JPS6247491B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、走行部伝動系に介装した無段変速装
置を、変速操作レバーの操作変位量に見合う速度
状態に自動作動し、かつ、その速度状態を維持す
る機構を設けてあるコンバインなどの無段変速式
農作業車に関する。 この種の無段変速式農作業車においては、前記
無段変速装置を変速操作レバーにて設定された速
度状態に自動維持することができるから、変速操
作の簡便化を図ることができるばかりでなく、常
時適切な走行速度で能率良く作業することができ
る利点を有する反面、走行部伝動系に介装したク
ラツチの切り入り操作により、走行途中で一時的
に停止して再発進する際、前記無段変速装置が変
速操作レバーにて指定された高速状態に維持され
たまま前記クラツチを入り操作することがあり、
その結果、操縦者の意図に反して機体が急発進す
る危険性があつた。 本発明は、上述の実情に鑑み、再発進時におけ
る機体の急発進を確実に回避することができるば
かりでなく、そのための操作も簡便に行なうこと
ができるようにせんとする点に目的を有するもの
であつて、冒記したものにおいて、前記走行部伝
動系に介装のクラツチの操作装置と前記機構との
間に、前記クラツチの切り操作に連係して前記操
作レバーを作動させることなく、無段変速装置の
みを設定低速状態に自動的に作動させる機構を設
けてあることを特徴とする。 即ち、本発明による場合は、走行部伝動系に介
装したクラツチの切り入り操作により、走行途中
で一時点に停止して再発進する際、クラツチ切り
操作に連係して前記無段変速装置のみを予め設定
低速状態に作動させているから、冒述のようにク
ラツチの入り操作と同時に機体が急発進すること
なく、前記の設定低速状態から操作レバーに指定
された速度状態にまで徐々に増速し乍ら安全かつ
スムーズに発進させることができる。しかも、前
記変速操作レバーの人為操作によつて、前述の発
進形態を現出する場合に比して、操作の簡便化を
図ることができばかりでなく、前述の効果を確実
に達成し得るに至つた。 つた。 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 第１図はコンバインを示し、左右一対のクロー
ラ式走行装置１を備えた自走機体に脱穀装置２を
搭載し、これらの前方には、植立穀稈を引起して
刈取つたのち、これを漸次横倒れ姿勢に変更し乍
ら前記脱穀装置２のフイードチエーン３に搬送供
給する前処理装置４を配置している。 そして、第２図で示すように、前記走行装置１
に対する伝動系に、第１クラツチ５及びベルト式
無段変速装置６を介装し、前記無段変速装置６
を、変速操作レバー７の操作変位量に見合う速度
状態に自動作動し、かつ、その速度状態を維持す
る機構８を設けるとともに、前記クラツチ５の操
作装置であるペダル９と前記機構８との間には、
前記クラツチ５の切り操作に連係して前記操作レ
バー７を作動させることなく、無段変速装置６の
みを設定低速状態に自動的に作動させる機構１０
を設けている。 前記ベルト式無段変速装置６は次の如く構成さ
れている。 すなわち、エンジン側に第２クラツチ１１を介
して連動させた原動軸１２に原動プーリー１３を
取付けるとともに、走行ミツシヨンケース１４の
入力軸１５にチエーン連動させた走行装置駆動軸
１６に被動プーリー１７を取付け、かつ、前記原
動プーリー１３と被動プーリー１７とにわたり伝
動ベルト１８を巻回してあり、原動軸１２の回動
力を走行装置駆動軸１６にベルト伝動するように
してある。そして、前記原動プーリー１３を、原
動軸１２に固定した割りプーリー構成用輪体１３
ａと、原動軸１２に一体回転かつ摺動自在に取付
けた割りプーリー構成用輪体１３ｂとから成ると
共に、操作アーム１９の揺動操作による摺動側輪
体１３ｂのスライド操作によりベルト巻回有効径
の無段階変更を可能にした割りプーリーに構成
し、一方、前記被動プーリー１７を、走行装置駆
動軸１６に固定した割りプーリー構成用輪体１７
ａと走行装置駆動軸１６に一体回転かつ摺動自在
に取付けた割りプーリー構成用輪体１７ｂとから
成り、摺動側輪体１７ｂのスライド操作によりベ
ルト巻回有効径の無段階変更を可能にすると共
に、スプリング２０により前記有効径を拡大付勢
させた割りプーリーに構成してあり、前記アーム
１９の揺動操作により原動側プーリー１３の有効
径を変更して走行装置駆動軸１６の駆動回転数を
無段階に変更するようにしてある。 前記速度維持機構８は次の如く構成されてい
る。 すなわち、前記摺動側輪体操作アーム１９を流
体圧シリンダ２１により揺動操作するべく構成す
るとともに、前記変速操作レバー７にその操作変
位量を検出する検出器２２を、前記走行ミツシヨ
ンケース１４にクローラ駆動速度を検出する検出
器２３を夫々付設し、これら両検出器２２，２３
と前記シリンダ２１に対するコントロールバルブ
２４とを、両検出器２２，２３による検出結果を
比較して操作レバー７の操作量に見合つたクロー
ラ駆動速度が得られるようにシリンダ２１を操作
するべく作動するバルブ制御器２５により連係さ
せてある。つまり、レバー７の揺動操作によりシ
リンダ２１を伸縮操作するとそれに伴つて摺動側
輪体操作アーム１９が揺動して原動側プーリー１
３の有効径が変化し、そして、クローラ駆動速度
がレバー７の操作量に見合つたものになると、シ
リンダ２１が停止して原動側プーリー１３の有効
径変更動作が停止すると共にその状態に維持され
るようにしてある。 前記機構１０は、変速操作レバー７側の検出器
２２とバルブ制御器２５との間に、低速走行制御
信号を発する設定器２６を接続するとともに、そ
の接続箇所には、前記クラツチペダル９を切り位
置に踏み込み操作したとき、前記検出器２２によ
る制御信号発信状態から前記設定器２６による制
御信号発信状態に自動的かつ可逆的に切換えるス
イツチ２７を設け、以つて、前記クラツチペダル
９の切り操作に連係して、前記操作レバー７を所
定の変速操作位置に保持したまま、前記設定器２
６からの制御信号に基づいて前記無段変速装置６
のみを設定低速状態に作動させるべく構成してい
る。 また、前記ベルト式無段変速装置６の伝動上手
側第２クラツチ１１は通状入りの状態に保持し、
ベルト交換時に切り操作する。この時、伝動下手
側の第１クラツチ５も切り操作すると、プーリー
１３，１７がフリーの状態となり、ベルト１８の
取り外しが簡単に行ない得る。 尚、前記変速操作レバー７により流体圧シリン
ダ２１を作動させるとき、減速側へは定速で、増
速側へはゆつくり又は断続的に作動させるべく構
成しても良い。 また、前記流体圧シリンダ２１と操作アーム１
９との間にスプリング２８を介装すると、高速旋
回時などにおいて過負荷が作用したとき、プーリ
ー１３の摺動側輪体１３ｂの少しの逃げ移動によ
る減速作用によつて安全に作業できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る無段変速式農作業車の実施
の態様を例示し、第１図はコンバインの全体側面
図、第２図は要部の伝動系統図である。 ５…クラツチ、６…無段変速装置、７…操作レ
バー、８…機構、９…操作装置、１０…機構、１
３…二つ割プーリー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 走行部伝動系に介装した無段変速装置６を、
   変速操作レバー７の操作変位量に見合う速度状態
   に自動作動し、かつ、その速度状態を維持する機
   構８を設けてある無段変速式農作業車において、
   前記走行部伝動系に介装のクラツチ５の操作装置
   ９と前記機構８との間に、前記クラツチ５の切り
   操作に連係して前記操作レバー７を作動させるこ
   となく、無段変速装置６のみを設定低速状態に自
   動的に作動させる機構１０を設けてあることを特
   徴とする無段変速式農作業車。 ２ 前記無段変速装置６が、二つ割プーリー１３
   を用いたベルト式無段変速装置である特許請求の
   範囲第１項に記載の無段変速式農作業車。