JP2008195519A - 産業車両の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷役作業の作業性を低下させることなく、荷のずり下がりを防止すること。
【解決手段】荷を積載したフォークリフトの車速値SAとティルト角値TAを検出する。そして、フォークリフトのティルト角値TAが予め定めたティルト角値Ta未満であって前傾姿勢で走行している場合には、加速度が一定値以上にならないように制限する。この加速度制限により、フォークリフトは、ゆっくりと加速し、荷役装置に積載した荷のずり下がりが防止される。
【選択図】図3

Description

本発明は、荷役手段を備えた産業車両の走行中に該荷役手段に積載した荷のずり下がりを防止しつつ、走行を制御する産業車両の走行制御装置に関する。
従来、工場構内で荷役作業(荷取り作業及び荷置き作業)を行う産業車両としてフォークリフトが広く利用されている。この種のフォークリフトは、車体の前部に設けられたマストによりリフトブラケットとともにフォークを昇降させる。そして、マストは、リフトレバーの操作に基づくリフトシリンダの作動により伸縮され、それに伴ってフォークが昇降される。また、マストは、ティルトレバーの操作に基づくティルトシリンダの作動により、前傾及び後傾される。
フォークリフトは、その用途の特徴からも解るとおり、荷役状態によって走行安定性に大きな違いが生じる。例えば、荷を搭載した状態と荷を搭載していない状態では、車両の重心位置が変化し、走行安定性に違いが生じる。また、荷を搭載した状態においては、積荷の重さ(荷重)、フォークの揚高及びフォークの傾角(ティルト角)などによっても走行安定性に違いが生じる。このため、特許文献1のフォークリフトでは、不安定な姿勢での昇降動作や傾動動作を禁止するようになっている。
特開平7−97198号公報
しかしながら、特許文献1のフォークリフトは、荷役装置の積荷の重さや車速に応じて昇降動作や傾動動作を禁止させており、荷役操作への制限を重点にしている。このため、荷役装置を前傾姿勢にして荷取り作業を行い、前傾姿勢のまま走行した場合には、走行中に荷がずり下がり、荷崩れを生じさせる虞がある。このような荷のずり下がりを防止するためには、荷役装置を前傾姿勢とした状態での走行を禁止すれば良いが、このような状態において走行を完全に禁止してしまうと、荷役作業の作業性を低下させてしまう虞がある。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、荷役作業の作業性を低下させることなく、荷のずり下がりを防止することができる産業車両の走行制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、傾動動作可能な荷役手段を有する産業車両の走行制御装置において、前記荷役手段による荷の積載状態を検出する積載検出手段と、車両が走行しているか否かを検出する走行検出手段と、前記荷役手段が前傾しているか否かを検出する前傾検出手段と、車両の走行を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記車両が、前記荷役手段に予め定めた重量を超える荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に前記車両の加速度を制限することを要旨とする。
これによれば、荷役手段に荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している車両は、加速度が制限されることになる。荷役手段に積載された荷は、一定の車速で走行している時よりも、車速が変化している時の方が、ずり下がり易い。このため、加速度が一定値以上にならないように制限することで、車両が前傾姿勢で走行している場合であっても、荷のずり下がりを防止することができる。また、加速度が制限されるが、荷役手段を前傾姿勢とした状態での車両の走行が可能であるため、荷役作業の作業性を低下させることもない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の産業車両の走行制御装置において、前記車両が前記荷役手段に前記荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に警告する警告手段を備えたことを要旨とする。
これによれば、警告により、運転者に車両の走行状態、すなわち荷のずり下がりが生じ易い状態で走行していることを知らせ、荷役手段の姿勢変更(水平姿勢や後傾姿勢)を促すことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の産業車両の走行制御装置において、前記制御手段は、前記車両が前記荷役手段に前記荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に前記車両の最高車速を制限することを要旨とする。
これによれば、荷役手段に荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している車両は、加速度とともに車速も一定値以上にならないように制限される。したがって、車両が前傾姿勢で走行している場合において、荷のずり下がりをより確実に防止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の産業車両の走行制御装置において、前記制御手段による前記制限を有効とするか否かを選択操作する操作手段を備えたことを要旨とする。
これによれば、産業車両を使用する使用者側の作業環境に応じて制限を有効とするか否か、すなわち制限するか否かを選択することができるので、作業環境に柔軟に対応することができる。したがって、荷役作業の作業性の低下を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の産業車両の走行制御装置において、前記荷役手段は、油圧機構により昇降及び傾動の各動作を行い、前記積載検出手段は、前記荷役手段を昇降させる油圧式の昇降手段の圧力を検出することを要旨とする。
これによれば、産業車両の過積載などを判断するために設置される機構を流用しつつ、荷のずり下がりを防止し得るように走行制限を加えるための制御を行うことができる。したがって、前記制御を実行するために特別な部品を設置することなく、産業車両のコスト増加の抑制に貢献することができる。
本発明によれば、荷役作業の作業性を低下させることなく、荷のずり下がりを防止することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を産業車両としてのフォークリフトの走行制御装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
以下の説明において「前」「後」「左」「右」「上」「下」は、フォークリフトの運転者がフォークリフトの前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「左」「右」「上」「下」を示すものとする。
図1に示すように、フォークリフト10には、車体11の前部に荷役手段としての荷役装置12が設けられている。車体11の中央には、運転席13が設けられている。車体11の前下部には駆動輪(前輪)14が設けられているとともに、車体11の後下部には操舵輪(後輪)15が設けられている。駆動輪14には、車体11に設けられた駆動部34(図2に示す)が連結されている。したがって、本実施形態のフォークリフト10は、駆動部34が発生する駆動力により駆動輪14が回転駆動されて走行する。
荷役装置12について説明する。車体11の前部にはマスト16が立設されており、当該マスト16は、左右一対のアウタマスト17とインナマスト18からなる多段式(本実施形態では2段式)とされている。アウタマスト17には、油圧式の傾動手段としてのティルトシリンダ19が連結されており、該ティルトシリンダ19の作動により車体11に対して前後に傾動可能とされている。インナマスト18には、油圧式の昇降手段としてのリフトシリンダ20が連結されており、該リフトシリンダ20の作動によりアウタマスト17内をスライドし、昇降可能とされている。また、マスト16には、左右一対のフォーク(荷役具)21がリフトブラケット22を介して設けられている。リフトブラケット22は、インナマスト18に昇降可能に設けられている。荷役作業(荷取り作業及び荷置き作業)は、荷Wが搭載された荷搭載用のパレットPをフォーク21で掬い上げることによって行われる。そして、フォーク21は、リフトシリンダ20の駆動によってインナマスト18がアウタマスト17に沿って昇降動作することにより、リフトブラケット22とともに昇降される。また、フォーク21は、ティルトシリンダ19の駆動によってマスト16とともに傾動動作(前傾及び後傾)する。
運転席13には、運転者が着座可能な運転シート23が設けられている。また、運転席13において、運転シート23の前方には、ハンドルコラム24が設けられている。ハンドルコラム24には、操舵輪15の舵角を変更するための操舵ハンドル25が装着されている。また、ハンドルコラム24の左方には、車両の走行方向(進行方向)を指示する前後進レバー(ディレクションレバー)26が設けられている。本実施形態では、前後進レバー26によって車両の走行方向として「前進」又は「後進」を選択指示し得るようになっている。
また、ハンドルコラム24の右方には、フォーク21を昇降させるときに操作するリフトレバー及びマスト16を傾動させるときに操作するティルトレバーなどの各種の操作レバー27が設けられている。リフトシリンダ20は、リフト操作を指示する操作レバー(リフトレバー)27の操作によって図2に示す油圧機構(油圧回路)35を介して作動油が送り込まれて作動し、その作動によりフォーク21が昇降する。また、ティルトシリンダ19は、ティルト操作を指示する操作レバー(ティルトレバー)27の操作によって図2に示す油圧機構(油圧回路)35を介して作動油が送り込まれて作動し、その作動によりマスト16が傾動する。
また、運転席13の下方(フロア)には、アクセルペダル28が設けられている。アクセルペダル28は、フォークリフト10の加速(走行)を指示するとともに車速を調整するためのものである。フォークリフト10は、運転者によるアクセルペダル28の踏み込み操作量に応じて駆動部34が駆動力を発生し、その駆動力が駆動輪14に伝達されて走行する。そして、フォークリフト10は、前後進レバー26が「前進位置」に操作されている場合には前進走行すべく駆動部34が制御され、前後進レバー26が「後進位置」に操作されている場合には後進走行すべく駆動部34が制御される。なお、フォークリフト10は、前後進レバー26が「中立位置」に操作されている場合、アクセルペダル28の踏み込み操作を行っても、駆動部34からの駆動力が駆動輪14に伝達されない。また、車体11には、フォークリフト10の走行制御を含む各種制御を行う制御手段としての車両制御装置30が設けられている。
次に、本実施形態のフォークリフト10の電気的構成を図2にしたがって説明する。
車両制御装置30には、制御動作を所定の手順で実行することができるCPU(中央処理装置)30aと、必要なデータの読出し及び書換え可能なメモリ30bが設けられている。メモリ30bには、フォークリフト10の走行や荷役を制御するための制御プログラムが記憶されている。
本実施形態のフォークリフト10は、走行中に荷役装置12に積載した荷Wのずり下がりを防止するために、車両の走行を制限する制御を実行するようになっている。荷Wのずり下がりは、図1(b)に示すように、荷役装置12が車体11に対して前傾姿勢となっている場合に生じ易い。このため、本実施形態においてメモリ30bには、荷Wのずり下がりを防止するための制御プログラムが記憶されている。
また、車両制御装置30には、車速センサ31と、荷重センサ32と、ティルト角センサ33が電気的に接続されている。なお、車両制御装置30には、図示しないが、前後進レバー26の操作位置を検出するディレクションスイッチと、フォーク21の揚高(高さ位置)を検出する揚高スイッチと、リフトレバーやティルトレバーなどの操作レバー27のレバー角(操作量)を検出するレバーセンサなどが電気的に接続されている。また、車両制御装置30には、駆動部34(走行モータM)と、油圧機構35と、警告手段としての警告装置36が電気的に接続されている。駆動部34は、例えば走行モータやエンジンからなり、車両制御装置は駆動部34に制御指令を出力する。油圧機構35は、作動油を貯油する油圧タンクと、油圧タンクに貯油されている作動油を汲み上げて、該作動油をティルトシリンダ19及びリフトシリンダ20に供給する油圧ポンプと、作動油の流路を切り換える電磁弁からなる。そして、車両制御装置30は、流路を切り換えるための電気信号を電磁弁に出力する。
車速センサ31は、各駆動輪14に対応して配設されている。車速センサ31は、車速を検出し、車速に応じた検出信号を車両制御装置30に出力する。車両制御装置30のCPU30aは、車速センサ31からの検出信号を入力することにより、車速を認識する。CPU30aは、入力した検出信号をもとに、フォークリフト10が走行している否かを検出する。また、本実施形態においてCPU30aは、車速値SAが車速値Sa以上であるか、又は車速値SAが車速値Sa未満であるかを判定する。車速値Saは、前記判定を行うための閾値であり、予め設定されている。車速値Saは、例えば、「5km/h」に設定される。本実施形態では、車速センサ31と車両制御装置30(CPU30a)により、走行検出手段が構成される。
荷重センサ32は、リフトシリンダ20の下部付近の油圧回路内に配設されている。荷重センサ32は、フォーク21の積載荷重(負荷荷重)を検出する。荷重センサ32は、リフトシリンダ20の内部の油圧を検出し、フォーク21の積載荷重に応じた検出信号を出力する。荷重センサ32は、例えば圧力センサからなる。車両制御装置30のCPU30aは、荷重センサ32からの検出信号を入力することによりフォーク21の積載荷重を認識する。そして、CPU30aは、入力した検出信号をもとに、検出された検出荷重値が、予め定めた設定荷重値(予め定めた重量)を超えているか否かによって、荷役装置12による荷Wの積載状態を検出する。本実施形態において設定荷重値には、「0(零)kg」が設定される。このため、CPU30aは、検出荷重値が設定荷重値を超えている場合、荷Wを積載していると判定し、検出荷重値が設定荷重値を超えていない場合、荷Wを積載していない判定する。設定荷重値は、前記判定を行うための閾値であり、予め設定されている。本実施形態では、荷重センサ32と車両制御装置30(CPU30a)により、積載検出手段が構成される。
ティルト角センサ33は、ティルトシリンダ19の付近に配設されている。ティルト角センサ33は、ティルト角を検出する。ティルト角センサ33は、荷役装置12が水平姿勢にあるときの角度(水平角)を基準とした傾斜角を検出し、傾斜角に応じた検出信号を出力する。ティルト角センサ33は、例えばポテンショメータからなる。
車両制御装置30のCPU30aは、ティルト角センサ33からの検出信号を入力することにより、ティルト角を認識する。そして、CPU30aは、入力した検出信号をもとに、検出されたティルト角値TAが、予め定めたティルト角値Ta未満であるか否かによって、荷役装置12が前傾しているか否かを検出する。本実施形態においてCPU30aは、ティルト角値TAがティルト角値Ta未満の場合、荷役装置12が前傾していると判定し、ティルト角値TAがティルト角値Ta以上の場合、荷役装置12が前傾していないと判定する。ティルト角値Taは、前記判定を行うための閾値であり、予め設定されている。ティルト角値Taは、例えば、「0(零)度」に設定される。ティルト角値TAは、荷役装置12が水平姿勢を取り得る場合を「0度」とし、荷役装置12が前傾姿勢の場合にマイナス領域の数値となり、荷役装置12が後傾姿勢の場合にプラス領域の数値となる。このため、ティルト角値TAがティルト角値Ta以上の場合、荷役装置12は水平又は後傾しており、ティルト角値TAがティルト角値Ta未満の場合、荷役装置12は前傾していることになる。本実施形態では、ティルト角センサ33と車両制御装置30(CPU30a)により、前傾検出手段が構成される。
以下、本実施形態のフォークリフト10で実行される荷Wのずり下がりを防止するための制御について図3及び図4にしたがって説明する。
本実施形態では、荷役装置12に荷Wが積載されている場合に、車速センサ31の検出結果とティルト角センサ33の検出結果をもとに、走行制限を加えるか否かの制限判定と、走行制限を加える場合には制限内容を決定するようになっている。図3は、前記制限判定において走行制限を加える場合の基準と走行制限を加えない場合の基準、及び走行制限を加える場合の制限内容を示した表である。この図3は、荷役装置12に荷Wが積載されていることを前提とし、作成している。
本実施形態では、車速値SAを車速値Sa以上と車速値Sa未満の2つに区分するとともに、ティルト角値TAをティルト角値Ta以上とティルト角Ta未満の2つに区分している。そして、本実施形態では、車速値Sa以上で、かつティルト角値Ta以上の領域(第1の領域)、及び車速値Sa未満で、かつティルト角値Ta以上の領域(第2の領域)を、ずり下がり防止の制御において走行制限を加えない「制限なし」の領域と定めている。第1,第2の領域におけるフォークリフト10の状態は、荷役装置12を水平姿勢又後傾姿勢とし、走行している状態である。なお、第2の領域については、フォークリフト10が停止している状態(車速値Sa=0(零)km/h)を含む。
一方、本実施形態では、車速値Sa以上で、かつティルト角値Ta未満の領域(第3の領域)、及び車速値Sa未満で、かつティルト角値Ta未満の領域(第4の領域)を、ずり下がり防止の制御において走行制限を加える「制限あり」の領域と定めている。第3,第4の領域におけるフォークリフト10の状態は、荷役装置12を前傾姿勢とし、走行している状態である。なお、第4の領域については、フォークリフト10が停止している状態(車速値Sa=0(零)km/h)を含む。
また、第3,第4の領域においては、車速値Sa以上か、又は車速値Sa未満かにより、ずり下がり防止の制御において走行制限の制限内容を異ならせている。具体的には、第3の領域における走行制限の制限内容は、走行警告、車速制限及び加速度制限の3つに定めるとともに、第4の領域における走行制限の制限内容は、走行警告及び加速度制限の2つに定めている。
走行警告は、走行中に荷Wがずり下がり、荷崩れを起こす可能性があることを警告し、荷役装置12の姿勢変更(水平姿勢又は後傾姿勢への変更)を促す。本実施形態の警告装置36は、警告音(ブザー音)を出力可能に構成されており、警告音の出力により走行警告が行われる。
車速制限は、フォークリフト10の車速が一定値以上にならないように駆動部34を制御する。車速制限を掛けた場合、フォークリフト10は、運転者がアクセルペダル28を目一杯踏み込んでも、一定値以上の車速での走行が出来なくなる。
加速度制限は、フォークリフト10の加速度を一定値以上にならないように駆動部34を制御する。加速度制限を掛けた場合、フォークリフト10は、運転者がアクセルペダル28を、加速度制限を掛けていない場合と同じ量だけ踏み込んでも、ゆっくりと加速する。
次に、車両制御装置30のCPU30aが実行するずり下がり防止処理の手順を、図4に示すフローチャートにしたがって説明する。
CPU30aは、荷役装置12に荷Wが積載されている場合、フォークリフト10の車速値SAが、車速値Sa以上か否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が肯定の場合、CPU30aは、ティルト角値TAが、ティルト角値Ta未満であるか否か(荷役装置12が前傾か否か)を判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定の場合、CPU30aは、荷Wを積載したフォークリフト10の走行状態が、車速値Sa以上で、かつティルト角値Ta未満であることから、走行制限の制限内容として、走行警告、車速制限及び加速度制限を決定する(ステップS13)。
ステップS13にて制限内容を決定したCPU30aは、決定した制限内容にしたがって走行制限に係る制御を実行する。具体的に言えば、CPU30aは、警告音を発するように警告装置36を制御するとともに、車速制限にしたがってフォークリフト10の車速を制御するとともに、加速度制限にしたがってフォークリフト10の加速度(速度変化の割合)を制御する。
一方、ステップS12の判定結果が否定の場合、CPU30aは、荷Wを積載したフォークリフト10の走行状態が、車速値Sa以上で、かつティルト角値Ta以上であることから、走行制限を掛けないことを決定する(ステップS14)。そして、CPU30aは、走行制限を掛けない通常状態でフォークリフト10の走行を制御する。
また、ステップS11の判定結果が否定の場合、CPU30aは、ティルト角値TAが、ティルト角値Ta未満であるか否か(荷役装置12が前傾姿勢か否か)を判定する(ステップS15)。この判定結果が肯定の場合、CPU30aは、荷Wを積載したフォークリフト10の走行状態が、車速値Sa未満で、かつティルト角値Ta未満であることから、走行制限の制限内容として、走行警告と加速度制限を決定する(ステップS16)。そして、ステップS16にて制限内容を決定したCPU30aは、決定した制限内容にしたがって走行制限に係る制御を実行する。具体的に言えば、CPU30aは、警告音を発するように警告装置36を制御するとともに、加速度制限にしたがってフォークリフト10の加速度(速度変化の割合)を制御する。なお、CPU30aは、ステップS16にて加速度制限を決定した場合、ステップS13にて加速度制限を決定した場合と同様に制御する。
一方、ステップS15の判定結果が否定の場合、CPU30aは、荷Wを積載したフォークリフト10の走行状態が、車速値Sa未満で、かつティルト角値Ta以上であることから、走行制限を掛けないことを決定する(ステップS17)。そして、CPU30aは、走行制限を掛けない通常状態でフォークリフト10の走行を制御する。
このような制御により、本実施形態のフォークリフト10は、荷Wを積載した荷役装置12を前傾姿勢にして走行する場合、走行制限により、走行中における荷Wのずり下がりが防止される。一方、本実施形態のフォークリフト10は、荷Wを積載した荷役装置12を水平姿勢又は後傾姿勢にして走行する場合、走行制限が掛けられることなく、通常状態で走行可能となる。本実施形態では、車両制御装置30と、車速センサ31と、荷重センサ32と、ティルト角センサ33と、警告装置36により、フォークリフト10(産業車両)の走行制御装置が構成さる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)荷役装置12に荷Wを積載し、かつ前傾姿勢で走行しているフォークリフト10に対し、加速度を制限するようにした。このため、加速度制限により、前傾姿勢で走行している場合であっても、荷Wのずり下がりによる荷崩れを防止することができる。また、荷役装置12の傾動動作に制限を掛けることなく、走行制限(加速度制限)を行うので、フォークリフト10は、荷役装置12を前傾姿勢とした状態でも走行させることが可能であり、荷役作業の作業性を低下させることもない。
(2)荷役装置12に荷Wを積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合には、警告装置36にて警告を発するようにした。このため、運転者に車両の走行状態、すなわち荷のずり下がりが生じ易い状態で走行していることを知らせることができる。そして、荷役装置12の姿勢変更(水平姿勢や後傾姿勢)を促すことができる。
(3)荷役装置12に荷Wを積載し、かつ前傾姿勢で走行しているフォークリフト10に対し、車速を制限するようにした。したがって、車速制限により、前傾姿勢で走行している場合であっても、荷のずり下がりを防止することができる。
(4)そして、フォークリフト10の加速度や車速に制限を掛けると、これらの制限を掛けていない場合よりもゆっくり加速するとともに最高車速が遅くなり、走行の状態に変化が生じる。このため、走行の変化によっても、運転者に荷役装置12の姿勢変更を促すことができる。
(5)また、車速値SAが車速値Sa以上の場合と車速値Sa未満の場合とで、走行制限の制限内容を異ならせた。そして、車速値Sa以上の場合には、車速値Sa未満の場合よりも、制限内容を厳しくした。このため、荷Wがずり下がる可能性の高い状態では、制限内容を厳しくして荷Wのずり下がりを確実に防止し、荷Wがずり下がる可能性の低くい状態では、制限内容を緩くして作業性の低下を抑制できる。
(6)リフトシリンダ20の圧力を検出することにより、荷役装置12に荷Wが積載されているか否かを判定するようにした。このため、フォークリフト10の過積載などを判断するために設置される機構を流用しつつ、荷のずり下がり防止の制御を実行することができる。したがって、前記制御を実行するために特別な部品を設置することなく、フォークリフト10のコスト増加の抑制に貢献することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5及び図6にしたがって説明する。以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態のフォークリフト10には、前述したずり下がり防止の制御による走行制限を有効とするか否かを選択操作するための操作手段としての機能スイッチ39が設けられている。機能スイッチ39は、図5に示すように、車両制御装置30に電気的に接続されており、常には、ずり下がり防止の制御による走行制限を有効とするようにON状態に設定されている。そして、車両制御装置30のCPU30aは、機能スイッチ39からの検出信号を入力し、機能スイッチ39がOFF状態に操作された場合には、ずり下がり防止の制御による走行制限を無効とする。すなわち、ずり下がり防止の制御を実行しない。
図6は、本実施形態において車両制御装置30のCPU30aが実行するずり下がり防止処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、第1の実施形態で説明したずり下がり防止処理に対し、ステップS10の処理を追加している。このステップS10にてCPU30aは、機能スイッチ39がON状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定、すなわち機能スイッチ39がOFF状態である場合には、ずり下がり防止処理を終了する。一方、CPU30aは、ステップS10の判定結果が肯定、すなわち機能スイッチ39がON状態である場合には、ステップS11以降の処理を実行する。そして、機能スイッチ39がON状態である場合、CPU30aは、車速値Saとティルト角値Taをもとに走行制限を掛けるか否かの制限判定を行い、走行制限を掛ける場合には制限内容を決定し、その決定した制限内容にしたがって走行制限を掛ける。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7)荷Wのずり下がりを防止するための走行制限を有効とするか否かを選択操作する機能スイッチ39を設置した。これによれば、フォークリフト10を使用する使用者側の作業環境に応じて前記制限を有効とするか否か、すなわち走行制限を掛けるか否かを選択することができる。したがって、作業環境に柔軟に対応でき、荷役作業の作業性の低下を抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 各実施形態において、走行制限を掛ける場合の制限内容を変更しても良い。例えば、荷役装置12に荷Wを積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に、加速度制限のみを実行するようにしても良い。
○ 各実施形態では、荷Wを積載した荷役装置12が前傾姿勢の場合に、車速値SAが車速値Sa以上か又は車速値Sa未満かによって制限内容を異ならせているが、制限内容を同一に設定しても良い。この場合、制限内容には、必ず加速度制限を含める。
○ 各実施形態において、各判定の閾値として設定する車速値Sa、ティルト角値Ta、及び設定荷重値は、任意に変更しても良い。すなわち、これらの値は、機種毎にシミュレーションによって最適値を設定すれば良い。
○ 各実施形態において、ティルト角の水平を、例えば前傾側及び後傾側にそれぞれ1度の許容値を含めて設定し、この範囲内を水平としても良い。この場合、荷役装置12は、ティルト角値TAが−1度を超えることにより前傾姿勢であると認識される。
○ 各実施形態において、設定荷重値を「0(零)kg」を越える数値に設定しても良い。すなわち、荷Wのずり下がりは、荷Wが重い場合やフォーク21とパレットP間の摩擦力が弱いほど、生じ易い。このため、ずり下がり防止制御の対象となる荷重値を設定し、この荷重値以上の荷Wが積載されている場合にずり下がり防止の制御を実行し、前記荷重値未満の荷Wが積載されている場合にずり下がり防止の制御を実行しないようにしても良い。
○ 各実施形態において、走行警告を、警告灯の点灯や点滅によって行うようにしても良い。また、走行警告を、警告音の出力と警告灯の点灯や点滅の両方で行うようにしても良い。
○ 各実施形態において、荷役装置12に荷Wが積載されているか否かの検出を、例えばレーザーセンサや画像センサなどを用いて行っても良い。
○ 各実施形態は、エンジンを搭載し、エンジンの駆動力により駆動輪14を駆動するエンジン式のフォークリフトや、バッテリを駆動源とする走行モータを搭載し、走行モータの駆動力により駆動輪14を駆動するバッテリ式のフォークリフトに具体化しても良い。また、エンジンと走行モータを搭載し、その両方を走行用の駆動力とするフォークリフト(ハイブリッドフォークリフト)に具体化しても良い。また、傾動動作(前傾と後傾)を行う荷役装置を有する他の産業車両に具体化しても良い。
○ 第2の実施形態において、機能スイッチ39は、フォークリフト10を管理する管理者のみの操作を許容するように設けても良いし、運転者の操作も許容するように設けても良い。
(a)は、荷役装置が水平姿勢をとっている場合のフォークリフトを示す側面図、(b)は、荷役装置が前傾姿勢をとっている場合のフォークリフトを示す側面図。 第1の実施形態のフォークリフトの電気的構成を示すブロック図。 車速値及びティルト角値と、走行制限の要否及び制限内容を対応付けた表。 第1の実施形態のずり下がり防止処理を示すフローチャート。 第2の実施形態のフォークリフトの電気的構成を示すブロック図。 第2の実施形態のずり下がり防止処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…フォークリフト、12…荷役装置、16…マスト、19…ティルトシリンダ、20…リフトシリンダ、21…フォーク、30…車両制御装置、30a…CPU、31…車速センサ、32…荷重センサ、33…ティルト角センサ、34…駆動部、35…油圧機構、36…警告装置、39…機能スイッチ、W…荷。

Claims (5)

  1. 傾動動作可能な荷役手段を有する産業車両の走行制御装置において、
    前記荷役手段による荷の積載状態を検出する積載検出手段と、
    車両が走行しているか否かを検出する走行検出手段と、
    前記荷役手段が前傾しているか否かを検出する前傾検出手段と、
    車両の走行を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記車両が、前記荷役手段に予め定めた重量を超える荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に前記車両の加速度を制限することを特徴とする産業車両の走行制御装置。
  2. 前記車両が前記荷役手段に前記荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に警告する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の産業車両の走行制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記車両が前記荷役手段に前記荷を積載し、かつ前傾姿勢で走行している場合に前記車両の最高車速を制限することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の産業車両の走行制御装置。
  4. 前記制御手段による前記制限を有効とするか否かを選択操作する操作手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の産業車両の走行制御装置。
  5. 前記荷役手段は、油圧機構により昇降及び傾動の各動作を行い、
    前記積載検出手段は、前記荷役手段を昇降させる油圧式の昇降手段の圧力を検出することを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の産業車両の走行制御装置。
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