JP3647511B2 - 作業用走行車両における車速制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、乗用型田植機、コンバイン、トラクタ等の作業用走行車両における車速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、乗用型田植機、コンバイン、農作業用トラクタにおいては、圃場での作業時にオペレータが作業操作に専念できるように、高速、低速等のほぼ一定の走行速度を維持する必要がある一方、路上走行時には、通常の自動車のごとくアクセルペタル等のアクセル手
段により走行速度をオペレータが任意に調節できるようにするため、エンジンの燃料供給装置における燃料供給量をアクセル手段で調節するように構成すると共に、変速装置に対する変速レバーを高速、低速等に所定の変速位置にセットすると、その所定速度を維持するために電子化した燃料供給装置に所定の信号を送って燃料供給量を調節するように構成したものや、無段変速装置の所定変速位置にセットするアクチュエータの作動を電子的に制御すべく、変速レバーの変速位置のセット位置を信号化するものがあった。また、この種の作業用走行車両ではエンジンからの出力動力を遮断できる走行用クラッチを備えているのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、農作業を終了して路上走行に移るに際して、例えば変速レバーを路上走行位置(高速位置)にセットすると、エンジンの出力回転数または変速装置からの出力回転数が大きい状態になっているから、オペレータが無意識に走行用クラッチを入れると、走行車両は急発進するという問題があった。
【0004】
本発明は、この問題を解決して、安全に運転できる作業用走行車両を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の作業用走行車両における車速制御装置は、作業用走行車両におけるエンジンの出力をON・OFFする主クラッチと、エンジンの燃料供給手段と、エンジン出力回転数を変速する変速手段と、前記変速手段に対する変速レバーの操作位置を検知する検出器と、主クラッチのON・OFFを検知する検出器と、予め車速を設定できるアクセル手段と、主クラッチがOFFからONに切り替わったとき、エンジンの出力回転数を一旦低下させた後、予め設定された設定車速に対応するエンジンの出力回転数に向かって徐々に復帰すべく、エンジンへの燃料供給手段を調節するようにした制御手段とを備え、該制御手段は、前記変速レバーの操作位置に応じて高速位置であれば、前記一旦低下させたエンジンの出力回転数を前記設定車速に対応する回転数まで復帰するまでの復帰時間を長く、低速位置であれば復帰時間を短くなるように制御するものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業用走行車両における車速制御装置において、前記変速手段をアクチュエータの作動により無段変速できるように構成し、前記変速手段からの出力回転数を予め設定できる変速レバーの操作位置を検知する検出器を備え、前記制御手段は、主クラッチがOFFで、且つ変速レバーの操作位置が高速位置であるとき、前記アクチュエータを低速側に作動させ、その後、前記主クラッチがONで、且つ変速レバーの操作位置が高速位置にセットされたときには、前記予め設定された設定車速に対応するエンジンの出力回転数に徐々に復帰するように前記アクチュエータを増速側に作動させる制御を実行するものである。
【0007】
【実施例】
次に、本発明を具体化した実施例について説明する。図1は乗用型田植機の側面図、図2は平面図である。
【0008】
乗用型田植機の走行車両1は車体フレーム2とその前部下面の左右両側に取付く前二輪3と、後部下面の左右両側に伝動ケース4を介して取付く後二輪5とからなり、車体フレーム2の上面には座席6と操縦ハンドル7とを備え、且つ車体フレーム2の中途部下面には、当該車体フレーム2の前部に搭載したエンジン8からの動力を適宜変換して各車輪3,5及び苗植装置9にPTO軸19を介して伝達するためのミッションケース10が設けられている。
【0009】
なお、苗植装置9は車体フレーム2の後部に平行リンク機構11を介して上下動自在に
装着され、昇降油圧シリンダ12により、昇降調節可能に構成されている。そして、苗植装置9は、前記平行リンク機構11の後端が取付く中央伝動ケース13と、それから左右両側に突出するパイプ状の支持部材14を介して連結された複数の植付ケース15と、各植付ケース15の下面に前部がリンクを介して上下動可能なフロート16と、上端が走行車両1の後部に接近するように傾斜配置された苗載台17と、各植付ケース15の左右両側に取付けられたロータリ式の苗植機構18とより構成されている。
【0010】
次に、運転操作装置の構成について説明する。図1,図2に示すように、車体フレーム2の上面側には座席6に座るオペレータが手で操作できるアクセルレバー20とブレーキペタル21と走行用のクラッチペタル22とを配置し、座席6の一側のカバー体の案内溝24を介して上向きに突出する主変速レバー23を配置する。この主変速レバー23は案内溝24に沿って車体フレーム2の前後方向に回動するとき、その最前位置を高速(H)となる路上走行位置とし、その後部に低速(L)の植付位置、さらに後方の平面視二股状の位置は前後車輪3,5への動力伝達をしない中立位置(N)と、苗継ぎ作業実行位置である。最後部は走行車両1の後退位置(B)とする(図3参照)。なお、主変速レバー23の回動位置を保持するため図示しない摩擦型等のデデント機構を備えることはいうまでもない。
【0011】
図3は本発明の制御装置30の第1実施例における機能ブロック図を示し、制御装置30には、図示しないが、制御を実行する中央処理装置(CPU)と、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)と、制御に必要な各種データを記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)と、タイマーと、後述する各種入力装置及び出力装置を接続して信号を伝送するためのバス及びインターフェイスとを備える。エンジン8には電子ガバナー付きの燃料供給装置32を備え、エンジン8の出力軸33とミッションケース10の入力軸との間には動力を継断するための主クラッチ34を介挿する。燃料供給装置32は、例えばエンジン8がディーゼルエンジンであるときには、電子式の燃料噴射装置であり、電子ガバナーのフライウエートのリフト量をレバーを介して燃料噴射ポンプ35のラックに伝えて燃料噴射量を制御するものである。従って、この燃料噴射ポンプ35に制御装置30から出力信号を出し、また、ラック位置アンプ36にて前記ラック位置を検出してその増幅信号を制御装置30に入力する。また、エンジン8の出力回転数を予め設定するためのアクセルレバー20の回動位置を検知するロータリポジションメータ(ポテンショメータ)等の検出器37の検出信号を制御装置30に入力する。
【0012】
さらに、前記主クラッチ34をON・OFF操作するためのクラッチペタル22を踏み込んで前記主クラッチ34をOFF(動力遮断状態)すると、リミットスイッチなどの検出器38がONとなり、クラッチペタル22の踏み込みを止めると、主クラッチ34はON(動力接続状態)であり検出器38の信号はOFFとなる信号を制御装置30に入力する。
【0013】
主変速レバー23には、その前後回動位置を検知するためのロータリポジションメータ(ポテンショメータ)等の検出器39を備え、該検出器39により変速位置に対応する信号を制御装置30に入力する。さらに、出力軸33に近接させて設けた近接センサ型の回転計40の検出値を制御装置30に入力して、エンジン8の出力回転数を常時監視している。
【0014】
そして、制御装置30では次のような車速制御を実行する。即ち、図4のフロートに示すように、車速制御に入ると、予め設定した主変速レバー23のセット位置、アクセルレバー20のセット位置を読み込み(S1)、次いでエンジンの出力回転数Neを回転計40から適宜短時間ごとに読み込む(S2)。そして、通常の車速制御(S3)では、例えば、主変速レバー23を苗植付作業時の低速位置(L)にセットした状態で、且つアクセ
ルレバー20のセット位置を所定位置にセットしておけば、エンジンの出力回転数Neが作業に適した値に保持されるよう制御される。路上走行時には、主変速レバー23を高速位置(H)にセットし、アクセルレバー20を手で回動操作してセットすれば、そのセット位置に対応してエンジンの出力回転数Neが路上走行に適した値を保持できる。
【0015】
通常の苗植付作業を終了して前記路上走行に入るに際して、出力回転数Ne=N1またはN2にセットされているものとする。路上走行開始にあたり、オペレータが主クラッチ34をOFF(動力遮断状態)からON(動力接続状態)に主クラッチ22を切換え操作したとすると(S4:yes )、制御装置3の出力信号にて燃料供給装置32のラック位置を変更して一旦エンジンの出力回転数NeをNoの低い値に急速に変化するように制御する(S5)。この様子は図5のタイムチャートに示す。これにより、主クラッチ22を動力伝動遮断から動力接続に切換えたとき、高い回転数の出力がいきなり車輪3、5に伝達されず、走行車両1は急発進しないから安全である。
【0016】
そして、一定時間(to)経過したか否を判別する(S6)。この一定時間(to)は、オペレータが走行の構えができるのに要する所要時間であれば良く、通常1秒〜2秒程度あれば良い。
【0017】
この一定時間(to)経過すれば(S6:yes )、次に、前記主変速レバー23のセット位置が高速位置(H)か否かを判別し(S7)、高速位置であるときには(S7:yes )、長い時間(t2)を要して元の設定した高速回転数N2にまで戻すという漸増速度制御を実行する(S8)。反対に、主変速レバー23のセット位置が低速位置(L)のときには(S7:no)、短い時間(t1)を要して元の設定した低速回転数N1にまで戻すという漸増速度制御を実行するのである(S9)。
【0018】
この漸増車速制御により、図5に示すように、路上走行の初期段階では、いきなり高いエンジン回転数とならないから、安全であり、徐々に高い回転数に復帰できるから、路上走行に手間取ることもない。しかも、元の設定回転数が低い(N1)場合には、速度漸増の勾配を大きくしても(又は所要時間t1を短くしても)、さほど発進時の危険がなく、且つ所定の走行速度にまで短時間で到達できる。他方、元の設定回転数が高い(N2)場合には、速度漸増の勾配を小さくする(又は所要時間t2を長くする)ことにより、運転の安全性が向上するのである。
【0019】
図6は第2実施例を示し、制御装置41は前記第1実施例と同様に、制御を実行する中央処理装置(CPU)と、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)と、制御に必要な各種データを記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)と、タイマーと、後述する各種入力装置及び出力装置を接続して信号を伝送するためのバス及びインターフェイスとを備える。エンジン8には電子ガバナー付きの燃料供給装置32を備え、エンジン8の出力軸33とミッションケース10の入力軸との間には動力を継断するための主クラッチ34を介挿する。燃料供給装置32は、例えばエンジン8がディーゼルエンジンであるときには、電子式の燃料噴射装置であり、電子ガバナーのフライウエートのリフト量をレバーを介して燃料噴射ポンプのラックに伝えて燃料噴射量を制御するものである。従って、この燃料噴射ポンプに制御装置30から出力信号を出し、また、ラック位置アンプにて前記ラック位置を検出してその増幅信号を制御装置に入力する。
【0020】
前記ミッションケース10内には幅間隔変更可能な入力側のプーリ42及び出力側プーリ43とに無端ベルト44を巻掛けし、アクチュエータとしての制御モータ45及びリンク機構46を介して前記一方のプーリの幅を縮めると他方のプーリの幅が狭まり、両プーリ42,43に対するベルト44の巻掛け径を変化させるようにした無段変速機構47を設け、その出力軸48から副変速機構49に入力させる。なお、制御装置41からの出力
信号にて駆動回路50を作動させて制御モータ45を正回転または逆回転させ、その出没々する軸を前記リンク機構46に連結している。また、リンク機構46の前後移動位置をロータリポジションメータ(ポテンショメータ)等の検出器51にて検知して、その信号を制御装置41に入力し、無段変速機構47における出力軸48からの出力回転数を換算できるようになっている。
【0021】
また、前記主クラッチ34をON・OFF操作するためのクラッチペタル22を踏み込んで前記クラッチ34をOFF(動力遮断状態)すると、リミットスイッチなどの検出器38がONとなり、クラッチペタル22の踏み込みを止めるとクラッチ34はON(動力接続状態)であり検出器38の信号はOFFとなる信号を制御装置41に入力する。
【0022】
主変速レバー23には、その前後回動位置を検知するためのロータリポジションメータ(ポテンショメータ)等の検出器39を備え、該検出器39により変速位置に対応する信号を制御装置41に入力する。なお、主変速レバー23を高速位置又は路上走行位置に回動したとき、その状態を検知するためのリミットスイッチ等の検出器39aが備えられ、その信号も制御装置41に入力される。さらに、出力軸33に近接させさせて設けた近接センサ型の回転計40の検出値を制御装置30に入力して、エンジン8の出力回転数を常時監視している。そして、増速スイッチ52をONにするときには、主変速レバー23にて設定した前記無段変速機構47の出力軸48の回転数を所定の割合だけ増大させるようにするものである。
【0023】
以上の構成により、制御装置41では次のような車速制御を実行する。即ち、図7のフローチャートに示すように、車速制御に入ると、予め設定した主変速レバー23のセット位置を読み込み(S20)、次いで無段変速機構47のセット位置を検出器51の信号により読み込む(S21)。なお、この場合、エンジンの出力回転数Neを回転計40から適宜短時間ごとに読み込んでおいても良い。
【0024】
次いで、主クラッチ34がON(動力接続状態)であるか否かを判断し(S22)、次に主変速レバー23が高速位置(H)(または路上走行位置)にセットされているか否かを判別する(S23)。主クラッチ34がONで且つ主変速レバー23が高速位置(H)(または路上走行位置)以外の位置であるときには(S22:yes 、S23:no)、苗植付け作業の状態であるので、通常の車速制御モード(S24)を実行する。通常の車速制御(S24)では、主変速レバー23にてセットされた変速位置に対応する主変速レバー回転数が得られるように、駆動回路50に出力信号を出し、制御モータ45を作動させる。
【0025】
そして、路上走行などのために、主クラッチ34をOFFにし、且つ主変速レバー23を高速位置(H)(または路上走行位置)にセットすると(S22:no、S23:yes )、一定時間または所定の低速出力になるまで制御モータ45を低方向に駆動させる(S25)。次に、路上走行を開始するから否かを判断するため、再度、主クラッチ34がON(動力接続状態)であるか否かの判断(S26)と主変速レバー23が高速位置(H)(または路上走行位置)にセットされているか否かの判別(S27)とを実行する。
【0026】
主クラッチ34がON(動力接続)であり(S26:yes )、且つ主変速レバー23が高速位置(H)(または路上走行位置)にセットされている場合には(S27:yes )、無段変速機構47の元のセット位置に復帰させるための制御モータ45の駆動をスロー駆動させる(S28)べく駆動回路50に出力信号を出す。このスロー駆動の作動時間は一定時間に設定されるので、S29にて所定時間経過したか否かを判別し、一定時間経過すれば(S29:yes )、制御モータ45の駆動を通常モード(高速)に戻すのである(S30)。
【0027】
なお、主クラッチ34がOFFであり(S26:no)、且つ主変速レバー23が高速位置以外のときには(S27:no)、制御モータ45を通常モードで駆動させる(S30)。
【0028】
このように制御すれば、再度クラッチペタル22から足を離して走行用(主)クラッチを入りにしたときにも、不用意に走行車両1が急発進するという不都合を回避することができ、且つ、一定時間後には、予め設定された変速機構の出力回転数にまで復帰しているから、オペレータが一々速度調節する作業も必要ないという効果を奏する。
【0029】
なお、コンバインやトラクタ等において副変速レバーと主変速レバーとのセット位置の組合せで、エンジン回転数が高速回転側にセットされるものでは、副変速レバー及び主変速レバーのセット位置が危険速度になる位置を1〜複数の検出器にて検知し、この検出器の出力信号と、走行用(主)クラッチのON・OFF検出とにより、エンジン回転数または変速機構の出力回転数を一旦低下させた後徐々に増大させる車速制御を実行しても良いのである。
【0030】
以上の各構成、変形例は農作業用の走行車両ばかりでなく、土木工事用のトラクタ、作業機等の走行車両に藻適用できることはいうまでもない。
【0031】
【発明の作用・効果】
以上に詳述したように、請求項1に記載の発明の作業用走行車両における車速制御装置は、作業用走行車両におけるエンジンの出力をON・OFFする主クラッチと、エンジンの燃料供給手段と、エンジン出力回転数を変速する変速手段と、前記変速手段に対する変速レバーの操作位置を検知する検出器と、主クラッチのON・OFFを検知する検出器と、予め車速を設定できるアクセル手段と、主クラッチがOFFからONに切り替わったとき、エンジンの出力回転数を一旦低下させた後、予め設定された設定車速に対応するエンジンの出力回転数に向かって徐々に復帰すべく、エンジンへの燃料供給手段を調節するようにした制御手段とを備え、該制御手段は、前記変速レバーの操作位置に応じて高速位置であれば、前記一旦低下させたエンジンの出力回転数を前記設定車速に対応する回転数まで復帰するまでの復帰時間を長く、低速位置であれば復帰時間を短くなるように制御するものである。
【0032】
このように構成すれば、予めエンジンの燃料供給を多くしてエンジン出力回転数を高めるような設定や、変速レバーの位置の設定で出力回転数が高くなるように変速手段を設定しておいても、路上走行のために主クラッチをOFFからONに切り換えたとたんに、回転数を一旦低下させるので、急発進するという事故を未然に且つ確実に防止できるのである。そして、回転数が低下したままで保持されると、路上走行が遅くなりもたつくから、徐々に所定の回転数まで復帰することで、その不便性を解消できるのである。
【0033】
そして、本発明では、アクセル手段で高速に設定され、また変速手段が高速位置にあっても、主クラッチがOFFからONに変化するとき、エンジンへの燃料供給手段を制御して、エンジン出力回転数を一旦低下させるものであり、これによっても走行車両の急発進を確実に防止できる。また、本発明では燃料供給手段を調節するので燃費を節約できるという効果も奏する。
【0034】
さらに、路上走行の初期段階では、いきなり高いエンジン回転数とならないから、安全であり、徐々に高い回転数に復帰できるから、路上走行に手間取ることもない。しかも、元の設定回転数が低い場合には、速度漸増の勾配を大きくしても(又は所要時間を短くしても)、さほど発進時の危険がなく、且つ所定の走行速度にまで短時間で到達できる。他方、元の設定回転数が高い場合には、速度漸増の勾配を小さくする(又は所要時間を長くする)ことにより、運転の安全性が向上するのである。
【0035】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業用走行車両における車速制御装置において、前記変速手段をアクチュエータの作動により無段変速できるように構成し、前記変速手段からの出力回転数を予め設定できる変速レバーの操作位置を検知する検出器を備え、前記制御手段は、主クラッチがOFFで、且つ変速レバーの操作位置が高速位置であるとき、前記アクチュエータを低速側に作動させ、その後、前記主クラッチがONで、且つ変速レバーの操作位置が高速位置にセットされたときには、前記予め設定された設定車速に対応するエンジンの出力回転数に徐々に復帰するように前記アクチュエータを増速側に作動させる制御を実行するものである。
【0036】
このように制御すれば、路上走行するために、変速レバーの設定位置を高速側に変更した後、再度主クラッチを入りにしたときにも、不用意に走行車両が急発進するという不都合を回避することができ、且つ、一定時間後には、予め設定された変速機構の出力回転数にまで復帰しているから、オペレータが一々速度調節する作業も必要ないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用型田植機の側面図である。
【図2】 乗用型田植機の平面図である。
【図3】 第1実施例の制御装置の機能ブロック図である。
【図4】 第1実施例の車速制御のフローチャートである。
【図5】 第1実施例の車速制御の態様を示すタイムチャートである。
【図6】 第2実施例の制御装置の機能ブロック図である。
【図7】 第2実施例の車速制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 走行車両
8 エンジン
10 ミッションケース
20 アクセルレバー
22 クラッチペタル
23 主変速レバー
30,41 制御装置
32 燃料供給装置
33 出力軸
34 主クラッチ
37,38,39,51 検出器
40 回転計
45 制御モータ
47 無段変速機構
50 駆動回路
Claims (2)
- 作業用走行車両におけるエンジンの出力をON・OFFする主クラッチと、エンジンの燃料供給手段と、エンジン出力回転数を変速する変速手段と、前記変速手段に対する変速レバーの操作位置を検知する検出器と、主クラッチのON・OFFを検知する検出器と、予め車速を設定できるアクセル手段と、主クラッチがOFFからONに切り替わったとき、エンジンの出力回転数を一旦低下させた後、予め設定された設定車速に対応するエンジンの出力回転数に向かって徐々に復帰すべく、エンジンへの燃料供給手段を調節するようにした制御手段とを備え、
該制御手段は、前記変速レバーの操作位置に応じて高速位置であれば、前記一旦低下させたエンジンの出力回転数を前記設定車速に対応する回転数まで復帰するまでの復帰時間を長く、低速位置であれば復帰時間を短くなるように制御することを特徴とする作業用走行車両における車速制御装置。 - 前記変速手段をアクチュエータの作動により無段変速できるように構成し、前記変速手段からの出力回転数を予め設定できる変速レバーの操作位置を検知する検出器を備え、前記制御手段は、主クラッチがOFFで、且つ変速レバーの操作位置が高速位置であるとき、前記アクチュエータを低速側に作動させ、その後、前記主クラッチがONで、且つ変速レバーの操作位置が高速位置にセットされたときには、前記予め設定された設定車速に対応するエンジンの出力回転数に徐々に復帰するように前記アクチュエータを増速側に作動させる制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の作業用走行車両における車速制御装置。
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