JPS6247754B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動二輪車、三輪車等の車両における
カバー類の取付構造に関する。

所謂スクータタイプの自動二輪車や自動三輪車
においては、車体前部を覆うべく前輪操舵軸の前
方にフロントカバーを、該フロントカバーの後面
側にインナカバーを夫々配設し、更に操舵軸とシ
ートの間には底床式フロアを備える。

ところで、斯かるスクータタイプの車両におい
て、乗員が足を前方に出してフロントカバー及び
インナカバーの両側端張り出し部のレツグシール
ドの下部上に足を載せるべくこれらの部材を前方
へ膨出形成してフロア延長部を形成すれば、フロ
ントカバー及びインナカバーは合成樹脂製である
ため、これらのフロア延長部上に乗員が足を載せ
た場合に対する剛性、強度が必要となる。

本発明は以上の問題を解決すべく成されたもの
で、その目的とする処は、フロントカバー及びイ
ンナカバーの下部に形成されたフロア延長部なる
足載せ部を構成しつつ、これらの部材の剛性、強
度を確保するとともに、フロアの剛性、強度の向
上をも併せて図り、しかも支持部材を共用化して
組付性の向上をも図つた自動二、三輪車のカバー
類の取付構造を提供するにある。

斯かる目的を達成すべく本発明は、車体中央に
足載せフロアを有するスクータ型自動二、三輪車
において、車体前方に配設されたフロントカバー
と、該フロントカバーの後面側に配設されたイン
ナカバーと、それらと連続的に形成されたフロア
とを備え、前輪と車体のダウンフレームの間にブ
ラケツトを配設し、該ブラケツトに前記フロント
カバーの下部とインナカバーの下部とフロアの前
部とを重ね合わせて結合したことを要旨とする。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本発明を適用した自動二輪車の側面図
で、第２図はその要部の透視側面図、第３図はフ
ロントカバー、インナカバー、フロア及び車体フ
レームの分解斜視図であり、図示ではスクータタ
イプの自動二輪車を示すが、勿論自動三輪車であ
つても良い。

自動二輪車１の車体前部には前方へ膨出したフ
ロントカバー２０と、これに後方から合体したイ
ンナカバー３０とが設けられ、前輪２を支承した
左右のフロントフオーク３，３、これにブリツジ
４を介して連結され、上端にハンドル６を固着し
た操舵軸であるハンドルステム５、車体フレーム
を成すダウンパイプ８の前部８ａ及びこれの前端
に備えられ、上記ハンドルステム５を挿通支持し
たヘツドパイプ７等はフロントカバー２０とイン
ナカバー３０により覆われている。このフロント
カバー２０とインナカバー３０の後下端にはフロ
ア４０が連らなり、フロア４０は車体下部に位置
するダウンパイプ８の後部８ｂ上を覆い、このフ
ロア４０の後方にはリヤカバー５０が設けられ、
ダウンパイプ８の後端に連結したりフレーム９、
これの前下端に揺動自在に枢支され、後輪１０を
支承してこれを駆動するパワーユニツト１１の上
方、このパワーユニツト１１とリヤフレーム９間
に架設した緩衝器１２の上部等はリヤカバー５０
にて覆われている。

尚リヤカバー５０の上方にはシート１３が配設
されている。

前記フロントカバー２０は流線型を成す如く前
方へ大きく膨出形成され、その下半部は前輪２の
上方を覆うフロントフエンダ部２１を兼ね、両側
部は車体幅方向に張り出してレツグシールドを形
成しており、上部には前方へ開口するヘツドライ
トハウジング２２が膨出形成され、斯かるフロン
トカバー２０は合成樹脂にて一体成形される。こ
のフロントカバー２０の最膨出部前方にはフロン
トバンパ１４が装着される。

前記インナカバー３０は左右両側部３１，３１
を前方へ大きく膨出形成し、これらの中間部３２
はフロントフオーク３，３、ダウンパイプ８の前
上方に屈曲８ｃした前部８ａ及びヘツドパイプ７
等を後方乃至両側方から覆うべく上方乃至後方へ
大きく膨出形成したハウジング部を成しており、
両側部３１，３１は前記フロントカバー２０の側
面略放物曲線状を成す両側縁２６，２６に合致す
る形状に形成され、斯かるインナカバー３０も合
成樹脂製である。このインナカバー３０の前方へ
膨出した両側部３１，３１の下半部は、シート１
３に座乗した乗員が前方に足を投げ出した状態で
その足を載せるための足載せ部３３，３３を兼ね
る。

前記フロア４０はフロントカバー２０とリヤカ
バー５０間に配設されるもので、フロア４０の前
部は前記インナカバー３０の下部形状に合致すべ
くその両側には延出部４１，４１が、中央部には
凹部４２が各形成され、斯かるフロア４０もまた
合成樹脂製である。このフロア４０はその中間部
及び後部で、ダウンパイプ８の後部８ｂに固着し
て備えた幅方向に延在するフロアブラケツト８
１，８２の両側にボルト結合８３…されている。

そしてダウンパイプ８の屈曲部８ｃ前方にベー
スプレート６０を溶接により固着し、このプレー
ト６０に前方からブラケツトパイプ６３の中央部
に溶接にて固着したＵバンド６１をボルト結合６
２，６２して備える。このブラケツトパイプ６３
は幅方向に延在し、中央部で屈曲されて両端部を
前方へ臨ませ、両端部には圧潰してフラツトに形
成した取付部６４，６４が備えられ、両取付部６
４，６４の下面には拡大縦断面図を示した第４図
の如くナツト６５，６５が備えられる。

斯くして左右両側でブラケツトパイプ６３の取
付部６４上面に先ずフロントカバー２０のフロン
トフエンダ部２１の側部後縁２７を重ね、この上
にインナカバー３０の足載せ部３３の後縁３４に
形成した凹段部３５を重ね、更にこの上にフロア
４０の延出部４１ｂの前縁に形成した凹段部４４
を重ね合わせ、上方からボルト６６を凹段部４４
内に挿入し、ナツト６５にボルト６６を締結して
これらフロントカバー２０、インナカバー３０及
びフロア４０を共通にブラケツトパイプ６３に結
合し、支持せしめる（第４図参照）。

このように共通して結合したため、ダウンパイ
プ８より前方に足載せ部３３，３３を設けても、
フロントカバー２０及びインナカバー３０に必要
とされる剛性、強度を具備させることができ、併
せてフロア４０の剛性、強度も確保でき、しかも
組付作業の簡易化に資する処大である。

ところで、フロントカバー２０とインナカバー
３０との合体結合は、第２図Ｖ−Ｖ線断面を示す
第５図及びその要部の拡大横断面を示す第６図の
如き係止構造をもつてなされる。

先ずフロントカバー２０とインナカバー３０の
係止並びに結合個所はその左右両側で、第２図に
示す如く上端部Ａ及び放物曲線状部における上中
下の３個所Ｂ，Ｃ，Ｄの計片側４個所で行われ
る。各結合個所の構造は同様である。

即ち各係止結合個所Ａ…Ｄにおけるインナカバ
ー３０の両側部３１，３１の端縁に第５図及び第
６図に示すように前方へ突出する係止ボス３６…
を一体成形し、該ボス３６にボルト挿通孔３７を
形成し、且つ挿通孔３７の先部を雌テーパ部３８
に形成する。

そして各係止ボス３６…が臨むフロントカバー
２０の両側縁２６，２６の内側に突部２８…を介
して係止ロツド２９…を後方へ向けて一体成形
し、該ロツド２９に後方からのネジ穴２９ａを形
成する。

斯くしてフロントカバー２０とインナカバー３
０を結合する際、左右両側で各係止ボス３６…の
雌テーパ部３８…に各係止ロツド２９…の後端が
係合し、テーパ部３８の芯出し作用によりロツド
２９はボス３６のボルト挿通孔３７と同芯に位置
決め係止され、更にワツシヤ６７…を介装してボ
ルト６８…にて両者を結合する。

このようにテーパ結合を利用してフロントカバ
ー２０とインナカバー３０を結合したため、両者
の合わせ部たる放物曲線状部における誤差は樹脂
の変形量にて吸収される。従つてフロントフエン
ダ部２１をフロントカバー２０に一体に備え、イ
ンナカバー３０との合わせ部が側面略放物曲線状
を成していても両者の結合を良好に行うことがで
きる。

更にフロントカバー２０上部の車体フレームへ
の結合支持は、フロントカバー、ヘツドライト及
び車体フレームの分解斜視図を示す第７図及びそ
の要部の拡大横断面を示す第８図の如き結合構造
をもつてなされる。

先ずフロントカバー２０の上部に膨出形成して
備えたヘツドライトハウジング２２は、平行して
上方に起立した両側壁２３，２３と、略水平なる
上壁２４と、下壁を成す前部で折曲２５ａされて
後部が下方へ傾斜したフランジ片２５とから成
り、斯かるハウジング２２は前後に貫通してい
る。このハウジング２２の両側壁２３，２３に取
付孔２３ａ，２３ａを形成する。

そしてヘツドパイプ７の中間部前方に上部ベー
スプレート７０を溶接により固着し、このプレー
ト７０に前方からブラケツトプレート７２の中央
部をボルト結合７１，７１する。このブラケツト
プレート７２は前上方に臨む左右二股の取付片７
３，７３を有し、両取付片７３，７３の先部には
カラー７４，７４が横方向に向けて溶接により備
えられている。

一方、ヘツドライト９０の両側壁９１，９１に
は取付ボス９２，９２が突設され、ボス９２内に
はナツト９３が備えられている。

斯くして左右両側でブラケツトプレート７２の
取付片７３をヘツドライトハウジング２２内に臨
ませ、その側壁２３に設けた取付孔２３ａ内に取
付片７３に備えたカラー７４を係合し、更にワツ
シヤ７５を介装してボルト７６にて取付片７３に
ハウジング２２とヘツドライト９０とを共通に結
合し、支持せしめる。

このように共通して結合したため、ヘツドライ
ト９０を支持するブラケツトプレート７２に同時
にフロントカバー２０の上部をも支持せしめるこ
とができ、従つて支持部材の削減並びに組付作業
の簡易化に資する。

尚第２図において、１５はインナカバー３０の
ハウジング部３２内に配設されたマツドガードで
あり、このマツドガード１５はその中間部１５ａ
でヘツドパイプ７下端前方に突設したハンドルス
トツパープレート７７にボルト結合７８されてお
り、後端１５ｂはダウンパイプ８に備えたベース
プレート６０に嵌合係止６９されている。又マツ
ドガード１５の前部には上方へ起設したフツク状
のクランパ１６が備えられ、このクランパ１６に
はヘツドライト９０のコード９５、ホーン１７の
コード１８及び不図示のフロントブレーキケーブ
ル、スピードメータケーブル等のハーネスが担持
される。

尚第４図のＦで示したフランジにてフロントカ
バーとフロアが係合しているので、断面がボツク
ス状となり剛性が高まる。

以上の説明で明らかな如く本発明によれば、車
体中央に足載せフロアを有するスクータ型自動
二、三輪車において、車体前方に配設されたフロ
ントカバーと、該フロントカバーの後面側に配設
されたインナカバーと、それらと連続的に形成さ
れたフロアとを備え、前輪と車体のダウンフレー
ムの間にブラケツトを配設し、該ブラケツトに前
記フロントカバーの下部とインナカバーの下部と
フロアの前部とを重ね合わせて結合したため、フ
ロントカバー及びインナカバーの両側部下部に足
載せ部をフロアから延長して構成しても、これら
の部材に必要な剛性、強度を高めることができ、
併せてフロアの剛性、強度の向上も図れ、しかも
支持部材の共用化により組付性の簡易化をも達成
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の側面図、第２図は車体前
部の透視側面図、第３図はフロントカバー、イン
ナカバー、フロア及び車体フレームの分解斜視
図、第４図はその共通結合部の拡大縦断面図、第
５図は第２図Ｖ−Ｖ線断面図、第６図はその係止
結合部の拡大横断面図、第７図はフロントカバ
ー、ヘツドライト及び車体フレームの分解斜視
図、第８図はその共通結合部の拡大横断面図であ
る。 尚図面中１は自動二輪車、２は前輪、５は操舵
軸、７は車体フレームを構成するヘツドパイプ、
８は同ダウンパイプ、８ｃはその屈曲部、２０は
フロントカバー、２１はそのフエンダ部、２２は
同ヘツドライトハウジング、３０はインナカバ
ー、３３はその足載せ部、４０はフロア、６３は
ブラケツトパイプ、６４はその取付部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体中央に足載せフロアを有するスクータ型
   自動二、三輪車において、車体前方に配設された
   フロントカバーと、該フロントカバーの後面側に
   配設されたインナカバーと、それらと連続的に形
   成されたフロアとを備え、前輪と車体のダウンフ
   レームの間にブラケツトを配設し、該ブラケツト
   に前記フロントカバーの下部とインナカバーの下
   部とフロアの前部とを重ね合わせて結合したこと
   を特徴とする自動二、三輪車のカバー類の取付構
   造。