの総量は3.05重量
%、そのうちスコポラミンは0.85重量%であった。
なお、各種アルカロイドの分析には以下のカラムを用い
た。
カラム: 5ilicone QV−IT (1%ンo
nChromosorb W (Mesh  80〜1
00 )3IφX1m  ガラスカラム キャリアガス:He カラム温度ニア0℃から5℃/分の速度で200℃まで
昇温 実施例2〜5、比較例1.2 溶存酸素温度を表1に示したように変えた以外は実施例
1と同様にして行った結果を表1に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ズボイシア属に属する植物を液体培地を用いて組
    織培養するに当たり、該培地の溶存酸素濃度を10ない
    し65ppmにしてトロパン系アルカロイドを生産する
    ことを特徴とするズボイシア属植物の組織培養方法。
JP60143881A 1985-07-02 1985-07-02 トロパン系アルカロイドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0648991B2 (ja)

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Cited By (2)

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