JPS6253533B2 - - Google Patents

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JPS6253533B2
JPS6253533B2 JP12241878A JP12241878A JPS6253533B2 JP S6253533 B2 JPS6253533 B2 JP S6253533B2 JP 12241878 A JP12241878 A JP 12241878A JP 12241878 A JP12241878 A JP 12241878A JP S6253533 B2 JPS6253533 B2 JP S6253533B2
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Japan
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phosphorus
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compound
formula
film
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JP12241878A
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Masaji Watanabe
Seiji Sakamoto
Satoshi Otonari
Yoshio Meguro
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフイルム形成性ポリエステルの製造法
に関するものである。 今日工業的に使用されているポリエステル、特
にポリエチレンテレフタレートの二軸配向フイル
ムは高度の結晶性、高軟化点を有し、強伸度、屈
曲強度、耐薬品性、耐候性、耐熱性等の点で優れ
た性質を有しており産業上広く利用されている。 しかしポリエステルフイルムは各用途に応じそ
の要求特性が異なり、例えば厚さ20〜150μ(ミ
クロン)程度のフイルムにおいてはフイルム取扱
い時の作業性に優れ、且つ透明性を損なわないも
のが特に望まれる。 作業性を良くするためには、ポリエステル中に
無機または有機の微粒子を存在させ滑り性を向上
させれば良いことは良く知られている。この不活
性な微粒子を存在させる方法には大きく2つの方
法がある。 その1つは添加法と呼ばれるものであり、シリ
カ、カオリン、タルク等をそのままあるいは微粒
子化したのちポリエステル反応系、成型時等に添
加するものである。この方法は粒度のコントロー
ルは可能であるものの粗大粒子の除去が困難であ
りまた工程が複雑でコストの上昇は免れない。 いま1つの方法は析出法と呼ばれる方法であ
り、エステル交換触媒として用いた金属化合物残
渣を利用して系内に微細な粒子を析出させる方法
である。この方法は特殊な設備や繁雑な操作等を
必要としないので容易に実施することができる
が、1つの大きな問題点、即ち析出粒子径のコン
トロールが難かしいという問題点を抱えている。 ポリエステルフイルムは各用途に応じた表面凹
凸を有することが要求されるが、この事は取りも
直さず含有粒子の大きさを制御する事である。 前述の析出法は簡便であるため、析出法におい
て任意に粒子径がコントロールできるならばその
利用価値は極めて大きい。これまで種々の析出法
が提案されているが析出粒子径のコントロールは
至難の枝であつたためこの事に言及した例は見当
らない。 本発明者らはこの析出粒子の粒子径をコントロ
ールすべく鋭意検討を重ねた結果、特定範囲の酸
価を有する5価のリン化合物をある特定条件下使
用することによりポリエステル中の析出粒子の粒
子径をコントロールできることを見い出し本発明
に到達した。 即ち本発明はテレフタル酸の低級アルキルエス
テルを主たる酸成分とし、エチレングリコールを
主たるグリコール成分として、エチレングリコー
ル可溶のリチウム化合物及びカルシウム化合物を
用いてエステル交換反応を行い、次いで重縮合反
応を行うことにより、ポリエステルを製造する方
法において、エステル交換反応が実質的に終了し
た後重縮合反応開始前の任意の時点で、反応系に
次の2種類のリン化合物 (式中R1,R2及びR3はアルキル基を示す。) (式中R4,R5及びR6は水素原子またはアルキル基
を示す。但しR4,R5,R6の少くとも一つは水素
原子である。) を下記に定義する平均酸価が0.001〜1.5の範囲で
添加し、且つリン化合物の合計量がリチウム及び
カルシウム化合物の合計量に対し1〜3倍当量と
なるよう添加することを特徴とするポリエステル
の製造方法に存する。 (平均酸価:()式のリン化合物のリン原子に
結合している酸性を有する水酸基の総モル
数を()式及び()式のリン化合物の
リン原子の総モル数で除した値) 以下本発明を更に詳細に説明する。 本発明においてポリエステル原料の酸成分とし
てのテレフタル酸の低級アルキルエステルとはテ
レフタル酸の炭素数1〜4のアルキルエステル、
殊にジメチルテレフタレートを主たる対象とする
が、その一部を他の酸成分、例えばテレフタル酸
以外のジカルボン酸又はオキシカルボン酸、p―
ヒドロキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸等
の低級アルキルエステルで置き換えても良い。 またポリエステル原料のグリコール成分とは、
エチレングリコールを主対象とするが、その一部
を他のグリコール成分、例えばトリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール等で置き換えても良い。 いずれにしても本発明でいうポリエステルとは
80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であ
るポリエステルを指す。 なお本発明のポリエステルには本発明の要件を
満す範囲内において難燃剤、制電剤、耐熱剤、耐
候剤などの各種改質剤が含まれていても良い。 また本発明においてはエステル交換触媒として
エチレングリコールに可溶のリチウム化合物及び
カルシウム化合物を用いるが、このリチウム化合
物としては例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸の如
き脂肪族カルボン酸のリチウム塩、安息香酸、p
―メチル安息香酸の如き芳香族カルボン酸のリチ
ウム塩、更にはメチルアルコール、エチルアルコ
ール等の如きアルコールのアルコラート、水素化
リチウムのような無機リチウム化合物を挙げるこ
とができる。本発明においてはこれらリチウム化
合物を2種以上併用しても構わない。 またカルシウム化合物もエチレングリコールに
溶解するものであれば特に制限はない。例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸の如き脂肪族カルボン酸
のカルシウム塩、安息香酸、p―メチル安息香酸
の如き芳香族カルボン酸のカルシウム塩、更には
エチレングリコール、プロピレングリコール等の
カルシウムグリコラートを挙げることができる。
本発明においてはこれらカルシウム化合物を2種
以上併用しても構わない。 リチウム化合物及びカルシウム化合物はポリエ
ステル原料の酸成分に対して各々0.05モル%以上
使用される。0.05モル%より少いと最終的に得ら
れるフイルムの滑り性が不充分なものとなる。ま
たあまり多量に用いた時には往々にして好ましく
ない粗大粒子が生成する。リチウム化合物の量は
0.1〜0.6モル%、カルシウム化合物の量は0.08〜
0.15モル%が好ましい。 本発明においてはエステル交換反応をこれらリ
チウム及びカルシウム化合物の存在下行い、エス
テル交換反応が実質的に終了した後重縮合反応開
始までの間に特定のリン化合物を特定量添加する
が、本発明者らはこれらリチウム化合物とカルシ
ウム化合物が共存する系に対する各種リン化合物
の作用について検討を加え次のような結論を得
た。 (1) リチウム及びカルシウム化合物に対しリン化
合物を当量に満たない量用いた時にはポリエス
テルオリゴマーのリチウムもしくはカルシウム
塩が残存し、このものはポリエステルとの馴じ
みが悪いため延伸時に該粒子の周辺に多くの空
隙が認められること。また得られるポリマーは
黄色味が強くフイルムとした時の色調が著しく
劣ること。一方リン化合物を3倍当量を越えて
用いる時にはポリエステル製造時の重合速度が
遅くなり工業的に著しく不利となること。 (2) リン化合物として3価のリン化合物を用いた
場合には得られる粒子の粒子径が不均一で析出
粒子径の制御が困難であること。また3価のリ
ン化合物と共に重合触媒としてアンチモン化合
物を用いている場合はポリマーが黒ずみ色調の
点で劣ること。 (3) 従つて5価のリン化合物を用いることが実用
的な析出粒子を得る方法であることを知つた
が、更に本発明の最も重要なポイントとして、
この析出粒子の粒子径を制御するには2種類の
リン化合物を用い両者を適当な比で組合せ一定
の平均酸価の範囲で添加すれば良いこと。 (4) またエステル交換触媒としてリチウム及びカ
ルシウム化合物を併用すると、いずれかを単独
で用いる場合よりもより多くの析出粒子を得る
ことが可能で特にマスターバツチとして用いる
に適した方法であること 等である。 本発明で使用する二種類のリン化合物のうち、
一つのリン化合物は下記()式で示される。 (式中R1,R2及びR3はアルキル基を示す。) このようなリン化合物としてはトリメチルホス
フエート、トリエチルホスフエート、トリブチル
ホスフエート等のリン酸の低級アルキルエステル
が挙げられる。 いま一つのリン化合物は下記()式で示され
る。 (式中R4,R5及びR6は水素原子またはアルキ
ル基を示す。但しR4,R5,R6のうち少くとも一
つは水素原子である。) このようなリン化合物としては、リン酸及びモ
ノメチルホスフエート、ジメチルホスフエート、
モノエチルホスフエート、ジエチルホスフエー
ト、モノブチルホスフエート、ジブチルホスフエ
ートのようなリン酸の部分低級アルキルエステル
が挙げられる。 芳香族基を有するリン化合物はエチレングリコ
ールに難溶であるため、定量的な取扱いが困難と
なるのでその使用は避けるべきである。 本発明においては式()及び式()で表わ
されるリン化合物は平均酸価が0.001〜1.5、好ま
しくは0.001〜0.8、さらに好ましくは0.001〜0.2
の間で添加しなければならない。平均酸価とは
()式で表わされるリン化合物のリン原子に結
合した酸性を示す水酸基の総モル数を()式及
び()式のリン化合物のリン原子の総モル数で
除した値である。 リン化合物は()式及び()式、及び平均
酸価を満足する限り、()式及び()式のい
ずれか、または両方において複数のリン化合物を
用いても良い。 一例を示せば、()式の化合物としてトリメ
チルホスフエートを、()式の化合物としてモ
ノメチルホスフエート及びジメチルホスフエート
とを使用した場合において、トリメチルホスフエ
ート98モルとモノメチルホスフエート及びジメチ
ルホスフエート各1モルとを使用すれば平均酸価
0.03の5価のリン化合物を得ることができる。 本発明者らが初めて明らかにした知見によれ
ば、リチウム及びカルシウム化合物を用いてエス
テル交換反応を行つた系に、かかる組合せによつ
て得られた平均酸価が0..001〜1.5の5価のリン化
合物を添加すれば、得られる析出粒子が極く微細
な程度からμ単位の程度に至るまで変化するの
で、この現象を利用して析出粒子の粒子径を制御
することができる。この範囲で平均酸価が大きく
なるほど析出粒子径は小さくなるが、平均酸価が
1.5を越えた範囲ではその変化は緩やかで顕著な
差は認められなくなる。特に平均酸価0.001〜0.2
の範囲において粒子径の変化が著しい。 本発明においては、かかる特定の要件を満たし
た複数の5価のリン化合物を用いるが、更にその
合計量がエステル交換触媒として用いたリチウム
及びカルシウム化合物の合計量に対し1〜3倍当
量となるよう添加するという条件をも満足しなけ
ればならない。ここで金属化合物に対するリン化
合物の当量比は以下の式 (式中、P,Ca及びLiはそれぞれ、リン化合
物、カルシウム化合物、リチウム化合物のモル数
を示す。) で表わされる。 添加するリン化合物の合計量がこれら金属化合
物の合計量に対し当量未満の場合にはポリエステ
ルオリゴマーの金属塩が残存し、このものの馴じ
みの悪さの為にフイルム中に多くの空隙が認めら
れまたフイルムの黄色味が著しく強くなる。一方
リン化合物の合計量が3倍当量を越えるとポリマ
ー製造時の重合速度が遅くなる。 このようにリン化合物の総使用量はリチウム及
びカルシウム化合物の使用量との関係で決まる
が、あまり多量に用いるとポリマー物性に悪影響
を及ぼすので一般にポリエステル原料全酸成分に
対し0.1〜1モル%、好ましくは0.1〜0.6モル%の
間で選択される。 これらリン化合物の触媒温度としては220〜250
℃、特に230〜240℃の間が好ましい。 なお本発明で用いるリン化合物は通常2〜30重
量/重量%濃度のエチレングリコール溶液として
添加されるが、同時に、即ち使用するリン化合物
のすべてを均一に撹拌、混合し、溶解させたのち
添加するのが良い。 なお予め他の金属化合物を用いてエステル交換
反応を行つた系に、リチウム及びカルシウム化合
物、更に一定の酸価を有する複数の5価のリン化
合物を添加する方法は、わざわざ他のエステル交
換触媒を用いるため操作が煩雑となりコストも上
昇すること、また触媒に用いた他の金属化合物の
共存の為、及びリチウム化合物、カルシウム化合
物、リン化合物の相互の添加順序、添加間隔の影
響の為に析出粒子径の制御が困難であることから
好ましい方法ではない。 本発明においてはリン化合物を添加した後、重
縮合反応を開始するが、重縮合反応の触媒として
は公知の触媒、例えばアンチモン化合物、ゲルマ
ニウム化合物、チタン化合物等の1種以上を用い
ることができる。 このようにリチウム及びカルシウム化合物を用
いてエステル交換反応を行いエステル交換反応終
了後、2種類の5価のリン化合物をある特定範囲
にある平均酸価となるよう調製して、且つリチウ
ム及びカルシウム化合物に対し特定量添加するこ
とによつてポリマー中の析出粒子の大きさをコン
トロールすることができ、また該粒子を有するポ
リマーを用いてフイルムを製造すれば析出粒子の
大きさに応じた均一で微細な表面構造を有するフ
イルムを得ることができる。 しかも該粒子はポリエステルと屈析率が近く、
且つ延伸時において粒子周辺の空隙の発生がみら
れないため優れた滑り性と透明性とを関係を有す
るフイルムを提供することができる。 かかるフイルムを得るためには公知の製膜方
法、例えば通常270〜295℃でフイルム状に溶融押
出後50〜70℃で冷却固化し無定形シートとした
後、縦、横に逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸
し160〜240℃で熱処理する等の方法(例えば特公
昭30−5639記載の方法)を利用できる。 このようにして得られるフイルムの利点として
は例えばフイツシユアイが全く発生しない、また
金属を蒸着した場合均一でムラの無い高級な仕上
りが可能となり、更にフイルム製品の均一性が優
れ写真用、製版用、離型用等に効果的に用いられ
る事などを挙げることができる。本発明になるポ
リエステルを用いれば各フイルムの要求に応じ表
面粗度の程度を微秒にコントロールすることが可
能でその利用価値は極めて大きい。 以下実施例に基いて本発明を更に詳細に説明す
る。 なお、実施例及び比較例中「部」とあるは「重
量部」を示す。また用いた測定法を次に示す。 ポリマーの極限粘度:ポリエステルチツプ1.0g
をフエノール/テトラクロロエタン(50/50重
量比)100mlに溶解させ30.0℃で測定した。 ポリマーの色調:得られたポリマーの色調を東京
電色社製色差計(TC―5Dタイプ)を用いて測
定した。色調において特に問題となる黄色味は
b値で表わされこの値が大きいほど黄色味が強
い。 フイルムヘーズ:ASTMD1003―61の方法に従い
日本電色社製濁度計NDH―2A型を用いて測定
した。 摩擦係数:ASTMD1894―63の方法を参考にして
テープ状のサンプルで測定できるよう改良した
もので、測定は温度21±2℃、湿度65±5%の
雰囲気下で行ない、測定条件は引張りスピード
40mm/min、チヤートスピード120mm/mmとし
サンプルの大きさとしては幅15mm、長さ150mm
のものを用いた。なお滑り性は摩擦係数の大小
で示した。 析出粒子径の観察:析出粒子はポリマーと屈析率
が近く、その大きさをポリマー中で直接定量化
することは困難であるので、該粒子を含むポリ
マーを用いて同一条件下で二軸延伸フイルムを
得、その表面粗度の大きさを観察することによ
り該粒子の大きさを判定した。 即ち2軸延伸フイルムサンプルを真空蒸着装
置に導き10-4mmHg以下の高真空下、金属アル
ミニウムを蒸着しその後光学顕微鏡にてフイル
ム表面を観察した。 一方、日本光学社製のサーフイシユ・フイニ
ツシユを用い付属の多重干渉装置を利用して1
次、2次及び3次の干渉の個数を測定した。単
位面積(mm2)当りの各々の個数が多いほどフイ
ルム表面が荒れている、即ち析出粒子径が大き
いことになる。 実施例 1 (リン化合物の調製) トリメチルホスフエート
139g(0.99モル)、モノブチルホスフエート1.54
g(0.01モル)をエチレングリコール中にとり
1000gとし充分に撹拌し均一溶液とした。 この溶液中のリン化合物の平均酸価は次のよう
にして求めることができる。即ち 0.01×2/0.99+0.01=0.02 (なお平均酸価は要すれば中和滴定法によつて
直接求めることもできる。即ちリン化合物一定量
をとりフエノールレツドを指示薬として水酸化ナ
トリウム水溶液で中和滴定する。中和点は黄色か
ら赤色に変化した点である。滴定に要した水酸化
ナトリウムの当量数をリン化合物の総モル数で除
した値が平均酸価となる。) (ポリエステルの製造) ジメチルテレフタレー
ト100部、エチレングリコール70部及び酢酸リチ
ウム二水塩0.20部と酢酸カルシウム一水塩0.10部
とを反応器にとり加熱昇温すると共にメタノール
を留去させエステル交換反応を行い、反応開始後
約4時間を要して230℃に達せしめ、実質的にエ
ステル交換反応を終了した。 次にこのエステル交換反応終了物に予め調製し
た平均酸価0.02の上記リン化合物のエチレングリ
コール溶液2.32部を添加した。この場合リン化合
物の合計量はリチウム及びカルシウム化合物の合
計量に対し1.5倍当量となる。 次に重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04部
を添加したのち常法に従つて重合した。即ち三酸
化アンチモン添加後100分で温度を280℃、圧力を
15mmHgに達せしめ以後も徐々に圧力を減じ最終
的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻
しポリマーを吐出せしめた。このポリマーについ
て極限粘度及び黄色味の程度を測定した。 (ポリエステルフイルムの製造) 得られたポリ
マーを290℃で押出機よりシート状に押出し急冷
して無定形シートとしたのち、95℃で縦及び横方
向に各々3.5倍に延伸し230℃で3秒間熱処理を行
つて厚さ25μのフイルムを得た。 得られたポリエステルフイルムの表面粗度の状
態を図1―にまた多重干渉法による表面粗度の
定量結果を表1に示した。 なお該フイルムのフイルムヘーズ及び摩擦係数
の測定結果も合わせて表1に示した。 また他の条件は同一にして添加リン化合物中の
トリメチルホスフエートの量を増減して平均酸価
を変えた場合に得られた結果を表1に示した。ま
た表面粗度の状態を図1―及び図1―に示し
た。 比俺例 1 実施例1において表1に示す条件を変える他は
実施例1と同様にしてポリマーを得たが、この場
合ポリマーの黄色味が極めて強く、フイルムを製
造するに至らなかつた。 比較例 2 実施例1においてエステル交換反応触媒として
酢酸カルシウム―水塩0.10部のみを用いる他は実
施例1と全く同様にしてポリエステルを得、次い
で該ポリエステルを用いて厚さ25μのフイルムを
得た。 該フイルムの物性を表1に示すが、析出粒子量
が極めて少ないため、いずれの場合も表面粗度が
低すぎ摩擦係数の極めて高いフイルムしか得られ
なかつた。 比較例 3 実施例1において酢酸リチウム二水塩の添加時
期をエステル交換反応開始時から、リン化合物
(平均酸価0.02)の添加前5分前に変更する他は
実施例1と同様にしてポリエステルを得、次いで
該ポリエステルを用いて厚さ25μのフイルムを得
た。 同じ実験を3回行なつたが、リン化合物添加時
の系の不安定さ、例えば表面粗度状態について言
えば、多重干渉の1次の個数が12〜46個/mm2の範
囲でバラつくため、再現性ある結果が得られなか
つた。 実施例 2 実施例1において平均酸価0.02のリン化合物の
添加実験を3回行なつた。この場合極めて再現性
の良い結果が得られた。 実施例の結果から明らかなようにリン化合物の
平均酸価が増大するにつれ析出粒子径ひいてはフ
イルム表面粗度の程度が小さくなつている。即ち
本発明の手法を用いれば従来不可能であつたポリ
マー中の析出粒子の大きさのコントロールを行う
ことができ、該ポリマーを用いて得られるフイル
ムの表面粗さを自由に制御することができる。し
かも該フイルムの滑り性と透明性との関係は優れ
ており広範囲な用途に用いることができる。 【表】
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1におけるポリエステルフイルム
の表面の顕微鏡写真である。写真上2.5cmが実際
のフイルムの100μに対応する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸の低級アルキルエステルを主た
    る酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリ
    コール成分として、エチレングリコール可溶のリ
    チウム化合物及びカルシウム化合物を用いてエス
    テル交換反応を行い次いで重縮合反応を行うこと
    により、ポリエステルを製造する方法において、
    エステル交換反応が実質的に終了した後重縮合反
    応開始前の任意の時点で、反応系に次の2種類の
    リン化合物 (式中R1,R2及びR3はアルキル基を示す。) (式中R4,R5及びR6は水素原子またはアルキル基
    を示す。但しR4,R5,R6の少くとも一つは水素
    原子である。) を下記に定義する平均酸価が0.001〜1.5の範囲で
    添加し、且つリン化合物の合計量がリチウム及び
    カルシウム化合物の合計量に対し1〜3倍当量と
    なるよう添加することを特徴とするポリエステル
    の製造方法。 (平均酸価:()式のリン化合物のリン原子に
    結合している酸性を有する水酸基の総モル
    数を()式及び()式のリン化合物の
    リン原子の総モル数で除した値)
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JPS6143624A (ja) * 1984-08-08 1986-03-03 Teijin Ltd ポリエステル薄層成形物
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