JP5680804B1 - フォークリフト及びフォークリフトの制御方法 - Google Patents

フォークリフト及びフォークリフトの制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5680804B1
JP5680804B1 JP2014526021A JP2014526021A JP5680804B1 JP 5680804 B1 JP5680804 B1 JP 5680804B1 JP 2014526021 A JP2014526021 A JP 2014526021A JP 2014526021 A JP2014526021 A JP 2014526021A JP 5680804 B1 JP5680804 B1 JP 5680804B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inching
pump
rate
hydraulic pump
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014526021A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015097910A1 (ja
Inventor
慎治 金子
慎治 金子
泰司 大岩
泰司 大岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP5680804B1 publication Critical patent/JP5680804B1/ja
Publication of JPWO2015097910A1 publication Critical patent/JPWO2015097910A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66FHOISTING, LIFTING, HAULING OR PUSHING, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. DEVICES WHICH APPLY A LIFTING OR PUSHING FORCE DIRECTLY TO THE SURFACE OF A LOAD
    • B66F9/00Devices for lifting or lowering bulky or heavy goods for loading or unloading purposes
    • B66F9/06Devices for lifting or lowering bulky or heavy goods for loading or unloading purposes movable, with their loads, on wheels or the like, e.g. fork-lift trucks
    • B66F9/075Constructional features or details
    • B66F9/07572Propulsion arrangements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66FHOISTING, LIFTING, HAULING OR PUSHING, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, e.g. DEVICES WHICH APPLY A LIFTING OR PUSHING FORCE DIRECTLY TO THE SURFACE OF A LOAD
    • B66F9/00Devices for lifting or lowering bulky or heavy goods for loading or unloading purposes
    • B66F9/06Devices for lifting or lowering bulky or heavy goods for loading or unloading purposes movable, with their loads, on wheels or the like, e.g. fork-lift trucks
    • B66F9/075Constructional features or details
    • B66F9/20Means for actuating or controlling masts, platforms, or forks
    • B66F9/22Hydraulic devices or systems

Abstract

エンジン4によって駆動される可変容量型のHSTポンプ10と、HSTポンプ10との間で閉回路を形成し、HSTポンプ10から吐出された作動油によって駆動される油圧モータ20と、油圧モータ20によって駆動される駆動輪2aと、を備えたフォークリフト1において、制御装置30は、インチングペダル40aの操作量に対応するインチング率Iを演算し、かつアクセルペダル41a及びインチングペダル40aの両方が操作されている状態に限り、インチング率Iの下限値を0よりも大きい値とする。

Description

本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記油圧ポンプから吐出した作動油によって駆動される油圧モータと、を有するフォークリフト及びフォークリフトの制御方法に関する。
駆動源であるエンジンと、駆動輪との間にHST(Hydro Static Transmission:静油圧式動力伝達装置)と称される油圧駆動装置が設けられているフォークリフトがある。油圧駆動装置は、閉回路である主油圧回路に、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、この走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される可変容量型の油圧モータとを備えており、油圧モータの駆動を駆動輪に伝達することによって車両を走行させるようにしたものである。
このような油圧駆動装置を適用したフォークリフトは、エンジンによって駆動される作業用油圧ポンプも備えており、作業用油圧ポンプから作動油を作業機用アクチュエータに供給して、作業機を駆動させる。このようなフォークリフトでは、走行用油圧ポンプの吸収トルクを増減させるインチング制御が行われる(例えば、特許文献1)。
特開2012−057761号公報
特許文献1には、インチング率とメカブレーキ率とがともに0%以上となるオーバーラップ領域を求めることが記載されている。このようにすると、機械式ブレーキの制動力が発生している状態から走行用油圧ポンプに駆動力を発生させることができるので、フォークリフト1の発進時におけるタイムラグを小さくすることができる。しかし、走行用油圧ポンプは、内部摩擦等の影響により、作動油の流量が減少して0になるときと、作動油が吐出を開始して流量が増加するときとでは異なる経路を通る、ヒステリシス特性を有する。このため、フォークリフトの停止時と発進時とでインチングペダルのストローク量が異なり、インチングペダルによるフォークリフトの位置調整が難しくなる可能性がある。
本発明は、HSTを備えたフォークリフトにおいて、インチングペダルを踏み込んだときのストロークの変化を抑制することを目的とする。
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出した作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減操作するアクセル操作部と、前記エンジンの実エンジン回転数をもとに、前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を演算する目標吸収トルク演算部と、前記走行用油圧ポンプの所定の斜板傾転角に対する低減割合を示すインチング率を操作するインチング操作部と、前記インチング操作部の操作量に対応する前記インチング率を求め、かつ前記アクセル操作部及び前記インチング操作部の両方が操作されている状態に限り、前記インチング率の下限値を0よりも大きい値とするインチング率演算部と、前記インチング率に基づいて前記目標吸収トルクを減少した補正吸収トルクに対応する補正吸収トルク指令又は前記インチング率に基づいて前記目標斜板傾転角を減少した補正斜板傾転角に対応する補正斜板傾転角指令を前記走行用油圧ポンプに出力する出力制御部と、を含む、フォークリフトである。
前記インチング率の下限値は、前記エンジンの回転速度と、そのエンジン回転速度から決定される、前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルクとに基づいて決定されることが好ましい。
前記インチング率の下限値は、前記エンジンが出力する馬力又は前記走行用油圧ポンプの吸収馬力に応じて決定されることが好ましい。
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出した作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減操作するアクセル操作部と、前記走行用油圧ポンプの所定の斜板傾転角に対する低減割合を示すインチング率を操作するインチング操作部と、を含むフォークリフトを制御するにあたり、前記インチング操作部の操作量に対応する前記インチング率を求め、かつ前記アクセル操作部及び前記インチング操作部の両方が操作されている状態に限り、前記インチング率の下限値を0よりも大きい値とし、前記インチング率に基づいて前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルクを減少した補正吸収トルクに対応する補正吸収トルク指令又は前記インチング率に基づいて前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を減少した補正斜板傾転角に対応する補正斜板傾転角指令を前記走行用油圧ポンプに出力する、フォークリフトの制御方法である。
前記インチング率の下限値は、前記エンジンの回転速度と、そのエンジン回転速度から決定される、前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルクとに基づいて決定されることが好ましい。
前記インチング率の下限値は、前記エンジンが出力する馬力又は前記走行用油圧ポンプの吸収馬力に応じて決定されることが好ましい。
本発明は、HSTを備えたフォークリフトにおいて、インチングペダルを踏み込んだときのストロークの変化を抑制することができる。
図1は、本実施形態に係るフォークリフトの全体構成を示す図である。 図2は、図1に示したフォークリフトの制御系統を示すブロック図である。 図3は、インチング操作量に対するインチング率の変化を示す図である。 図4は、実エンジン回転数に対するHSTポンプの目標吸収トルクの特性線を示す図である。 図5は、HSTポンプを制御するためのポンプ電磁比例制御バルブに与えられる指令信号と、ポンプ容量制御シリンダのピストン室圧力との関係を示す図である。 図6は、ポンプ容量制御シリンダのピストン室圧力とHSTポンプが吐出する作動油の流量Qとの関係を示す図である。 図7は、インチング率が変化する際の特性を説明するための図である。 図8は、制御装置によるHSTポンプに対するインチング制御を含むポンプ制御を示すブロック図である。 図9は、インチング目標最大吸収トルクを求める際に用いられるマップの一例を示す図である。 図10は、同時操作状態におけるインチング率の制御例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
<フォークリフト>
図1は、本実施形態に係るフォークリフト1の全体構成を示す図である。図2は、図1に示したフォークリフトの制御系統を示すブロック図である。フォークリフト1は、駆動輪2a及び操向輪2bを有した車体3と、車体3の前方に設けられる作業機5とを有する。車体3には、内燃機関としてのエンジン4、エンジン4を駆動源として駆動する可変容量型の走行用油圧ポンプ10及び作業機油圧ポンプ16が設けられる。駆動輪2aは、可変容量型の走行用油圧ポンプ10と可変容量型の油圧モータ20とを閉じた油圧回路で連通させ、油圧モータ20の動力で駆動される。このように、フォークリフト1は、HSTによって走行する。本実施形態において、走行用油圧ポンプ10及び作業機油圧ポンプ16は、いずれも斜板を有し、斜板の傾転角が変更されることにより、容量が変化する。
作業機5は、フォーク6を昇降させるリフトシリンダ7及びフォーク6をチルトさせるチルトシリンダ8を有する。車体3の運転席には、前後進レバー42a、インチング操作部としてのインチングペダル(ブレーキペダル)40a、アクセル操作部としてのアクセルペダル41a並びに作業機5を操作するためのリフトレバー及びチルトレバーを含む図示しない作業機操作レバーが設けられる。インチングペダル40aは、インチング率を操作する。アクセルペダル41aは、エンジン4への燃料供給量を増減操作する。インチングペダル40a及びアクセルペダル41aは、フォークリフト1のオペレータが、運転席から足踏み操作できる位置に設けられている。図1では、インチングペダル40aとアクセルペダル41aとが重なった状態で描かれている。
図2に示すように、フォークリフト1は、閉回路となる主油圧回路100の油圧供給管路10a、10bによって接続された走行用油圧ポンプ10及び油圧モータ20を備えている。走行用油圧ポンプ10(以下、適宜HSTポンプ10という)は、エンジン4によって駆動されて作動油を吐出する装置である。本実施形態において、HSTポンプ10は、例えば、斜板傾転角を変更することによって容量を変更することのできる可変容量型のポンプである。
油圧モータ20(以下、適宜HSTモータ20という)は、HSTポンプ10から吐出された作動油によって駆動される。油圧モータ20は、例えば、斜板傾転角を変更することによって容量を変更することのできる可変容量型の油圧モータである。HSTモータ20は、固定容量型の油圧モータであってもよい。HSTモータ20は、その出力軸20aがトランスファ20bを介して駆動輪2aに接続してあり、駆動輪2aを回転駆動することでフォークリフト1を走行させることができる。
HSTモータ20は、HSTポンプ10からの作動油の供給方向に応じて回転方向を切り替えることが可能である。HSTモータ20の回転方向が切り替えられることにより、フォークリフト1を前進又は後進させることができる。以下の説明においては、便宜上、油圧供給管路10aからHSTモータ20に作動油が供給された場合にフォークリフト1が前進し、油圧供給管路10bからHSTモータ20に作動油が供給された場合にフォークリフト1が後進するものとする。
このフォークリフト1は、ポンプ容量設定ユニット11、モータ容量設定ユニット21及びチャージポンプ15を有する。ポンプ容量設定ユニット11は、HSTポンプ10に設けられる。ポンプ容量設定ユニット11は、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13及びポンプ容量制御シリンダ14を備える。ポンプ容量設定ユニット11は、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12及び後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対して、後述する制御装置30から指令信号が与えられる。ポンプ容量設定ユニット11は、制御装置30から与えられた指令信号に応じてポンプ容量制御シリンダ14が作動し、HSTポンプ10の斜板傾転角が変化することによってその容量が変更される。
ポンプ容量制御シリンダ14は、シリンダケース14C内にピストン14aが収納されている。ピストン14aは、シリンダケース14Cとピストン14aとの間の空間に作動油が供給されることによって、シリンダケース14C内を往復する。ポンプ容量制御シリンダ14は、斜板傾転角が0の状態において、ピストン14aが中立位置に保持されている。このため、エンジン4が回転しても、HSポンプ10から主油圧回路100へ吐出される作動油の量はゼロである。
HSTポンプ10の斜板傾転角が0の状態から、例えば、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12に対して制御装置30からHSTポンプ10の容量を増大する旨の指令信号が与えられると、この指令信号に応じて前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からポンプ容量制御シリンダ14に対してポンプ制御圧力が与えられる。その結果、ピストン14aは、図2において左側に移動する。ポンプ容量制御シリンダ14のピストン14aが図2において左側に移動すると、これに連動してHSTポンプ10の斜板が油圧供給管路10aに対して作動油を吐出する方向へ向けて傾く。
前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からのポンプ制御圧力が増大するにしたがって、ピストン14aの移動量が大きくなる。このため、HSTポンプ10における斜板の傾転角は、その変化量も大きなものとなる。つまり、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12に対して制御装置30から指令信号が与えられると、この指令信号に応じたポンプ制御圧力が前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からポンプ容量制御シリンダ14に与えられる。前述したポンプ制御圧力によって、ポンプ容量制御シリンダ14が作動することにより、HSTポンプ10の斜板が油圧供給管路10aに対して所定量の作動油を吐出できるように傾く。この結果、エンジン4が回転すれば、HSTポンプ10から油圧供給管路10aに作動油が吐出されて、HSTモータ20は前進方向に回転する。
前述の状態において、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12に対して制御装置30からHSTポンプ10の容量を減少する旨の指令信号が与えられると、この指令信号に応じて前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からポンプ容量制御シリンダ14に供給されるポンプ制御圧力が減少する。このため、ポンプ容量制御シリンダ14のピストン14aは、中立位置に向かって移動する。この結果、HSTポンプ10の斜板傾転角が減少し、HSTポンプ10から油圧供給管路10aへの作動油の吐出量が減少する。
制御装置30が、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対してHSTポンプ10の容量を増大する旨の指令信号が与えると、この指令信号に応じて後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に対してポンプ制御圧力が与えられる。すると、ピストン14aは、図2において右側に移動する。ポンプ容量制御シリンダ14のピストン14aが、図2において右側に移動すると、これに連動してHSTポンプ10の斜板が油圧供給管路10bに対して作動油を吐出する方向へ向かって傾転する。
後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13から供給されるポンプ制御圧力が増大するにしたがってピストン14aの移動量が大きくなるため、HSTポンプ10の斜板傾転角の変化量は大きくなる。つまり、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対して制御装置30から指令信号が与えられると、この指令信号に応じたポンプ制御圧力が後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に与えられる。そして、ポンプ容量制御シリンダ14の作動によりHSTポンプ10の斜板が油圧供給管路10bに対して所望量の作動油を吐出できるように傾く。この結果、エンジン4が回転すると、HSTポンプ10から油圧供給管路10bに作動油が吐出されて、HSTモータ20は、後進方向に回転する。
後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対して制御装置30からHSTポンプ10の容量を減少する旨の指令信号が与えられると、この指令信号に応じて後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に供給するポンプ制御圧力が減少し、ピストン14aが中立位置に向けて移動する。この結果、HSTポンプ10の斜板傾転角が減少するので、HSTポンプ10から油圧供給管路10bへ吐出される作動油の量が減少する。
モータ容量設定ユニット21は、HSTモータ20に設けられる。モータ容量設定ユニット21は、モータ電磁比例制御バルブ22、モータ用シリンダ制御バルブ23及びモータ容量制御シリンダ24を備えている。モータ容量設定ユニット21では、モータ電磁比例制御バルブ22に対して制御装置30から指令信号が与えられると、モータ電磁比例制御バルブ22からモータ用シリンダ制御バルブ23にモータ制御圧力が供給されて、モータ容量制御シリンダ24が作動する。モータ容量制御シリンダ24が作動すると、これに連動してHSTモータ20の斜板傾転角が変化することになる。このため、制御装置30からの指令信号に応じてHSTモータ20の容量が変更されることになる。具体的には、モータ容量設定ユニット21は、モータ電磁比例制御バルブ22から供給されるモータ制御圧力が増加するにしたがって、HSTモータ20の斜板傾転角が減少するようになっている。
チャージポンプ15は、エンジン4によって駆動される。チャージポンプ15は、前述した前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12及び後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13を介してポンプ容量制御シリンダ14にポンプ制御圧力を供給する。また、チャージポンプ15は、モータ電磁比例制御バルブ22を介してモータ用シリンダ制御バルブ23にモータ制御圧力を供給する機能を有している。
本実施形態において、エンジン4は、HSTポンプ10の他に、作業機油圧ポンプ16を駆動する。この作業機油圧ポンプ16は、作業機5を駆動するための作業用アクチュエータであるリフトシリンダ7及びチルトシリンダ8に作動油を供給する。
フォークリフト1は、インチングポテンショメータ(ブレーキポテンショメータ)40、アクセルポテンショメータ41、前後進レバースイッチ42、エンジン回転センサ43及び車速センサ46を備えている。
インチングポテンショメータ40は、インチングペダル(ブレーキペダル)40aが操作された場合に、その操作量を検出して出力する。インチングペダル40aの操作量は、インチング操作量Isである。インチングポテンショメータ40が出力するインチング操作量Isは、制御装置30に入力される。
図3は、インチング操作量Isに対するインチング率Iの変化を示す図である。図3の縦軸はインチング率Iであり、横軸はインチング操作量Isである。インチング率Iとは、HSTポンプ10の所定の斜板傾転角に対する低減割合を示すものであり、HSTポンプ10の目標吸収トルクの低減割合とも言い換えることができる。インチング率Iが100%であるときエンジン4の駆動力はすべてHSTポンプ10に伝達され、インチング率Iが0%であるときエンジン4の駆動力はHSTポンプ10に伝達されない。本実施形態において、図3の特性線L1に示すように、例えば、インチングポテンショメータ40が検出したインチング操作量Isが0%から50%の範囲において、インチング率Iは、100%から0%に変化する。インチング操作量Isが50%から100%の範囲において、特性線LBに示すように、図示しない機械式ブレーキの効き具合を示すメカブレーキ率Bは、0%から100%に変化する。
本実施形態において、インチングペダル40a及びアクセルペダル41aの両方が操作されている、すなわち踏み込まれている場合、インチング率Iの下限値は、0%よりも大きい値に維持される。以下において、インチング率の下限値を、適宜最小インチング率ともいう。インチングペダル40a及びアクセルペダル41aの両方が操作されている状態を、適宜同時操作状態という。図3に示す例では、同時操作状態において、インチング率は、図3の横軸と平行な直線L1a又はL1bで示される最小インチング率Ima又は最小インチング率Imbに維持される。以下において、これらを区別しない場合、最小インチング率Imともいう。
例えば、インチングペダル40a及びアクセルペダル41aの両方が同時に踏み込まれた場合、インチングペダル40aの踏み込み量が大きくなるにしたがってインチング操作量Isが増加する。インチング操作量Isが増加するにしたがってインチング率Iは特性線L1に沿って減少する。インチング率Iが低下して最小インチング率Imになると、その後は、インチング操作量Isが増加しても、インチング率Iは、最小インチング率Imに維持される。
最小インチング率Imは、後述するエンジン回転センサ43が検出したエンジン4の回転数から求められた回転速度と、その回転速度から決定されるHSTポンプ10の目標吸収トルクとに基づいて決定される。すなわち、最小インチング率Imは、エンジン4の出力(馬力)の変化に応じて変化する。
図4は、実エンジン回転数Nrに対するHSTポンプ10の目標吸収トルクTmの特性線L2を示す図である。この特性線L2にインチング率Iを乗算することによって、特性線L2は、例えば特性線L3に変化することを示している。すなわち、インチング率Iの減少によって、HSTポンプ10の目標吸収トルクTmが減少する。このように、インチング率Iは、HSTポンプ10の目標吸収トルクTmの減少率に対応する。
本実施形態において、フォークリフト1のオペレータがインチングペダル40aから足を放して、機械式ブレーキによる制動力を減少又は0にすることを、ブレーキを開くと称する。ブレーキを閉じるとは、フォークリフト1のオペレータがインチングペダル40aを踏み込んで、機械式ブレーキによる制動力を発生又は増加させることをいう。
アクセルポテンショメータ41は、アクセルペダル41aが操作された場合にその操作量Asを出力するものである。アクセルペダル41aの操作量Asは、アクセル開度Asともいう。アクセルポテンショメータ41が出力するアクセル開度Asは、制御装置30に入力される。
前後進レバースイッチ42は、フォークリフト1の進行方向を入力するための選択スイッチである。本実施形態では、運転席から選択操作できる位置に設けた前後進レバー42aの操作により、前進と、ニュートラルと、後進との3つの進行方向を選択することのできる前後進レバースイッチ42を適用している。この前後進レバースイッチ42によって選択された進行方向を示す情報は、選択情報として制御装置30に与えられることになる。
エンジン回転センサ43は、エンジン4の実際の回転数を検出するものである。エンジン回転センサ43によって検出されたエンジン4の回転数は、実エンジン回転数Nrである。実エンジン回転数Nrを示す情報は、制御装置30に入力される。本実施形態において、実エンジン回転数Nrは、単位時間あたりにおける実エンジン回転数Nr、すなわち実エンジン回転速度として取り扱われる。
制御装置30は、処理部30Cと記憶部30Mとを含む。制御装置30は、例えば、コンピュータを備え、フォークリフト1の制御に関する各種の処理を実行する装置である。処理部30Cは、例えば、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを組み合わせて構成される。処理部30Cは、記憶部30Mに記憶されている、主油圧回路100を制御するためのコンピュータプログラムを読み込んでこれに記述されている命令を実行することにより、主油圧回路100の動作を制御する。記憶部30Mは、前述したコンピュータプログラム及び主油圧回路100の制御に必要なデータ等を記憶している。記憶部30Mは、例えば、ROM(Read Only Memory)、ストレージデバイス又はこれらの組合せによって構成される。
制御装置30には、インチングポテンショメータ40、アクセルポテンショメータ41、前後進レバースイッチ42、エンジン回転センサ43及び車速センサ46といった各種センサ類が電気的に接続されている。制御装置30は、これらの各種センサ類からの入力信号に基づいて、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13の指令信号を生成し、かつ生成した指令信号をそれぞれの電磁比例制御バルブ12、13、22に与える。
<インチング率Iが変化する際の特性について>
図5は、HSTポンプ10を制御するためのポンプ電磁比例制御バルブに与えられる指令信号iepと、ポンプ容量制御シリンダ14のピストン室圧力Pepとの関係を示す図である。図6は、ポンプ容量制御シリンダ14のピストン室圧力PepとHSTポンプ10が吐出する作動油の流量Qとの関係を示す図である。図7は、インチング率Iが変化する際の特性を説明するための図である。ポンプ電磁比例制御バルブは、図2に示す前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12及び後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13である。ピストン室圧力Pepは、図2に示すポンプ容量制御シリンダ14のシリンダケース14Cとピストン14aとの間の空間に供給される作動油の圧力である。
図5及び図6の矢印STは、図2に示すHSTポンプ10が吐出する作動油の流量が増加する際の変化を示し、矢印SPは、HSTポンプ10が吐出する作動油の流量が減少する際の変化を示す。図5に示すように、ポンプ電磁比例制御バルブに与えられる指令信号iepが増加すると、ピストン室圧力Pepは増加して、図6に示すように、HSTポンプ10から吐出される作動油の流量Qが増加する。指令信号ipeが減少すると、ピストン室圧力Pepは減少して、図6に示すように、HSTポンプ10から吐出される作動油の流量Qが減少する。
図5に示すように、指令信号iepが増加するときにおけるピストン室圧力Pepの増加の経路と、指令信号iepが低下するときにおけるピストン室圧力Pepの低下の経路とは異なる。このため、図6に示すように、ピストン室圧力Pepが増加するときにおける流量Qの増加の経路と、ピストン室圧力Pepが低下するときにおける流量Qの低下の経路とは異なる。このように、HSTポンプ10が吐出する作動油の流量Qの変化は、ヒステリシス特性を有する。
インチング率Iが増加する場合は、HSTポンプ10が吐出する作動油の流量Qが増加する場合に対応し、インチング率Iが低下する場合は、HSTポンプ10が吐出する作動油の流量Qが低下する場合に対応する。図7においては、インチング率Iが減少するときの経路がLspであり、インチング率Iが増加するときの経路がLsiである。前述したように、HSTポンプ10が吐出する作動油の流量Qがヒステリシス特性をもって変化するので、図7に示すように、インチング操作量Isに対するインチング率Iの変化も、ヒステリシス特性を有する。
インチング率Iが低下する場合と増加する場合とで、インチング率Iの経路Lspと経路Lsiとが横軸と交差する点が異なる。このため、インチングペダル40aを踏み込んでフォークリフト1を停止させる場合と、インチングペダル40aを解除してフォークリフト1を発進させる場合とで、インチングペダル40aの位置が異なる。具体的には、フォークリフト1が停止するときの方が、フォークリフト1が発進するときよりもインチングペダル40aを多く踏み込むことになるので、後者の方がインチングペダル40aの位置は手前、すなわちオペレータ側になる。
例えば、オペレータが、アクセルペダル41aを少し踏み込んだ状態からインチングペダル40aを少しずつ放し、フォークリフト1を微速で発進させる。そして、オペレータが、目標の位置でフォークリフト1を停止させようとしてインチングペダル40aを踏み込むと、フォークリフト1が発進したときにおけるインチングペダル40aのストロークよりも深い位置、すなわち、インチングペダル40aがよりオペレータから離れた位置でフォークリフト1が停止する。このように、オペレータが、アクセルペダル41aを少し踏み込んだ状態、かつインチングペダル40aを踏み込んだ状態で、インチングペダル40aの操作によってフォークリフト1の停止位置を微調整することは難しい。これは、前述したように、HSTポンプ10が吐出する作動油の流量Qがヒステリシス特性をもって変化する結果、インチング操作量Isに対するインチング率Iの変化もヒステリシス特性を有することが原因である。
前述したように、本発明に係るフォークリフト1は、同時操作状態において、インチング率Iの下限値が最小インチング率Imに維持される。このようにすることで、インチング操作量Isが増加した場合、インチング率Iは最小インチング率Imよりも小さくなることはないので、同時操作状態において、HSTポンプ10は、最小インチング率Imに対応した流量Qの作動油を吐出し、駆動力を発生させている。このため、フォークリフト1は最低限の駆動力を維持することができる。その結果、同時操作状態において、機械式ブレーキの制動力により発進停止を行った場合、発進時におけるタイムラグを低減することができる。また、同時操作状態において、HSTポンプ10は、最小インチング率Imに対応した流量Qの作動油を吐出しているので、機械式ブレーキの制動力がなくなった時点で、図1に示す駆動輪2aにHSTポンプ10の駆動力が速やかに伝達される。その結果、インチング率Iが変化する際のヒステリシス特性の影響を低減できるので、フォークリフト1の発進時と停止時とのインチングペダル40aのストロークの変化を抑制させることができる。このため、フォークリフト1の停止位置を微調整する際の操作性を向上することができる。
フォークリフト1は、同時操作状態以外、すなわち、インチングペダル40aが単独で操作されたときには、インチング率Iとメカブレーキ率Bとの両方が同じインチング操作量Isで0%になる。このため、機械式ブレーキの制動力でHSTポンプ10の駆動力を消費することが回避される。その結果、フォークリフト1は、インチング率Iの下限値を最小インチング率Imに維持することによる損失及びこれに起因する燃費の悪化を最小限に抑えることができる。
なお、仮に、インチング率Iとメカブレーキ率Bとの両方が0%以上となるオーバーラップ領域を設けた場合も、インチング率Iが変化する際のヒステリシス特性の影響を低減できる。しかし、オーバーラップ領域を設けると、燃費の悪化を招く可能性がある。本実施形態は、オーバーラップ領域を設けなくても、インチング率Iが変化する際のヒステリシス特性の影響を低減できる。このため、フォークリフト1の発進時と停止時とのインチングペダル40aのストロークの変化を抑制させ、かつ燃費の悪化を最小限に抑えることができる。
図8は、制御装置30によるHSTポンプ10に対するインチング制御を含むポンプ制御を示すブロック図である。図9は、インチング目標最大吸収トルクを求める際に用いられるマップMPの一例を示す図である。図8に示すように、制御装置30は、目標吸収トルク演算部31、インチング率演算部32、燃料噴射量演算部33及びHSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部37を有する。
目標吸収トルク演算部31は、エンジン回転センサ43が検出した実エンジン回転数(実エンジン回転速度)Nrをもとに、HSTポンプ10の目標吸収トルクTmを演算する。目標吸収トルク演算部31は、実エンジン回転数Nrに対する目標吸収トルクTmの特性を示すマップM1を有している。目標吸収トルク演算部31は、マップM1上の特性線L2で示されるような実エンジン回転数Nrと目標吸収トルクTmとの関係をもとに、入力された実エンジン回転数Nrに対応する目標吸収トルクTmを算出し、この目標吸収トルクTmを乗算部36及びインチング率演算部32に出力する。特性線L2は、例えば、図2に示すエンジン4の燃料消費率が最小になるように定められる。
インチング率演算部32は、判定部32Aと、第1切替部32Bと、モジュレーション部32Cと、第1大選択部32Dと、インチング目標最大吸収トルク計算部32Eと、インチング率計算部32Fと、最小インチング率計算部32Gと、第2切替部32Hと、第2大選択部32Iとを含む。判定部32Aは、同時操作状態か否かを判定する。このため、判定部32Aは、インチングポテンショメータ40及びアクセルポテンショメータ41からそれぞれインチング操作量Is及びアクセル開度Asを取得する。
インチング操作量Isが所定の第1閾値以上かつアクセル開度Asが所定の第2閾値以上である場合、判定部32Aは、同時操作状態であると判定し、第1切替部32B及び第2切替部32HをON側に切り替える。このようにすると、第1切替部32Bからは、最小インチング率計算部32Gの計算結果である最小インチング率Imが出力される。第2切替部32Hからは、HSTポンプ10の吸収トルクとして0%が出力される。
インチング操作量Isが所定の第1閾値以上かつアクセル開度Asが所定の第2閾値以上である条件を満たさない場合、判定部32Aは、第1切替部32B及び第2切替部32HをOFF側に切り替える。このようにすると、第1切替部32Bからは、インチング率Iとして0%が出力される。第2切替部32Hからは、HSTポンプ10の吸収トルクとしてTaが出力される。
同時操作状態でない場合、第2切替部32Hからは、HSTポンプ10の吸収トルクとしてTaが出力されるが、HSTポンプ10の吸収トルクがTa(例えば、5kgf・m程度)以下の状態でインチングペダル40aを単独で操作して減速中に、アクセルペダル41aが踏み込まれことがある。この場合、インチング目標最大吸収トルク計算部32Eが求めたインチング時におけるインチング目標最大吸収トルクTiによってインチング率Iが増加し、フォークリフト1は加速するので、モジュレーション部32Cによって加速感を緩和する。モジュレーション部32Cは、第2切替部32HがOFFからONになるとモジュレーションを実行し、第2切替部32HがOFFからONになるとモジュレーションをかけない。
大選択部32Dは、モジュレーション部32Cの出力と、目標吸収トルク演算部31から出力された目標最大吸収トルクTmとを比較し、大きい方を出力する。大選択部32Dの選択結果は、インチング目標最大吸収トルク計算部32E及びインチング率計算部32Fに入力される。インチング目標最大吸収トルク計算部32Eは、例えば、図9に示すマップMPに基づき、インチング目標最大吸収トルクTiを計算する。
マップMPには、インチング操作量Is1、Is2、・・Isn−1、Isn(%)と、最大吸収トルクTmx1、Tmx2、・・Tmxkとに応じて予め決定されたインチング目標最大吸収トルクTia、Tib、・・Tixが記述されている。符号に付された数値及びアルファベットは、インチング操作量Is1、Is2、・・Isn−1、Isn又は複数の最大吸収トルクTmx1、Tmx2、・・Tmxk等を識別するために付されている。識別が不要である場合、インチング操作量Is、最大吸収トルクTmx、インチング目標最大吸収トルクTiという。n、kは、1以上の整数である。
インチング操作量Isが所定の大きさ以上になると、インチング目標最大吸収トルクTiは0になる。インチング操作量Isが所定の大きさ未満の場合、インチング操作量Isが同一であれば、インチング目標最大吸収トルクTiは最大吸収トルクTmxが大きくなるにしたがって大きくなる。最大吸収トルクTmxが同一である場合、インチング目標最大吸収トルクTiはインチング操作量Isが大きくなるにしたがって小さくなる。
インチング目標最大吸収トルク計算部32Eは、インチングポテンショメータ40からインチング操作量Isと、第1大選択部32Dからの出力とを取得する。同時操作状態において、大選択部32Dからは目標吸収トルク演算部31からの目標吸収トルクTmが出力される。このため、同時操作状態において、インチング目標最大吸収トルク計算部32Eは、目標吸収トルクTmを最大吸収トルクTmxとしてマップMPに与える。同時に、インチング目標最大吸収トルク計算部32Eはインチングポテンショメータ40から取得したインチング操作量IsをマップMPに与えて、対応するインチング目標最大吸収トルクTiを求める。このように、目標吸収トルクTmとインチング操作量Isとからインチング目標最大吸収トルクTiを求めることにより、同時操作状態におけるフォークリフト1の車速の変化を適切にして、フォークリフト1の操作性を向上させることができる。
インチング率計算部32Fは、第1大選択部32Dからの出力と、インチング目標最大吸収トルク計算部32Eが求めたインチング目標最大吸収トルクTiとを取得し、これらを用いてインチング率Iを計算する。同時操作状態において、大選択部32Dからは目標吸収トルク演算部31からの目標吸収トルクTmが出力される。このため、インチング率I[%]は、式(1)で求めることができる。
I=Ti/Tm×100・・(1)
最小インチング率計算部32Gは、目標吸収トルク演算部31によって求められた目標吸収トルクTmと、エンジン回転センサ43から取得した実エンジン回転数Nrとから、最小インチング率Imを求める。本実施形態において、最小インチング率Im[%]は、式(2)によって求めることができる。Knは、係数であり、実エンジン回転数Nrによって変化する。本実施形態において、Knは、実エンジン回転数Nrが高い場合よりも低い場合の方が大きい値となる。
Im=Kn/Nr/Tm×100・・(2)
式(2)から、最小インチング率Imは、エンジン4が出力する馬力(仕事率)又はHSTポンプ10の吸収馬力(仕事率)が大きくなると小さくなり、エンジン4が出力する馬力又はHSTポンプ10の吸収馬力が小さくなると大きくなる。同時操作状態において最小インチング率Imが同一でエンジン4の出力が大きくなると、HSTポンプ10に分配されるエンジン4の出力の絶対値は大きくなる。この状態でインチングペダル40aを放すと、フォークリフト1が急発進する可能性がある。また、同時操作状態において最小インチング率Imが同一でエンジン4の出力が小さくなると、HSTポンプ10に分配されるエンジン4の出力の絶対値は小さくなる。この状態でインチングペダル40aを放すと、フォークリフト1の発進時にもたつきが発生する可能性がある。
本実施形態は、実エンジン回転数Nrと、その実エンジン回転数Nrによって求められた目標吸収トルクTmとに基づいて最小インチング率Imを決定するので、エンジン4の出力の変化に応じた適切なインチング率Iを得ることができる。その結果、同時操作状態でフォークリフト1を微速走行させる際の操作性の低下が抑制される。また、前述したように最小インチング率Imを決定することにより、HSTポンプ10が駆動力を発生することによる損失を最低限に抑え、かつ目標吸収トルクTmの大きさに左右されず、フォークリフト1が動き出す際におけるインチングペダル40aのストロークを一定にすることができる。
第2大選択部32Iは、インチング率計算部32Fによって求められたインチング率Iと、最小インチング率計算部32Gによって求められた最小インチング率Imとが入力される。第2大選択部32Iは、インチング率Iと最小インチング率Imとを比較し、大きい方を補正インチング率Icとして乗算部36に出力する。図3に示すように、インチング操作量Isの増加によって、インチング率計算部32Fによって求められたインチング率Iが小さくなると、インチング率Iよりも最小インチング率Imの方が大きくなる。すると、第2大選択部32Iは、最小インチング率Imを補正インチング率Icとして乗算部36に出力する。
乗算部36は、目標吸収トルクTmに補正インチング率Icを乗算する。そして、乗算部36は、補正インチング率Icに対応して目標吸収トルクTmを減少した補正吸収トルクTcをHSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部37に出力する。
出力制御部としてのHSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部37は、補正インチング率Icで目標吸収トルクTmを減少した補正吸収トルク指令icを生成して、HSTポンプ10のポンプ容量設定ユニット11に出力する。
補正吸収トルク指令icは、HSTポンプ10が吸収するトルクが、乗算部36から出力された補正吸収トルクTcとなるようにするための信号(本実施形態では電流値)である。補正吸収トルク指令icは、HSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部37から、ポンプ容量設定ユニット11の前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12又は後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に出力される。
燃料噴射量演算部33は、入力される実エンジン回転数Nrとアクセル開度Asとに基づいて、エンジン4の燃料噴射インジェクタに噴射すべき量を演算し、その結果を燃料噴射インジェクタに出力する。次に、同時操作状態におけるインチング率Iの制御例を簡単に説明する。
<制御例>
図10は、同時操作状態におけるインチング率Iの制御例を示すフローチャートである。ステップS1において、図8に示す制御装置30の判定部32Aは、同時操作状態か否かを判定する。同時操作状態である場合(ステップS1、Yes)、判定部32Aは、第1切替部32B及び第2切替部32HをONにする。この操作により、ステップS2において、インチング率Iの下限値は、0[%]よりも大きい最小インチング率Imとなる。同時操作状態でない場合(ステップS1、No)、判定部32Aは、第1切替部32B及び第2切替部32HをOFFにする。この操作により、ステップS3において、インチング率Iは通常の状態、例えば、インチング率Iの下限値が0[%]となる図3の特性線L1にしたがって変化する。
本実施形態では、目標吸収トルク演算部31で目標吸収トルクを求めたが、目標吸収トルクという用語は一つの概念に過ぎず、これを、目標斜板傾転角としてもよい。目標斜板傾転角は、図2に示すHSTポンプ10が有する斜板の目標とする傾転角である。この場合、インチング率演算部32によって求められた補正インチング率Icに基づいて、目標吸収トルク演算部32によって求められた目標斜板傾転角が減少された補正斜板傾転角に対応する補正斜板傾転角指令によってHSTポンプ10が制御される。また、前述したインチング目標最大吸収トルクに代えて、インチング目標最大斜板傾転角を用いてもよい。
以上、本実施形態を説明したが、前述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1 フォークリフト
4 エンジン
6 フォーク
10 走行用油圧ポンプ(HSTポンプ)
11 ポンプ容量設定ユニット
12 前進用ポンプ電磁比例制御バルブ
13 後進用ポンプ電磁比例制御バルブ
14 ポンプ容量制御シリンダ
20 油圧モータ(HSTモータ)
30 制御装置
31 目標吸収トルク演算部
32 インチング率演算部
32A 判定部
32B 第1切替部
32C モジュレーション部
32D 第1大選択部
32E インチング目標最大吸収トルク計算部
32F インチング率計算部
32G 最小インチング率計算部
32H 第2切替部
32I 第2大選択部
33 燃料噴射量演算部
36 乗算部
37 HSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部
40 インチングポテンショメータ
40a インチングペダル
41 アクセルポテンショメータ
41a アクセルペダル
43 エンジン回転センサ
100 主油圧回路
As アクセル開度
B メカブレーキ率
I インチング率
Im 最小インチング率
Is インチング操作量
Ti インチング目標最大吸収トルク
Tm 目標吸収トルク

Claims (6)

  1. エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、
    前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出した作動油によって駆動される油圧モータと、
    前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、
    前記エンジンへの燃料供給量を増減操作するアクセル操作部と、
    前記エンジンの実エンジン回転数をもとに、前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を演算する目標吸収トルク演算部と、
    前記走行用油圧ポンプの所定の斜板傾転角に対する低減割合を示すインチング率を操作するインチング操作部と、
    前記インチング操作部の操作量に対応する前記インチング率を求め、かつ前記アクセル操作部及び前記インチング操作部の両方が操作されている状態に限り、前記インチング率の下限値を0よりも大きい値とするインチング率演算部と、
    前記インチング率に基づいて前記目標吸収トルクを減少した補正吸収トルクに対応する補正吸収トルク指令又は前記インチング率に基づいて前記目標斜板傾転角を減少した補正斜板傾転角に対応する補正斜板傾転角指令を前記走行用油圧ポンプに出力する出力制御部と、
    を含む、フォークリフト。
  2. 前記インチング率の下限値は、前記エンジンの回転速度と、そのエンジン回転速度から決定される、前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルクとに基づいて決定される、請求項1に記載のフォークリフト。
  3. 前記インチング率の下限値は、前記エンジンが出力する馬力又は前記走行用油圧ポンプの吸収馬力に応じて決定される、請求項2に記載のフォークリフト。
  4. エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、
    前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出した作動油によって駆動される油圧モータと、
    前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、
    前記エンジンへの燃料供給量を増減操作するアクセル操作部と、前記走行用油圧ポンプの所定の斜板傾転角に対する低減割合を示すインチング率を操作するインチング操作部と、を含むフォークリフトを制御するにあたり、
    前記インチング操作部の操作量に対応する前記インチング率を求め、かつ前記アクセル操作部及び前記インチング操作部の両方が操作されている状態に限り、前記インチング率の下限値を0よりも大きい値とし、
    前記インチング率に基づいて前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルクを減少した補正吸収トルクに対応する補正吸収トルク指令又は前記インチング率に基づいて前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を減少した補正斜板傾転角に対応する補正斜板傾転角指令を前記走行用油圧ポンプに出力する、
    フォークリフトの制御方法。
  5. 前記インチング率の下限値は、前記エンジンの回転速度と、そのエンジン回転速度から決定される、前記走行用油圧ポンプの目標吸収トルクとに基づいて決定される、請求項4に記載のフォークリフトの制御方法。
  6. 前記インチング率の下限値は、前記エンジンが出力する馬力又は前記走行用油圧ポンプの吸収馬力に応じて決定される、請求項5に記載のフォークリフトの制御方法。
JP2014526021A 2013-12-27 2013-12-27 フォークリフト及びフォークリフトの制御方法 Active JP5680804B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/085265 WO2015097910A1 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 フォークリフト及びフォークリフトの制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5680804B1 true JP5680804B1 (ja) 2015-03-04
JPWO2015097910A1 JPWO2015097910A1 (ja) 2017-03-23

Family

ID=52684822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014526021A Active JP5680804B1 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 フォークリフト及びフォークリフトの制御方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9120658B2 (ja)
JP (1) JP5680804B1 (ja)
CN (1) CN105339710B (ja)
DE (1) DE112013000353B4 (ja)
WO (1) WO2015097910A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105612331B (zh) * 2014-09-19 2017-04-12 株式会社小松制作所 作业车辆以及作业车辆的控制方法
WO2017010484A1 (ja) * 2015-07-13 2017-01-19 住友建機株式会社 道路機械
DE102017203544A1 (de) 2017-03-03 2018-09-06 Zf Friedrichshafen Ag Verfahren zum Betreiben eines hydrostatischen Getriebes eines Antriebsstranges eines Kraftfahrzeuges
JP7152163B2 (ja) * 2018-02-14 2022-10-12 株式会社小松製作所 作業車両及び作業車両の制御方法
CN109911820B (zh) * 2019-04-26 2023-09-22 安徽合力股份有限公司 前移式叉车液压系统及控制方法
CN113515120A (zh) * 2021-04-27 2021-10-19 武汉易上物联科技有限责任公司 一种基于物联网的叉车工况可视化装置及系统

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02275177A (ja) * 1989-04-13 1990-11-09 Toyota Autom Loom Works Ltd 可変速用可変容量油圧ポンプを備えたエンジン車両における走行制御装置
JP2012057761A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Komatsu Ltd 作業車両のエンジンオーバーラン防止制御装置
JP5144844B1 (ja) * 2012-04-26 2013-02-13 株式会社小松製作所 フォークリフト及びフォークリフトのインチング制御方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000213645A (ja) 1999-01-27 2000-08-02 Kayaba Ind Co Ltd Hst車両の制御機構
US8135531B2 (en) * 2002-06-12 2012-03-13 Nmhg Oregon, Llc Predictive vehicle controller
JP2004150304A (ja) * 2002-10-29 2004-05-27 Komatsu Ltd エンジンの制御装置
JP4209257B2 (ja) * 2003-05-29 2009-01-14 三菱重工業株式会社 分散型コントローラとその動作方法、及び、分散型コントローラを備えるフォークリフト
JP4163073B2 (ja) * 2003-08-12 2008-10-08 日立建機株式会社 作業車両の制御装置
US8775039B2 (en) * 2003-10-20 2014-07-08 Nmhg Oregon, Llc Dynamically adjustable inch/brake overlap for vehicle transmission control
JP4410640B2 (ja) * 2004-09-06 2010-02-03 株式会社小松製作所 作業車両のエンジンの負荷制御装置
JP4413122B2 (ja) * 2004-10-13 2010-02-10 日立建機株式会社 油圧建設機械の制御装置
EP1896665A1 (en) * 2005-06-22 2008-03-12 Volvo Construction Equipment Holding Sweden AB A system and a method of controlling the tilting of a loadcarrying implement of a movable work machine, and a movable work machine
JP4609390B2 (ja) * 2005-09-30 2011-01-12 株式会社豊田自動織機 フォークリフトの走行制御装置
WO2007043290A1 (ja) * 2005-10-14 2007-04-19 Komatsu Ltd. 作業車両のエンジンおよび油圧ポンプの制御装置および方法
JP4287425B2 (ja) * 2005-11-25 2009-07-01 日立建機株式会社 油圧作業機械のポンプトルク制御装置
JP5362958B2 (ja) * 2007-01-24 2013-12-11 株式会社小松製作所 油圧駆動装置
JP4909302B2 (ja) * 2008-02-29 2012-04-04 三菱重工業株式会社 車両制御装置及び該装置を搭載した車両
KR101637571B1 (ko) * 2009-12-23 2016-07-20 두산인프라코어 주식회사 건설기계의 유압펌프 제어장치 및 제어방법
JP5383537B2 (ja) * 2010-02-03 2014-01-08 日立建機株式会社 油圧システムのポンプ制御装置
KR101752503B1 (ko) * 2011-01-12 2017-06-30 두산인프라코어 주식회사 휠로더의 유압 펌프 제어 방법

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02275177A (ja) * 1989-04-13 1990-11-09 Toyota Autom Loom Works Ltd 可変速用可変容量油圧ポンプを備えたエンジン車両における走行制御装置
JP2012057761A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Komatsu Ltd 作業車両のエンジンオーバーラン防止制御装置
JP5144844B1 (ja) * 2012-04-26 2013-02-13 株式会社小松製作所 フォークリフト及びフォークリフトのインチング制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20150183625A1 (en) 2015-07-02
US9120658B2 (en) 2015-09-01
CN105339710A (zh) 2016-02-17
JPWO2015097910A1 (ja) 2017-03-23
CN105339710B (zh) 2017-04-05
DE112013000353B4 (de) 2016-09-22
DE112013000353T5 (de) 2015-11-19
WO2015097910A1 (ja) 2015-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5680804B1 (ja) フォークリフト及びフォークリフトの制御方法
JP5707538B1 (ja) フォークリフト及びフォークリフトの制御方法
JP5775232B1 (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法
JP5774224B1 (ja) フォークリフト及びフォークリフトの制御方法
JP5902877B1 (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法
JP5968559B1 (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法
JPWO2013161040A1 (ja) フォークリフト及びフォークリフトのインチング制御方法
US11199260B2 (en) Work vehicle and control method for work vehicle
CN110914577B (zh) 作业车辆及作业车辆的控制方法
US11125327B2 (en) Work vehicle and control method for work vehicle
JP2013204631A (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法
US9676600B2 (en) Forklift and control method of forklift
US9221657B2 (en) Forklift and control method of forklift
JP5866489B1 (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法
JPWO2018185918A1 (ja) 作業車両及び作業車両の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5680804

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150