JPS6256062B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば複写機・印刷機等に用いられ
る複写原稿・複写又は印刷用紙等の薄葉物の自動
供給装置における送り出し機構に関する。

この種薄葉物の自動供給装置においては、一般
に案内板と給紙ローラとの間に、積層されている
薄葉物の最上部の一葉のみが順次先端より送り込
まれてゆくが、例えば薄葉物の巾方向の厚みが一
様でなかつたり、或いは折り目等があつたりする
場合には、案内板と給紙ローラとの間の抵抗が一
様でなくなり、送り出し圧力のバランスがくずれ
るので、２枚送りや紙まがり（斜め送り）による
紙ずまりの原因となる。このような事故を防止す
る為に、単なる案内板ではなく、摩擦板と給紙ロ
ーラとの間で薄葉物の送り出しを行うものが実公
昭46−28801号公報に記載されている。この場合
にあつても、摩擦板が給紙ローラに均等に接しな
いと、やはり紙まがりが発生する事になる。これ
を防ぐ為に従来、タイミング回路により給紙ロー
ラよりも若干遅れて始動する一対のローラ間に給
紙ローラを通過した薄葉物の先端をぶつけてルー
プ（たわみ）を形成し、このループにより紙まが
りを矯正する手段が知られている（特開昭50−
145137号公報参照）。

上記手段を用いる場合であつても、薄葉物載置
台における薄葉物のセツトを片側基準にする場合
や、薄葉物の巾が一様でない場合には、摩擦板と
給紙ローラの巾を広く構成し、両者が全長にわた
り均等に接するよう、関係位置を定めると共に部
品精度も高める必要が生じる。このような技術的
要求を満足させる為には、摩擦板と給紙ローラと
の関係位置を精度よく調節することや、特に給紙
ローラの部品製作精度を高めなくてはならないの
で生産コストの上昇をまねく結果となり、摩擦板
の交換もひんぱんに行わなければならない等の不
都合が生じる。

尚、実公昭54−25803号公報には、案内板に代
えて搬送ベルトを用い、該搬送ベルトに対して２
枚目以降の薄葉物の進入を阻止する固定分離部材
を平行に当接するように、調整ネジを揺動枠に対
して上下動させる技術が開示されており、該技術
によれば、搬送ベルトと固定分離部材との圧接
を、薄葉物の巾方向に対し均一にすることは可能
であるが、圧力を一定に保持するには、調整ネジ
による調整が必要であるという不都合がある。

本発明は上記に鑑みて創作されたものであつ
て、摩擦板と給紙ローラとの圧接が薄葉物の巾方
向に対して均一となり紙まがり等の事故が生じに
くい薄葉物自動供給装置における送り出し機構を
明らかにすることを目的とするものであり、更
に、本発明の他の目的は、摩擦板が給紙ローラの
巾方向において不均一になることがなく、しかも
生産段階における部品精度が比較的ゆるやかであ
つても良く、更に給紙ローラとの調整を簡単に行
う事が出来る薄葉物自動供給装置における送り出
し機構を明らかにする点にある。更にまた、本発
明の他の目的及び付随する目的は、以下に詳述す
る実施例の説明によつて明らかとなるものであ
る。

以下、本発明の実施例を添付の図面によつて詳
細に説明する。

第１図は、本発明を例えば電子写真複写機にお
ける複写原稿の自動供給装置に適用した実施例を
示す断面図である。図中において、１は複写機本
体であつて、走査系等の機器が内装されている。
２は給紙方向に傾斜した原稿載置台であつて、複
写すべき原稿３が積層されている。原稿３の先端
は案内板４に当接して揃えられており、その最上
部の１葉のみが第１給紙ローラ５に接するように
配置される。６はゴム等の摩擦材であつて、第１
給紙ローラ５の下面に接している。この摩擦材６
は取り付け部材７を介して複写機本体１に枢支さ
れている軸８に枢支され、バネ９によつて常時上
方に付勢されている支持板１０上に取り付けられ
ている。即ち、摩擦材６及び支持板１０は取り付
け部材７を支点軸にして第１給紙ローラ５の巾方
向に対し揺動自在であり、かつ軸８を支点軸にし
て給紙方向にも揺動自在である。なお、案内板４
における支持板１０及び摩擦部材６の配置部分は
開口されている。１１は１対の第２給紙ローラ、
１２は案内板、１３は駆動支持輪であつて、原稿
台ガラス１４上を走行するベルト１５が取り付け
られている。

原稿送り出しの動作を説明すると、まず原稿３
を原稿載置台２上にセツトした後、複写開始スイ
ツチをONにすると、第１給紙ローラ５が回転し
て、積層されている原稿３の最上部の１葉のみを
引き出す。その際下段の原稿３も一諸に送り出さ
れるが、下段の原稿３は摩擦材６にて阻止され、
最上部の原稿３のみが原稿３間の摩擦に打勝つて
給送され、案内板４に沿つて第２給紙ローラ１１
に送り出す。第２給紙ローラ１１まで送り出され
た原稿は、更に第２給紙ローラ１１の回転に従つ
て案内板１２に沿つてベルト１３と原稿台ガラス
１４との間に案内され、走行するベルト１５に従
つて原稿台ガラス１４上の所定位置まで走行する
と、制御信号の指示に従つてベルト１５の走行が
停止するのに伴つて停止し、この位置で走査系が
作動して複写が行われ、複写が完了すると再びベ
ルト１５が走行するのに伴つて原稿も走行し、外
部に排出される。

本発明の特徴の１つは、上記した構成の内、摩
擦材支持板４の取り付け構造の点にある。即ち、
第２図〜第４図に示す如く、摩擦材６を取り付け
る摩擦材支持板１０は案内板４の開口部に互に接
する事なく配置されており、その基端部は取り付
け部材７を介して軸８に枢支されている。軸８は
矢符方向に廻る事が可能であり、従つて、これに
取り付けられている摩擦材支持板１０も、摩擦材
６を上下に移動させる方向に移動可能である。摩
擦材支持板１０の先端下部には、第１図に示す如
く、バネ９が設けられているので、摩擦材６を常
時、上方の第１給紙ローラ５側に付勢している
が、摩擦材支持板１０が上記の如く上下方向に移
動可能であることから、厚手の原稿が通過する場
合には、バネ９の力に抗して摩擦材６と第１給紙
ローラ５との間の間隙は広げられる事になる。

更にこの発明にあつては、第３図に示す如く、
前記軸８にその一部がネジ止され固定されている
軸心７ｂに対し回動自在にブツシユ７ａを嵌合
し、該ブツシユに前記摩擦材支持板１０の一部を
固定することにより、摩擦材支持板１０は軸心７
ｂを中心にして第２図に示す如く矢符方向に揺動
可能となつている。なお、摩揺材支持板１０と軸
８との取り付け手段７は、上記の構造のほか、例
えば第４図に示す如く、軸８に円柱形部分を有す
る部材７ｃを固定し、その円柱形部より延長され
た軸心７ｄをゆるやかに回動自在にブツシユ７ａ
の円孔内に差し込み、前記ブツシユ７ａと摩擦材
支持板１０を固定する手段を用いる事が可能であ
り、更にまた、取り付け手段７の構成はこれらに
限定されるものではなく、摩擦部材支持板が第２
図に示す矢符方向に揺動可能な構成であればよ
い。

本発明の摩擦材支持板１０は軸８に対して上記
の如く取り付けられているので、第１給紙ローラ
５と摩擦材６との間を原稿が通過する場合にあつ
ても、摩擦材支持板１０が原稿の巾方向に対して
揺動可能であるので、摩擦材６は原稿を裏面より
第１給紙ローラ５の全面に対し、常に押し上げる
事が出来る。従つて、摩擦材６は給紙ローラ５の
巾方向に一様に圧接力を作用させる事が出来、給
紙ローラ５の送り面又は摩擦材６面に多少の変形
があつても、紙まがり等の不都合を生じさせる事
がない。

本発明は上記の構成・作用により、頭記した目
的を達成することが出来るものであり、また、摩
擦材６の摩耗も巾方向で不均一となる事が無いの
で、メンテナンスが有利となる等の利点がある。

本発明は実施例として原稿自動供給装置につい
て説明したが、複写機の記録紙自動給紙装置に使
用しても前記の如き効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用した電子写真複写機の原
稿自動供給装置の断面図、第２図は本発明の１実
施例を示す斜視図、第３図及び第４図は、同じく
一部断面図である。 図中において、１は複写機本体、２は原稿載置
台、３は原稿、４，１２は案内板、５は第１給紙
ローラ、６は摩擦材、７は取り付け部材、８は
軸、９はバネ、１０は摩擦材支持板、１１は第２
給紙ローラ、１３は駆動支持輪、１４は原稿台ガ
ラス、１５はベルトを指示する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数枚の薄葉物３を載置した載置台２より給
   紙ローラ５により前記複数枚の薄葉物３を順次給
   送し、給紙ローラ５に接触した摩擦材６により一
   枚のみの薄葉物３を給送し得るようにした薄葉物
   供給装置において、 前記摩擦材６を摩擦材支持板１０に設けると共
   に、 前記摩擦材支持板１０の一部を取付部材７にて
   複写機本体１に給紙ローラ５の巾方向に対し揺動
   自在に枢支し、 弾性部材９にて前記摩擦材支持板１０を給紙ロ
   ーラ５側に付勢し、摩擦材６を給紙ローラ５側に
   圧接するように構成したことを特徴とする薄葉物
   供給装置。