JPH043958B2 - - Google Patents

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JPH043958B2
JPH043958B2 JP61203184A JP20318486A JPH043958B2 JP H043958 B2 JPH043958 B2 JP H043958B2 JP 61203184 A JP61203184 A JP 61203184A JP 20318486 A JP20318486 A JP 20318486A JP H043958 B2 JPH043958 B2 JP H043958B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はズボイシア属植物のカルスを培養して
トロパン系アルカロイドを製造する方法に関す
る。従つて本発明は医療用医薬品の分野において
利用される。
〔従来の技術〕
ヒヨスチアミン及びスコポラミン等のトロパン
系アルカロイドは顕著な生理作用を有し、重要な
医薬品であるが化学構造が複雑であるために合成
法によつて製造する例はごく一部に限られてお
り、殆どは栽培した植物又は天然に自生している
植物より抽出したものを採集し、製造する方法に
よつているのが現状である。
しかしながら、これらの化合物を含有する高等
植物の栽培は天候に左右されやすく、また数ケ月
ないし数年にわたる長期間を要するので、これら
の化合物を栽培によつて工業的レベルにおいて収
得することは実際上は多くの困難を伴つている。
例えば、本発明に係るズボイシア属植物の如きは
環境条件に左右されやすく、従つて、当該植物の
栽培によりヒヨスチアミン及びスコポラミンの収
得量を自由にコントロールすることはほぼ不可能
である。
かかる事情に鑑み、ヒヨスチアミン及びスコポ
ラミンを工業的レベルにおいて自由に収得するこ
とを目的として、ズボイシア属植物についてカル
スを誘導し、継代培養する技術が研究されるに至
つている。
下記文献(a)〜(f)は本発明に関連するカルスの培
養についての従来研究の状況を説明するものとし
て参照される。
(a) ヤマダ ワイ.,エンドウ テイー.,(1984)
プラント セル レポート3:186−188
(Yamada Y.,Endo T.,(1984)Plant cell
Report3:186−188) (b) シツプリイ ケイ.ジエー.,フリードリツ
ヒ エツチ.,(1975)プランタ メデイ.サツ
プル:186−187(Sipply K.J.,Friedrich H.,
(1975)Planta Med.Supple.:186−187) (c) 特開昭58−93453号公報 (d) イーペン エス.,ランガン テイー.エ
ス.,チヤダ エム.エス.,ヘーブル エム.
アール.,(1978)プラント サイエンシス レ
タース13:83−89(Eapen S.,Rangan T.S.,
Chada M.S.,Heble M.R.,(1978)Plant
Sciences Letters13:83−89) (e) タバタ エム.,ヤマモト エツチ.,ヒラオ
カ エヌ.,コノシマ エム.,(1972)フイト
ケミストリー11:949−955(Tabata M.,
Yamamoto H.,Hiraoka N.,Konoshima
M.,(1972)Phytochemistry11:949−955) (f) ヒラオカ エヌ.,タバタ エム.,コノシマ
エム.,(1973)フイトケミストリー12:795
−799(Hiraoka N.,Tabata M.,
Konoshima M.,(1973)Phytochemistry12:
795−799) 〔発明が解決しようとする問題点〕 ズボイシア属植物のカルスの培養における技術
課題はトロパン系アルカロイドの収得量が未だに
満足できる量に至つていないことである。前記文
献の(d)、(e)、(f)にはベラドンナ、スコポリア、ダ
ツラ等の植物におけるカルス中に検出されるトロ
パン系アルカロイドの量は母植物中の量より低い
ことが記述されている。また文献(a)では3乃至4
ケ月培養するとズボイシア属植物のカルスではア
ルカロイドが全く検出されなくなることが記述さ
れている。
かかる事情に鑑みズボイシア属植物のカルス培
養における収得量を増大するための特別な技術の
提供が求められており、本発明者らはそのための
製造方法の開示を問題点として採り上げた。
〔問題点を解決するための手段〕
種々の検討の結果、上記問題点はズボイシア属
植物のカルス培養の培地にインドール酢酸を配合
することによつて解決されることが判明した。即
ち本発明者はズボイシア属植物のカルス培養の培
地にインドール酢酸を配合することによつてトロ
パン系アルカロイドの生産量が著しく増大し、ま
た半年を経過してもなおトロパン系アルカロイド
を生産することを見出し、本発明を完成するに至
つた。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に係るズボイシア属植物はオーストラリ
アを原産とするナス科の多年生木本であり、
Duboisia myoporoides R.BR.,Duboisia
leichhardtii F.Muell及びDuboisia hopwoodii
F.Muellの三種が知られている。これらズボイシ
ア属植物は他のナス科植物と異なり特殊なトロパ
ン系アルカロイドを含有していることが知られて
いるが、環境変化に敏感な植物であり、未だ永年
作物として定着していないのが現状である。従つ
て、当該植物を効率良く組織培養することに成功
すれば、これは、ヒヨスチアミン及びスコポラミ
ンの工業的な製造方法を提供するものとなる。
カルス誘導は以下の諸要件において行う。
まず、母植物として、ズボイシア属植物の葉、
茎、蕾の各部分のいずれを使用してもよいが、特
に好ましい部分は葉及び茎部であり、蕾部よりも
カルスを形成しやすいことが判明した。母植物は
予め例えば75%エタノールで消毒し、2%アンチ
ホルミン液に10分間浸し、滅菌水で洗浄するなど
の殺菌をしておくことが必要である。茎では2mm
長さ、葉では4mm直径に母植物を切り分け、例え
ばMurashige−Skoogの固体培地あるいは液体培
地に置床してカルスを誘導する。培地にオーキシ
ンやカイネチン等の成長ホルモンを加えることは
自由であり、適宜に選択して加えればよい。また
培地としては上記培地以外にLinsmaier−Skoog
培地、Gamborg培地、White培地等いずれを使
用してもよい。
培養にあたつては、25℃の恒温室内にて1ケ月
以上静置培養する。静置培養の光条件としては、
明所、暗所のいずれでもよいが、暗所で生育した
場合には、カルスは比較的均一で薄茶色を呈し、
細胞塊はやわらかく、明所で生育した場合には、
カルスは緑色のものが大部分であるが、一部緑色
と暗褐色部分とが不均一に混在したものであり、
細胞塊は硬くなる場合がある。
次にかくのごとくして得られたカルスをカルス
誘導時の培地と類似の培地で更に継代培養する
が、本発明においては該培地にインドール酢酸を
配合することを必須の要件とする。インドール酢
酸に他の物質、例えばナフタレン酢酸、カイネチ
ン等を更に加えることは自由であり、本発明はこ
れらの物質の添加によつて特に限定されることは
ない。しかしインドール酢酸のみによつて本発明
の問題点は十分に解決されるので、本発明はイン
ドール酢酸の単独配合のみによつて実施されるこ
とが望ましい。また本発明はインドール酢酸の配
合量によつて特に限定されるものではないが、培
地に体して0.1mg/〜1mg/の濃度範囲が好
ましい実施態様である。例えばインドール酢酸を
0.1mg/の濃度で配合した培地で茎カルスを14
週間の第1回継台培養をしたときに最高量のヒヨ
スチアミンが生産された。スコポラミンの生産は
インドール酢酸を1mg/の濃度で配合した培地
で茎カルスを14週間の第1回継代培養をしたとき
に大きかつた。
継代培養したカルスは凍結乾燥して抽出用原料
とする。
抽出精製は例えば以下の如く行う。
まず抽出溶媒としては、ピリジン、エタノール
性アンモニア水などの塩基性有機溶媒を使用し、
例えば99%エタノールと27%アンモニア水との
9:1混合液などを使用するとよい。しかし、本
発明の抽出溶媒の種類、性質によつて限定される
ものではなく、要は前記抽出原料に対し適当なる
溶媒によつて繰返しの抽出操作を行えばよい。
一例を示せば、抽出用原料に前記エタノール性
アンモニア水を加えて一夜放置し、遠心分離及び
濾過をする操作を繰り返せばよい。
次に抽出液を濃縮し、1N H2SO4を加えて抽出
する。ここに得られた水抽出液にアンモニア水を
加えてPHを10に調整し、クロロホルムを加えて振
盪し、クロロホルム層を分取する。クロロホルム
溶液を濃縮し、目的物を得る。目的物は後記実施
例に示される如くクロロホルムに溶解してガスク
ロマトグラフイーで分析すればよい。
〔作用〕
本発明の作用はズボイシア属植物のカルスの培
養においてトロパン系アルカロイドの満足できる
収得量をもたらすことである。例えば、本実験に
用いたズボイシア属植物の母植物の茎部からのヒ
ヨスチアミン及びスコポラミンの収量は8月採集
物で1.15%及び0.01%であり、11月採集物で0.50
%及び0.01%である。これに対し本植物の茎部の
カルスからのヒヨスチアミン及びスコポラミンの
収量は従来技術においては極めて僅かなものであ
つたが、本発明による場合には後記実施例によつ
て示される如く、0.05%及び0.01%であり、満足
できる量を得ることに成功するに至つた。
〔実施例〕
以下に記載する実施例によつて本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
実施例 1 ズボイシア属植物(交配種)の茎及び葉を、75
%エタノールで消毒、滅菌水で1回水洗後、2%
次亜塩素酸ナトリウム水溶液で10分間殺菌、次い
で滅菌水で3回水洗した後、茎部は2mm長に切り
分け、葉は4mm径にコルクボーラで調整し、
Murashige−Skoogの基本培地にインドール酢酸
0.1mg/を添加した固形培地に置床し、暗所25
℃で14週間培養した。尚、Murashige−Skoogの
基本培地は次の如くである。
NH4NO3 1650mg/ KNO3 1900 CaCl2・2H2O 440 MgSO4・7H2O 370 KH2PO4 170 FeSO4・7H2O 27.8 Na2・EDTA 37.3 MnSO4・4H2O 22.3 ZnSO4・7H2O 8.6 CoCl2・6H2O 0.025 CuSO4・5H2O 0.025 Na2MoO4・2H2O 0.25 KI 0.83 H3BO3 6.2 ニコチン酸 0.5 ピリドキシンHCl 0.5 チアミンHCl 0.1 ミオイノシトール 100 グリシン 2mg/ 蔗 糖 30000 次に同一の培地で継代培養後、凍結乾燥し、抽
出用原料となる細胞粉末を得た。
細胞粉末にCHCl3:MeOH:NH4OH(15:
5:1)の混液を加えて十分にホモゲナイズして
抽出を行つた。遠心分離して上澄液を分取し、残
渣を同上混液で洗浄し、上澄液を分取して合し
た。上澄液の溶媒をN2気流中で留去し、残渣に
CHCl3及び1N−H2SO4を加えて振盪し、上層を
分取し、下層に1N−H2SO4を加えて再び抽出し、
上層を分取して合した。氷浴で冷却しながら上層
液にNH4OHを加えてPHを10以上とした。この液
にNH4OHで飽和したCHCl3を加えて2回抽出
し、下層液の溶媒を留去し、更にP2O5上で減圧
乾燥した。乾燥物にN,O−ビス(トリメチルシ
リル)アセタミドを加えて、42℃で15分間加熱
し、室温に放置後、反応物に、内標としてコカイ
ンを加えたn−ヘキサンを加えて希釈し、ガスク
ロマトグラフイーにかけた。下記のガスクロマト
グラフイー条件において保持時間はヒヨスチアミ
ンが12.5分、コカインが16.9分、スコポラミンが
20.4分であつた。
ガラスカラム:3mm×2m 充填剤:5%OV−17on Supelcoport(100〜
120mesh,Spelco Inc.,) 注入温度:230℃ 検出温度:260℃ キヤリヤーガス:ヘリウム(流速50ml/min) 検出器:FTD ガスクロマトグラフイーの結果、ヒヨスチアミ
ン及びスコポラミンの収率は各々0.05%及び0.01
%であつた。
実施例 2 実施例1において、インドール酢酸0.1mg/
を使用した代わりにインドール酢酸1mg/及び
カイネチン0.1mg/を使用した点を除いて実施
例1記載の方法と同様に行つた。
ヒヨスチアミン及びスコポラミンの収率は各々
0.03%及び0.03%であつた。
実施例 3 実施例1において、インドール酢酸0.1mg/
を使用した代わりにインドール酢酸1mg/を使
用した点を除いて実施例1記載の方法と同様に行
つた。
ヒヨスチアミン及びスコポラミンの収率は各々
0.03%及び0.03%であつた。
比較例 1 実施例1で使用したインドール酢酸の代わりに
ナフタレン酢酸を使用した点を除いて実施例1記
載の方法と同様に行つた。
ヒヨスチアミン及びスコポラミンの収率は各々
0.01%及び痕跡(0.0001%以下)であつた。
又、実施例1の場合は1年以上(9代)を経過
してもなおヒヨスチアミン及びスコポラミンの生
産が行われていたのに対し、この場合は半年(4
代)経過後は殆ど生産が認められなかつた。
比較例 2 実施例1で使用したインドール酢酸の代わりに
2,4−D(2,4−ジクロロフエノキシ酢酸)
を使用した点を除いて実施例1記載の方法と同様
に行つたが、ヒヨスチアミン及びスコポラミンは
殆ど生産が認められなかつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ズボイシア属植物のカルスを継代培養してト
    ロパン系アルカロイドを製造するにあたり、培地
    にインドール酢酸を0.1〜1mg/配合すること
    を特徴とするトロパン系アルカロイドの製造方
    法。
JP20318486A 1986-08-29 1986-08-29 トロパン系アルカロイドの製造方法 Granted JPS6359897A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS626674A (ja) * 1985-07-02 1987-01-13 Seitai Kinou Riyou Kagakuhin Shinseizou Gijutsu Kenkyu Kumiai トロパン系アルカロイドの製造方法

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