JPS6121342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスクータタイプ自動二輪車や自動三輪
車の如く低床式の足載せフロアを有する小型車両
のフロントフエンダ廻り構造に関するものであ
る。

スクータタイプの自動二輪車や小型の自動三輪
車の如き車両では乗員が足を揃えてフロア上に載
せ、運転が行えるように底床式フロアを採用して
いる。かかる車両において、車体前部にフロント
カバー、レツグシールドを設けた場合これの前方
にフロントフエンダが臨み、フロントフエンダは
既知の如く前輪の前部上方から後下部迄を覆い、
操向時にレツグシールドとの干渉を避けるべく従
来ではレツグ、レールドをフエンダ後部と干渉し
ないように後方に配設し、ために足廻りのスペー
ス、特に前後方向のスペースは充分に採り難く足
廻りの自由度向上が望まれている。

一方、フロントフエンダとレツグシールドとを
一体化したものが提案され、実用に供されている
が、これによるとレツグシールド部とフロントフ
エンダ部とが一体であるため、操向時にフロント
フエンダ部が前輪の操向に追従せず、ためにフエ
ンダ部を操向の全ての領域をカバーするように幅
広く形成しなければならず、フエンダ部が大きく
なり、これの成形上最良とはいい難く、又フエン
ダ部とレツグシールド部を一体成形するため成形
も困難性を伴い、コストも高くなり、更には外観
性の点でも最良とはいい難い。

本考案は、この種車両の足載せフロアの拡大と
フエンダを操向輪側に付設するという相反する技
術課題を合理的に解決すべくなされたものであ
り、その目的とする処は、フロントフエンダを操
向輪側に取付ける前半体と、車体側に取付ける後
半体とに分割し、フロントフエンダ前半体によつ
て操向輪の前部上部及び中間部上部を覆い、フロ
ントフエンダ後半体によつて操向論の後部側を覆
うようにすることで、操向時にフロントフエンダ
前半体とフロントフエンダ後半体とが干渉しない
ようにし、且つ足載せフロアの前方へのスペース
を拡大し、車両自体の長さを従来と同等としつつ
足廻りの自由度を更に向上せしめ得るとともに、
フエンダの成形の容易化、外観性向上等を企図し
得るようにした自動二輪車・自動三輪車のフロン
トフエンダ廻り構造を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車１の側面図で、ヘツドチユ
ーブ３の後下部から斜め下、且つ後方にフレーム
２を延出し、フレーム２はヘツドチユーブ３の後
下部から後下方に斜めに垂下された前部２ａと、
これの下端から水平に後方に延出された中間部２
ｂと、これの後端部から斜め後上方に起立された
シートポスト部２ｃと、これの上端から後方に延
出された後部２ｄとからなる。フレーム中間部２
ｂの後端にはエンジン４、伝動ケース５からなる
パワーユニツト６の前下部がリンク７を介して枢
着され、伝動ケース５の後部には後車輪８を取付
支持せしめ、且つ伝動ケース５の後部とフレーム
後部２ｄとの間にリヤクツシヨンユニツト９が介
設されている。シートポスト部２ｃの上部には燃
料タンク１０を配設し、この上にシート１１を付
設するとともに、シートポスト部２ｃの中間部乃
至上部、並びに燃料タンク１０の周りはリヤカバ
ー１２で覆われ、且つフレームの後部２ｄ及びシ
ート後方並びに後車輪８上方はリヤフエンダ１３
で覆われている。

ヘツドチユーブ３の下方にはフロントフオーク
１４をステアリングステム１５を介して配設し、
ステム１５は上端部がヘツドチユーブ３上に突出
してハンドル１６を取り付け、ハンドル１６の中
央部にはヘツドライトユニツト１７が配設されて
いる。フロントフオーク１４下端部には操向輪を
なす前車輪１８を支持せしめ、これの上方にはフ
ロントフエンダ前半体１９を配設する。

フロントフエンダ前半体１９は前車輪１８の前
半部上を覆う如く形成され第５図、第６図に示す
ように後部の上面にステム１５の下部を通す孔部
１９ａを備え、全体として第６図に示される如く
端断面逆Ｕ字型をなして内側に左右のフロントフ
オーク部材１４ａ，１４ａ上部を臨ませ、孔部１
９ａの後壁１９ｂでステム１５下部に結着し、フ
エンダ１９の後部左右内壁には係止部１９ｃ，１
９ｃを設け、係止部１９ｃとフロントフエンダ前
半体１９との間に第５図乃至第７図に示す如く、
前方及び下方が開放され、上方、側方及び後方が
閉塞された凹部を形成し、この凹部が前記係止突
片１４ｂと係合するようにフロントフエンダ前半
体１９を上方からフロントフオーク１４にかぶ
せ、フエンダ前半体１９をフロントフオーク１４
に取付支持せしめ、フエンダ前半体１９取付支持
部の後方の部分は欠落せしめている。

ヘツドチユーブ３の前面には左右に張り出した
フロントカバー２０を取付支持せしめ、ヘツドチ
ユーブ後半部周はカバー２１で覆うとともに、フ
レーム２の中間部上には足載せ部であるフロア２
２を付設し、フロア２２は左右に張り出し、且つ
床面２２ａを実施例ではフラツトに形成した。

またフロア２２の前部は斜め上方へ立上つたフ
ロントフエンダ後半体２３としている。このフロ
ントフエンダ後半体２３はその中央部縦方向にフ
レーム前部２ａの前面を除いた周囲を囲むカバー
部２３ａを形成し、また左右両側部にはレツグシ
ールド部２３ｂ，２３ｂを前方に膨出する如く形
成している。そして、左右のレツグシールド部２
３ｂ，２３ｂは第４図に示す如く前方に略Ｖ型、
Ｕ型等に膨出して縦設され、操向輪である前車輪
１８の後部左右はフロントフエンダ後半体２３の
レツグシールド部の前部内側壁２３ｃによつて覆
われ、また前車輪１８の後部後方及び後部上方は
フロントフエンダ後半体２３のカバー部２３ａの
前壁２３ｄで覆われることとなる。

また、レツグシールド部２３ｂ，２３ｂは前車
輪１８の後部左右迄その位置が前方に移動する如
く形成することにより床面２２ａの前部左右はカ
バー部２３ａの下方左右迄延出され、延出部２２
ｂ，２２ｂにより床面２２ａは実質的に前方に長
くなる。そして実質的に前方迄レツグシールド部
及び床面を延長しつつフロントフエンダ前半体１
９とフロントフエンダ後半体２３とが前車輪の左
右への操向時に干渉することがない。

以上図示実施例を詳述したが、フロントフオー
ク１４は片持式でも良く、又底床式フロアを有す
る自動三輪車にも本考案は容易に適用し得ること
は明らかであろう。更に実施例ではフロントフエ
ンダ後半体とレツグシールドを一体とした、これ
を別体として成形し、レツグシールドにフロント
フエンダ後半体を組着しても良い。

以上で明らかな如く本考案によれば、低床式の
フロアを備え、レツグシールドを備える自動二輪
車や自動三輪車において、レツグシールドを前方
に偏在させて床面を前方に延出し、足載せ部分の
スペースを前後方向に拡大して足廻りの自由度を
向上せしめ得るとともに、以上をフエンダの機能
を従来以上に確保しつ企図することができ、又フ
エンダとレツグシールドが別体で、且つ車輪と一
緒にフエンダが動くため、フエンダも小型のもの
で足り、デザイン性、外観性の点でも優れたもの
が得られる他、フエンダも前半体と後半体とに分
割したので各半体が小さく、成形が容易でコスト
ダウンにも資する等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図は前部の要部破断
側面図、第３図は他の部分を破断した同様の図、
第４図は第２図は４−４線断面図、第５図はフロ
ントフエンダ取付を示す要部破断側面図、第６図
及び第７図は第５図６−６線及び７−７線断面図
である。 尚図面中１８は前輪、１９はフロントフエンダ
前半体、２２はフロア、２３はフロントフエンダ
後半体、２３ｂはレツグシールドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前半体１９と後半体２３に分割され、前半体は
   操向輪の前部上部及ぶ中間部上部を覆い、後半体
   は操向輪の後部を覆うようにしたフロントフエン
   ダにおいて、前記前半体の上面にはステアリング
   ステム１５の下部が挿入される孔部１９ａを形成
   し、この孔部から前半体内に臨むステアリングス
   テムの下端部にフロントフオーク１４の上端部を
   一体的に回動するように結着し、このフロントフ
   オーク１４には後方に突出する係止片１４ｂを固
   着し、また前記前半体１９の内側面には前方へ突
   出する係止部１９ｃを一体的に形成し、この係止
   部１９ｃと前半体１９との間に前方及び下方が開
   放され上方、側方及び後方が閉塞された前記係止
   片１４ｂが嵌り込む凹部を形成したことを特徴と
   する自動二輪車、自動三輪車のフロントフエンダ
   廻り構造。