JP2651602B2 - 給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、複写機、印刷機の如き画像形成装置に組込
まれる給紙装置に係り、特に単票紙（枚葉の用紙）を一
枚ずつ画像形成処理部へ送出す給紙装置に係る。

［従来の技術］ 複写機或いは印刷機の如き画像形成装置に組込まれる
給紙装置は、一般に、給紙台上に載置された複数枚の単
票の用紙を選択的に回転駆動される給紙ローラにより取
出してレジストローラ（タイミングローラ）へ搬送し、
該用紙を前記レジストローラにより版胴或いは複写用感
光体ドラムの如き画像形成処理部の作動に同期した所定
の時期に前記画像形成処理部へ搬送するように構成され
ており、この種の給紙装置は、例えば、特公昭58−7582
号、特開昭62−157145号の公報に示されている。

上述の如き給紙装置に於ては、給紙ローラによって給
紙台より画像形成処理部へ向けて送り出される用紙は、
その先端縁がレジストローラのローラ接触部に突き当っ
た状態にて一旦待機し、所定の時期にレジストローラが
回転を開始することにより所定の時期に画像形成処理部
へ供給されるようになっている。給紙ローラは用紙の先
端縁がレジストローラに突き当った後も引続き用紙の送
り出しを行うようになっているから、給紙ローラにより
レジストローラへ搬送された用紙は、レジストローラに
より画像形成処理部に対する搬送を開始されるまでの
間、給紙ローラとレジストローラとの間にてその搬送方
向にたるみ湾曲を生じる。

このようなことから、給紙ローラとレジストローラと
の間の用紙案内通路は用紙の上述の如きたるみ湾曲を許
すべく、そのたるみ湾曲成長方向に比較的大きい空間を
有していなければならず、従来一般には、用紙案内通路
を郭定する上部案内板が上方へ反り上り、通路上方が拡
大されている。

［発明が解決しようとする課題］ 上述の如く、用紙案内通路が構成されていると、ここ
に送り出されてきた用紙の先端側が上方に反り返ってい
ると、用紙の先端縁が用紙案内板の反り上り面に衝突
し、その進行が阻害され、正常な給紙が行われなくな
り、これは紙詰りの原因になる。特に厚紙等の腰の強い
用紙に於て、上述の如き事態が生じると、紙詰りにより
給紙不能になり易い。

上述の如き不具合は、用紙案内通路の上方拡大空間が
小さくされれば、生じなくなるが、しかしこの場合に
は、用紙のたるみ湾曲の形成が阻害され、やはり正常な
給紙が行われなくなる。

本発明は、上述の如き不具合を全て解消し、常に正常
な給紙を行うことができると同時に、給紙ローラとレジ
ストローラの間に湾曲状態に貯えられる用紙の長さを高
い精度にて制御することのできる画像形成装置のための
給紙装置を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ かかる目的を達成すべく、本発明は、複数枚の用紙が
積載される給紙台と、前記給紙台より用紙を一枚ずつ送
り出すよう選択的に駆動される給紙ローラと、画像形成
処理部へ向けて所定のタイミングにて用紙を搬送するレ
ジストローラと、前記給紙ローラにより送られる用紙を
前記レジストローラへ向けて案内する給紙通路を郭定す
る固定式の下部案内板及び上部案内板と、前記レジスト
ローラに対する前記給紙ローラによる用紙送りの進みに
よる前記給紙通路内に於ける用紙のたるみ湾曲変形によ
り偏倚されるよう前記給紙通路内に設けられた可動の用
紙案内板と、用紙のたるみ湾曲変形が所定の状態を越え
て増大しないよう前記レジストローラに対する前記給紙
ローラの駆動を制御するための信号を発生すべく前記用
紙案内板の動きを検出するたるみ湾曲検出器とを有する
画像形成装置のための給紙装置にして、前記上記案内板
は前記給紙通路へ向けて凸面を呈し、前記用紙案内板は
用紙のたるみ湾曲変形が増大するにつれて該用紙のたる
み湾曲変形により偏倚されてその用紙の送り方向に沿っ
て下流側にある端部より始まって前記上部案内板の凸面
に沿って弾力的に変形可能であり、前記たるみ湾曲検出
器の互いに共働するスイッチ要素の一方が前記用紙案内
板の用紙送り方向に見た上流端部に装着されていること
を特徴とする給紙装置を提供するものである。

［発明の作用及び効果］ 上記の如き構成によれば、レジストローラに対し給紙
ローラの用紙送りが進むことによりその間の用紙に生じ
るたるみによる湾曲は弾力的に滑らかに湾曲変形する用
紙案内板により受け止められつつレジストローラへ向け
て滑らかに案内され、またレジストローラの用紙送りに
対する給紙ローラの用紙送りの進みにより用紙のたるみ
が所定の度合に達すると、該用紙案内板の弾性変形に基
づいて前記検出手段がそれを検出し、レジストローラの
用紙送りに対する給紙ローラの用紙送りの進みを停止又
は低減する制御が行われる。かかる用紙のたるみ度の検
出に当って、用紙案内板はヒンジや枢軸の如き摩擦的に
摺動する手段により支持されてはおらず、それ自身の弾
性的変形により動くので、薄い用紙のたるみによる湾曲
変形の如くそれに対向して作用する反力が極く僅かに変
化しても変形度に大きな差を生ずる如き場合にも、接触
検出に不可避の検出用対接力を各装置毎の製作誤差や経
時的に起る錆び付き等による作動誤差に影響されること
なく長時間に亙って一定に維持し、高い精度による用紙
のたるみ変形を伴う給紙装置を得ることができる。

［実施例］ 以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳
細に説明する。

第１図乃至第４図は本発明による給紙装置の一つの実
施例を示している。これらの図に於て、１は給紙台を示
しており、該給紙台は、その上部に複数枚の用紙Ｐを積
層載置され、図示されていない駆動装置によって図にて
上下方向へ駆動されるようになっている。給紙台１に於
ける用紙送出し方向に見て最前部には、即ち図にて右側
には前部衝壁板２が立設されており、該前部衝壁板は給
紙台１上に載置された用紙Ｐの前端縁の位置決めを行う
ようになっている。

前部衝壁板２の上方にはゴム或いはゴム類似品により
構成された給紙ローラ３が設けられている。給紙ローラ
３は支持軸４によって側板５より回転可能に支持されて
いる。支持軸４は、その一端部にて電磁クラッチ６によ
り伝動ベルト７と駆動連結され、電磁クラッチ６が係合
状態にある時にのみ第１図で見て反時計廻り方向へ回転
駆動されるようになっている。これにより給紙ローラ３
は電磁クラッチ６が係合状態にある時に第１図で見て反
時計廻り方向へ回転駆動される。

前部衝壁板２の上端部には給紙ローラ３に対向して紙
捌きパッドホルダ８が設けられている。紙捌きパッドホ
ルダ８は、ブラケット９によって給紙ローラ３の径方向
に対し移動可能に支持され、圧縮コイルばね10のばね力
により給紙ローラ３の外周面へ向けて付勢されている。
紙捌きパッドホルダ８の上面、即ち給紙ローラ３の外周
面に対向する面部には紙捌きパッド11が取付けられてお
り、該紙捌きパッドは、ゴム或いはゴム類似品又はコル
クの如く比較的摩擦係数が大きい材料により構成され、
給紙ローラ３の外周面に対向している。

給紙ローラ３より用紙送出し方向に見て前方、即ち画
像形成処理部である版胴25とこれに対応するプレスロー
ラ26との側には固定の下部案内板2a及び上部案内板12と
可動の用紙案内板17とにより給紙通路（用紙案内通路）
13が設けられている。給紙通路13は給紙ローラ３より前
記画像形成処理部へ向けて延在しており、その終端近傍
部には上下一対のローラ要素14と15とからなるレジスト
ローラ16が設けられている。ローラ要素14と15とは互い
に接触し、ローラ要素14は図示されていない駆動装置に
より図にて時計廻り方向へ選択的に回転駆動されるよう
になっている。

固定の上部案内板12は給紙ローラ３とレジストローラ
16との間に於て用紙Ｐに、第４図に示されている如く、
その搬送方向に弛み湾曲が生じることを許容すべく予め
上方へ弓なりに湾曲している。

可動の用紙案内板17は、プラスチックフィルム等の弾
性材料により構成されて上部案内板12より下部案内板2a
の側にあって給紙通路13の延在方向に沿って延在し、そ
のレジストローラ16の側の端部17aを上部案内板12に固
定され、給紙ローラ３の側の端部17bは自由端となって
いる。用紙案内板17は、図にて上下方向、即ち用紙のた
るみ湾曲方向へ湾曲弾性変形し得るようになっており、
自由状態時には、第１図に示されている如く、略平板状
形状を呈して下部案内板2aとの間に上下方向に比較的幅
狭の給紙通路13を郭定している。

用紙案内板17の自由端17bにはたるみ湾曲検出器18の
針状の可動子19が取付けられている。湾曲検出器18は、
上述の可動子19と上部案内板12に固定された光電式セン
サ20とにより構成され、可動子19が用紙案内板17の湾曲
弾性変形によって変位することにより用紙案内板17の湾
曲弾性変形が所定状態になった時、この実施例に於て
は、第４図に示されている如く、用紙案内板17が上部案
内板12の弓なり湾曲部に接合する弾性変形状態になった
時に可動子19が光電式センサ20の光路を横切る位置に位
置することにより用紙に所定量のたるみ湾曲が生じたこ
とを検出するようになっている。光電式センサ20は可動
子19による光路遮断によって出力電圧を変化し、この時
に電磁クラッチ６を解放する信号を電磁クラッチ６に対
し出力するようになっている。

給紙に際して電磁クラッチ６が接続されると、給紙ロ
ーラ３が図にて反時計廻り方向へ回転駆動され、これに
より給紙台１上の用紙Ｐのうち最上位にあるものが、用
紙送出し方向へ送られて給紙ローラ３と紙捌きパッド11
との間に進入し、給紙ローラ３の回転に伴い下部案内板
2aと用紙案内板17との間を該両者より案内されつつレジ
ストローラ16のローラ要素14と15との接触部へ向けて進
む。この時には用紙案内板17は、第１図に示されている
如く、略平板状をなし、下部案内板2aとの間に略直線状
の給紙通路13を郭定しているから、用紙Ｐの先端側が上
方に反り返っていてもこれが給紙通路13を郭定する板面
に衝突してその進行を阻害される如き事態に陥ることが
ない。

尚、この時に給紙ローラ３と紙捌きパッド11との間に
複数枚の用紙が重なって進入した時には、その用紙同士
の摩擦抵抗と、用紙と紙捌きパッド11との摩擦抵抗の相
違によって給紙ローラ３の側、即ち上側の一枚のみが引
続きレジストローラ16へ向けて送られる。

用紙Ｐの先端がレジストローラ16のローラ要素14と15
との接触部に到達すると、この時にはまだローラ要素14
が回転駆動されておらず停止していることにより用紙Ｐ
の先端はこれ以上進むことを阻止され、これに対し給紙
ローラ３は引続き第１図で見て反時計廻り方向へ回転駆
動されていることにより、用紙Ｐはレジストローラ16と
給紙ローラ３との間に於て図にて上方へ盛上がったたる
み湾曲を生じるようになる。この用紙Ｐのたるみ湾曲の
成長に伴い用紙案内板17は、第３図に示されている如
く、用紙Ｐにより押されるようにして図にて上方へ弾性
変形して用紙Ｐのたるみ湾曲を許すようになる。用紙Ｐ
のたるみ湾曲が所定量に達すると、第４図に示されてい
る如く、用紙案内板17が上部案内板12の湾曲部に接合す
る状態にまで湾曲弾性変形し、用紙案内板の湾曲弾性変
形が飽和するようになる。この時には可動子19が光電式
センサ20の光路を遮断する位置に位置することにより、
用紙のたるみ湾曲量が所定量に達したことが光電式セン
サにより見出され、電磁クラッチ６の解放制御が行われ
る。

これにより給紙ローラ３の第１図で見て反時計廻り方
向の回転駆動が停止される。この様に給紙ローラ３とレ
ジストローラ16の間に於ける用紙Ｐのたるみ湾曲が所定
の大きさになると、給紙ローラ３の回転駆動が停止され
ることにより、前記たるみ湾曲が過剰増大することが回
避され、その用紙Ｐの先端部がレジストローラ16のロー
ラ要素14と15との接触部より抜出すことが阻止される。

用紙案内板17は、上述の如き作動からして、使用され
る用紙のうち最も剛性がない、即ち腰がない用紙であっ
てもその用紙のたるみ湾曲に応じて湾曲弾性変形し、し
かも自由状態時には平板状に自立し得る弾性と剛性を備
えていればよい。

第５図乃至第７図は本発明による給紙装置の他の一つ
の実施例についてを示している。尚、第５図乃至第７図
に於て、第１図に対応する部分は第１図に付した符号と
同一により示されている。

尚、たるみ湾曲検出器は光電式のものに代えて接触式
のマイクロスイッチにより構成されていてもよい。

また、可動の用紙案内部材は、上述の実施例に於ける
如き板状のみの以外に、給紙ローラとレジストローラと
の間に延在する複数本の線状部材や網目状部材により構
成されていてもよい。

以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に
説明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であること
は当業者にとって明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による給紙装置の一つの実施例を示す概
略縦断面図、第２図は第１図に示された本発明による給
紙装置の平面図、第３図及び第４図は第１図に示された
本発明による給紙装置の作動状態を示す概略構成図であ
る。 １……給紙台,2……前部衝壁板,3……給紙ローラ,4……
支持軸,5……側板,6……電磁クラッチ,7……伝動ベル
ト,8……紙捌きパッドホルダ,9……ブラケット,10……
圧縮コイルばね,11……紙捌きパッド,12……上部案内
板,13……給紙通路,14、15……ローラ要素,16……レジ
ストローラ,17……用紙案内板,18……たるみ湾曲検出
器,19……可動子,20……光電式センサ,25……版銅,26…
…プレスローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−157145（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−156142（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−156143（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−127041（ＪＰ，Ｕ) 米国特許4025187（ＵＳ，Ａ) 英国特許2190363（ＧＢ，Ｂ) 仏国特許2205049（ＦＲ，Ａ５)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数枚の用紙が積載される給紙台（１）
   と、前記給紙台より用紙を一枚ずつ送り出すよう選択的
   に駆動される給紙ローラ（３）と、画像形成処理部（2
   5,26）へ向けて所定のタイミングにて用紙を搬送するレ
   ジストローラ（14,15）と、前記給紙ローラにより送ら
   れる用紙を前記レジストローラへ向けて案内する給紙通
   路（13）を郭定する固定式の下部案内板（2a）及び上部
   案内板（12）と、前記レジストローラに対する前記給紙
   ローラによる用紙送りの進みによる前記給紙通路内に於
   ける用紙のたるみ湾曲変形により偏倚されるよう前記給
   紙通路内に設けられた可動の用紙案内板（17）と、用紙
   のたるみ湾曲変形が所定の状態を越えて増大しないよう
   前記レジストローラに対する前記給紙ローラの駆動を制
   御するための信号を発生すべく前記用紙案内板の動きを
   検出するたるみ湾曲検出器（18）とを有する画像形成装
   置のための給紙装置にして、前記上記案内板（12）は前
   記給紙通路（13）へ向けて凸面を呈し、前記用紙案内板
   （17）は用紙のたるみ湾曲変形が増大するにつれて該用
   紙のたるみ湾曲変形により偏倚されてその用紙の送り方
   向に沿って下流側にある端部より始まって前記上部案内
   板の凸面に沿って弾力的に変形可能であり、前記たるみ
   湾曲検出器（18）の互いに共働するスイッチ要素の一方
   （19）が前記用紙案内板（17）の用紙送り方向に見た上
   流端部に装着されていることを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】上記上部案内板（12）の前記凸面は用紙送
   り方向に沿ったその下流端部に於ける平面部へ向けて漸
   近線的に変形しており、該上部案内板の下流端部に前記
   用紙案内板（17）がその下流端部（17a）にて取り付け
   られていることを特徴とする特許請求の範囲第１項の給
   紙装置。
3. 【請求項３】前記スイッチ要素の前記一方（19）は該ス
   イッチ要素の他方を構成する光電式センサ（20）により
   検出される片状の可動子（19）であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項または第２項の給紙装置。