JPH09156533A - コンバインの走行旋回装置 - Google Patents

コンバインの走行旋回装置

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JPH09156533A
JPH09156533A JP31663895A JP31663895A JPH09156533A JP H09156533 A JPH09156533 A JP H09156533A JP 31663895 A JP31663895 A JP 31663895A JP 31663895 A JP31663895 A JP 31663895A JP H09156533 A JPH09156533 A JP H09156533A
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traveling
turning mechanism
gear
rotation
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幹也 白方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本件発明は、コンバインにおいて、旋回作用
に伴って発生する原動機の回転低下を未然に防止して、
常時、精度の高い、安定した脱穀、選別ができる装置を
具現せんとするものである。 【解決手段】 刈取前処理装置1を昇降自由として前部
に装備した走行車体2に脱穀装置3を搭載して構成した
コンバインにおいて、左右一対の無端帯4、4’からな
る走行装置5を伝動する走行ミッション装置6を設け、
該走行ミッション装置6には、通常旋回機構7、緩旋回
機構8、急旋回機構9を装備して選択的に操作可能に構
成し、前記走行車体2に搭載して回転各部を伝動する原
動機10には回転センサ−11を設け、前記各旋回機構
7、8、9のいずれかの旋回作動中に、前記原動機10
の回転数が一定値より低下すると、自動的に旋回負荷の
少ない他の旋回機構に切り換わる構成とした走行旋回装
置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの走行
旋回装置に関し、無端帯からなる走行装置に利用される
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から走行装置を無端帯によって構成
するコンバインの走行ミッション装置は、旋回装置とし
て、サイドクラッチ装置やサイドブレ−キ装置を使って
一方側の無端帯を停止して他方側の無端帯のみを回転駆
動しながら旋回する通常旋回装置と、旋回内側の無端帯
を外側の無端帯より低速で駆動しながらゆっくり大きく
旋回する緩旋回装置と、走行装置を構成する左右の無端
帯を互いに逆回転させ、その場で急激に旋回する急旋回
装置との構成があった。
【0003】そして、オペレ−タ−は、上記各旋回装置
を圃場条件(乾田、湿田等にともなう土壌表面の硬、軟
の差、旋回場所の広さ)に応じて使いわけしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】無端帯からなる走行装
置を持つコンバインは、圃場における刈取脱穀作業の途
中に走行車体が圃場の端に達して方向変換のために旋回
する場合、上述したとおり旋回場所に応じて適した旋回
方法を選択しながら作業を行うものである。すなわち、
サイドクラッチ装置やサイドブレ−キ装置を用いた通常
旋回装置はごく一般に行われているものであるが、湿田
にあっては片側の無端帯の停止に伴うスリップによって
圃場表面を破壊する欠陥があり、その上に、比較的広い
旋回場所を必要としている。
【0005】急旋回装置は、左右一対の走行用無端帯を
互いに逆方向に回転駆動してその場で走行車体を旋回す
るものであるから、狭い場所で旋回できる利点はある
が、反面、軟弱な圃場では無端帯が旋回に伴って圃場表
面を破壊し作土を傷める欠陥があり、その上に加えて、
この急旋回装置は、旋回作用に際して大きな旋回動力を
必要とし、旋回作動にともなって原動機の回転を低下す
ることがある。
【0006】つぎに、緩旋回装置は、旋回外側(一方)
の走行用無端帯に対して、内側(他方)の走行用無端帯
を同方向に低速で駆動して大きな回転半径を描きながら
旋回するものであるから、軟らかい圃場表面でも破壊す
ることが少なく、湿田作業に適する利点はあるが、広い
旋回場所を必要とするため枕地を広く用意することが必
要である。
【0007】そして、コンバインは、刈取前処理装置と
脱穀装置とを有し、圃場の穀稈を刈り取りながら連続的
に脱穀装置に供給して刈取脱穀作業を行うが、通常、脱
穀装置は、刈取作業を中断して走行車体2を旋回すると
きでも、回転駆動しながら脱穀、選別作用を続けてい
る。このような脱穀、選別の作業中において、脱穀装置
は、脱穀、選別作用を常時一定の精度に保つために、そ
の回転速度を一定値に保持しておくことが必要である。
【0008】ところが、原動機は、走行車体が圃場の端
に達して旋回するとき、例えば、急旋回装置を使って旋
回すると大きな旋回動力を必要とするために、回転が低
下して脱穀装置の上述した作用に悪影響を与える課題が
あった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するために次の如き技術手段を講ずるものであ
る。すなわち、刈取前処理装置1を昇降自由として前部
に装備した走行車体2に脱穀装置3を搭載して構成した
コンバインにおいて、左右一対の無端帯4、4’からな
る走行装置5を伝動する走行ミッション装置6を設け、
該走行ミッション装置6には、通常旋回機構7、緩旋回
機構8、急旋回機構9を装備して選択的に操作可能に構
成し、前記走行車体2に搭載して回転各部を伝動する原
動機10には回転センサ−11を設け、前記各旋回機構
7、8、9のいずれかの旋回作動中に、前記原動機10
の回転数が一定値より低下すると、自動的に旋回負荷の
少ない他の旋回機構に切り換わる構成とした走行旋回装
置である。
【0010】
【実施例】まず、その構成について述べる。刈取前処理
装置1は、前部から、分草杆12と、穀稈引起し装置1
3と、低位置にある刈取装置14と、穀稈搬送装置15
とを一体的に枠組み構成して走行車体2の前部に回動自
由に取付け、油圧シリンダ16によって昇降自由に構成
している。なお、穀稈搬送装置15は、穂先搬送装置と
株元搬送装置とから構成されている。
【0011】そして、脱穀装置3は、フィ−ドチエン1
7を前方の刈取前処理装置1側に臨ませ、供給された刈
取穀稈を扱胴18によって脱穀し、下側の選別装置19
によって選別処理する構成とし、走行車体2上に搭載し
ている。以上のように、コンバインは、刈取前処理装置
1と脱穀装置3とから構成されている。
【0012】つぎに、走行ミッション装置6は、ミッシ
ョンケ−ス20の上部位置に油圧変速装置21に連結し
た入力軸22を軸架し、副変速装置23を構成する大歯
車24と小歯車25とを軸方向に移動自由に軸着してい
る。そして、この大歯車24と小歯車25は、中間軸2
6に軸着している小径歯車27と大径歯車28とに選択
的に噛合して副変速を行う構成としている。
【0013】つぎに、中間歯車29は、前記中間軸26
に軸着されており、サイドクラッチ軸30に遊嵌状態で
軸着しているセンタ−ギヤ31に常時噛合させ伝動を継
続できる構成としている。そして、サイドクラッチギヤ
32、32’は、前記センタ−ギヤ31の両側におい
て、サイドクラッチ軸30に軸方向摺動自由に遊嵌状態
で軸着し、前記センタ−ギヤ31とは係合部33、3
3’によって係脱自由に構成している。
【0014】そして、サイドブレ−キ装置34、34’
は、サイドクラッチ軸30上に装備し、常時センタ−ギ
ヤ31側に弾圧されて係合部33、33’を介してその
センタ−ギヤ31に係合しているサイドクラッチギヤ3
2、32’を、油圧作動によって外側の離脱方向に摺動
させ、更に、同方向(外側方向)に移動するとブレ−キ
をかけるように構成している。すなわち、このサイドブ
レ−キ装置34、34’は、固定のサイドクラッチ軸3
0に固着してあるプレ−ト35に対して油圧作動によっ
てブレ−キプレ−ト36を圧接してサイドクラッチギヤ
32、32’に制動力をかける構成としている。
【0015】このように、サイドブレ−キ装置34、3
4’は、第1段階の作動としてサイドクラッチを切る操
作を行い、更に、第2段階の作動として徐々に制動力を
上げてサイドブレ−キをかける作用ができる従来公知の
構成としている。なお、操作装置であるパワステレバ−
については、コントロ−ラ装置と関連させて後述する。
【0016】つぎに、第2減速軸37は、大径伝動歯車
38、38’と小径伝動歯車39、39’とを遊嵌状態
に軸着して設け、大径伝動歯車38、38’はそれぞれ
前記サイドクラッチギヤ32、32’に常時噛合させ、
小径伝動歯車39、39’はホイルギヤ40、40’に
常時噛合する構成としている。そして、ホイルギヤ4
0、40’は、ミッションケ−ス20から外部に延長し
て外端部に駆動スプロケット41、41’を軸着してい
る左右一対のホイルシャフト42、42’に軸着して構
成している。
【0017】無端帯4、4’は、左右一対をゴム材によ
って無端状に成型加工して前記駆動スプロケット41、
41’に係合し、更に、転輪43に巻回して圃場を推進
走行できる走行装置5を構成している。以上述べたよう
に、通常旋回機構7は、上述のサイドクラッチギヤ3
2、32’の断続操作及びサイドブレ−キ装置34、3
4’の入切操作によっていずれか一方側の無端帯4、
4’への回転動力を断続して走行車体2を旋回する構成
としている。
【0018】つぎに、緩旋回機構8及び急旋回機構9に
ついて説明する。緩急旋回軸44は、ミッションケ−ス
20の中間位置に軸受して一方側を外部に延長し、回転
速度の変速操作と、併せて、正逆回転の切り換え操作と
ができる油圧変速装置45に連結して構成している。そ
して、左右一対の旋回歯車46、46’は、緩急旋回軸
44に遊嵌状態に軸着して設け、第1減速軸47の大径
伝動歯車48、48’に噛合させて構成している。そし
て、緩急旋回用の油圧クラッチ49、49’は、前記緩
急旋回軸44に設け、前記旋回歯車46、46’をこの
緩急旋回軸44に係合状態と遊嵌状態とに選択的に切り
換えができる構成としている。
【0019】そして、小径伝動歯車50、50’は、前
記大径伝動歯車48、48’と一体構成として第1減速
軸47に遊嵌し、前述した第2減速軸37の大径伝動歯
車38、38’に伝動可能に噛合して構成している。以
上の構成において、緩旋回機構8と急旋回機構9は、サ
イドブレ−キ装置34’を第1段階の作動をさせて、一
方のサイドクラッチギヤ32’をセンタ−ギヤ31から
離脱して係合部33’を離して伝動を中断し、緩急旋回
用の油圧クラッチ49’を作動させて緩急旋回軸44、
旋回歯車46’、大径伝動歯車48’、小径伝動歯車5
0’、第2減速軸37の大径伝動歯車38’、小径伝動
歯車39’、ホイルギヤ40’、ホイルシャフト42、
駆動スプロケット41’の順序で伝動することによって
行う構成としている。
【0020】すなわち、左右一対の無端帯4、4’は、
一方側の無端帯4がサイドクラッチギヤ32から順次伝
動される回転動力によって駆動され、他方側の無端帯
4’が緩急旋回軸44から上記の伝動経路によって伝動
されて駆動されるとき緩旋回、又は、急旋回ができる構
成となっている。そして、油圧変速装置45は、緩急旋
回軸44の回転方向を正逆転切り換えることによって急
旋回と緩旋回とを選択できる構成にしている。すなわ
ち、緩旋回機構8は、緩急旋回軸44を油圧変速装置4
5により、センタ−ギヤ31の回転方向に対して逆方向
に、しかも、低速で回転させたとき機能する構成であ
る。
【0021】そして、急旋回機構9は、緩急旋回軸44
を油圧変速装置45の正逆転、変速の操作によって、セ
ンタ−ギヤ31の回転方向と同方向に回転駆動したと
き、左右の無端帯4、4’が互いに逆回転してその場所
で急旋回ができる構成である。つぎに、緩急旋回用の油
圧クラッチ49、49’の操作機構は、左右の油圧シリ
ンダ−51、51’によって行われる構成にしている。
そして、油圧シリンダ−51、51’は、オイルポンプ
52から切換バルブ53を介して連通されており切り換
え操作にともなっていずれか一方に送油される構成とし
ている。絞り部54、54’は、油圧シリンダ−51、
51’側への送油時にオイルをゆっくり送油できるよう
に設けており、緩急旋回用の油圧クラッチ49、49’
の急激な係合を未然に防止する機構に構成している。
【0022】なお、55、55’は逆流防止弁を示し、
還流経路に設けている。56はリリ−フ弁である。そし
て、サイドブレ−キ装置34、34’は、従来公知の油
圧式の操作機構を採用しており、モノレバ−(後述する
パワステレバ−)にして最初の第1段階の操作でサイド
クラッチギヤ32、32’がセンタ−ギヤ31から離脱
し、なおも操作を継続すると第2段階に至り、その操作
量に応じて順次制動圧を強くできる構成としている。
【0023】原動機10は、走行車体2の前部低位置に
搭載され、伝動装置57を介して脱穀装置3を伝動でき
る構成とするとともに、2つの伝動装置58、58’に
よって油圧変速装置21、45を介して走行ミッション
装置6に回転動力を伝動する構成としている。つぎに、
コントロ−ラ−装置60の説明をするが、特に、走行ミ
ッション装置6及びこれに関連する操作装置について述
べる、コントロ−ラ−装置60は、その入力側に油圧変
速装置21を操作する前後進切換えレバ−61のポジシ
ョンセンサ−62と、油圧変速装置45のポジションセ
ンサ−62’と、サイドブレ−キ装置34、34’を入
り切り操作するパワステレバ−63の左右の切換スイッ
チ64、64’と、緩急切換えレバ−65の切換えスイ
ッチ66、66’と、原動機10の回転センサ−11と
を結線してそれぞれ検出信号を入力できる構成としてい
る。そして、コントロ−ラ装置60は、その出力側に、
サイドクラッチ切換えソレノイド67、67’と、緩急
切換ソレノイド68、68’と、油圧変速装置21の制
御モ−タ−69、油圧変速装置45の制御モ−タ−70
がそれぞれ連結され出力信号に基づいて、励磁されたり
駆動される構成としている。
【0024】そして、このコントロ−ラ−装置60は、
原動機10に装備した回転センサ−11の検出結果に基
づいて次のような制御を行う構成としている。すなわ
ち、コントロ−ラ−装置60は、旋回にともなって消費
動力が大きくなり、原動機10の回転を低下させる状態
に達すると、回転センサ−11の検出信号に基づいてよ
り消費動力の小さい旋回手段に自動的に切り換えること
ができる構成としている。
【0025】この実施例にあっては、コントロ−ラ−装
置60は、回転センサ−11が検出して入力した回転数
と、予め記憶している回転数とを比較演算して原動機1
0の回転数が低下すると、急旋回機構8によって急旋回
をしている途中において、通常旋回機構7の作動に切り
換える出力信号を発する構成としている。 別実施例1 この別実施例1は、急旋回と緩旋回の操作装置に関する
ものである。すなわち、通常旋回機構7は、従来からパ
ワステレバ−63の手動操作の操作量に応じてサイドブ
レ−キを加減して旋回半径を調節できる構成になってい
るが、急旋回と緩旋回の操作装置にもそのような操作の
できる構成を採用せんとするものである。
【0026】すなわち、例えば、図4に示すパワステレ
バ−63にその操作量を検出できるポジションセンサ−
を設け、コントロ−ラ装置60に入力する構成にする。
そして、コントロ−ラ装置60は、上記入力信号に基づ
いて出力側の制御モ−タ−70に出力信号を出して緩急
旋回軸44に連結している油圧変速装置45を自動的に
変速できる構成としている。
【0027】このように構成すれば、左右の無端帯4、
4’は、急旋回機構9を使用するとき及び緩旋回機構8
を使用して旋回作動するにあたり、パワステレバ−63
の操作角度(操作量)に応じて変速幅が選択できて、両
無端帯4、4’の相対速度を変速して旋回半径の調節が
自由にできる構成となる。したがって、この別実施例に
よれば、オペレ−タ−は、レバ−の感覚で旋回半径を選
択できるから、著しく操作性を向上することができる。
【0028】別実施例2 また、別実施例2の構成は、油圧変速装置21の安全を
守り、耐久性を高めるために旋回機構の自動切替装置を
提案する。すなわち、油圧変速装置21は、急旋回機構
9を用いて旋回していると、消費動力が大きいために、
リリ−フ圧が異常に高くなってリリ−フバルブの作動頻
度が多くなる。そのとき、コントロ−ラ装置60は、上
記したリリ−フバルブの作動をセンサ−によって検出し
て入力する構成としている。更に、コントロ−ラ装置6
0は、入力された信号を、予め記憶しているバルブ作動
回数(時間)と比較演算して過度の場合にはより消費動
力の少ない旋回手段である通常旋回機構7に切り替わる
構成にしている。
【0029】以上のように構成すると、大きな旋回動力
を必要とする場合であっても、油圧変速装置21及びこ
れに関連する部材の安全が保たれるは勿論のことは、原
動機10の回転数も正常に保持されているから、脱穀装
置は、選別精度を低下させず連続作業を行うことができ
る特徴を有する。 別実施例3 そして、急旋回機構9は、安全な旋回を行うために、走
行車体2が低速走行する作業速度、すなわち、副変速装
置23を低速に入れて走行するときにのみ操作可能に
(路上走行速度では操作不可能)する急旋回牽制装置8
0を設けている。
【0030】急旋回牽制装置80は、副変速の操作に連
動して回動する牽制板81の円弧状表面の一部に牽制凹
部82を形成し、上側のスイッチボックス83から垂下
したスイッチ片84が前記表面円弧状に沿って移動し、
牽制凹部82に嵌入したときスピンスイッチ85がON
となる構成としている。すなわち、急旋回牽制装置80
は、副変速装置23を低速(作業速)に操作したときこ
れに連動して回転してきた牽制板81の牽制凹部82に
スイッチ片84が入り込んだ状態となるから、スイッチ
ボックス83に内装しているスピンスイッチ85がON
となり、急旋回機構9の作動を可能としている。
【0031】そして、上述のスイッチ片84は、それ以
外の場合(副変速が中立位置、高速位置にあるとき)に
は牽制板81の表面円弧状部の上にあるから、スイッチ
ボックス83のスピンスイッチ85をOFFとして急旋
回を牽制し続けている。そして、前記牽制板81は、副
変速装置23を中立位置、高速位置に操作したときに
は、円弧状表面の一部に形成している牽制凹部82が水
平横向き状態から下向き状態となっており、窪み内に塵
埃等が入り込んで凹部に蓄積する等の障害はおこらな
い。
【0032】更に、スピンスイッチ85は、これをパイ
ロットランプによって操縦席に急旋回可能表示ができる
構成にしておけば、オペレ−タ−は、それに従って安全
に旋回操作をすることができる。なお、このパイロット
ランプは、急旋回表示および緩旋回表示ともに全ての条
件が満たされたときOK表示をする構成としている。つ
ぎにその作用について説明する。
【0033】まず、原動機10が始動されると、回転動
力は、それぞれの伝動装置57、58、58’を介して
回転各部に伝動される。そして、走行ミッション装置6
は、油圧変速装置21を前後進切換えレバ−61を前進
側にして作業速の位置に操作し、更に、副変速装置23
を低速側に操作する。すると、回転動力は、油圧変速装
置21、入力軸22、小歯車25、大径歯車28、中間
軸26、中間歯車29を順次経由して伝動され、噛合し
ているセンタ−ギヤ31に達する。そして、センタ−ギ
ヤ31は、係合部33、33’を介して係合している左
右両側のサイドクラッチギヤ32、32’を回転駆動
し、更に、このサイドクラッチギヤ32、32’に噛合
している大径伝動歯車38、38’を回転伝動し、続い
て、小径伝動歯車39、39’、ホイルギヤ40、4
0’、ホイルシャフト42、42’の順序で伝動されて
駆動スプロケット41、41’が伝動され左右両側の無
端帯4、4’を駆動する。
【0034】このようにして、コンバインは、走行装置
5が駆動さて前進を開始し、刈取前処理装置1と脱穀装
置3の回転各部が伝動されて刈取脱穀作業を行う。圃場
の穀稈は、走行車体2の前進にともなって前端下部の分
草杆12によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装
置13の作用により倒伏状態から直立状態に引き起こさ
れる。そして、圃場の穀稈は、株元が刈取装置14によ
って刈り取られ、穀稈搬送装置15によって挾持されて
上方に搬送される。
【0035】このようにして、穀稈搬送装置15の終端
部分に達した穀稈は、フィ−ドチエン17に受け継がれ
て株元が挟扼された状態で搬送されながら、穂先部分が
扱室内の扱胴18によって脱穀される。そして、脱穀処
理物は、下方の選別室19に達して選別風と揺動選別装
置の作用を受けて選別処理されるものである。以上のよ
うに、コンバインは、連続的に刈取脱穀作業を行い、脱
穀選別した穀粒を収穫して図外のグレンタンクに収集貯
留する。
【0036】さて、次に、コンバインが圃場の端に達し
て走行車体2を旋回する操作について説明する。まず、
普通の条件の圃場で作業をしているときには、通常旋回
機構7を使って通常旋回をする。仮に、左旋回する場合
について述べると、旋回内側の無端帯4’を停止し、旋
回外側の無端帯4を駆動して旋回する。すなわち、ま
ず、パワステレバ−63を左旋回側に操作すると、左右
切換えスイッチ64’がONとなってコントロ−ラ装置
60に信号を送る。
【0037】つぎに、サイドクラッチ切換えソレノイド
67’は、コントロ−ラ装置60からの出力信号に基づ
いて図外のバルブの切り換え作動をしてサイドブレ−キ
装置34’を自動操作する。すると、駆動されているセ
ンタ−ギヤ31の回転動力は、一方側のサイドクラッチ
ギヤ32’をセンタ−ギヤ31から離脱して伝動を中断
し、他方側の係合しているサイドクラッチギヤ32から
は大径伝動歯車38、小径伝動歯車39、ホイルギヤ4
0、ホイルシャフト42の順に伝動されて駆動スプロケ
ット41を駆動し無端帯4を回転する。このとき、サイ
ドブレ−キ装置34’は、パワステレバ−63の操作加
減に応じて制動をかけることができる。
【0038】その結果、走行車体2は、旋回内側の無端
帯4’を停止した状態にして旋回外側の無端帯4を駆動
するから左旋回することができる。この場合、走行車体
2は、現実には前進、バックを繰り返しながら約90度
あるいは往復刈取を行うときは180度の旋回を行う。
次に、圃場表面が軟らかく、通常旋回や急旋回をすると
作土が破壊されるおそれがあるときには緩旋回を選択す
る。以下、緩旋回について述べる。仮に、左旋回をする
こととする。
【0039】まず、切換えレバ−65を緩旋回に操作
し、同時に、パワステレバ−63を操作すると、コント
ロ−ラ装置60からの出力信号に基づくバルブの切り換
えによりサイドブレ−キ装置34’が作動し、他方、コ
ントロ−ラ装置60からの出力信号に基づいて緩急切換
ソレノイド68’が励磁されて切換えバルブ53を切り
換え作動して、緩急旋回用の油圧クラッチ49’を作動
させる側の油圧シリンダ−51’にオイルを送ることと
なる。そのとき、緩急旋回軸44は、油圧変速装置45
の切り換え、変速作動にともなってセンタ−ギヤ31の
回転方向に対して逆方向に、しかも、低速で回転する。
【0040】このような操作の行われた走行ミッション
装置6において、センタ−ギヤ31は、係合している一
方側のサイドクラッチギヤ32(旋回外側となる)を伝
動し大径伝動歯車38、小径伝動歯車39、ホイルギヤ
40、ホイルシャフト42、駆動スプロケット41の順
に伝動して旋回外側の無端帯4を伝動する。それと同時
に、緩急旋回軸44は、緩急旋回用の油圧クラッチ4
9’の作動によって旋回歯車46’(旋回内側となる)
が着軸状態となって一体回転する。したがって、第1減
速軸47に遊嵌している大径伝動歯車48’は、上記し
た旋回歯車46’から伝動され、小径伝動歯車50’、
第2減速軸37の大径伝動歯車38’、小径伝動歯車3
9’、ホイルギヤ40’、ホイルシャフト42’、駆動
スプロケット41’の順に伝動して旋回内側の無端帯
4’を伝動する。
【0041】このようにして、走行車体2は、左側の無
端帯4’が、油圧変速装置45によって減速され、更
に、伝動の途中においても減速経路をへて伝動されてい
るから右側の無端帯4に比較して大幅に減速走行し円弧
を描く状態で左側に旋回する。したがって、無端帯4、
4’は、左右の回転周速差によって左側にゆっくり旋回
するから湿田において圃場表面が軟弱であっても破壊す
ることが少ない状態で走行車体2を旋回する。
【0042】次に、走行車体2は、乾田などの地表面が
硬いところで、高い能率で作業を行いたい場合等には、
急旋回を利用して方向変換をする。以下、その急旋回に
ついて述べるが、急旋回は、一方側の無端帯4を前進回
転して他方側の無端帯4’を後進回転することによっ
て、その場所で走行車体2を旋回する。そこで、走行車
体2を左旋回する場合について説明する。
【0043】まず、切換えレバ−65を急旋回に操作
し、同時に、パワステレバ−63を操作すると、コント
ロ−ラ装置60からの出力信号に基づくバルブの切り換
えによりサイドブレ−キ装置34’が作動し、他方、励
磁されて緩急切換ソレノイド68’が切換えバルブ53
を強制作動させて、緩急旋回用の油圧クラッチ49’を
作動させる側の油圧シリンダ−51’にオイルを送るこ
ととなる。そのとき、緩急旋回軸44は、油圧変速装置
45の切り換え、変速作動にともなってセンタ−ギヤ3
1の回転方向と同方向に、しかも、通常速で回転する。
【0044】このような操作の行われた走行ミッション
装置6において、センタ−ギヤ31は、係合している一
方側のサイドクラッチギヤ32を伝動し大径伝動歯車3
8、小径伝動歯車39、ホイルギヤ40、ホイルシャフ
ト42、駆動スプロケット41の順に伝動して一方側の
無端帯4を伝動する。それと同時に、緩急旋回軸44
は、緩急旋回用の油圧クラッチ49’の作動によって旋
回歯車46’が着軸状態となって一体回転する。したが
って、第1減速軸47に遊嵌している大径伝動歯車4
8’は、上記した旋回歯車46’から伝動され、小径伝
動歯車50’、第2減速軸37の大径伝動歯車38’、
小径伝動歯車39’、ホイルギヤ40’、ホイルシャフ
ト42’、駆動スプロケット41’の順に伝動して他方
側の無端帯4’を伝動する。
【0045】以上のように、走行車体2は、一方側の無
端帯4が前進回転するのに対して、他方側の無端帯4’
が後進回転するためにその場所で急旋回することができ
る。このような旋回作動の途中において、原動機10
は、旋回に伴う消費動力が大きくなるから、その回転数
が低下し、脱穀装置3の選別作用に悪影響を与える状態
に達することがある。そのとき、回転センサ−11は、
旋回負荷のために原動機10の回転数が変化する状態を
検出してコントロ−ラ装置60に信号を送っている。
【0046】そして、コントロ−ラ装置60は、予め記
憶している回転数と回転センサ−11から送信されてき
た回転数とを比較演算し、原動機10の回転数が設定し
ている数値より低下すると出力信号を発して急旋回作動
を停止し、通常旋回に切り換えることができる。この場
合、コントロ−ラ装置60は、その制御作動によって出
力信号を発し、緩急切換えソレノイド68’を励磁させ
て、切換えバルブ53をニュ−トラルに復帰させ、油圧
シリンダ−51’、緩急旋回用の油圧クラッチ49’を
元の停止状態に復帰作動させる。このようにして、走行
車体2は、左右一対の無端帯4、4’のうち後進回転し
ていた一方側の無端帯4’が停止するから、すぐに、通
常旋回に切り換わることとなり、旋回消費馬力を少なく
しながらそのまま左旋回を継続する。
【0047】したがって、脱穀装置3は、大きな旋回動
力を必要と急旋回から比較的小さい旋回動力で旋回でき
る通常旋回に自動的に切り換わり、原動機を所定回転数
に保持できるから、安定した精度の高い選別作用を連続
して行うことができるものである。なお、コントロ−ラ
装置に予め記憶させる限界回転数は、ある程度の上下幅
を持たせて設定することもできる。
【0048】
【発明の作用効果】以上説明したように、本発明は、刈
取前処理装置1を昇降自由として前部に装備した走行車
体2に脱穀装置3を搭載して構成したコンバインにおい
て、左右一対の無端帯4、4’からなる走行装置5を伝
動する走行ミッション装置6を設け、該走行ミッション
装置6には、通常旋回機構7、緩旋回機構8、急旋回機
構9を装備して選択的に操作可能に構成し、前記走行車
体2に搭載して回転各部を伝動する原動機10には回転
センサ−11を設け、前記各旋回機構7、8、9のいず
れかの旋回作動中に、前記原動機10の回転数が一定値
より低下すると、自動的に旋回負荷の少ない他の旋回機
構に切り換わる構成としたものであるから、走行車体の
旋回作動に関連して消費馬力が大きくなって原動機の回
転低下をまねこうとすると、その回転低下の度合を回転
センサ−が検出し、これに基づいて、消費動力のより少
ない旋回方法を自動的に選択して旋回作動を継続できる
ものでありながら、原動機の回転低下を未然に防止する
ことができる特徴を有するものである。
【0049】したがって、脱穀装置は、走行車体の旋回
中においても、選別作用に適する回転速度が保証され、
連続して高精度を保ちながら選別作用を行うことができ
る優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であって、線図で示す伝動装
置の展開図である。
【図2】本発明の一実施例であって、一部を破断したコ
ンバイン前部の側面図である。
【図3】本発明の一実施例であって、油圧回路図であ
る。
【図4】本発明の一実施例であって、ブロック図であ
る。
【図5】本発明の別実施例であって、牽制板の作用を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 刈取前処理装置 2 走行車体 3
脱穀装置 4、4’ 無端帯 5 走行装置 6
走行ミッション装置 7 通常旋回機構 8 緩旋回機構 9
急旋回機構 10 原動機 11 回転センサ−

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刈取前処理装置1を昇降自由として前部
    に装備した走行車体2に脱穀装置3を搭載して構成した
    コンバインにおいて、左右一対の無端帯4、4’からな
    る走行装置5を伝動する走行ミッション装置6を設け、
    該走行ミッション装置6には、通常旋回機構7、緩旋回
    機構8、急旋回機構9を装備して選択的に操作可能に構
    成し、前記走行車体2に搭載して回転各部を伝動する原
    動機10には回転センサ−11を設け、前記各旋回機構
    7、8、9のいずれかの旋回作動中に、前記原動機10
    の回転数が一定値より低下すると、自動的に旋回負荷の
    少ない他の旋回機構に切り換わる構成とした走行旋回装
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005137316A (ja) * 2003-11-10 2005-06-02 Iseki & Co Ltd 作業車
JP2008007110A (ja) * 2007-08-20 2008-01-17 Komatsu Ltd 装軌車両の操向制御装置
JP2010263803A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Iseki & Co Ltd 作業機

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