JP4609390B2 - フォークリフトの走行制御装置 - Google Patents
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Description
また、走行指示手段、インチング操作手段及びブレーキ操作手段のうち何れか一つの手段の操作状態から走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定が行われ、その判定結果に基づき走行駆動力を遮断するか否かの判定がなされる。すなわち、走行指示手段、インチング操作手段及びブレーキ操作手段は、運転者がフォークリフトを走行させる際又は非走行させる際に、これらの意思を表す手段である。このため、これらの手段が操作されたことを契機に前記判定がなされることで、走行時に走行駆動力が強制的に遮断されても、その原因を容易に運転者に把握させることができる。
請求項13に記載の発明は、エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え、前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを要旨とする。
これによれば、運転者の操作によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態であれば、駆動輪に対する走行駆動力の伝達が強制的に遮断される。フォークリフトは、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。このため、荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態(例えば、高揚高や重荷重)でフォークリフトを発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、荷役状態に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。
また、クラッチの受圧室内の油圧に応じて走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かが判定される。クラッチの接続を操作する手段の操作状態をもとに前記判定を行った場合、操作状態を検出する検出手段(例えば、スイッチやセンサ)の組付精度などに検出結果が依存されることになる。これに対し、本発明では、受圧室内の油圧を直接検出し、走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定するので、検出精度を向上させ、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
以下、本発明を具体化したフォークリフトの走行制御装置の第1の実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。以下の説明において、「前」「後」「上」「下」「左」「右」は、フォークリフトの運転者がフォークリフトの前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「上」「下」「左」「右」を示すものとする。
エンジン16の出力軸16aには、トルクコンバータ17を介して変速機18が連結されている。また、エンジン16には、スロットルアクチュエータ35が配設されており、当該スロットルアクチュエータ35の作動によりスロットル開度が調節され、エンジン16の回転数、すなわち、出力軸16aの回転数が調節される。また、エンジン16には、当該エンジン16により駆動される荷役ポンプとしての油圧ポンプ36が増速ギア37を介して連結されている。本実施形態のフォークリフト10では、エンジン16の出力を車両走行用の駆動力と荷役装置12(ティルトシリンダ24及びリフトシリンダ25)の作動用の駆動力とに兼用している。油圧ポンプ36の吐出側には、マスト19(フォーク22)を傾動させるティルトシリンダ24とフォーク22を昇降させるリフトシリンダ25とが連結されている。ティルトシリンダ24は、管路及びフォーク傾動用電磁制御弁38を介して油圧ポンプ36に接続され、リフトシリンダ25は、管路及びフォーク昇降用電磁制御弁39を介して油圧ポンプ36に接続されている。
エンジン16には、エンジン16の回転数を検出するエンジン回転数センサ62が配設されている。エンジン回転数センサ62は、エンジン制御装置53に接続され、エンジン回転数に応じた検出信号(エンジン回転数信号)を出力する。また、車体11には、フォークリフト10の車速を検出する車速センサ63が各駆動輪14に対応して配設されている。車速センサ63は、エンジン制御装置53に接続され、車速に応じた検出信号(車速信号)を出力する。なお、エンジン回転数センサ62及び車速センサ63の検出信号は、エンジン制御装置53から車両制御装置52に出力される。
図4のマップデータは、荷役状態がフォークリフト10の走行に制限を加える必要がある状態かを判定するために参照するマップデータ(以下、「制限要否判定データ」と示す)である。本実施形態の制限要否判定データは、揚高と荷重の2つのパラメータをもとに最高車速と加減速度に制限を加える制限領域と制限を加えない非制限領域を定めている。具体的に言えば、揚高H以上で、かつ荷重W以上の領域を制限領域とし、揚高H未満又は荷重W未満の何れかを満たす領域を非制限領域としている。図4の制限要否判定データでは、揚高が高く、かつ荷重が重い領域、すなち、荷役状態が厳しくなる領域を制限領域と定めている。図4では、制限領域に斜線を付している。
図7は最高車速と加減速度を制限するための制限判定処理を示し、図8はフォークリフト10の発進を制御するための発進制御処理を示し、図9は発進制御処理中に実行されるエンジン回転数を下げるためのエンジン吹き下がり処理を示す。エンジン16を吹き下げるとは、エンジン16の回転数を下げることである。本実施形態では、図7に示す制限判定処理及び図8に示す発進制御処理を実行するCPU54が、接続判定手段、荷役状態判定手段、エンジン回転数判定手段及び遮断制御手段として機能する。また、本実施形態では、図9に示すエンジン吹き下がり処理を実行するCPU54とエンジン吹き下がり処理におけるCPU54の指示を受けてエンジン16を制御するエンジン制御装置53のCPU57とが、エンジン回転数制御手段として機能する。
制限判定処理においてCPU54は、荷役状態を判定するために揚高、荷重及びティルト角の情報を取得する(ステップS10)。ステップS10にてCPU54は、揚高センサ64の検出信号から揚高を取得するとともに、ティルト角センサ65の検出信号からティルト角を取得し、さらに荷重センサ66の検出信号から荷重を取得する。続いて、CPU54は、図4に示す制限要否判定データを参照し(ステップS11)、当該データとステップS10で取得した揚高及び荷重の情報をもとに荷役状態が車両の走行に制限(最高車速と加減速度)を加える必要がある状態か否か判定する(ステップS12)。ステップS12にてCPU54は、荷役状態が高揚高及び重荷重となる制限領域にあるか否かを判定する。
エンジン吹き下がり処理においてCPU54は、エンジン制御装置53のCPU57に対してエンジンアイドル要求(エンジン16の回転数を下げるための要求)を行うための要求信号を出力する(ステップS30)。要求信号を入力したCPU57は、スロットルアクチュエータ35を制御し、エンジン16の回転数を調整する。CPU57は、アクセル開度センサ70の検出結果(アクセルペダル32の踏込み量)に関係なく、エンジン回転数を低下させるようにエンジン16を制御する。
図10は、エンジン回転数の調整量を算出するためのマップデータ(以下、「回転数調整データ」と示す)であり、エンジン制御装置53のメモリ58に記憶されている。エンジン制御装置53のCPU57は、図7に示す制限判定処理のステップS14,S16で抽出された最高車速値及び加減速度値をもとに回転数調整データからエンジン回転数の調整量を算出し、エンジン回転数を制御する。CPU57は、車両の走行に制限が加えられる場合、アクセル開度センサ70の検出結果(アクセルペダル32の踏込み量)に関係なく、車速が最高車速値以下となるようにエンジン16を制御する。すなわち、最高車速と加減速度が制限されている場合、フォークリフト10は、運転者がアクセルペダル32を目一杯踏込んでも、最高車速値を超える車速で走行されず、かつ加減速レベルに応じて加速と減速の具合が異なる。
CPU57は、所定の制御周期毎に車速センサ63の検出信号から現在の車速を取得し、当該車速を最高車速値から減算して車速差を算出する。続いて、CPU57は、メモリ58に記憶されている加減速度値(加減速レベルの値)を取得し、車速差と加減速レベルをもとに図10の回転数調整データからエンジン回転数の調整量を算出する。そして、エンジン回転数の調整量を算出したCPU57は、当該調整量をもとにスロットルアクチュエータ35を制御してスロットル開度を調整し、エンジン16の回転数を調整する。すなわち、CPU57は、実車速が最高車速値を上限とした車速になるようにフィードバック制御を行う。
(1)運転者の操作(本実施形態ではインチングペダル33の操作)によって走行駆動力遮断状態が走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合、荷役状態が車両に制限を加える必要がある状態で、かつエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上の回転数であれば、駆動輪14に対する走行駆動力の伝達を強制的に遮断する。フォークリフト10は、走行駆動力遮断状態から走行駆動力接続状態へ切り替わることによって走行可能な状態、すなわち、発進状態となる。そして、フォークリフト10では、走行駆動力遮断状態において加速指示を行った場合(アクセルペダル32を操作した場合)、エンジン16が吹き上がり、エンジン回転数Mが上昇する。このため、荷役状態が車両走行に制限を加える必要がある状態(例えば、高揚高や重荷重)で、かつエンジン16が吹き上がった状態でフォークリフト10を発進させることは、発進時の走行が不安定になる虞がある。すなわち、荷役状態が車両の走行を不安定にさせる可能性がある状況でフォークリフト10が急発進する虞がある。したがって、走行駆動力接続状態へ切り替えられた場合であっても、荷役状態とエンジン回転数に応じて走行駆動力を強制的に遮断することにより、車両の走行が不安定になる可能性を有する状況下での発進を回避することができる。すなわち、フォークリフト10の走行中に行われる最高車速及び加減速度の制御だけでは実現し得ない発進時の走行安定性も確保できる。
次に、本発明の第2の実施形態を図11にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成について、その重複する説明を省略又は簡略する。
(6)走行駆動力が強制的に遮断された場合、運転者がアクセルペダル32を一旦オフ操作し、その後にオン操作することによって、走行駆動力を遮断した状態を解除する。フォークリフト10は、運転者によってアクセルペダル32がオン操作されていることによりエンジン回転数Mが高まり、制限回転数Ma以上の回転数となる。そして、エンジン回転数Mは、運転者がアクセルペダル32をオフ操作することによって低下する。このため、これらの一連の操作を運転者に行わせることで、エンジン回転数Mを低下させる時間が確保でき、エンジン回転数Mを低下させた状態でフォークリフト10を走行可能な状態にすることができる。すなわち、フォークリフト10の急発進が防止され、発進時の安定性が確保される。
次に、本発明の第3の実施形態を図12及び図13にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態と第2の実施形態の何れにも適用可能である。
図8に示す発進制御処理のステップS20にてCPU54は、クラッチ圧検出センサ80,81の検出信号を入力し、各受圧室42a,43aのクラッチ圧を取得する。続いて、CPU54は、取得したクラッチ圧とインチングペダル33の踏込み量の情報をもとに接続判定データからクラッチが接続状態であるか又は非接続状態であるかを判定する。なお、本実施形態においてCPU54は、所定の制御周期毎にインチング開度センサ82の検出信号を入力する。そして、CPU54は、前回の制御周期で取得した検出結果(インチングペダル33の踏込み量)と今回の制御周期で取得した検出結果を比較し、その比較結果からインチングペダル33がオン操作されているか又はオフ操作されているかを判定する。CPU54は、クラッチ圧とインチングペダル33の操作状態からクラッチが接続状態であることを判定した場合にはステップS20を肯定判定し、クラッチが非接続状態であることを判定した場合には発進制御処理を終了する。すなわち、CPU54は、インチングペダル33がオン操作されている場合にクラッチ圧が遮断判定値以上になると非接続状態であることを判定し、インチングペダル33がオフ操作されている場合にクラッチ圧が接続判定値以下になると接続状態であることを判定する。
(7)クラッチ(前進クラッチ42及び後進クラッチ43)の受圧室42a,43a内のクラッチ圧(油圧)に応じて走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かの判定を、インチングペダル33の操作状態をもとに行った場合、当該操作状態を検出する検出手段(例えば、インチングスイッチ71やインチング開度センサ82など)の組付精度などに検出結果が依存されることになる。すなわち、クラッチが接続されていない場合に制御的に接続されていると判定された場合には、その判定時とエンジン16の吹き上がりタイミングとの間に時間差が生じ、発進時の制御(図8や図11の発進制御処理)が実行されず、急発進する虞がある。また、既に接続されている場合に制御的に接続されていないと判定された場合には、発進時の制御が間に合わず、急発進する虞がある。しかし、本実施形態では、検出精度をさらに高め、判定精度を向上させるために、受圧室42a,43a内のクラッチ圧を直接検出し、走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する。したがって、前記判定精度が向上され、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
次に、本発明の第4の実施形態を図14及び図15にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1〜第3の実施形態の何れにも適用可能である。
(8)走行駆動力接続状態へ切り替えられた時(瞬間)を含む所定時間Taの間、エンジン回転数Mを監視し、所定時間Taの間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上の回転数になった場合に走行駆動力を強制的に遮断する。エンジン回転数Mは、運転者が走行駆動力接続状態へ切り替えると同時に車両の加速を指示しても、その切り替え時から遅れて上昇し、制限回転数Ma以上の回転数に至る可能性が高い。したがって、エンジン回転数Mの判定を走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から所定時間Taの間継続して行うことで、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
次に、本発明の第5の実施形態を図14及び図16にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1〜第3の実施形態の何れにも適用可能である。
(9)走行駆動力接続状態へ切り替えられた時(瞬間)から車速Sが所定車速Saに達する迄の間、エンジン回転数Mを監視し、所定車速Saに達する迄の間にエンジン回転数Mが制限回転数Ma以上の回転数になった場合に走行駆動力を強制的に遮断する。エンジン回転数Mは、運転者が走行駆動力接続状態へ切り替えると同時に車両の加速を指示しても、その切り替え時から遅れて上昇し、制限回転数Ma以上の回転数に至る可能性が高い。したがって、前記判定を走行駆動力接続状態へ切り替えられた時から車速Sが所定車速Saに達する迄の間継続して行うことで、より確実に不安定な状態での発進を回避することができる。
次に、本発明の第6の実施形態を図6及び図10にしたがって説明する。なお、本実施形態は、第1〜第5の実施形態の何れにも適用可能である。
(10)車両走行の制限内容に変化が生じた場合、その変化具合に応じて加減速レベルを選択し、走行時制御を実行する。このため、制限内容に変化が生じた場合の急激な車速変化を抑制できる。すなわち、制限内容に変化が生じた場合には、フォークリフト10の加速や減速がゆっくり行われることになる。その結果、制限内容の変化時に走行が不安定になることを回避し、フォークリフト10を安定して走行させることができる。そして、本実施形態の適正制御を実行することにより、フォークリフト10の発進時及び走行時の何れにおいても走行安定性を確保できる。また、フォークリフト10の走行中においては、最高車速及び加減速度の制御のみでは実現し得ない走行安定性を確保できる。また、フォークリフト10の走行に変化が生じたことに対し、運転者に当該変化に対応する時間を与えることができ、冷静な対処を促すことができる。
次に、本発明の第7の実施形態を図17〜図20にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成については、その重複する説明を省略又は簡略する。
(12)遮断制御手段(CPU54)が走行駆動力を遮断した場合に、エンジン回転数を制限回転数Maよりも低く設定される制限解除回転数Mb以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段(CPU54)を備えている。遮断制御手段は、走行駆動力を遮断した場合に、エンジン回転数が制限解除回転数Mb以下の回転数に低下したことを契機に、走行駆動力を遮断した状態を解除するが、エンジン回転数低下制御は継続する。そして、エンジン回転数が制限解除回転数Mbより小さな回転数低下解除回転数Mc以下に低下したことを契機にエンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除する。これによれば、制限解除回転数Mbが平地で急発進しない回転数より高い回転数に設定されていても、フォークリフト10が平地において直ちに制限解除回転数Mbに対応する速度で急発進することは抑制される。また、坂道でのずり下がりも抑制される。
次に、本発明の第8の実施形態を図21〜図23にしたがって説明する。本実施形態は、急発進防止制御(発進制御)において、走行駆動力を遮断した状態を解除する条件(要素)に、エンジン回転数の他にフォークリフト10の車速を加えた点と、走行駆動力の遮断解除と同時にエンジン回転数低下制御状態を解除する点とが前記第7の実施形態と大きく異なっている。その他の構成は第7の実施形態と同じであり、既に説明した実施形態と同一構成については、その重複する説明を省略又は簡略する。
(13)遮断制御手段(CPU54)によって走行駆動力が強制的に遮断された場合、車速が予め設定された制限解除速度Sb以上になると、又は前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数Mb以下の回転数に低下すると、走行駆動力を遮断した状態が解除される。したがって、急な坂道であっても発進時におけるずり下がりを抑制することができるとともに平地での急発進も防止することができ、フォークリフト10を安定した状態で発進させることができる。また、走行駆動力を遮断した状態の解除と同時にエンジン回転数低下制御も終了するため、走行駆動力の遮断解除とエンジン回転数低下制御の終了を別の条件で行う場合に比較して制御が容易になる。
○ 各実施形態は、トルクコンバータ式のフォークリフト10(トルクコンバータ車)に具体化したが、クラッチ式のフォークリフト(クラッチ車)やHST車(Hydrostatic Transmission車)に具体化しても良い。MT車の場合には、例えば、各実施形態と同様に遮断制御において変速機を構成するクラッチを接続状態から非接続状態に変更し、走行駆動力の伝達を強制的に遮断する。HST車の場合には、例えば、遮断制御において変速機を構成する油圧ポンプと油圧モータとの間の油圧経路を遮断することにより、走行駆動力の伝達を強制的に遮断する。
○ 各実施形態において、前進用リレー回路60及び後進用リレー回路61を常閉接点に代えて常開接点を用いて構成しても良い。常開接点を用いる場合、前進用電磁弁44及び後進用電磁弁45は、常開接点が閉じられることにより通電され、開かれることにより非通電とされる。
○ 第5の実施形態の所定時間Taや第6の実施形態の所定車速Saは変更しても良い。
Claims (13)
- エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、
前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え、
前記車両には、運転者の操作により車両の走行方向を指示する走行指示手段と、運転者の操作により前記動力伝達機構を構成するクラッチの接続状態を接続から遮断まで連続的に変化させるインチング操作手段と、運転者の操作により前記車両に制動力を作用させるブレーキ操作手段とが設けられており、
前記走行指示手段は、前進走行と、後進走行と、前進走行及び後進走行の何れも指示しない非走行を指示可能に構成され、前記走行指示手段が操作された場合には前記非走行から前記前進走行又は前記後進走行が指示されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
前記インチング操作手段は、当該インチング操作手段のオン操作により前記クラッチを遮断する側に作動させる一方で、前記インチング操作手段のオフ操作により前記クラッチを接続する側に作動させ、前記インチング操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
前記ブレーキ操作手段は、当該ブレーキ操作手段のオン操作により前記制動力が作用される一方で、前記ブレーキ操作手段のオフ操作により前記制動力が作用されず、前記ブレーキ操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
前記接続判定手段は、前記走行指示手段、前記インチング操作手段及び前記ブレーキ操作手段のうち、少なくとも何れか一つの手段の操作状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。 - エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
エンジン回転数を判定するエンジン回転数判定手段と、
前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が少なくともアイドル回転数よりも高く設定される制限回転数以上の回転数であるとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備えたことを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。 - エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、
エンジン回転数を判定するエンジン回転数判定手段と、
前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態で、かつ前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が少なくともアイドル回転数よりも高く設定される制限回転数以上の回転数であるとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備えたことを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。 - 前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、
前記遮断制御手段は、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフォークリフトの走行制御装置。 - 前記遮断制御手段は、運転者が車両の加速を指示する車両加速手段を、加速を指示しないようにオフ操作した後、再び加速を指示するようにオン操作したこと、前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は運転者の操作により前記走行駆動力接続状態が前記走行駆動力遮断状態へ切り替えられたことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフォークリフトの走行制御装置。
- 前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、
前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除し、かつ、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数より小さな回転数低下解除回転数以下に低下したこと又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記回転数低下解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に前記エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。 - 前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、車速が予め設定された制限解除速度以上になったこと、又は前記エンジン回転数が前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
- 前記遮断制御手段が前記走行駆動力を遮断した場合に、前記エンジン回転数を前記制限回転数よりも低く設定される制限解除回転数以下の回転数に低下させるエンジン回転数制御手段を備え、
前記遮断制御手段は、前記走行駆動力を遮断した場合に、車速が予め設定された制限解除速度以上になったこと、又は前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下したこと、又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記制限解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に、前記走行駆動力を遮断した状態を解除し、かつ、前記エンジン回転数が前記制限解除回転数より小さな回転数低下解除回転数以下に低下したこと又は前記エンジン回転数制御手段によって前記エンジン回転数が前記回転数低下解除回転数以下の回転数に低下するまでに要する時間が経過したことを契機に前記エンジン回転数制御手段によるエンジン回転数低下制御状態を解除することを特徴とする請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。 - 前記遮断制御手段は、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合、その判定時点から所定時間が経過する迄の間に前記エンジン回転数判定手段によって判定される前記エンジン回転数が前記制限回転数以上の回転数になったとき、前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断することを特徴とする請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
- 前記遮断制御手段は、前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合、その判定時点から車速が所定車速に達する迄の間に前記エンジン回転数判定手段によって判定されるエンジン回転数が前記制限回転数以上の回転数になったとき、前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断することを特徴とする請求項2〜請求項8のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。
- 前記車両には、運転者の操作により車両の走行方向を指示する走行指示手段と、運転者の操作により前記動力伝達機構を構成するクラッチの接続状態を接続から遮断まで連続的に変化させるインチング操作手段と、運転者の操作により前記車両に制動力を作用させるブレーキ操作手段とが設けられており、
前記走行指示手段は、前進走行と、後進走行と、前進走行及び後進走行の何れも指示しない非走行を指示可能に構成され、前記走行指示手段が操作された場合には前記非走行から前記前進走行又は前記後進走行が指示されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
前記インチング操作手段は、当該インチング操作手段のオン操作により前記クラッチを遮断する側に作動させる一方で、前記インチング操作手段のオフ操作により前記クラッチを接続する側に作動させ、前記インチング操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
前記ブレーキ操作手段は、当該ブレーキ操作手段のオン操作により前記制動力が作用される一方で、前記ブレーキ操作手段のオフ操作により前記制動力が作用されず、前記ブレーキ操作手段が操作された場合には前記オン操作から前記オフ操作されたときに前記走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替わり、
前記接続判定手段は、前記走行指示手段、前記インチング操作手段及び前記ブレーキ操作手段のうち、少なくとも何れか一つの手段の操作状態から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とする請求項2〜請求項10のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。 - 前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、
前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、
前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とする請求項2〜請求項10のうちいずれか一項に記載のフォークリフトの走行制御装置。 - エンジンと、当該エンジンと駆動輪との間に介在される動力伝達機構と、車両前方に設けられて荷を搭載する荷役具とを備え、前記動力伝達機構を介して前記駆動輪に伝達される前記エンジンの出力を走行駆動力として走行するフォークリフトの走行制御装置において、
運転者の操作により、前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達されない走行駆動力遮断状態から前記走行駆動力が前記駆動輪に伝達される走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定する接続判定手段と、
荷役状態を判定する荷役状態判定手段と、
前記接続判定手段によって前記走行駆動力接続状態への切り替えが判定された場合であって、前記荷役状態判定手段によって判定される前記荷役状態が車両の走行に制限を加える必要がある状態のとき、前記駆動輪に対する前記走行駆動力の伝達を強制的に遮断する遮断制御手段とを備え、
前記動力伝達機構は油圧式のクラッチを含んで構成され、当該クラッチは受圧室内の油圧に応じて接続から遮断まで連続的に変化し、
前記クラッチには前記受圧室内の油圧を検出する油圧検出手段が設けられており、
前記接続判定手段は、前記油圧検出手段によって検出される油圧から前記走行駆動力接続状態へ切り替えられたか否かを判定することを特徴とするフォークリフトの走行制御装置。
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