JP4609390B2 - フォークリフトの走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フォークリフトの走行を制御する走行制御装置に関する。
従来、工場構内で荷役作業(荷取り作業及び荷置き作業)を行う産業車両としてフォークリフトが広く利用されている。この種のフォークリフトは、その用途の特徴からも解るとおり、荷役状態によって車両の走行安定性に大きな違いが生じる。例えば、荷を搭載した状態と荷を搭載していない状態では、車両の重心位置が変化し、走行安定性に違いが生じる。また、荷を搭載した状態においては、積荷の重さ、荷を搭載した時のフォークの揚高、及びフォークの傾角(ティルト角)によっても、走行安定性に違いが生じる。このため、従来においては、フォークリフトをより安定した状態で走行し得るように荷役状態に応じて車両の走行に制限を加える技術が特許文献1で提案されている。特許文献1では、荷役状態から後進時に後輪が浮き上がるときの最小加速度を許容加速度として算出し、車両加速時の実加速度が許容加速度を超えないように制限を加える技術が提案されている。
また、特許文献2では、田植機、コンバイン、トラクタなどの走行車両において、車両の走行を安定させるための技術が提案されている。特許文献2では、苗植付作業を終了して路上走行に入る際、主クラッチをOFFからONに切り替え操作した場合にエンジン回転数を予め定めた回転数に低下させる技術が提案されている。
特開2001−163597号公報 特開平9−24751号公報
特許文献1は、加速時に車両が不安定になる点に着目し、加速度に制限を加える技術が提案されているが、車両が急発進するような場合においては特許文献1で提案された加速度の制御を行っても車両が不安定になる虞がある。すなわち、車両は、駆動源となるエンジン出力を駆動輪に伝達するクラッチが遮断された状態や車両の走行方向を指示するディレクションレバーが中立(ニュートラル)に操作された状態においてアクセルペダルを操作した場合、当該アクセルペダルの操作に応じて増速せずにエンジン回転数が高回転に吹き上がってしまう。そして、この状態で、クラッチを接続した場合やディレクションレバーを走行状態に操作した場合には、急激な加速度変化が生じ、急発進の状態となる。このため、特許文献1で開示された加速度の制御では、前述のような急激な加速度変化に対してエンジン制御が間に合わず、その結果、車両が急発進してしまい発進時の走行が不安定になる虞がある。
これに対し、特許文献2では、主クラッチをOFFからONに切り替えた際にエンジン回転数を一旦低下させることで、急発進を抑制させる制御が行われている。しかしながら、フォークリフトのような荷役を伴う産業車両では、荷役状態によって車両の走行安定性に相違が生じるため、特許文献2の制御をフォークリフトに適用したとしても発進時の走行安定性が完全に確保されるとは言い難い。すなわち、車両は、クラッチの接続時にエンジン回転数を所定の回転数まで低下させる制御を行っても、クラッチが接続されていることによって駆動力が駆動輪に伝達され、走行する。このため、荷役状態に応じて走行安定性に相違が生じるフォークリフトでは、例えば、低揚高で荷を搭載している場合にはエンジン回転数が低下するまでに多少の時間を要しても安定性が確保できる可能性はあるが、高揚高で荷を搭載しているなど荷役状態がさらに厳しい場合には同じように安定性が確保されるとは限らない。その結果、荷役状態によっては、エンジン回転数の低下が間に合わず(エンジン制御が間に合わず)、発進時の走行が不安定になる虞がある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、フォークリフトの走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができるフォークリフトの走行制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え、前記車両には、運転者の操作により車両の走行方向を指示する走行指示手段と、運転者の操作により前記動力伝達機構を構成するクラッチの接続状態を接続から遮断まで連続的に変化させるインチング操作手段と、運転者の操作により前記車両に制動力を作用させるブレーキ操作手段とが設けられており、前記走行指示手段は、前進走行と、後進走行と、前進走行及び後進走行の何れも指示しない非走行を指示可能に構成され、前記走行指示手段が操作された場合には前記非走行から前記前進走行又は前記後進走行が指示されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、前記インチング操作手段は、当該インチング操作手段のオン操作により前記クラッチを遮断する側に作動させる一方で、前記インチング操作手段のオフ操作により前記クラッチを接続する側に作動させ、前記インチング操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、前記ブレーキ操作手段は、当該ブレーキ操作手段のオン操作により前記制動力が作用される一方で、前記ブレーキ操作手段のオフ操作により前記制動力が作用されず、前記ブレーキ操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、前記接続判定手段は、前記走行指示手段、前記インチング操作手段及び前記ブレーキ操作手段のうち、少なくとも何れか一つの手段の操作状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを要旨とする。
これによれば、運転者の操作によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態であれば、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が強制的に遮断される。フォークリフトは、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。このため、荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態(例えば、高揚高や重荷重)でフォークリフトを発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、荷役状態に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。
また、走行指示手段、インチング操作手段及びブレーキ操作手段のうち何れか一つの手段の操作状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定が行われ、その判定結果に基づき走行駆動力を遮断するか否かの判定がなされる。すなわち、走行指示手段、インチング操作手段及びブレーキ操作手段は、運転者がフォークリフトを走行させる際又は非走行させる際に、これらの意思を表す手段である。このため、これらの手段が操作されたことを契機に前記判定がなされることで、走行時に走行駆動力が強制的に遮断されても、その原因を容易に運転者に把握させることができる。
請求項2に記載の発明は、エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、エンジン回転数を判定するエンジン回転数判定手段と、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が少なくともアイドル回転数よりも高く設定される制限回転数以上の回転数であるとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備えたことを要旨とする。
これによれば、運転者の操作によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、エンジン回転数が制限回転数以上の回転数であれば、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が強制的に遮断される。フォークリフトは、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。そして、フォークリフトでは、走行駆動力遮断状態において加速指示を行った場合(アクセル操作を行った場合)、エンジンが吹き上がり、エンジン回転数が上昇する。このため、エンジンが吹き上がった状態でフォークリフトを発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。すなわち、フォークリフトが急発進する虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、エンジン回転数に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。
請求項3に記載の発明は、エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、エンジン回転数を判定するエンジン回転数判定手段と、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態で、かつ前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が少なくともアイドル回転数よりも高く設定される制限回転数以上の回転数であるとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備えたことを要旨とする。
これによれば、運転者の操作によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、荷役状態が車両に制限を加える必要がある状態で、かつエンジン回転数が制限回転数以上の回転数であれば、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が強制的に遮断される。フォークリフトは、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。そして、フォークリフトでは、走行駆動力遮断状態において加速指示を行った場合(アクセル操作を行った場合)、エンジンが吹き上がり、エンジン回転数が上昇する。このため、荷役状態が車両走行に制限を加える必要がある状態(例えば、高揚高や重荷重)で、かつエンジンが吹き上がった状態でフォークリフトを発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。すなわち、荷役状態が車両の走行を不安定にさせる可能性がある状況でフォークリフトが急発進する虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、荷役状態とエンジン回転数に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、前記遮断制御手段は、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを要旨とする。
これによれば、遮断制御手段によって走行駆動力が強制的に遮断された場合、エンジン回転数を制限解除回転数以下の回転数に低下させる制御が実行され、エンジン回転数が制限解除回転数以下の回転数に低下することにより、走行駆動力を遮断した状態が解除される。フォークリフトは、遮断した状態が解除されると、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が復帰され、走行可能な状態となる。そして、フォークリフトは、エンジン回転数が下がった状態で発進するので、安定した状態で発進させることができる。すなわち、フォークリフトの急発進が防止され、発進時の安定性が確保される。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段は、運転者が車両の加速を指示する車両加速手段を、加速を指示しないようにオフ操作した後、再び加速を指示するようにオン操作したこと、前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は運転者の操作により前記走行駆動力接続状態が前記走行駆動力遮断状態へ切り替えられたことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを要旨とする。
これによれば、遮断制御手段によって走行駆動力が強制的に遮断された場合、運転者が所定の操作を行うことによって、走行駆動力を遮断した状態が解除される。すなわち、フォークリフトは、運転者によって車両加速手段がオン操作されていることによりエンジン回転数が高まり、制限回転数以上の回転数となる。このため、エンジン回転数は、運転者が車両加速手段をオフ操作することによって低下する。また、運転者によって走行駆動力接続状態が走行駆動力遮断状態へ切り替えられた場合には、一旦、フォークリフトの走行(発進)を中止させ、走行の開始に際して再度の操作を運転者に促すこととなる。このため、これらの一連の操作を運転者に行わせることで、エンジン回転数を低下させる時間が確保でき、エンジン回転数を低下させた状態でフォークリフトを走行可能な状態にすることができる。そして、フォークリフトは、エンジン回転数が下がった状態で発進するので、安定した状態で発進させることができる。すなわち、フォークリフトの急発進が防止され、発進時の安定性が確保される。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除し、かつ、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数より小さな回転数低下解除回転数以下に低下したこと又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記回転数低下解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に前記エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除することを要旨とする。
これによれば、遮断制御手段によって走行駆動力が強制的に遮断された場合、エンジン回転数を制限解除回転数以下の回転数に低下させる制御が実行され、エンジン回転数が制限解除回転数以下の回転数に低下することにより、走行駆動力を遮断した状態が解除される。フォークリフトは、遮断した状態が解除されると、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が復帰され、走行可能な状態となる。この段階では、エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数の低下制御は継続され、エンジン回転数が回転数低下解除回転数以下の回転数に低下した時点でエンジン回転数の低下制御が終了する。制限解除回転数を平地で急発進しない回転数に設定すると、登坂途中での発進時に、車両のずり下がりが発生する場合がある。しかし、制限解除回転数を平地で急発進しない回転数より高い回転数に設定し、回転数低下解除回転数をそれより低い回転数に設定することにより、坂道でのずり下がりの抑制と、平地での急発進の抑制とを両立させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、車速が予め設定された制限解除速度以上になったこと、又は前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを要旨とする。
これによれば、遮断制御手段によって走行駆動力が強制的に遮断された場合、車速が予め設定された制限解除速度以上になると、又は前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下すると、走行駆動力を遮断した状態が解除される。制限解除回転数を平地で急発進しない回転数に設定すると、登坂途中での発進時に、車両のずり下がりが発生する場合がある。しかし、ずり下がりが発生して車速が制限解除速度以上になると走行駆動力を遮断した状態が解除されるため、急な坂道では緩い坂道の場合に比べて早期にずり下がりが停止され、登坂途中での発進時におけるずり下がりを抑制することができる。また、平地での発進時には、エンジン回転数が平地で急発進しない回転数以下に低下することにより、走行駆動力を遮断した状態が解除されるため、安定した状態で発進させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜請求項4うちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、車速が予め設定された制限解除速度以上になったこと、又は前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除し、かつ、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数より小さな回転数低下解除回転数以下に低下したこと又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記回転数低下解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に前記エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除することを要旨とする。これによれば、請求項6又は請求項7の発明の作用効果を奏する。
請求項9に記載の発明は、請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段は、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合、その判定時点から所定時間が経過する迄の間に前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が前記制限回転数以上の回転数になったとき、前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断することを要旨とする。
これによれば、走行駆動力接続状態へ切り替えられた時を含む所定時間の間、エンジン回転数の判定が行われる。エンジン回転数は、運転者が走行駆動力接続状態へ切り替えると同時に車両の加速を指示しても、その切り替え時から遅れて上昇し、制限回転数以上の回転数に至る可能性が高い。したがって、エンジン回転数の判定を走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から所定時間の間継続して行うことで、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記遮断制御手段は、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合、その判定時点から車速が所定車速に達する迄の間に前記エンジン回転数判定手段によって判定されるエンジン回転数が前記制限回転数以上の回転数になったとき、前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断することを要旨とする。
これによれば、走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から車速が所定車速に達する迄の間、エンジン回転数の判定が行われる。エンジン回転数は、運転者が走行駆動力接続状態へ切り替えると同時に車両の加速を指示しても、その切り替え時から遅れて上昇し、制限回転数以上の回転数に至る可能性が高い。したがって、エンジン回転数の判定を走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から車速が所定車速に達する迄の間継続して行うことで、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項〜請求項10のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記車両には、運転者の操作により車両の走行方向を指示する走行指示手段と、運転者の操作により前記動力伝達機構を構成するクラッチの接続状態を接続から遮断まで連続的に変化させるインチング操作手段と、運転者の操作により前記車両に制動力を作用させるブレーキ操作手段とが設けられており、前記走行指示手段は、前進走行と、後進走行と、前進走行及び後進走行の何れも指示しない非走行を指示可能に構成され、前記走行指示手段が操作された場合には前記非走行から前記前進走行又は前記後進走行が指示されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、前記インチング操作手段は、当該インチング操作手段のオン操作により前記クラッチを遮断する側に作動させる一方で、前記インチング操作手段のオフ操作により前記クラッチを接続する側に作動させ、前記インチング操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、前記ブレーキ操作手段は、当該ブレーキ操作手段のオン操作により前記制動力が作用される一方で、前記ブレーキ操作手段のオフ操作により前記制動力が作用されず、前記ブレーキ操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、前記接続判定手段は、前記走行指示手段、前記インチング操作手段及び前記ブレーキ操作手段のうち、少なくとも何れか一つの手段の操作状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを要旨とする。
これによれば、走行指示手段、インチング操作手段及びブレーキ操作手段のうち何れか一つの手段の操作状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定が行われ、その判定結果に基づき走行駆動力を遮断するか否かの判定がなされる。すなわち、走行指示手段、インチング操作手段及びブレーキ操作手段は、運転者がフォークリフトを走行させる際又は非走行させる際に、これらの意思を表す手段である。このため、これらの手段が操作されたことを契機に前記判定がなされることで、走行時に走行駆動力が強制的に遮断されても、その原因を容易に運転者に把握させることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項〜請求項10のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置において、前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを要旨とする。
これによれば、クラッチの受圧室内の油圧に応じて走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かが判定される。クラッチの接続を操作する手段の操作状態をもとに前記判定を行った場合、操作状態を検出する検出手段(例えば、スイッチやセンサ)の組付精度などに検出結果が依存されることになる。これに対し、本発明では、受圧室内の油圧を直接検出し、走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定するので、検出精度を向上させ、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
請求項13に記載の発明は、エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え、前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを要旨とする。
これによれば、運転者の操作によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態であれば、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が強制的に遮断される。フォークリフトは、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。このため、荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態(例えば、高揚高や重荷重)でフォークリフトを発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、荷役状態に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。
また、クラッチの受圧室内の油圧に応じて走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かが判定される。クラッチの接続を操作する手段の操作状態をもとに前記判定を行った場合、操作状態を検出する検出手段(例えば、スイッチやセンサ)の組付精度などに検出結果が依存されることになる。これに対し、本発明では、受圧室内の油圧を直接検出し、走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定するので、検出精度を向上させ、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
本発明によれば、フォークリフトの走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化したフォークリフトの走行制御装置の第1の実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。以下の説明において、「前」「後」「上」「下」「左」「右」は、フォークリフトの運転者がフォークリフトの前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「上」「下」「左」「右」を示すものとする。
図1は、フォークリフト10の側面図である。図1に示すように、フォークリフト10には、車体11の前部に荷役装置12が設けられている。車体11の中央には、運転室13が設けられている。車体11の前下部には駆動輪(前輪)14が設けられ、車体11の後下部には操舵輪15が設けられている。また、車体11には、エンジン16と、動力伝達機構を構成するトルクコンバータ17を有する変速機18が搭載されている。そして、エンジン16は、トルクコンバータ17を有する変速機18を介して駆動輪14に連結されている。変速機18は、駆動輪14とエンジン16との間に介在されている。本実施形態のフォークリフト10は、駆動輪14がエンジン16によって駆動され、エンジン16の出力を走行駆動力として走行するエンジン式(エンジン車)とされている。
次に、荷役装置12について説明する。車体11の前部にはマスト19が立設されており、当該マスト19は、左右一対のアウタマスト20とインナマスト21からなる多段式(本実施形態では2段式)とされている。また、マスト19には、左右一対のフォーク(荷役具)22がリフトブラケット23を介して設けられている。そして、アウタマスト20には、マスト19(フォーク22)を車体11の前後に傾動(前傾又は後傾)させる油圧式のティルトシリンダ24が連結されている。また、インナマスト21には、フォーク22を車体の上下に昇降(上昇又は下降)させる油圧式のリフトシリンダ25が連結されている。
運転室13には、運転者が着座可能な運転シート26が設けられている。また、運転室13の前部には、インストルメントパネル27が配設されている。インストルメントパネル27には、操舵ハンドル28、リフトレバー29、ティルトレバー30及び走行指示手段としての前後進レバー(ディレクションレバー)31が配設されている。操舵ハンドル28は、操舵輪15の舵角を変更するためのものである。リフトレバー29は、フォーク22を昇降させるときに操作するものであり、ティルトレバー30は、マスト19を傾動させるときに操作するものである。リフトレバー29を操作した場合には、その操作方向(上昇指示方向及び下降指示方向)に応じてリフトシリンダ25が作動(伸縮作動)し、インナマスト21がアウタマスト20内を上下方向にスライドすることによってフォーク22が昇降する。また、ティルトレバー30を操作した場合には、その操作方向(前傾指示方向及び後傾指示方向)に応じてティルトシリンダ24が作動(伸縮作動)し、マスト19がフォーク22とともに傾動する。前後進レバー31は、車両の走行方向(本実施形態では「前進走行」又は「後進走行」の各方向)を指示するときに操作するものである。
また、運転室13の床には、車両加速手段としてのアクセルペダル32と、インチング操作手段としてのインチングペダル33と、ブレーキ操作手段としてのブレーキペダル34とが配設されている。図1には、アクセルペダル32とインチングペダル33を図示し、ブレーキペダル34は図3に図示している。アクセルペダル32は、車両の加速(走行)を指示する際に操作するものである。インチングペダル33は、荷役作業を行いながら車両の微速走行をマニュアル操作で行う際に、変速機18を構成するクラッチ(前進クラッチ42と後進クラッチ43)を半クラッチ状態にするために操作するものである。クラッチ(前進クラッチ42と後進クラッチ43)の接続状態は、インチングペダル33の操作により、接続から遮断まで連続的に変化する。ブレーキペダル34は、車両に制動力を作用させるために操作するものである。ブレーキペダル34は、当該ブレーキペダル34を操作するときにはインチングペダル33と独立して作動するように構成されているが、インチングペダル33は、その操作の途中からブレーキペダル34と連動するように構成されている。すなわち、インチングペダル33は、インチング領域においてブレーキペダル34と独立(非連動)して操作されるが、インチング領域外(ブレーキ領域)においてブレーキペダル34と連動するようになっている。インチング領域とは、インチングペダル33を踏込んで前記クラッチ(前進クラッチ42と後進クラッチ43)が半クラッチ状態となる領域であり、ブレーキ領域とは、車両に制動力が作用する領域である。
図3は、本実施形態のフォークリフト10の概略構成図である。
エンジン16の出力軸16aには、トルクコンバータ17を介して変速機18が連結されている。また、エンジン16には、スロットルアクチュエータ35が配設されており、当該スロットルアクチュエータ35の作動によりスロットル開度が調節され、エンジン16の回転数、すなわち、出力軸16aの回転数が調節される。また、エンジン16には、当該エンジン16により駆動される荷役ポンプとしての油圧ポンプ36が増速ギア37を介して連結されている。本実施形態のフォークリフト10では、エンジン16の出力を車両走行用の駆動力と荷役装置12(ティルトシリンダ24及びリフトシリンダ25)の作動用の駆動力とに兼用している。油圧ポンプ36の吐出側には、マスト19(フォーク22)を傾動させるティルトシリンダ24とフォーク22を昇降させるリフトシリンダ25とが連結されている。ティルトシリンダ24は、管路及びフォーク傾動用電磁制御弁38を介して油圧ポンプ36に接続され、リフトシリンダ25は、管路及びフォーク昇降用電磁制御弁39を介して油圧ポンプ36に接続されている。
また、変速機18は、入力軸(メインシャフト)40及び出力軸(カウンタシャフト)41を備えている。入力軸40には、前進クラッチ42及び後進クラッチ43が配設されている。前進クラッチ42及び後進クラッチ43には、油圧式のクラッチ(本実施形態では湿式多板クラッチ)が使用されている。そして、本実施形態の前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、受圧室42a,43a内の油圧(以下、「クラッチ圧」と示す)によって係合力が調整可能に、かつクラッチ圧を高めると係合力が小さくなるように構成されている。
前進クラッチ42には前進用電磁弁44が接続され、後進クラッチ43には後進用電磁弁45が接続されている。各電磁弁44,45には、エンジン16の回転時に変速機18に伝達される回転力(変速機18の入力軸40の回転力)を駆動源とする油圧ポンプ46が管路を介して接続されている。前進クラッチ42の受圧室42aには、油圧ポンプ46の作動により前進用電磁弁44を介して作動油が供給される。また、後進クラッチ43の受圧室43aには、油圧ポンプ46の作動により後進用電磁弁45を介して作動油が供給される。本実施形態の前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45は、ソレノイドへの通電量が0(零)の時に全開で、ソレノイドに通電すると全閉となる。そして、前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、各電磁弁44,45のソレノイドへの通電量が0(零)になると各受圧室42a,43aに作動油が供給され、非係合状態となる。また、前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、各電磁弁44,45のソレノイドが通電されると各受圧室42a,43aに作動油が供給されなくなり、係合状態となる。
変速機18の出力軸41には、前進用ギア列47と後進用ギア列48が配設され、これらのギア列47,48を介して入力軸40の回転が出力軸41に伝達される。また、変速機18の出力軸41には、差動装置49を介して車軸50が連結されており、車軸50の両側には駆動輪14が配設されている。そして、エンジン16の出力は、変速機18の出力軸41を介して車軸50に伝達され、出力軸41の回転方向に応じた方向に駆動輪14が駆動される。また、各駆動輪14には、油圧式のドラムブレーキ51がそれぞれ配設されている。
なお、図3では、トルクコンバータ17、変速機18、前進用電磁弁44、後進用電磁弁45、油圧ポンプ46が独立して図示されているが、これら各装置は一つのハウジング内に組み込まれている。
また、車体11には、車両制御装置52及びエンジン制御装置53が搭載されている。本実施形態では、車両制御装置52とエンジン制御装置53により、フォークリフト10の走行を制御する走行制御装置CD(図3に破線で囲む)が構成されている。車両制御装置52とエンジン制御装置53は、双方向に電気信号の入出力が可能な状態で接続されている。車両制御装置52とエンジン制御装置53は、有線接続又は無線接続の何れでも良い。車両制御装置52には、車両制御用のCPU(中央処理装置)54と、読出し及び書換え可能な車両制御用のメモリ55と、入出力用のインターフェース56とが内蔵されている。メモリ55には、フォークリフト10の走行や荷役を制御するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ55には、フォークリフト10の走行や荷役を制御する際に用いるマップデータ(図4、図5及び図6に示す)が記憶されている。また、エンジン制御装置53には、エンジン制御用のCPU(中央処理装置)57と、読出し及び書換え可能なエンジン制御用のメモリ58と、入出力用のインターフェース59とが内蔵されている。メモリ58には、エンジン16を制御するための制御プログラムが記憶されている。また、メモリ58には、エンジン16を制御する際に用いるマップデータ(図10に示す)が記憶されている。車両制御装置52は、各種センサの検出信号及びエンジン制御装置53が出力する各種信号を入力し、フォークリフト10の走行や荷役を制御する。また、エンジン制御装置53は、各種センサの検出信号及び車両制御装置52が出力する各種信号を入力し、エンジン16を制御する。
また、車両制御装置52には、図2に示すように、前進用リレー回路60を介して前進用電磁弁44が接続されるとともに、後進用リレー回路61を介して後進用電磁弁45が接続されている。前進用リレー回路60は、前進用常閉接点(b接点)60aと前進用リレーコイル(電磁石)60bからなる。前進用電磁弁44は、前進用リレーコイル60bが非励磁とされ、前進用常閉接点60aが閉じられることにより通電される。また、後進用リレー回路61は、後進用常閉接点(b接点)61aと後進用リレーコイル(電磁石)61bからなる。後進用電磁弁45は、後進用リレーコイル61bが非励磁とされ、後進用常閉接点61aが閉じられることにより通電される。
以下、フォークリフト10に装備された各種センサと、該センサの接続態様(接続先)について説明する。
エンジン16には、エンジン16の回転数を検出するエンジン回転数センサ62が配設されている。エンジン回転数センサ62は、エンジン制御装置53に接続され、エンジン回転数に応じた検出信号(エンジン回転数信号)を出力する。また、車体11には、フォークリフト10の車速を検出する車速センサ63が各駆動輪14に対応して配設されている。車速センサ63は、エンジン制御装置53に接続され、車速に応じた検出信号(車速信号)を出力する。なお、エンジン回転数センサ62及び車速センサ63の検出信号は、エンジン制御装置53から車両制御装置52に出力される。
マスト19には、フォーク22の揚高(高さ位置)を検出する揚高センサ64が配設されている。揚高センサ64は、車両制御装置52に接続され、フォーク22が予め定めた揚高H(例えば、2200mm)に達すると検出信号(揚高信号)を出力する。揚高センサ64は、例えばリミットスイッチからなる。本実施形態では、マスト19に1つの揚高センサ64が設けられており、当該揚高センサ64によって検出される揚高H以上の領域が高揚高領域とされ、揚高H未満の領域が低揚高領域とされている。
また、ティルトシリンダ24には、ティルト角を検出するティルト角センサ65が配設されている。ティルト角センサ65は、車両制御装置52に接続され、フォーク22が水平姿勢にあるときの角度(水平角)を基準とした傾斜角を検出し、傾斜角に応じた検出信号(ティルト角信号)を出力する。ティルト角センサ65は、例えばポテンショメータからなる。また、リフトシリンダ25には、フォーク22の積載荷重を検出する荷重センサ66が配設されている。荷重センサ66は、車両制御装置52に接続され、リフトシリンダ25の内部の油圧を検出し、フォーク22の積載荷重に応じた検出信号(荷重信号)を出力する。荷重センサ66は、例えば圧力センサからなる。
リフトレバー29には、当該リフトレバー29の操作量を検出するリフトレバーセンサ67が配設されている。また、ティルトレバー30には、当該ティルトレバー30の操作量を検出するティルトレバーセンサ68が配設されている。リフトレバーセンサ67及びティルトレバーセンサ68は、車両制御装置52に接続され、リフトレバー29及びティルトレバー30の操作量に応じた検出信号(リフト操作信号及びティルト操作信号)をそれぞれ出力する。前後進レバー31には、当該前後進レバー31の操作位置(前進位置[F]、中立位置[N]、後進位置[R])を検出するシフトスイッチ69が配設されている。シフトスイッチ69は、車両制御装置52に接続され、前後進レバー31の操作位置に応じた検出信号(前後進信号)を出力する。本実施形態においてシフトスイッチ69は、前後進レバー31の操作位置が前進位置[F]又は後進位置[R]の場合、その操作位置に応じた検出信号を出力し、操作位置が中立位置[N]の場合、検出信号を出力しない。すなわち、車両制御装置52のCPU54は、シフトスイッチ69からの検出信号を入力することにより前後進レバー31の操作位置が前進位置[F]又は後進位置[R]であることを認識し、検出信号を入力しないことにより前後進レバー31の操作位置が中立位置[N]であることを認識する。
アクセルペダル32には、当該アクセルペダル32の踏込み量を検出するアクセル開度センサ70が配設されている。アクセル開度センサ70は、エンジン制御装置53に接続され、踏込み量(アクセル開度)に応じた検出信号(アクセル開度信号)を出力する。アクセルペダル32は、踏込むことによってフォークリフト10の加速を指示し(オン操作)、踏込まれていない状態へ戻すことによってフォークリフト10の加速を指示しない(オフ操作)ように作動する。
インチングペダル33には、当該インチングペダル33の踏込み状態を検出するインチングスイッチ71が配設されている。インチングスイッチ71は、車両制御装置52に接続され、踏込み状態に応じて検出信号(インチング信号)を出力する。具体的に言えば、インチングスイッチ71は、クラッチ(前進クラッチ42又は後進クラッチ43)が係合状態(クラッチの接続状態)になると検出信号を出力する。クラッチ(前進クラッチ42及び後進クラッチ43)は、動力の伝達が可能となる接続状態と、動力の伝達が不能となる非接続状態(遮断状態)と、接続状態から非接続状態又は非接続状態から接続状態へ遷移する迄の間、半クラッチ状態を取り得る。このため、本実施形態においてインチングスイッチ71は、クラッチが接続状態の時に検出信号を出力し得るように組み付け調整されている。なお、インチングスイッチ71は、クラッチが非接続状態(遮断状態)及び半クラッチ状態の時には検出信号を出力しない。インチングペダル33は、踏込むことによってクラッチを遮断する側に作動させ(オン操作)、踏込まれていない状態へ戻すことによってクラッチを接続する側へ作動させる(オフ操作)。そして、フォークリフト10は、インチングペダル33がオン操作からオフ操作された場合、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態に切り替わる。
ブレーキペダル34には、当該ブレーキペダル34の踏込み状態を検出するブレーキスイッチ72が配設されている。ブレーキスイッチ72は、車両制御装置52に接続され、踏込み状態に応じて検出信号(ブレーキ信号)を出力する。具体的に言えば、ブレーキスイッチ72は、ブレーキペダル34が踏込まれると検出信号を出力する。ブレーキスイッチ72は、運転者がブレーキペダル34を単独で踏込んだ時、及びインチングペダル33に連動して踏込まれた時の何れの場合も検出信号を出力する。ブレーキペダル34は、踏込むことでドラムブレーキ51によって駆動輪14に制動力を作用させ(オン操作)、踏込まれていない状態へ戻すことで駆動輪14に制動力を作用させない(オフ操作)ように作動する。
本実施形態のフォークリフト10は、前後進レバー31が中立位置[N]でエンジン16を始動させると、前進用リレーコイル60b及び後進用リレーコイル61bの励磁によって前進用常閉接点60a及び後進用常閉接点61aが開き、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45に通電されない。その結果、前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、非係合状態となる。
そして、エンジン16の始動後、運転者が前後進レバー31を中立位置[N]から前進位置[F]に操作すると、車両制御装置52は、シフトスイッチ69が出力する検出信号(前進位置[F]に操作されたことを示す信号)を入力し、前進用リレーコイル60bを非励磁とし、前進用電磁弁44を通電する。その結果、前進クラッチ42は、係合状態となる。また、エンジン16の始動後、運転者が前後進レバー31を中立位置[N]から後進位置[R]に操作すると、車両制御装置52は、シフトスイッチ69が出力する検出信号(後進位置[R]に操作されたことを示す信号)を入力し、後進用リレーコイル61bを非励磁とし、後進用電磁弁45を通電する。その結果、後進クラッチ43は、係合状態となる。そして、運転者がアクセルペダル32を踏込むと、エンジン制御装置53は、アクセル開度センサ70が出力する検出信号(アクセルペダル32の踏込み量に応じた検出信号)を入力し、スロットルアクチュエータ35を制御する。この制御により、エンジン16の回転数が調整され、フォークリフト10が前後進レバー31の操作方向に応じた方向(前進方向又は後進方向)に走行する。
また、荷役作業時に、運転者がリフトレバー29を操作すると、車両制御装置52は、リフトレバーセンサ67が出力する検出信号(リフトレバー29の操作量に応じた検出信号)を入力し、フォーク昇降用電磁制御弁39を制御する。また、荷役作業時に、運転者がティルトレバー30を操作すると、車両制御装置52は、ティルトレバーセンサ68が出力する検出信号(ティルトレバー30の操作量に応じた検出信号)を入力し、フォーク傾動用電磁制御弁38を制御する。そして、運転者は、荷役作業時、インチングペダル33を踏込んでクラッチ(前進クラッチ42及び後進クラッチ43)を半クラッチ状態又は非接続状態とし、アクセルペダル32を踏込む。これらの操作(動作)により、エンジン16の回転によって油圧ポンプ36が作動し、リフトレバー29が操作された場合にはフォーク昇降用電磁制御弁39を介して作動油がリフトシリンダ25に供給され、ティルトレバー30が操作された場合にはフォーク傾動用電磁制御弁38を介して作動油がティルトシリンダ24に供給される。その結果、リフトシリンダ25は、リフトレバー29の操作方向に応じて伸縮動作し、フォーク22が上昇又は下降する。また、ティルトシリンダ24は、ティルトレバー30の操作方向に応じて伸縮動作し、マスト19(フォーク22)が前傾又は後傾する。なお、フォークリフト10の荷役作業時は、インチングペダル33が踏込まれ、クラッチ(前進クラッチ42及び後進クラッチ43)は半クラッチ状態又は非接続状態(遮断)とされている。そして、荷役作業終了後にフォークリフト10を走行させる場合には、インチングペダル33の踏込みを戻してクラッチ(前進クラッチ42及び後進クラッチ43)を接続し、アクセルペダル32を踏込んで加速を指示する。
このように構成された本実施形態のフォークリフト10では、車両制御装置52とエンジン制御装置53によって車両走行時制御と車両発進時制御が行われ、これらの制御により車両走行時と車両発進時の走行安定性を向上させるようになっている。車両走行時制御は、荷役状態に応じて車両走行時の最高車速と加減速度に制限を加える制御であり、車両発進時制御は、荷役状態とエンジン回転数に応じて車両の発進に制限を加える制御である。そして、本実施形態においては、車両発進時制御によって特に車両の急発進を回避させるようになっている。荷役状態は、フォーク22に対する荷の搭載状態を示すものであり、本実施形態では揚高、荷重及びティルト角の3つのパラメータをもとに状態が判別される。そして、フォークリフト10では、揚高が高く、荷重が重く、かつティルト角が後傾範囲外(例えば、前傾)であるほど、荷役状態が厳しく車両走行時及び車両発進時に車両が不安定となる可能性が高い。また、急発進は、エンジン回転数が高く、エンジン16が吹き上がっている場合に走行駆動力が接続されると生じ、荷役状態が厳しい状態ほど、急発進によって車両が不安定となる可能性が高い。
以下、車両走行時制御(最高車速と加減速度の制御)及び車両発進時制御(急発進の制御)について詳しく説明する。これらの制御は、車両制御装置52及びエンジン制御装置53によって実行され、車両制御装置52及びエンジン制御装置53は制御プログラムにしたがって制御を実行する。
まず、車両制御装置52のメモリ55に記憶されているマップデータを図4〜図6にしたがって説明する。
図4のマップデータは、荷役状態がフォークリフト10の走行に制限を加える必要がある状態かを判定するために参照するマップデータ(以下、「制限要否判定データ」と示す)である。本実施形態の制限要否判定データは、揚高と荷重の2つのパラメータをもとに最高車速と加減速度に制限を加える制限領域と制限を加えない非制限領域を定めている。具体的に言えば、揚高H以上で、かつ荷重W以上の領域を制限領域とし、揚高H未満又は荷重W未満の何れかを満たす領域を非制限領域としている。図4の制限要否判定データでは、揚高が高く、かつ荷重が重い領域、すなち、荷役状態が厳しくなる領域を制限領域と定めている。図4では、制限領域に斜線を付している。
図5のマップデータは、最高車速に制限を加える場合、すなわち、図4の制限要否判定データをもとに荷役状態が制限領域に存在すると判断した場合に、最高車速値を算出するために参照するマップデータ(以下、「車速算出データ」と示す)である。本実施形態の車速算出データは、荷重とティルト角の2つのパラメータをもとに最高車速値([km/h])を定めている。具体的に言えば、荷重W以上の荷重領域を複数領域(本実施形態では図5に示す領域A,B,C,D,Eの5つ)に区分し、その領域毎にティルト角が後傾範囲内であるか否かによって最高車速値を定めている。ティルト角が後傾範囲内の場合とは、マスト19(フォーク22)が車体11の後方に向かって傾動している状態(後傾状態)であり、ティルト角が後傾範囲外の場合とは、マスト19が垂直の状態(フォーク22が水平の状態)及び車体11の前方に向かって傾動している状態(前傾状態)である。
図5の車速算出データでは、ティルト角が後傾範囲内の場合の最高車速値を太い実線で示し、ティルト角が後傾範囲外の場合の最高車速値を破線で示している。例えば、領域Aにおいては、ティルト角が後傾範囲内の場合の最高車速値を[15(km/h)]に定め、ティルト角が後傾範囲外の場合の最高車速値を[12(km/h)]に定めている。すなわち、ティルト角が後傾範囲外の場合には積荷の重心位置が車両の前方側に存在する一方で、ティルト角が後傾範囲内の場合には積荷の重心位置が車両の後方側に存在する。このため、ティルト角が後傾範囲外の場合には、ティルト角が後傾範囲内の場合に比して荷役状態が厳しくなる。したがって、同一荷重の荷であってもティルト角に応じて最高車速値が異なり、ティルト角が後傾範囲外の場合にはティルト角が後傾範囲内の場合よりも最高車速を低速に定めている。
図6のマップデータは、加減速度に制限を加える場合、すなわち、図4の制限要否判定データをもとに荷役状態が制限領域に存在すると判断した場合に、加減速度値を算出するために参照するマップデータ(以下、「加減速算出データ」と示す)である。本実施形態の加減速算出データは、荷重とティルト角の2つのパラメータをもとに加減速度値([km/h/秒])を定めている。具体的に言えば、荷重W以上の荷重領域を複数領域(本実施形態では図5に示す領域A,B,C,D,Eの5つ)に区分し、その領域毎にティルト角が後傾範囲内であるか否かによって加減速度値を定めている。なお、[km/h/秒]は、1秒当りの加減速度値を1時間当りの加減速度値に変換した値であることを示すものである。また、図5の車速算出データと図6の加減速算出データでは、荷重W以上の荷重領域を同じ荷重で分割している。
図6の加減速算出データでは、ティルト角が後傾範囲内の場合の加減速度値を太い実線で示し、ティルト角が後傾範囲外の場合の加減速度値を破線で示している。例えば、領域Aにおいては、ティルト角が後傾範囲内の場合の加減速度値を[4(km/h/秒)]に定め、ティルト角が後傾範囲外の場合の加減速度値を[3(km/h/秒)]に定めている。すなわち、同一荷重の場合であってもティルト角に応じて加減速度値が異なり、ティルト角が後傾範囲外の場合にはティルト角が後傾範囲内の場合よりも加減速度値を低減させている。以下の説明では、図6に示す加減速算出データにおいて、加減速度値[1(km/h/秒)]を「加減速レベル1」と示し、加減速度値[2(km/h/秒)]を「加減速レベル2」と示し、加減速度値[3(km/h/秒)]を「加減速レベル3」と示し、加減速度値[4(km/h/秒)]を「加減速レベル4」と示す場合もある。
次に、車両制御装置52のCPU54が実行する制御内容を図7〜図9にしたがって説明する。
図7は最高車速と加減速度を制限するための制限判定処理を示し、図8はフォークリフト10の発進を制御するための発進制御処理を示し、図9は発進制御処理中に実行されるエンジン回転数を下げるためのエンジン吹き下がり処理を示す。エンジン16を吹き下げるとは、エンジン16の回転数を下げることである。本実施形態では、図7に示す制限判定処理及び図8に示す発進制御処理を実行するCPU54が、接続判定手段、荷役状態判定手段、エンジン回転数判定手段及び遮断制御手段として機能する。また、本実施形態では、図9に示すエンジン吹き下がり処理を実行するCPU54とエンジン吹き下がり処理におけるCPU54の指示を受けてエンジン16を制御するエンジン制御装置53のCPU57とが、エンジン回転数制御手段として機能する。
最初に、図7の制限判定処理について説明する。CPU54は、所定の制御周期毎に制限判定処理を実行する。
制限判定処理においてCPU54は、荷役状態を判定するために揚高、荷重及びティルト角の情報を取得する(ステップS10)。ステップS10にてCPU54は、揚高センサ64の検出信号から揚高を取得するとともに、ティルト角センサ65の検出信号からティルト角を取得し、さらに荷重センサ66の検出信号から荷重を取得する。続いて、CPU54は、図4に示す制限要否判定データを参照し(ステップS11)、当該データとステップS10で取得した揚高及び荷重の情報をもとに荷役状態が車両の走行に制限(最高車速と加減速度)を加える必要がある状態か否か判定する(ステップS12)。ステップS12にてCPU54は、荷役状態が高揚高及び重荷重となる制限領域にあるか否かを判定する。
ステップS12の判定結果が肯定の場合(制限要の場合)、CPU54は、図5に示す車速算出データを参照し(ステップS13)、当該データとステップS10で取得した荷重及びティルト角の情報をもとに最高車速値を抽出する(ステップS14)。ステップS14にてCPU54は、例えば、荷重が領域Bの場合に、ティルト角が後傾範囲内であれば最高車速値として[13(km/h)]を抽出し、ティルト角が後傾範囲外であれば最高車速値として[10(km/h)]を抽出する。ステップS14にて最高車速値を抽出したCPU54は、その抽出した最高車速値をメモリ55に記憶する。
続いて、CPU54は、図5に示す加減速算出データを参照し(ステップS15)、当該データとステップS10で取得した荷重及びティルト角の情報をもとに加減速度値を抽出する(ステップS16)。ステップS16にてCPU54は、例えば、荷重が領域Bの場合に、ティルト角が後傾範囲内であれば加減速度値として[3(km/h/秒)]を抽出し、ティルト角が後傾範囲外であれば加減速度値として[2(km/h/秒)]を抽出する。ステップS16にて加減速度値を抽出したCPU54は、その抽出した加減速度値をメモリ55に記憶する。
続いて、CPU54は、ステップS14で抽出した最高車速値とステップS16で抽出した加減速度値とを指示する制限信号をエンジン制御装置53に出力する。その後、CPU54は、制限判定処理を終了する。また、ステップS12の判定結果が否定の場合(制限否の場合)、CPU54は、ステップS17に移行し、最高車速と加減速度に制限を加えない旨を指示する制限信号をエンジン制御装置53に出力する。また、CPU54は、ステップS12の判定結果が否定の場合、最高車速と加減速度を制限しない旨をメモリ55に記憶する。その後、CPU54は、制限判定処理を終了する。なお、ステップS12の判定結果が否定となる場合は、荷役状態が非制限領域(低揚高又は軽荷重)のときである。
次に、図8の発進制御処理及び発進制御処理のサブルーチンとして実行される図9のエンジン吹き下がり処理について説明する。CPU54は、所定の制御周期毎に制限判定処理を実行する。
発進制御処理においてCPU54は、走行駆動力が接続されたか否かを判定する(ステップS20)。すなわち、CPU54は、ステップS20にて走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する。本実施形態においてCPU54は、ステップS20にてインチングスイッチ71の検出信号の入力を監視し、当該検出信号を入力したか否かによって判定を行う。そして、CPU54は、インチングスイッチ71の検出信号を入力していない状態から入力した場合、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたことを検出してステップS20を肯定判定し、検出信号を入力していない場合、ステップS20を否定判定する。
ステップS20の判定結果が肯定の場合、CPU54は、最高車速と加減速度を制限する必要があるか否かを判定する(ステップS21)。CPU54は、制限判定処理のステップS12の判定結果に基づきステップS21の判定を行う。そして、CPU54は、メモリ55に最高車速値と加減速度値が記憶されている場合にはステップS21を肯定判定し、記憶されていない場合にはステップS21を否定判定する。
ステップS21の判定結果が肯定の場合、CPU54は、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わった時のエンジン回転数(すなわち、エンジン16の吹き上がりの状態)を判定するためにエンジン回転数の情報を取得する(ステップS22)。ステップS22にてCPU54は、エンジン回転数センサ62の検出信号からエンジン回転数を取得する。CPU54は、エンジン制御装置53のCPU57が取得したエンジン回転数を、当該エンジン制御装置53を介して入力し、取得する。次に、CPU54は、ステップS22で取得したエンジン回転数(図8では[M]と示す)と、予め定めた制限回転数(図8では[Ma]と示す)とを比較し、エンジン回転数Mが制限回転数Ma以上か否かを判定する(ステップS23)。制限回転数Maは、アイドル回転数(アイドリング状態でのエンジン回転数)よりも高く設定されており、本実施形態では[1700(回転/分)]に設定されている。ステップS23にてCPU54は、エンジン16の回転数が高くなった状態、すなわち、エンジン16が吹き上がった状態で走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたかを判定している。なお、制限回転数Maは、荷役状態(車両走行時の制限内容)を考慮し、どの位のエンジン回転数で発進させると発進時の安定性を欠くことになるかを実験(シミュレーション)し、求められるものである。このため、制限回転数Maは、フォークリフト10の車種に応じて変動する。
ステップS23の判定結果が肯定(Ma≦M)の場合、CPU54は、制限判定処理のステップS16で決定した加減速度値が[1(km/h/秒)]又は[2(km/h/秒)]であるか否か、すなわち、加減速レベルが[1]又は[2]であるか否かを判定する(ステップS24)。加減速レベル[1]又は[2]は、本実施形態で定める4つの加減速レベル[1]〜[4]のうち、荷役状態が厳しい場合の加減速レベルである。
ステップS24の判定結果が肯定の場合、CPU54は、走行駆動力を強制的に遮断する(ステップS25)。ステップS25においてCPU54は、前進用電磁弁44又は後進用電磁弁45を制御して走行駆動力を強制的に遮断する。具体的に言えば、CPU54は、前後進レバー31の操作位置を検出するシフトスイッチ69の検出信号が前進位置[F]又は後進位置[R]を示す場合において、前進用リレーコイル60b及び後進用リレーコイル61bを励磁する。すなわち、前進用常閉接点60a及び後進用常閉接点61aは、前進用リレーコイル60b及び後進用リレーコイル61bが励磁された場合、開かれる。このため、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45は、通電されず、開度が全開となる。したがって、前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、油圧ポンプ46の作動によって作動油が供給されて非係合状態となり、走行駆動力が遮断される。ステップS25の処理にてCPU54は、走行駆動力を強制的に遮断するための遮断制御を行う。
ステップS25の処理後、CPU54は、続いて、図9に示すエンジン吹き下がり処理を実行する(ステップS26)。エンジン吹き下がり処理は、エンジン回転数を予め定めた回転数以下(本実施形態では1000回転/分以下)に下げるための処理である。そして、CPU54は、エンジン吹き下がり処理の終了後、発進制御処理のステップS27に移行し、当該ステップS27にて走行駆動力を遮断した状態を解除し、走行駆動力を復帰する。ステップS27においてCPU54は、前進用電磁弁44又は後進用電磁弁45を制御して走行駆動力を復帰させる。具体的に言えば、CPU54は、前後進レバー31の操作位置を検出するシフトスイッチ69の検出信号が前進位置[F]又は後進位置[R]を示す場合において、その対応する前進用リレーコイル60b及び後進用リレーコイル61bを非励磁とする。すなわち、前進用常閉接点60a及び後進用常閉接点61aは、前進用リレーコイル60b及び後進用リレーコイル61bが非励磁された場合、閉じられる。このため、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45は、通電され、開度が全閉となる。したがって、前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、油圧ポンプ46からの作動油が供給されずに係合状態となり、走行駆動力が接続される。これにより、走行駆動力(エンジン16の出力)は、変速機18を介して駆動輪14に伝達され、フォークリフト10が走行可能な状態となる。本実施形態では、発進制御処理にてエンジン吹き下がり処理を実行することにより、車両制御装置52の制御によって自動的に走行駆動力を遮断した状態が解除されることになる。
ステップS27の処理後、CPU54は、発進制御処理を終了する。また、CPU54は、ステップS24の判定結果が否定の場合、加減速レベルが[3]又は[4]であるので、ステップS28にてエンジン吹き下がり処理を実行する。ステップS28のエンジン吹き下がり処理は、ステップS26で実行するエンジン吹き下がり処理(図9)と同一内容の処理である。そして、CPU54は、ステップS28のエンジン吹き下がり処理の終了後、発進制御処理を終了する。また、CPU54は、ステップS20,S21の判定結果が否定の場合、発進制御処理を終了する。ステップS20の判定結果が否定の場合は、クラッチが接続されていない状態、又は走行中である。また、ステップS21が否定の場合は、荷役状態が車両走行に制限を加える状態ではない時である。
本実施形態では、発進制御処理のステップS24にて、最高車速と加減速度とが制限される状態であっても、その状態を加減速レベルによってさらに分別し、制限内容が厳しい状態と緩い状態(すなわち、発進時の安定性に及ぼす影響の大小)で発進時の制御内容を異ならせている。すなわち、エンジン16は、図9に示すエンジン吹き下がり処理を実行しても、瞬間的に回転数が予め定めた回転数以下に低下する訳ではなく、低下までに時間を要する。このため、加減速レベルが[1]又は[2]と判定されるような特に厳しい荷役状態(高揚高、重荷重など)では、エンジン回転数を低下させる制御のみの実行では当該制御(エンジン回転数の低下)が追い付かず、発進時の走行を不安定にさせる虞がある。したがって、本実施形態では、前述のような厳しい荷役状態では、エンジン回転数の低下に加えて走行駆動力を強制的に遮断し、エンジン16が吹き下がるまでの間、車両の走行(発進)を一時的に中断させている(車両の走行(発進)に規制を掛けている)。そして、エンジン回転数が予め定めた回転数まで下がったことを契機に走行駆動力を接続し、走行可能な状態に復帰させている。一方、加減速レベルが[3]又は[4]と判定されるような荷役状態、すなわち、走行駆動力を遮断しなくてもエンジン回転数を低下させるだけで安定走行が可能な荷役状態では、エンジン回転数の制御のみを行っている。
次に、図9に示すエンジン吹き下がり処理を説明する。
エンジン吹き下がり処理においてCPU54は、エンジン制御装置53のCPU57に対してエンジンアイドル要求(エンジン16の回転数を下げるための要求)を行うための要求信号を出力する(ステップS30)。要求信号を入力したCPU57は、スロットルアクチュエータ35を制御し、エンジン16の回転数を調整する。CPU57は、アクセル開度センサ70の検出結果(アクセルペダル32の踏込み量)に関係なく、エンジン回転数を低下させるようにエンジン16を制御する。
ステップS30の終了後、CPU54は、続いて、エンジン回転数の情報を取得する(ステップS31)。ステップS31にてCPU54は、図8に示す発進制御処理のステップS22と同様にエンジン回転数を取得する。そして、CPU54は、ステップS31で取得したエンジン回転数(図9には[M]で示す)と予め定めた制限解除回転数(図9には[Mb]で示す)とを比較し、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下であるか否かを判定する(ステップS32)。制限解除回転数Mbは、制限回転数Maよりも低く設定されており、本実施形態では[1000回転/分]に設定されている。制限解除回転数Mbは、荷役状態(車両走行時の制限内容)を考慮し、どの位までエンジン回転数を低下させ、発進させると発進時の安定性を維持し得るかを実験(シミュレーション)し、求められるものである。このため、制限解除回転数Mbは、フォークリフト10の車種に応じて変動する。ステップS32の判定結果が否定(Mb<M)の場合、CPU54は、ステップS31に移行し、当該ステップS31からの処理を繰り返し実行する。一方、ステップS32の判定結果が肯定(Mb≧M)の場合、CPU54は、エンジン吹き下がり処理を終了し、発進制御処理に戻る。
次に、エンジン制御装置53の制御内容(特に、最高車速と加減速度を制限する時の制御内容)を図10にしたがって説明する。
図10は、エンジン回転数の調整量を算出するためのマップデータ(以下、「回転数調整データ」と示す)であり、エンジン制御装置53のメモリ58に記憶されている。エンジン制御装置53のCPU57は、図7に示す制限判定処理のステップS14,S16で抽出された最高車速値及び加減速度値をもとに回転数調整データからエンジン回転数の調整量を算出し、エンジン回転数を制御する。CPU57は、車両の走行に制限が加えられる場合、アクセル開度センサ70の検出結果(アクセルペダル32の踏込み量)に関係なく、車速が最高車速値以下となるようにエンジン16を制御する。すなわち、最高車速と加減速度が制限されている場合、フォークリフト10は、運転者がアクセルペダル32を目一杯踏込んでも、最高車速値を超える車速で走行されず、かつ加減速レベルに応じて加速と減速の具合が異なる。
本実施形態の回転数調整データは、最高車速値と実車速(実際の車速)の差(以下、「車速差」と示す)とエンジン回転数の調整量との関係をグラフ化したものであり、当該関係を4つの加減速レベル[1]〜[4]毎に定めたものである。車速差は、制限判定処理のステップS14で抽出した最高車速値と車速センサ63で検出した車速の減算値である。そして、回転数調整データでは、車速差が大きいほど、エンジン回転数の調整量が大きくなるように車速差とエンジン回転数の調整量が関係付けられている。また、加減速レベルが[1]に近くづくほど(荷役状態が厳しいほど)、車速差に対するエンジン回転数の調整量が小さくなるように車速差とエンジン回転数の調整量が関係付けられている。すなわち、加減速レベル1に近くづくほど、エンジン回転数の調整量が小さくなるので、フォークリフト10は、ゆっくりと加速し、ゆっくりと減速することになる。
そして、エンジン制御装置53のCPU57は、最高車速及び加減速度を制限する場合、次に説明するようにエンジン16の回転数を調整する。
CPU57は、所定の制御周期毎に車速センサ63の検出信号から現在の車速を取得し、当該車速を最高車速値から減算して車速差を算出する。続いて、CPU57は、メモリ58に記憶されている加減速度値(加減速レベルの値)を取得し、車速差と加減速レベルをもとに図10の回転数調整データからエンジン回転数の調整量を算出する。そして、エンジン回転数の調整量を算出したCPU57は、当該調整量をもとにスロットルアクチュエータ35を制御してスロットル開度を調整し、エンジン16の回転数を調整する。すなわち、CPU57は、実車速が最高車速値を上限とした車速になるようにフィードバック制御を行う。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)運転者の操作(本実施形態ではインチングペダル33の操作)によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、荷役状態が車両に制限を加える必要がある状態で、かつエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上の回転数であれば、駆動輪14に対する走行駆動力の伝達を強制的に遮断する。フォークリフト10は、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。そして、フォークリフト10では、走行駆動力遮断状態において加速指示を行った場合(アクセルペダル32を操作した場合)、エンジン16が吹き上がり、エンジン回転数Mが上昇する。このため、荷役状態が車両走行に制限を加える必要がある状態(例えば、高揚高や重荷重)で、かつエンジン16が吹き上がった状態でフォークリフト10を発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。すなわち、荷役状態が車両の走行を不安定にさせる可能性がある状況でフォークリフト10が急発進する虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、荷役状態とエンジン回転数に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。すなわち、フォークリフト10の走行中に行われる最高車速及び加減速度の制御だけでは実現し得ない発進時の走行安定性も確保できる。
(2)特に、本実施形態のフォークリフト10のように走行用と荷役用の駆動源(エンジン16)が兼用されている場合には、インチングペダル33をオン操作して走行駆動力遮断状態とし、その状態でアクセルペダル32を踏込んで荷役装置12を作動させるようになっている。このため、荷役装置12を作動させている時には、アクセルペダル32が踏込まれることにより、エンジン16が吹き上がり、エンジン回転数も上昇する。このような作業環境下で、例えば、運転者がインチングペダル33をオフ操作すると、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わり、フォークリフト10が急発進する可能性がある。すなわち、フォークリフト10は、車両の走行が不安定となる可能性を有する状況下で発進することとなる。したがって、前述のような作業環境下においても、フォークリフト10の走行に係る安定性を確保できる。
(3)走行駆動力が強制的に遮断された場合、エンジン回転数Mを制限解除回転数Mb以下の回転数に低下させる制御を実行し、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下の回転数に低下することにより走行駆動力を遮断した状態を解除する。フォークリフト10は、走行駆動力を遮断した状態が解除されると、駆動輪14に対する走行駆動力の伝達が復帰され、走行可能な状態となる。このため、フォークリフト10は、エンジン回転数Mが下がった状態で発進するので、安定した状態で発進させることができる。すなわち、フォークリフト10の急発進が防止され、発進時の安定性を確保できる。
(4)インチングペダル33の操作状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定し、その判定結果に基づき走行駆動力を遮断するか否かの判定(図8の発進制御処理のステップS23)を行う。インチングペダル33は、運転者がフォークリフト10を走行させる際(クラッチを接続)又は非走行(クラッチを遮断)させる際に、これらの意思を表す手段である。このため、インチングペダル33が操作されたことを契機に前記判定を行うことで、走行時に走行駆動力が強制的に遮断されても、その原因を容易に運転者に把握させることができる。
(5)荷役状態に応じて発進時の制御内容を異ならせている。具体的に言えば、加減速レベルが[1]又は[2]の場合には走行駆動力の遮断とエンジン回転数を低下させる制御を実行し、加減速レベルが[3]又は[4]の場合にはエンジン回転数を低下させる制御を実行する。このため、エンジン回転数(エンジン16)の制御のみによって対処できない状況において走行駆動力の遮断を行い、急発進を確実に回避させることができる。一方、エンジン回転数(エンジン16)の制御のみによって対処できる状況においては、走行駆動力を遮断せずにエンジン回転数の制御のみによって急発進を確実に回避させることができる。すなわち、本実施形態のフォークリフト10では、走行駆動力を遮断させる場合、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45を制御し、車両構造を複雑化することなく簡単に、かつ確実に走行駆動力を遮断させている。そして、フォークリフト10のような車両は、発進と停止を繰り返すものである。このため、発進時の制御を行う場合には、各電磁弁44,45を作動させるリレー回路(前進用リレー回路60と後進用リレー回路61)の作動回数も増加する可能性がある。したがって、荷役状態に応じて走行駆動力を遮断する場合と遮断しない場合とを分けることにより、リレー回路の作動回数を必要以上に増加させることなく発進時の制御を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図11にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成について、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、走行駆動力を強制的に遮断した場合、その遮断した状態を運転者の操作によって解除させるようになっている。具体的に言えば、アクセルペダル32を一旦オフ操作した後、当該アクセルペダル32を再びオン操作することを解除条件として遮断した状態を解除させるようになっている。図11は、本実施形態において車両制御装置52のCPU54が実行する発進制御処理である。
以下、本実施形態の発進制御処理について図11にしたがって説明する。なお、図11では、第1の実施形態で説明した発進制御処理(図8)と同一の処理内容については同一のステップ番号を付している。そして、以下の説明では、同一の処理内容について、その重複する説明を省略又は簡略し、異なる処理内容を中心に説明する。
図11に示す発進制御処理において車両制御装置52のCPU54は、ステップS23を肯定判定した場合、ステップS24で加減速レベルが[1]又は[2]であるか否かを判定し、その判定結果が肯定であればステップS25で走行駆動力を強制的に遮断する。ステップS25にてCPU54は、第1の実施形態と同様に前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45を制御し、走行駆動力を遮断する。そして、ステップS25で走行駆動力を遮断したCPU54は、ステップS40,S41にて前述した解除条件が成立したか否かを判定する。
まず、ステップS40にてCPU54は、アクセルペダル32に配設されたアクセル開度センサ70の検出信号を入力し、アクセルペダル32の踏込み量(アクセル開度)を取得する。CPU54は、アクセル開度センサ70の検出信号が「0(零)」を示す場合にアクセルペダル32が踏込まれていないこと(オフ操作)を検出し、アクセル開度センサ70の検出信号が「0(零)を超える値」を示す場合にアクセルペダル32が踏込まれていること(オン操作)を検出する。そして、ステップS41にてCPU54は、ステップS40で取得した情報をもとに、解除条件が成立したか否か、すなわち、アクセルペダル32がオフ操作され、その後にオン操作されたか否かを判定する。
ステップS41の判定結果が肯定の場合、CPU54は、ステップS27にて第1の実施形態と同様に前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45を制御し、走行駆動力を遮断した状態を解除する。これにより、走行駆動力(エンジン16の出力)は、変速機18を介して駆動輪14に伝達され、車両が走行可能な状態となる。一方、ステップS41の判定結果が否定の場合、CPU54は、ステップS40に戻り、当該ステップS40,S41の処理を繰り返し実行する。すなわち、CPU54は、解除条件が成立する迄の間、走行駆動力を遮断した状態を継続する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)、(2)及び(4)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(6)走行駆動力が強制的に遮断された場合、運転者がアクセルペダル32を一旦オフ操作し、その後にオン操作することによって、走行駆動力を遮断した状態を解除する。フォークリフト10は、運転者によってアクセルペダル32がオン操作されていることによりエンジン回転数Mが高まり、制限回転数Ma以上の回転数となる。そして、エンジン回転数Mは、運転者がアクセルペダル32をオフ操作することによって低下する。このため、これらの一連の操作を運転者に行わせることで、エンジン回転数Mを低下させる時間が確保でき、エンジン回転数Mを低下させた状態でフォークリフト10を走行可能な状態にすることができる。すなわち、フォークリフト10の急発進が防止され、発進時の安定性が確保される。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図12及び図13にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態の何れにも適用可能である。
本実施形態では、図8に示す発進制御処理のステップS20において、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定を、前進クラッチ42及び後進クラッチ43の各受圧室42a,43aのクラッチ圧を検出して行うようになっている。
以下、本実施形態のフォークリフト10の構成を図12にしたがって説明する。なお、図12は、第1の実施形態で説明したフォークリフト10の構成(図3に示す)と異なる部分を中心に図示したものであり、図12に図示していない部分(構成)は図3に示すフォークリフト10の構成と同一である。
図12に示すように、前進クラッチ42及び後進クラッチ43には、各受圧室42a,43aのクラッチ圧(油圧)を検出するクラッチ圧検出センサ80,81が配設されている。クラッチ圧検出センサ80,81は、車両制御装置52に接続され、各受圧室42a,43aの内部の油圧を検出し、当該油圧に応じた検出信号(クラッチ圧信号)を出力する。クラッチ圧検出センサ80,81は、例えば圧力センサからなる。また、本実施形態においてインチングペダル33には、インチングペダル33の踏込み量(ペダルストローク)を検出するインチング開度センサ82が配設されている。インチング開度センサ82は、車両制御装置52に接続され、踏込み量に応じた検出信号(インチング開度信号)を出力する。なお、インチングペダル33の操作形態については、第1の実施形態と同じであり、インチングペダル33は踏込むことによってクラッチを遮断する側に作動させ、踏込まれていない状態へ戻すことによってクラッチを接続する側へ作動させる。
また、車両制御装置52のメモリ55には、図13に示すマップデータ(以下、「接続判定データ」と示す)が記憶されている。接続判定データは、インチングペダル33の踏込み量とクラッチ圧との関係をグラフ化したものである。本実施形態の前進クラッチ42及び後進クラッチ43は、各受圧室42a,43aのクラッチ圧が小さくなると係合力が高まって接続状態となり、クラッチ圧が大きくなると係合力が小さくなって非接続状態となる。すなわち、インチングペダル33の踏込み量が小さい場合には、クラッチが接続状態となってクラッチ圧が小さくなり、インチングペダル33の踏込み量が大きい場合には、クラッチが非接続状態となってクラッチ圧が大きくなる。また、接続判定データには、クラッチが接続状態であるか又は非接続状態であるかを判定するための判定値として接続判定値と遮断判定値の2つが設定され、両値の間にヒステリシスを持たせている。すなわち、接続判定データでは、接続判定値と遮断判定値を境界として接続領域、半クラッチ領域、遮断領域の3つに分けられている。そして、半クラッチ領域は、インチングペダル33がオン操作されている場合(踏込み量が大きくなるように変化している場合)は接続領域に含まれ、インチングペダル33がオフ操作されている場合(踏込み量が小さくなるように変化している場合)は遮断領域に含まれる。
以下、本実施形態においてCPU54が図8に示す発進制御処理のステップS20で実行する処理内容を説明する。
図8に示す発進制御処理のステップS20にてCPU54は、クラッチ圧検出センサ80,81の検出信号を入力し、各受圧室42a,43aのクラッチ圧を取得する。続いて、CPU54は、取得したクラッチ圧とインチングペダル33の踏込み量の情報をもとに接続判定データからクラッチが接続状態であるか又は非接続状態であるかを判定する。なお、本実施形態においてCPU54は、所定の制御周期毎にインチング開度センサ82の検出信号を入力する。そして、CPU54は、前回の制御周期で取得した検出結果(インチングペダル33の踏込み量)と今回の制御周期で取得した検出結果を比較し、その比較結果からインチングペダル33がオン操作されているか又はオフ操作されているかを判定する。CPU54は、クラッチ圧とインチングペダル33の操作状態からクラッチが接続状態であることを判定した場合にはステップS20を肯定判定し、クラッチが非接続状態であることを判定した場合には発進制御処理を終了する。すなわち、CPU54は、インチングペダル33がオン操作されている場合にクラッチ圧が遮断判定値以上になると非接続状態であることを判定し、インチングペダル33がオフ操作されている場合にクラッチ圧が接続判定値以下になると接続状態であることを判定する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(7)クラッチ(前進クラッチ42及び後進クラッチ43)の受圧室42a,43a内のクラッチ圧(油圧)に応じて走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定を、インチングペダル33の操作状態をもとに行った場合、当該操作状態を検出する検出手段(例えば、インチングスイッチ71やインチング開度センサ82など)の組付精度などに検出結果が依存されることになる。すなわち、クラッチが接続されていない場合に制御的に接続されていると判定された場合には、その判定時とエンジン16の吹き上がりタイミングとの間に時間差が生じ、発進時の制御(図8や図11の発進制御処理)が実行されず、急発進する虞がある。また、既に接続されている場合に制御的に接続されていないと判定された場合には、発進時の制御が間に合わず、急発進する虞がある。しかし、本実施形態では、検出精度をさらに高め、判定精度を向上させるために、受圧室42a,43a内のクラッチ圧を直接検出し、走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する。したがって、前記判定精度が向上され、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図14及び図15にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1〜第3の実施形態の何れにも適用可能である。
本実施形態では、走行駆動力が走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わったことを判定した場合(図8に示す急発進制御処理のステップS20を肯定判定した場合)、その判定時点から所定時間が経過する迄の間、エンジン回転数Mを監視するようになっている。そして、前記判定時点から所定時間の間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上になった場合には、走行駆動力を強制的に遮断するようになっている。本実施形態では、所定時間を0.5秒に設定している。
図14(a)〜(d)には、アクセルペダル32とインチングペダル33の踏替え操作が行われた場合のアクセルペダル32の踏込み量の変化と、インチングペダル33の踏込み量の変化と、エンジン回転数の変化と、車速の変化をそれぞれ示している。図14(a)〜(d)は、横軸を時間軸とし、各図を同じ時間軸のもとで関係付けている。
図14(a)〜(d)に示すように、エンジン回転数と車速は、アクセルペダル32が踏込まれても、その踏込み操作に完全同期して上昇せず、遅れて上昇する。具体的に言えば、アクセルペダル32の踏込みにより、最初にエンジン回転数が上昇し、その後に車速が上昇する。このため、踏替え操作時にアクセルペダル32が踏込まれた状態でクラッチが接続されても、その接続時のエンジン回転数Mは制限回転数Ma未満の低回転領域となっている可能性がある。したがって、本実施形態では、エンジン回転数Mの上昇遅れを加味し、所定時間が経過する迄の間、エンジン回転数Mを監視するようになっている。
以下、本実施形態において車両制御装置52のCPU54が実行する発進制御処理について図15にしたがって説明する。なお、図15では、第1の実施形態で説明した発進制御処理(図8)と同一の処理内容については同一のステップ番号を付している。そして、以下の説明では、同一の処理内容について、その重複する説明を省略又は簡略し、異なる処理内容を中心に説明する。
図15に示す発進制御処理においてCPU54は、ステップS23を否定判定すると、ステップS42に移行する。ステップS42にてCPU54は、ステップS20を肯定判定してからの経過時間Tが所定時間Ta以上となったか否かを判定する。本実施形態のCPU54は、タイマ機能を有しており、ステップS20を肯定判定した場合、その時点からの時間(走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わってからの時間)を計測する。ステップS42の判定結果が否定の場合、CPU54は、ステップS22に移行し、当該ステップS22からの処理を繰り返し実行する。すなわち、CPU54は、所定時間Taが経過する迄の間、エンジン回転数を継続して判定する。そして、所定時間Taが経過する前にステップS23を肯定判定した場合、CPU54は、ステップS24へ移行し、以降の処理を実行する。
一方、ステップS42の判定結果が否定の場合、CPU54は、所定時間Taを経過してもエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上に上昇しなかったので(エンジン16が吹き上がらなかったので)、発進制御処理を終了する。なお、発進制御処理の終了後、CPU54は、計測時間を「0(零)」にリセットする。
この制御により、本実施形態では、走行駆動力接続状態への切り替え時(切り替えた瞬間)にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上になっていなくても、所定時間Taの間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上となれば車両の発進に制限(走行駆動力の強制遮断、エンジン回転数の低下など)を加えられる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(8)走行駆動力接続状態へ切り替えられた時(瞬間)を含む所定時間Taの間、エンジン回転数Mを監視し、所定時間Taの間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上の回転数になった場合に走行駆動力を強制的に遮断する。エンジン回転数Mは、運転者が走行駆動力接続状態へ切り替えると同時に車両の加速を指示しても、その切り替え時から遅れて上昇し、制限回転数Ma以上の回転数に至る可能性が高い。したがって、エンジン回転数Mの判定を走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から所定時間Taの間継続して行うことで、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図14及び図16にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1〜第3の実施形態の何れにも適用可能である。
本実施形態では、走行駆動力が走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わったことを判定した場合(図8に示す急発進制御処理のステップS20を肯定判定した場合)、その判定時点から車速が所定車速に達する迄の間、エンジン回転数Mを監視するようになっている。そして、前記判定時点から所定車速に達する迄の間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上になった場合には、走行駆動力を強制的に遮断するようになっている。本実施形態では、所定車速を3km/hに設定し、低車速領域において発進に制限を加えるか否かを判定している。車速は、図14(d)に示すように、アクセルペダル32が踏込まれても、その踏込み操作に完全同期して上昇せず、エンジン回転数と同様に遅れて上昇する。このため、踏替え操作時にアクセルペダル32が踏込まれた状態でクラッチが接続されても、その接続時のエンジン回転数Mは制限回転数Ma未満の低回転領域となっている可能性があり、車速も低速となっている可能性がある。したがって、本実施形態では、エンジン回転数Mと車速の上昇遅れを加味し、所定車速に達する迄の間、エンジン回転数Mを監視するようになっている。
以下、本実施形態において車両制御装置52のCPU54が実行する発進制御処理について図16にしたがって説明する。なお、図16では、第1の実施形態で説明した発進制御処理(図8)と同一の処理内容については同一のステップ番号を付している。そして、以下の説明では、同一の処理内容について、その重複する説明を省略又は簡略し、異なる処理内容を中心に説明する。
図16に示す発進制御処理においてCPU54は、ステップS23を否定判定すると、ステップS43に移行する。ステップS43にてCPU54は、車速センサ63の検出信号を入力し、車速を取得する。CPU54は、車速センサ63の検出信号をエンジン制御装置53のCPU57を介して入力する。続いて、ステップS44にてCPU54は、ステップS43で取得した車速(図16では「S」と示す)と所定車速(図14及び図16では「Sa」と示す)を比較し、車速Sが所定車速Sa以上となったか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、CPU54は、ステップS22に移行し、当該ステップS22からの処理を繰り返し実行する。すなわち、CPU54は、所定車速Saに達する迄の間、エンジン回転数を継続して判定する。そして、所定車速Saに達する前にステップS23を肯定判定した場合、CPU54は、ステップS24へ移行し、以降の処理を実行する。
一方、ステップS44の判定結果が否定の場合、CPU54は、所定車速Saに達してもエンジン回転数Mが回転数Ma以上に上昇しなかったので(エンジン16が吹き上がらなかったので)、発進制御処理を終了する。
この制御により、本実施形態では、走行駆動力接続状態への切り替え時(切り替えた瞬間)にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上になっていなくても、所定車速Saに達する迄の間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上となれば車両の発進に制限(走行駆動力の強制遮断、エンジン回転数の低下など)を加えられる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(9)走行駆動力接続状態へ切り替えられた時(瞬間)から車速Sが所定車速Saに達する迄の間、エンジン回転数Mを監視し、所定車速Saに達する迄の間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上の回転数になった場合に走行駆動力を強制的に遮断する。エンジン回転数Mは、運転者が走行駆動力接続状態へ切り替えると同時に車両の加速を指示しても、その切り替え時から遅れて上昇し、制限回転数Ma以上の回転数に至る可能性が高い。したがって、前記判定を走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から車速Sが所定車速Saに達する迄の間継続して行うことで、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態を図6及び図10にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1〜第5の実施形態の何れにも適用可能である。
本実施形態では、フォークリフト10の走行中に荷役状態が変化し、その変化に対応させて車両走行の制限内容(最高車速値と加減速度値など)を変更する場合に、急激な車速変化(加速側への変化及び減速側への変化)を抑制する制御(以下、「適正制御」と示す)を実行させるようになっている。荷役状態の変化とは、例えば、揚高が低揚高から高揚高又は高揚高から低揚高に変化する場合や、ティルト角が後傾範囲内から後傾範囲外又は後傾範囲外から後傾範囲内に変化する場合などである。本実施形態では、適正制御をエンジン制御装置53のCPU57が実行する。このような急激な車速変化は、アクセルペダル32を目一杯踏込んでフォークリフト10を走行している場合に顕著に現れる。例えば、車両走行に制限を加える制限状態から制限を加えない非制限状態へ変化した場合、フォークリフト10は最高車速や加減速度の制限がなくなることによって急加速し、不安定になる虞がある。その逆に、非制限状態から制限状態へ変化した場合、フォークリフト10は最高車速や加減速度に制限が加わることによって急減速し、不安定になる虞がある。また、制限内容が緩和された場合、フォークリフト10は最高車速や加減速度の制限が緩和される(すなわち、最高車速値が速くなる)ことによって急加速し、不安定になる虞がある。
以下、本実施形態においてエンジン制御装置53のCPU57が実行する適正制御の制御内容を説明する。なお、本実施形態において車両制御装置52のCPU54は、第1の実施形態と同様に図7に示す制限判定処理を実行する。
エンジン制御装置53のCPU57は、車両制御装置52のCPU54が出力する制限信号で指示される制限内容(最高車速値及び加減速度値)をメモリ58に記憶する。このとき、CPU57は、前回の制御周期で入力した制限信号で指示される制限内容と今回の制御周期で入力した制限信号で指示される制限内容をメモリ58に記憶する。そして、CPU57は、メモリ58に記憶されている前回の制御周期の制限内容と今回の制御周期の制限内容とを比較し、前回の制御周期と今回の制御周期とで制限内容が変化したか否かを判定する。具体的に言えば、CPU57は、揚高の変化に伴って制限内容に変化があったか否か、及びティルト角の変化に伴って制限内容に変化があったか否かを判定する。揚高変化に伴う制限内容の変化には、非制限状態から制限状態への変化(以下、「変化パターンP1」と示す)と、制限状態から非制限状態への変化(以下、「変化パターンP2」と示す)を含む。また、ティルト角の変化に伴う制限内容の変化には、ティルト角が後傾範囲内から後傾範囲外へ変化したことに伴う最高車速値と加減速度値の変化(以下、「変化パターンP3」と示す)と、ティルト角が後傾範囲外から後傾範囲内へ変化したことに伴う最高車速値と加減速度値の変化を(以下、「変化パターンP4」と示す)を含む。
そして、CPU57は、車両走行の制限内容に変化がなかった場合、今回の制御周期の制限内容にしたがってエンジン回転数を調整し、エンジン16を制御する。具体的に言えば、車両走行に制限が加えられない場合、CPU57は、アクセルペダル32に配設されたアクセル開度センサ70の検出信号(アクセルペダル32の踏込み量)に応じてスロットルアクチュエータ35を制御し、エンジン回転数を調整する。また、車両走行に制限が加えられる場合、CPU57は、メモリ58に記憶した最高車速値と加減速度値に基づき、図10に示す回転数調整データを用いてエンジン回転数を調整する。
一方、CPU57は、車両走行の制限内容に変化があった場合、その変化態様が変化パターンP1〜P4の何れであるかを判定する。そして、CPU57は、変化パターン毎に予め定めた制御内容にしたがってエンジン回転数を調整し、エンジン16を制御する。変化パターンP1の場合、CPU57は、最高車速値として制限信号で指示された最高車速値を使用し、加減速度値は制限信号で指示された加減速度値(加減速レベル)に代えて加減速レベル1を使用する。例えば、CPU57は、制限信号で最高車速値[15(km/h)]と加減速レベル4が指示されている場合であっても、加減速レベル1を使用して制御を行う。また、変化パターンP2の場合、CPU57は、最高車速値の制限を解除する(最高車速値に制限を加えない)一方で、加減速度値については加減速レベル1を使用して制御を行う。
また、変化パターンP3の場合、CPU57は、最高車速値及び加減速度値ともに制限信号で指示された最高車速値及び加減速度値を使用して制御を行う。また、変化パターンP4の場合、CPU57は、最高車速値として制限信号で指示された最高車速値を使用し、加減速度値は制限信号で指示された加減速度値(加減速レベル)よりも一段階下げた加減速レベルを使用する。例えば、CPU57は、前回の制御周期の制限内容が最高車速値[12(km/h)]で、加減速レベル3の場合に、今回の制御周期の制限内容が最高車速値[15(km/h)]で、加減速レベル4であれば、最高車速値は[15(km/h)]を使用し、加減速度値は加減速レベル3を使用する。
そして、CPU57は、前述した適正制御により、加減速レベルに制限を加えた場合(加減速レベルを変更した場合)、アクセルペダル32の操作状態に応じて加減速レベルを正規のレベルに戻す。すなわち、CPU57は、アクセルペダル32がオン操作からオフ操作されたか否かを監視し、オン操作からオフ操作されたことを検出した場合には加減速レベルを戻す。具体的に言えば、変化パターンP1の場合、CPU57は、加減速レベル1に対応する加減速度値を制限信号で指示された加減速度値(加減速レベル)に戻す。変化パターンP2の場合、CPU57は、加減速レベルの設定を解除し、加減速度に制限を加えない状態に変更する。変化パターンP3の場合、CPU57は、加減速レベルを変更していないので、その状態を維持する。変化パターンP4の場合、CPU57は、加減速度値を制限信号で指示された加減速度値(加減速レベル)に戻す。
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)〜(5)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(10)車両走行の制限内容に変化が生じた場合、その変化具合に応じて加減速レベルを選択し、走行時制御を実行する。このため、制限内容に変化が生じた場合の急激な車速変化を抑制できる。すなわち、制限内容に変化が生じた場合には、フォークリフト10の加速や減速がゆっくり行われることになる。その結果、制限内容の変化時に走行が不安定になることを回避し、フォークリフト10を安定して走行させることができる。そして、本実施形態の適正制御を実行することにより、フォークリフト10の発進時及び走行時の何れにおいても走行安定性を確保できる。また、フォークリフト10の走行中においては、最高車速及び加減速度の制御のみでは実現し得ない走行安定性を確保できる。また、フォークリフト10の走行に変化が生じたことに対し、運転者に当該変化に対応する時間を与えることができ、冷静な対処を促すことができる。
(11)また、適正制御では、運転者がアクセルペダル32をオフ操作することによって正規の加減速レベル(荷役状態に応じた加減速レベル)に戻すようにしている。このため、運転者の作業性を損なわせることなく、適正制御によってフォークリフト10に加えられた制限(加減速レベルの設定)を解除させることができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態を図17〜図20にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成については、その重複する説明を省略又は簡略する。
前記各実施形態では、平地における発進時を想定し、上り坂(登坂途中)における発進を想定していない。即ち、急発進防止制御を行った際、エンジン回転数が一定値(制限解除回転数Mb)以下に低下したことを検出して、駆動力遮断状態とエンジン回転数低下制御状態を解除して走行可能にする。しかし、登り坂でのずり下がりを防止するように制限解除回転数Mbを高く設定すると、平地における発進時に問題が生じる。即ち、図17に示すように、エンジン回転数が制限回転数Maの時刻t0で急発進防止制御を開始した後、エンジン回転数が制限解除回転数Mbに低下した時刻(時点)t1で急発進防止制御を終了すると、坂道(登り坂)ではずり下がることなく発進できるが、平地では急発進してしまう。また、平地での急発進を防止するように制限解除回転数Mbを低く設定すると、坂道における発進時に問題が生じる。即ち、図18に示すように、エンジン回転数が制限回転数Maの時刻t0で急発進防止制御を開始した後、エンジン回転数が制限解除回転数Mbに低下した時刻(時点)t1で急発進防止制御を終了すると、平地での急発進は防止されるが、坂道(登り坂)ではずり下がりが発生する。本実施形態では、登坂途中での発進時におけるずり下がりの抑制と、平地での急発進の抑制とを両立させることが可能になっている。
車両制御装置52のメモリ55には、制限回転数Ma、制限解除回転数Mbの他に回転数低下解除回転数Mcが記憶されている。回転数低下解除回転数Mcは制限解除回転数Mbより小さな(低い)値に設定されている。制限解除回転数Mbは平地で急発進しない回転数より高い回転数に設定され、回転数低下解除回転数Mcはそれより低い回転数に設定されている。制限解除回転数Mb及び回転数低下解除回転数Mcは、荷役状態(車両走行時の制限内容)を考慮し、どの位までエンジン回転数を低下させ、発進させると発進時の安定性を維持し得るかを実験(シミュレーション)し、求められるものである。このため、制限解除回転数Mb及び回転数低下解除回転数Mcは、フォークリフト10の車種に応じて変動する。本実施形態では、例えば、制限回転数Maは1700(回転/分)、制限解除回転数Mbは1500(回転/分)、回転数低下解除回転数Mcは1200(回転/分)に設定されている。
車両制御装置52のCPU54は、発進制御処理において、ステップS23までは前記各実施形態と同じ処理を行う。メモリ55には図19に示すフローチャートを実施する制御プログラムが記憶されている。なお、フローチャートにおいてステップS24までは図8とおなじであり、一部の図示を省略している。
以下、本実施形態の発進処理について図19にしたがって説明する。なお、図19では、第1の実施形態で説明した発進制御処理(図8)と同一の処理内容については同一のステップ番号を付している。そして、以下の説明では、同一の処理内容について、その重複する説明を省略又は簡略し、異なる処理内容を中心に説明する。
図19に示す発進制御処理において車両制御装置52のCPU54は、ステップS23を肯定判定した場合、ステップS24で加減速レベルが[1]又は[2]であるか否かを判定し、その判定結果が肯定であればステップS25で走行駆動力を強制的に遮断する。ステップS25にてCPU54は、第1の実施形態と同様に前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45を制御し、走行駆動力を遮断する。そして、ステップS25で走行駆動力を遮断したCPU54は、続いてエンジン吹き下がり処理を実行する。即ち、CPU54は、ステップS30でエンジンアイドル要求(エンジン16の回転数を下げるための要求)を行う。CPU54のエンジンアイドル要求信号を入力したCPU57は、スロットルアクチュエータ35を制御し、エンジン16の回転数を調整する。CPU57は、アクセル開度センサ70の検出結果(アクセルペダル32の踏込み量)に関係なく、エンジン回転数を低下させるようにエンジン16を制御する。
ステップS30の終了後、ステップS31にてCPU54は、エンジン回転数を取得する。そして、CPU54は、ステップS32において、取得したエンジン回転数(図19には[M]で示す)と予め定めた制限解除回転数(図19には[Mb]で示す)とを比較し、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下であるか否かを判定する。制限解除回転数Mbは、制限回転数Maよりも低く設定されており、本実施形態では[1500回転/分]に設定されているステップS32の判定結果が否定(Mb<M)の場合、CPU54は、ステップS31に移行し、当該ステップS31からの処理を繰り返し実行する。一方、ステップS32の判定結果が肯定(Mb≧M)の場合、CPU54はステップS27に移行し、当該ステップS27にて走行駆動力を遮断した状態を解除し、走行駆動力を復帰させる。ステップS27においてCPU54は、前記実施形態と同様に、前進用電磁弁44又は後進用電磁弁45を制御して走行駆動力を復帰させる。
実施形態1では、ステップS32の判定結果が肯定(Mb≧M)の場合、CPU54は、吹き下がり処理を終了して走行駆動力を復帰させたが、本実施形態では吹き下がり処理を継続する。CPU54は、ステップS27の後、ステップS51に移行し、ステップS51にてCPU54は、エンジン回転数を取得する。そして、CPU54は、ステップS52において、取得したエンジン回転数(図19には[M]で示す)と予め定めた回転数低下解除回転数(図19には[Mc]で示す)とを比較し、エンジン回転数Mが回転数低下解除回転数Mc以下であるか否かを判定する。
ステップS52の判定結果が否定(Mc<M)の場合、CPU54はステップS51に移行し、当該ステップS51からの処理を繰り返し実行する。一方、ステップS52の判定結果が肯定(Mc≧M)の場合、CPU54はステップS53に移行し、当該ステップS53において回転数低下処理状態を解除する。即ち、エンジンの吹き下がり処理を終了する。ステップS53の処理後、CPU54は発進制御処理を終了する。
その結果、急発進防止制御を行った場合における走行駆動力の遮断解除及びエンジン回転数低下制御解除に伴うフォークリフト10の車速の変化状態は図20に示すようになる。即ち、平地における発進時には、時刻t0で走行駆動力が遮断された後、エンジン回転数が制限解除回転数Mbに低下して、走行駆動力の遮断が解除された時刻t1と同時に急発進ではない車速で発進する。その後、エンジン回転数が回転数低下解除回転数Mcに低下してエンジン回転数低下制御が解除された時刻t3からは、車速がそれまでより高い加速で上昇する状態となる。
また、坂道における発進時には、エンジン回転数が制限解除回転数Mbに低下して、走行駆動力の遮断が解除された時刻t1から遅れた時刻t2で平地の場合より遅い車速で発進する。その後、エンジン回転数が回転数低下解除回転数Mcに低下してエンジン回転数低下制御が解除された時刻t3からも、車速が平地の場合より遅い加速度で次第に増加する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(12)遮断制御手段(CPU54)が走行駆動力を遮断した場合に、エンジン回転数を制限回転数Maよりも低く設定される制限解除回転数Mb以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段(CPU54)を備えている。遮断制御手段は、走行駆動力を遮断した場合に、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下したことを契機に、走行駆動力を遮断した状態を解除するが、エンジン回転数低下制御は継続する。そして、エンジン回転数が制限解除回転数Mbより小さな回転数低下解除回転数Mc以下に低下したことを契機にエンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除する。これによれば、制限解除回転数Mbが平地で急発進しない回転数より高い回転数に設定されていても、フォークリフト10が平地において直ちに制限解除回転数Mbに対応する速度で急発進することは抑制される。また、坂道でのずり下がりも抑制される。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態を図21〜図23にしたがって説明する。本実施形態は、急発進防止制御(発進制御)において、走行駆動力を遮断した状態を解除する条件(要素)に、エンジン回転数の他にフォークリフト10の車速を加えた点と、走行駆動力の遮断解除と同時にエンジン回転数低下制御状態を解除する点とが前記第7の実施形態と大きく異なっている。その他の構成は第7の実施形態と同じであり、既に説明した実施形態と同一構成については、その重複する説明を省略又は簡略する。
車両制御装置52のCPU54は、発進制御処理において、ステップS25までは前記第7の実施形態と同じ処理を行う。メモリ55には図21に示すフローチャートを実施する制御プログラムが記憶されている。なお、フローチャートにおいてステップS25までは図19と同じであり、一部の図示を省略している。
CPU54は、ステップS25において第7の実施形態と同様にして走行駆動力を遮断する。そして、ステップS25で走行駆動力を遮断したCPU54は、ステップS55において、車速センサ63の検出信号を入力し、車速を取得する。CPU54は、車速センサ63の検出信号をエンジン制御装置53のCPU57を介して入力する。続いて、ステップS56にてCPU54は、ステップS55で取得した車速(図21では「S」と示す)と制限解除車速(図21では「Sb」と示す)を比較し、車速Sが制限解除車速Sb以上となったか否かを判定する。この判定結果が肯定(S≧Sb)の場合、CPU54はステップS27に移行し、当該ステップS27にて走行駆動力を遮断した状態を解除し、走行駆動力を復帰させる。ステップS27においてCPU54は、前記実施形態と同様に、前進用電磁弁44又は後進用電磁弁45を制御して走行駆動力を復帰させる。
一方、ステップS56の判定結果が否定(S<Sb)の場合、CPU54は、ステップS57に移行し、エンジン回転数を取得する。そして、CPU54は、ステップS57において、取得したエンジン回転数(図21には[M]で示す)と予め定めた制限解除回転数(図21には[Mb]で示す)とを比較し、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下であるか否かを判定する。制限解除回転数Mbは、制限回転数Maよりも低く、平地における発進時に急発進しない値に設定されており、本実施形態では[1500回転/分]に設定されている。
ステップS58の判定結果が否定(Mb<M)の場合、CPU54は、ステップS55に移行し、当該ステップS55からの処理を繰り返し実行する。一方、ステップS58の判定結果が肯定(Mb≧M)の場合、CPU54はステップS27に移行し、当該ステップS27にて走行駆動力を遮断した状態を解除し、走行駆動力を復帰させる。
その結果、緩い坂道で急発進防止制御を行った場合は、走行駆動力の遮断及び走行駆動力の遮断解除に伴うフォークリフト10の車速の変化状態は、図22に示すようになる。即ち、時刻t0で走行駆動力が遮断された後、エンジン回転数が低下しフォークリフト10が坂道をずり下がって車速が制限解除車速Sbになった時点t11で走行駆動力の遮断が解除されると、フォークリフト10が発進する。その結果ずり下がりが抑制される。
また、急な坂道で急発進防止制御を行った場合は、走行駆動力の遮断及び走行駆動力の遮断解除に伴うフォークリフト10の車速の変化状態は、図23に示すようになる。即ち、時刻t0で走行駆動力が遮断された後、エンジン回転数が低下しフォークリフト10が坂道をずり下がって車速が制限解除車速Sbになった時刻(時点)t11で走行駆動力の遮断が解除されると、フォークリフト10が発進する。急な坂道ではずり下がりによってフォークリフト10の車速が制限解除車速Sb以上になるまでの時間が短く、時刻t11でのエンジン回転数は緩い坂道の場合に比較して高い回転数になる。そのため、フォークリフト10のずり下がり量は少なくなる。
また、平地における発進時には、ずり下がりがないため、走行駆動力の遮断が行われた場合、走行駆動力の遮断解除が行われるまでフォークリフト10の車速Sが制限解除車速Sbに達することはない。そのため、車速Sによる条件で走行駆動力の遮断が解除されることはない。そして、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下になった時点で走行駆動力の遮断が解除されて走行駆動力の復帰が行われる。制限解除回転数Mbは平地における発進時に急発進しない値に設定されているためフォークリフト10の急発進は発生しない。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(13)遮断制御手段(CPU54)によって走行駆動力が強制的に遮断された場合、車速が予め設定された制限解除速度Sb以上になると、又は前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数Mb以下の回転数に低下すると、走行駆動力を遮断した状態が解除される。したがって、急な坂道であっても発進時におけるずり下がりを抑制することができるとともに平地での急発進も防止することができ、フォークリフト10を安定した状態で発進させることができる。また、走行駆動力を遮断した状態の解除と同時にエンジン回転数低下制御も終了するため、走行駆動力の遮断解除とエンジン回転数低下制御の終了を別の条件で行う場合に比較して制御が容易になる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 各実施形態は、トルクコンバータ式のフォークリフト10(トルクコンバータ車)に具体化したが、クラッチ式のフォークリフト(クラッチ車)やHST車(Hydrostatic Transmission車)に具体化しても良い。MT車の場合には、例えば、各実施形態と同様に遮断制御において変速機を構成するクラッチを接続状態から非接続状態に変更し、走行駆動力の伝達を強制的に遮断する。HST車の場合には、例えば、遮断制御において変速機を構成する油圧ポンプと油圧モータとの間の油圧経路を遮断することにより、走行駆動力の伝達を強制的に遮断する。
○ 各実施形態において、最高車速と加減速度に制限を加えるか否かの判定や、最高車速及び加減速度を算出するために用いるパラメータを変更しても良い。例えば、揚高と荷重によって前記判定を行うとともに最高車速及び加減速度を算出するように各マップデータを構成しても良い。また、図4に示す制限要否データでは、揚高の区分や荷重の区分を細分化し、制限領域を複数領域設定しても良い。この場合、複数の制限領域毎に図5に示す車速算出データと図6に示す加減速算出データを作成し、制限領域に応じて最高車速値と加減速度値を算出するためのデータを変更する。なお、揚高の区分を細分化する場合、マスト19には複数のリミットスイッチを配設して揚高の検出を行っても良いし、リールセンサなどを配設して揚高を逐次検出するようにしても良い。
○ 各実施形態において、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45をソレノイドへの通電量が0(零)の時に全閉で、通電されると全開となる電磁弁としても良い。
○ 各実施形態において、前進用リレー回路60及び後進用リレー回路61を常閉接点に代えて常開接点を用いて構成しても良い。常開接点を用いる場合、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45は、常開接点が閉じられることにより通電され、開かれることにより非通電とされる。
○ 各実施形態において、前進クラッチ42及び後進クラッチ43の構成を変更しても良い。すなわち、各受圧室42a,43aのクラッチ圧が大きくなることによって係合力が大きくなり、クラッチ圧が小さくなることにより係合力が小さくなるように構成しても良い。
○ 各実施形態において、前進クラッチ42及び後進クラッチ43に作動油を供給する供給経路上にバイパス通路を設け、走行駆動力を強制的に遮断する場合に供給通路の切り替えによってバイパス通路を介して前進クラッチ42や後進クラッチ43に作動油を供給しても良い。また、前述のように前進クラッチ42及び後進クラッチ43をクラッチ圧が大きくなることによって係合力が大きくなるように構成した場合には、供給通路を遮断して作動油の流れを切り替えることによって走行駆動力を強制的に遮断するようにしても良い。
○ 各実施形態において、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられた時の車速を検出し、当該車速が予め定めた車速以下の場合にエンジン回転数の制御や遮断制御を実行するようにしても良い。この場合、車速としては、例えば、3km/h以下など、低速領域が設定される。この構成によれば、フォークリフト10の走行中(高速走行中)に走行駆動力遮断状態や走行駆動力接続状態にするための操作が行われても、前述したエンジン回転数の制御や遮断制御などが実行されないことで、走行安定性を確保できる。すなわち、前述したエンジン回転数の制御や遮断制御を、フォークリフト10の発進時を対象に実行でき、走行中に車両が不安定になることを回避できる。
○ 各実施形態において、車両制御装置52のCPU54は、加減速度を制限する場合、その制限時の加減速度値に代えて加減速レベルを指示する信号をエンジン制御装置53に出力しても良い。
○ 各実施形態において、発進制御処理で用いるエンジン回転数を、アクセル開度やスロットル開度の検出値から算出しても良い。また、エンジン回転数に代えてアクセル開度やスロットル開度を用いて処理を行っても良い。この構成によれば、エンジン回転数センサ62を装備していないフォークリフト10であっても、アクセル開度やスロットル開度を検出することで、エンジン制御に最低限必要なセンサ(検出手段)を使用して制御を行うことができる。
○ 第1の実施形態では、荷役状態が特に厳しい状態(第1の実施形態の場合には加減速レベルが[1]又は[2]の状態)のときに、走行駆動力を遮断し、かつエンジン回転数を低下させている。この制御に代えて、最高車速や加減速度など車両の走行に制限を加える必要がある場合には、荷役状態に関係なく、走行駆動力を遮断し、かつエンジン回転数を低下させるようにしても良い。
○ 第1の実施形態において、荷役状態が特に厳しい状態のときに走行駆動力を遮断し、かつエンジン回転数を低下させ、それ以外のときにはエンジン回転数の制御や遮断制御を実行せずにフォークリフト10を発進させるようにしても良い。例えば、第1の実施形態において加減速レベル[3]又は[4]が、フォークリフト10に荷が搭載されている場合であっても、フォークリフト10を安定して発進させることができる荷役状態であれば、発進時に何ら制限を加えることなく発進させても良い。
○ 第1の実施形態において、走行駆動力を強制的に遮断した場合、その遮断後、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下に低下する迄に要する時間の経過によって走行駆動力を復帰させても良い。なお、前記時間は、シミュレーションによって算出される。また、第1の実施形態において、走行駆動力を強制的に遮断した場合、その遮断時のエンジン回転数に応じて当該エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下に低下するまでに要する時間を算出し、当該時間の経過によって走行駆動力を復帰させても良い。例えば、エンジン回転数M1の場合には時間T1経過後に走行駆動力を復帰させ、エンジン回転数M2(<M1)の場合には時間T2(<T1)経過後に走行駆動力を復帰させても良い。この構成によれば、エンジン回転数が高回転領域の場合には、時間を掛けて走行駆動力が遮断された状態を解除する。その一方で、エンジン回転数が低回転領域の場合には、即座に走行駆動力が遮断された状態を解除する。したがって、フォークリフト10の走行安定性と操作性の両立を図ることができる。
○ 第1の実施形態では、エンジン回転数を調整する際に使用するマップデータ(回転数調整データ)がメモリ58に記憶されているが、マップデータに代えて、CPU57が入力した情報(最高車速値、加減速度値、車速)をもとに予め定めた演算式を用いてエンジン回転数の調整量を算出するようにしても良い。
○ 第1、第2、第4〜第6の実施形態において、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定を、前後進レバー31の操作やブレーキペダル34の操作をもとに行っても良い。前後進レバー31の操作をもとに前記判定を行う場合には、前後進レバー31が中立位置[N]から前進位置[F]又は後進位置[R]に操作されることにより走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたことを判定する。また、ブレーキペダル34の操作をもとに前記判定を行う場合には、オン操作からオフ操作されることにより走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたことを判定する。そして、前記実施形態では、インチングペダル33の操作をもとに前記判定を行っているが、インチングペダル33、前後進レバー31及びブレーキペダル34の各操作状態を任意に組み合わせて前記判定を行うようにしても良い。例えば、前後進レバー31が中立位置[N]から前進位置[F]又は後進位置[R]に操作され、かつインチングペダル33がオフ操作からオン操作された場合に走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたことを判定しても良い。
○ 第1、第2、第4〜第6の実施形態において、インチングペダル33の踏込み量(ペダルストローク量)を検出し、その検出結果をもとにクラッチの接続状態又は非接続状態を検出するようにしても良い。
○ 第2の実施形態において、走行駆動力を強制的に遮断した場合、エンジン回転数Mが制限解除回転数Mb以下に低下したことを契機に走行駆動力を復帰させても良い。なお、第2の実施形態では、走行駆動力を強制的に遮断した場合、車両制御装置52からエンジン制御装置53へのエンジンアイドル要求が行われないので、エンジン回転数を低下させるためには運転者がアクセルペダル32をオフ操作する必要があり、そのオフ操作によってエンジン回転数が低下する。
○ 第2の実施形態において、走行駆動力を強制的に遮断した場合、運転者が走行駆動力接続状態を走行駆動力遮断状態へ切り替えたことを契機に、走行駆動力を復帰させても良い。この場合、運転者の操作としては、インチングペダル33をオン操作すること、又は前後進レバー31を中立位置[N]に操作することが挙げられる。
○ 第3の実施形態において、接続判定値と遮断判定値を1つにまとめても良い。
○ 第5の実施形態の所定時間Taや第6の実施形態の所定車速Saは変更しても良い。
○ 第6の実施形態において、制限内容が変化した場合に選択する加減速レベルを変更しても良い。すなわち、急加速や急減速を回避し得るように、正規の加減速レベルよりも加減速度値が小さくなる加減速レベルを選択する。
○ 第6の実施形態において、制限内容が変化されたか否かの判定を車両制御装置52のCPU54にて行い、当該CPU54が前記判定の結果に応じて最高車速値と加減速度値をエンジン制御装置53のCPU57に指示し、当該指示にしたがってCPU57が制御を実行するようにしても良い。
○ 第7の実施形態において、CPU54は、走行駆動力を遮断した場合に、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下したことに代えて、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に走行駆動力を遮断した状態を解除してもよい。この時間は、予め試験(シミュレーション)によって求められる。また、エンジン回転数が制限解除回転数Mbより小さな回転数低下解除回転数Mc以下に低下したことの代わりに、エンジン回転数が回転数低下解除回転数Mc以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機にエンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除(終了)するようにしてもよい。
○ 第7の実施形態において、走行駆動力を遮断した場合の走行駆動力の遮断状態を解除する条件として、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下に低下すること及びエンジン回転数が制限解除回転数Mb以下に低下するのに必要な時間が経過したことのいずれか一方を満足するようにしてもよい。
○ 第8の実施形態において、CPU54は、走行駆動力を遮断した場合に、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下したことに代えて、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、走行駆動力を遮断した状態を解除してもよい。
○ 第7の実施形態において、CPU54が走行駆動力を遮断した場合に、走行駆動力の遮断状態を解除する条件に、車速が制限解除車速Sb以上になったことを加えてもよい。即ち、CPU54は、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下したこと又は車速が制限解除車速Sb以上になったことを契機に、走行駆動力の遮断を解除するようにしてもよい。この場合、制限解除回転数Mbの値が適していない坂道であっても、発進制御処理を良好に実行することができる。
○ 前進クラッチ42及び後進クラッチ43としてソレノイドへの通電量を調整することにより、非係合状態(非接続状態)、半クラッチ状態、完全接続状態の3段階に制御可能な構成の電磁弁を備えた油圧クラッチを使用する。そして、第7の実施形態において、走行駆動力を遮断した状態の解除の際は、クラッチを半クラッチの状態で走行駆動力を伝達可能にし、エンジン回転数が回転数低下解除回転数Mc以下に低下した時点でクラッチを完全に接続するように構成してもよい。
○ 各実施形態では、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられた時の荷役状態とエンジン回転数から走行駆動力を強制的に遮断する制御が行われているが、荷役状態又はエンジン回転数の何れか一方の情報をもとに前記制御を行うようにしても良い。例えば、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられた時の荷役状態が車両の走行に制限を加える必要のある状態であれば、走行駆動力を強制的に遮断する。すなわち、フォークリフト10では、発進時にエンジン16が吹き上がっていない場合であっても、高揚高などの荷役状態の影響を受けて発進時の走行が不安定になる虞がある。このため、荷役状態に応じて走行駆動力を強制的に遮断することで、車両走行が不安定となる可能性がある状況下での発進を回避できる。そして、走行駆動力を遮断することにより、運転者に対して荷役状態の変更(例えば、低揚高に変更するなど)を促すことができる。また、フォークリフト10は、荷を搭載して走行する車両であることから、走行が不安定にならないように特に発進時には注意が必要である。このため、荷役状態が例え低揚高や軽荷重であっても、発進時にエンジン16が吹き上がっていれば急発進してしまい走行が不安定になる虞がある。したがって、エンジン回転数に応じて走行駆動力を強制的に遮断することで、車両走行が不安定となる可能性がある状況下での発進を回避できる。そして、走行駆動力を遮断することにより、運転者に対してアクセルペダル32の操作形態の変更(例えば、踏込み量を少なくするなど)を促すことができる。
フォークリフトの側面図。 車両制御装置と前進用電磁弁及び後進用電磁弁との間に介在される前進用リレー回路及び後進用リレー回路の構成図。 フォークリフトの概略構成図。 荷役状態における車両の制限領域と非制限領域の関係を示す関係図。 荷役状態と最高車速値の関係を示す関係図。 荷役状態と加減速度値の関係を示す関係図。 制限判定処理を示すフローチャート。 第1の実施形態における発進制限処理を示すフローチャート。 図8の発進制限処理のサブルーチンとして実行されるエンジン吹き下がり処理を示すフローチャート。 エンジン回転数の調整量と、車速差と、加減速レベルとの関係を示す関係図。 第2の実施形態における発進制限処理を示すフローチャート。 第3の実施形態におけるフォークリフトの構成を示す構成図。 クラッチ圧とインチングペダルの踏込み量との関係を示す関係図。 (a)〜(d)は、アクセルペダルの踏込み量と、インチングペダルの踏込み量と、エンジン回転数と、車速との関係を示す関係図。 第4の実施形態における発進制御処理を示すフローチャート。 第5の実施形態における発進制御処理を示すフローチャート。 第7の実施形態における制御を行わない場合の車速とエンジン回転数の関係を示す関係図。 第7の実施形態における制御を行わない場合の車速とエンジン回転数の関係を示す関係図。 第7の実施形態における発進制御処理を示すフローチャート。 第7の実施形態の作用を示す車速とエンジン回転数の関係を示す関係図。 第8の実施形態における発進制御処理を示すフローチャート。 第8の実施形態の緩い坂道における作用を示す車速とエンジン回転数の関係を示す関係図。 第8の実施形態の急な坂道における作用を示す車速とエンジン回転数の関係を示す関係図。
符号の説明
10…フォークリフト、14…駆動輪、16…エンジン、18…動力伝達機構としての変速機、22…荷役具としてのフォーク、31…走行指示手段としての前後進レバー、32…車両加速手段としてのアクセルペダル、33…インチング操作手段としてのインチングペダル、34…ブレーキ操作手段としてのブレーキペダル、42…クラッチとしての前進クラッチ、42a…受圧室、43…クラッチとしての後進クラッチ、43a…受圧室、52…走行制御装置を構成する車両制御装置、53…走行制御装置を構成するエンジン制御装置、54…接続判定手段、荷役状態判定手段、遮断制御手段、エンジン回転数判定手段及びエンジン回転数制御手段としてのCPU、57…エンジン回転数制御手段としてのCPU、80,81…油圧検出手段としてのクラッチ圧検出手段、CD…走行制御装置。

Claims (13)

  1. エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
    運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
    荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、
    前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え
    前記車両には、運転者の操作により車両の走行方向を指示する走行指示手段と、運転者の操作により前記動力伝達機構を構成するクラッチの接続状態を接続から遮断まで連続的に変化させるインチング操作手段と、運転者の操作により前記車両に制動力を作用させるブレーキ操作手段とが設けられており、
    前記走行指示手段は、前進走行と、後進走行と、前進走行及び後進走行の何れも指示しない非走行を指示可能に構成され、前記走行指示手段が操作された場合には前記非走行から前記前進走行又は前記後進走行が指示されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
    前記インチング操作手段は、当該インチング操作手段のオン操作により前記クラッチを遮断する側に作動させる一方で、前記インチング操作手段のオフ操作により前記クラッチを接続する側に作動させ、前記インチング操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
    前記ブレーキ操作手段は、当該ブレーキ操作手段のオン操作により前記制動力が作用される一方で、前記ブレーキ操作手段のオフ操作により前記制動力が作用されず、前記ブレーキ操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
    前記接続判定手段は、前記走行指示手段、前記インチング操作手段及び前記ブレーキ操作手段のうち、少なくとも何れか一つの手段の操作状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。
  2. エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
    運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
    エンジン回転数を判定するエンジン回転数判定手段と、
    前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が少なくともアイドル回転数よりも高く設定される制限回転数以上の回転数であるとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備えたことを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。
  3. エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
    運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
    荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、
    エンジン回転数を判定するエンジン回転数判定手段と、
    前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態で、かつ前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が少なくともアイドル回転数よりも高く設定される制限回転数以上の回転数であるとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備えたことを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。
  4. 前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、
    前記遮断制御手段は、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  5. 前記遮断制御手段は、運転者が車両の加速を指示する車両加速手段を、加速を指示しないようにオフ操作した後、再び加速を指示するようにオン操作したこと、前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は運転者の操作により前記走行駆動力接続状態が前記走行駆動力遮断状態へ切り替えられたことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  6. 前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、
    前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除し、かつ、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数より小さな回転数低下解除回転数以下に低下したこと又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記回転数低下解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に前記エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  7. 前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、車速が予め設定された制限解除速度以上になったこと、又は前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  8. 前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、
    前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、車速が予め設定された制限解除速度以上になったこと、又は前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除し、かつ、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数より小さな回転数低下解除回転数以下に低下したこと又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記回転数低下解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に前記エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  9. 前記遮断制御手段は、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合、その判定時点から所定時間が経過する迄の間に前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が前記制限回転数以上の回転数になったとき、前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断することを特徴とする請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  10. 前記遮断制御手段は、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合、その判定時点から車速が所定車速に達する迄の間に前記エンジン回転数判定手段によって判定されるエンジン回転数が前記制限回転数以上の回転数になったとき、前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断することを特徴とする請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  11. 前記車両には、運転者の操作により車両の走行方向を指示する走行指示手段と、運転者の操作により前記動力伝達機構を構成するクラッチの接続状態を接続から遮断まで連続的に変化させるインチング操作手段と、運転者の操作により前記車両に制動力を作用させるブレーキ操作手段とが設けられており、
    前記走行指示手段は、前進走行と、後進走行と、前進走行及び後進走行の何れも指示しない非走行を指示可能に構成され、前記走行指示手段が操作された場合には前記非走行から前記前進走行又は前記後進走行が指示されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
    前記インチング操作手段は、当該インチング操作手段のオン操作により前記クラッチを遮断する側に作動させる一方で、前記インチング操作手段のオフ操作により前記クラッチを接続する側に作動させ、前記インチング操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
    前記ブレーキ操作手段は、当該ブレーキ操作手段のオン操作により前記制動力が作用される一方で、前記ブレーキ操作手段のオフ操作により前記制動力が作用されず、前記ブレーキ操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
    前記接続判定手段は、前記走行指示手段、前記インチング操作手段及び前記ブレーキ操作手段のうち、少なくとも何れか一つの手段の操作状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とする請求項〜請求項10のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  12. 前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、
    前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、
    前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とする請求項〜請求項10のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
  13. エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
    運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
    荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、
    前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え、
    前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、
    前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、
    前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。
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