JP4653725B2 - 作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタやフロントローダのように、エンジンを定格回転等の一定速度に維持して作業走行するところの作業車に関する。
エンジン回転数を定格回転等の一定速度に維持するようにアクセルセットして定速走行を行う作業車としては、一般に、位置保持可能なハンドアクセルレバーを用いて、そのハンドアクセルレバーの保持位置に応じた速度での定速走行を行わせるように構成したものがある。しかしながら単に定速走行を行うだけでは、機体を一時停止させた低負荷時にもエンジンが高速回転に維持されているため、燃料消費量が多く、また騒音も大きいという不具合がある。
このような不具合を解消するための手段として従来では、次のような技術手段が知られている。
すなわち、実車速に比例した信号を発生する車速センサーと、クルーズ指令信号を出すコマンドスイッチと、コマンドスイッチ操作時の車速を記憶する車速記憶部と、スロットルバルブを駆動するモータ駆動方式のアクチュエータとを備え、コマンドスイッチの操作に基づくクルーズ指令信号を制御装置に入力して定速走行を行うようにし、ブレーキペダルが操作されるにともなって前記アクチュエータ駆動用モータをスロットルバルブの減速方向へ動かして前記クルーズ指令信号による制御を解除し、スロットルバルブをニュートラル位置に戻してアイドリング状態とするように構成していた(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−287830号公報(公報明細書第4頁、左上欄、右上欄、左下欄、図2,図4)
エンジン回転数を一定に維持して作業走行するトラクタなどの作業車では、エンジン回転数が低すぎると負荷変動の大きさによってはエンスト生じる虞があるため、負荷変動を見込んで予めエンジン回転数を高めに設定る傾向があるが、機体停止時などの軽負荷時には、エンジン回転数が高すぎて燃費効率が悪くなる。
そこで、上記特許文献1に示された技術のように、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われたことを検知してエンジン回転数をアイドリング状態に戻す制御が採用されていた。このように機体停止操作と関連してエンジン回転数をアイドリング状態に戻すことにより、前述の燃費効率の改善には有効であるが、再度所期の定速状態にまでエンジン回転数を復元させるには、作業走行を再開して機体増速中にエンジン回転数を把握しながらアクセルセットを行うという煩わしい操作が必要であった。
本発明の目的は、定速走行での作業を行うに際して、機体停止時におけるアイドリング状態への減速操作と、減速操作前の定速への復元操作とを、共に簡単な人為操作で行うことのできる作業車を提供することにある。
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
エンジン回転数を任意の回転数に変更設定するための人為操作具と、エンジン回転数を一定の回転数に維持して作業走行させる回転数維持機構を備えるとともに、
前記人為操作具で設定されたエンジン回転数を維持するように前記回転数維持機構のエンジン回転数調節装置に対して制御指令を出力する制御手段を備えている作業車において、
前記人為操作具とは別に、前記制御手段に対してエンジン回転速度の変更指令を入力可能な操作スイッチを備え、
前記制御手段は、前記操作スイッチが操作されたことの検知に基づいて、前記回転数維持機構で設定されていたエンジン回転数をアイドリング状態、またはこれに近い回転数にまで低減して維持し、かつ、前記操作スイッチの再度の操作、もしくは他の解除手段の操作によって、前記操作スイッチが操作される直前に設定されていたエンジン回転数へ復元させるように構成し
走行形態を作業走行モードと路上走行モードとに切換操作可能な走行モード切換用操作具を備え、前記走行モード切換用操作具で路上走行モードが選択されると、前記操作スイッチが操作されたことの検知信号による制御を不能にするように構成してある。
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1で示した構成によると、回転数維持機構による設定回転数での作業走行中に、エンジン回転数をアイドリング状態、またはこれに近い回転数にまで低減させるように、エンジン回転数調節装置の制御手段に対して指令する操作スイッチを備えたものであり、その操作スイッチがエンジン回転数を任意の回転数に変更設定するための人為操作具とは別に設けられている。
つまり、機体停止に伴って操作スイッチを操作することにより、簡単にアイドリング状態にまでエンジン回転数を低下させることができるものでありながら、その操作スイッチによるエンジン回転数低減作用が、これとは別に設けられている人為操作具に影響を及ぼすものではない。したがって、前記操作スイッチによって低減されたエンジン回転数を復元させる際には、操作スイッチによるエンジン回転数低減作用を解除するだけで、低減前に設定されていたエンジン回転数に復元させる作用が簡単な操作で確実に行なうことができる。
解決手段1に示した構成によれば、路上走行モードの使用中は、作業走行モードのときのような定速走行を行う必要のないものであるから、操作スイッチを用いる操作そのものが不要である。この解決手段1では、路上走行モードにおける操作スイッチの検知信号による制御を不能にすることによって、誤って操作スイッチが操作されても、エンジン回転数が急にアイドリング状態に低減される不都合がない。したがって、路上走行モード中の誤操作による不具合を低減できる利点がある。
〔解決手段2〕
請求項2に記載の発明では、請求項1記載の作業車において、エンジン回転数を任意の回転数に変更操作するためのアクセルペダルを備え、前記操作スイッチが操作されたことの検知に基づいて、前記アクセルペダルの操作信号による制御を不能にするように構成してある点に特徴がある。
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
解決手段2に示した構成によれば、アクセルペダルを備えて、エンジン回転数をアクセルペダルで任意に変更操作し得る構造を採用したものでありながら、操作スイッチが操作されたことの検知に基づいて、前記アクセルペダルの操作信号による制御を不能にするように構成している。したがって、操作スイッチを操作してアイドリング状態を維持しているときに、誤ってアクセルペダルを踏み込んでも、これによってエンジン回転数が不測に上昇してしまうような不具合がない。
〔解決手段
請求項に記載の発明では、請求項1又は2に記載の作業車において、前記走行モード切換用操作具で路上走行モードが選択されると、前記人為操作具が操作されたことの検知信号による制御を不能にするように構成してある点に特徴がある。
〔解決手段にかかる発明の作用及び効果〕
解決手段に示した構成によれば、作業走行モードと路上走行モードとのうち、路上走行モードが選択されると、エンジン回転数を任意の回転数に変更設定するための人為操作具が操作されたことの検知信号による制御が不能になる。
つまり、路上走行モードの使用中は、作業走行モードのときのように、定速走行を行う必要のないものであるから、エンジン回転数を任意の回転数に変更設定するための人為操作そのものが不要である。この解決手段では、路上走行モードにおける人為操作具の検知信号による制御を不能にすることによって、誤って人為操作具が操作されても、エンジン回転数が定速に維持されたままとなるような不都合を避けられる。したがって、路上走行モード中の誤操作による不具合を低減できる利点がある。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1には作業車の一例であるトラクタの全体側面が示されており、このトラクタは、前部フレーム1に搭載支持されたエンジン2の後端部にクラッチハウジング3を連結し、このクラッチハウジング3の後端部に主変速装置として採用した静油圧式無段変速装置(油圧式無段変速装置の一例)4を連結し、この静油圧式無段変速装置4の後端部にミッションケース5を連結して機体フレーム6が構成されている。
前記機体フレーム6の前半部に原動部が形成され、その機体フレーム6の後半部に搭乗運転部7が形成され、機体フレーム6の前下部に、エンジン動力の伝達が可能に構成された操向用の左右一対の前輪8が配備され、機体フレーム6の後下部に、エンジン動力の伝達が可能に構成された左右一対の後輪9が配備されている。前記機体フレーム6の後端部に、図示しない各種作業装置の連結装備を可能にする左右一対のリフトアーム10やリンク機構11などが装備されるとともに、それらを介して連結装備した作業装置などに対するエンジン動力の取り出しを可能にする動力取出軸12が配備されている。
図1及び図2に示すように、エンジン2からの動力は、クラッチハウジング3に内蔵した乾式単板形の主クラッチ13を介して静油圧式無段変速装置4に伝達され、この静油圧式無段変速装置4による変速後の動力がモータ軸4aから出力されるように構成されている。
前記静油圧式無段変速装置4のモータ軸4aから出力される動力が、走行用動力として、ミッションケース5の内部において、第1副変速装置として採用したギヤ式変速装置14に伝達され、このギヤ式変速装置14から第2副変速装置15に伝達されるように構成されている。
第2副変速装置15は、作業速度を高低2段に切換操作するように2組のギヤ及び1つのシンクロメッシュ式のシフト部材45を備えた作業速度切換機構15Aと、この作業速度切換機構15の伝動下手側に配設された1組のギヤ及びシンクロメッシュ式のシフト部材46を備えたオーバードライブ変速機構15Bと、前記作業速度切換機構15Aらの変速状態をそのまま伝える状態と大きく減速する状態とに選択操作可能な2組のギヤ及びコンスタントメッシュ式のシフト部材47を備えたクリープ変速機構15Cとを備えて構成されている。
前記第2副変速装置15の終端に設けたベベルギヤから後輪用差動装置16に動力が伝達され、後輪用差動装置16から出力される動力が、後輪駆動用として左右の後輪9に伝達される。
また、前記第2副変速装置15の終端に設けたベベルギヤの直前から前輪用クラッチ48を介して出力される動力が、前輪駆動用として、前輪用伝動軸17や前輪用差動装置18などを介して左右の前輪8に伝達される。
図1及び図3に示すように、搭乗運転部7は、機体フレーム6の左右に連結される搭乗ステップ21、静油圧式無段変速装置4の前上部に立設したステアリングポスト22に支持されるステアリングホイール23、ステアリングポスト22の右側方に配置されるアクセルペダル29、及び左右一対のブレーキペダル24、機体フレーム6の右側方に配置される変速ペダル26、ならびにミッションケース5の後部上方に配置される運転座席27、などを備えて形成されている。
図3及び図4に示されるように、前記運転座席27の左横側部に配置した操作盤部分には、前記第2副変速装置15の走行モード切換用操作具25が設けられている。
この走行モード切換用操作具25は、前記第2副変速装置15の作業速度切換機構15Aからの出力を後輪用作動装置16に伝える中間速での作業走行モードと、オーバードライブ変速機構15Bからの出力を後輪用作動装置16に伝える高速での路上走行モードと、クリープ変速機構15Cからの出力を後輪用作動装置16に伝える超低速でのクリープ走行モードとの各状態に走行モードを切換操作自在に構成されている。
前記走行モード切換用操作具25は、図4に示すように、路上走行用のオーバードライブ位置Hと、路上走行よりは遅く、作業速度では比較的高速の高速作業位置M2と、前記高速作業位置M2よりも低速の低速作業位置M1と、最も低速のクリープ走行位置Lとの各操作位置に切換操作自在に構成されている。そして、この各操作位置に操作されることにより、各操作位置に対応するシフト部材45,46,47が図外のシフトシリンダの操作で順次切換操作され、走行モードの変更が行われるように構成されている。
一方、静油圧式無段変速装置4のポンプ軸4bから出力される非変速動力が、作業用動力として、ミッションケース5に内蔵された湿式多板型のPTOクラッチ49やPTO変速装置20などを介して動力取出軸12に伝達される。
図3及び図4に示されているように、前記運転座席27の右横側部に配置した操作盤部分に、前後左右に揺動操作自在に設けたPTO変速レバー19が配備されている。このPTO変速レバー19は、PTO変速装置20のシフト部材20A、20Bを図外のシフトシリンダで切換操作することにより、第1速から第4速まで変速操作が自在であり、かつ、そのPTO変速レバー19の握り部の頂部に設けた押し釦19aの操作によって、PTO変速装置20の伝動上手側に位置するPTOクラッチ49の操作ピストンへの圧油供給を制御する制御弁を操作して、PTOクラッチ49の断続切換をボタン操作で行えるように構成されている。
〔走行操作機構〕
図4は、トラクタが備える走行操作機構のブロック図である。
この図に示すように、走行操作機構は、前記静油圧式無段変速装置4を変速操作する油圧変速シリンダ42(以下、変速シリンダ42と略称する。)と、前記エンジン1のアクセル装置30を操作するエンジン回転数調節装置としての電動アクチュエータ31(以下、アクセルアクチュエータ31と称する。)と、前記変速シリンダ42を制御するサーボ制御機構43に連係されるとともに前記アクセルアクチュエータ31に連係された制御手段100とを備えている。
また、走行操作機構は、搭乗運転部7設けた変速ペダル26、エンジン回転数を任意の回転数に変更設定するための人為操作具としてのアクセルレバー28、及びアクセルペダル29と、前記変速ペダル26の操作位置の検出情報を前記制御手段100に出力するセンサとしての回転式のポテンショメータ36(以下、ペダルセンサ36と称する。)と、前記アクセルレバー28の操作位置の検出情報を前記制御手段100に出力するセンサとしての回転式のポテンショメータ28a(以下、アクセルレバーセンサ28aと称する。)と、前記アクセルペダル29の操作位置の検出情報を前記制御手段100に出力するセンサとしての回転式のポテンショメータ29a(以下、アクセルペダルセンサ29aと称する。)とを備えている。
前記変速シリンダ42は、前記ミッションケース5の内部に設置されており、油圧ポンプ40の斜板角度を変更することにより、静油圧式無段変速装置4を変速操作する。図4に示すように、前記サーボ制御機構43は、前進比例制御弁44及び後進比例制御弁45を備え、この前進比例制御弁44及び後進比例制御弁45が制御手段100からの指令によって切換え操作され、静油圧式無段変速装置4が変速ペダル26の操作位置に対応した変速状態になるよう変速シリンダ42を操作する。このサーボ制御機構43は、前記ミッションケース5に装備されている。
前記制御手段100は、マイクロコンピュータを利用して構成されており、前記ペダルセンサ36による検出情報と、斜板角度に基づいて静油圧式無段変速装置4の変速状態を検出する斜板センサ46による検出情報とを基に、静油圧式無段変速装置4が変速ペダル26の操作位置に対応した変速状態になるようサーボ制御機構43を介して変速シリンダ42を操作する。
制御手段100は、アクセルレバーセンサ28aによる検出情報と、アクセル装置30の操作状態を検出するアクセルセンサ32による検出情報とを基に、アクセル装置30がアクセルレバー28の操作位置に対応した回転速度をエンジン1に現出させる操作状態になるようアクセルアクチュエータ31を操作する。
前記アクセルレバー28は、図示しない周知の摩擦保持機構によってその操作位置を保持されるように構成してあり、そのアクセルレバー28と、アクセルレバー28の位置を検出するアクセルレバーセンサ28aと、アクセル装置30の操作状態を検出するアクセルセンサ32と、前記制御手段100と、アクセルアクチュエータ31とで、エンジン回転数を一定に維持して作業走行を行わせるための回転数維持機構を構成している。
トラクタを走行させるに当たり、変速ペダル26を中立状態から車体前方側に踏み込み操作(図中の時計回り)すると、制御手段100が変速シリンダ42を前進側に操作して静油圧式無段変速装置4が前進側に変速操作され、トラクタが前進走行する。変速ペダル26を中立状態から車体後方側に踏み込み操作(図中の反時計回り)すると、制御手段100が変速シリンダ42を後進側に操作して静油圧式無段変速装置4が後進側に変速操作され、トラクタが後進走行する。前進走行の場合も後進走行の場合も、変速ペダル26の踏み込みストロークを多くするほど、制御手段100が変速シリンダ42を高速側に操作して静油圧式無段変速装置4がより高速側に変速操作され、トラクタの走行速度がアップする。
〔強制アイドリング操作〕
図3及び図4に示すように、前記制御手段100に対してエンジン回転数を強制的にアイドリング状態にまで低下させるように操作信号を入力する強制アイドリング操作具50としての押し釦スイッチ(操作スイッチの一例)50aを、搭乗運転部7のフロントパネル7Aに設けてある。この押し釦スイッチ50aが押し操作されたことの信号を前記制御手段100で検知すると、制御手段100にプログラムとして記憶されている速度制御手段101に基づいてエンジン回転数の制御が行われる。
つまり、図4に示すように、押し釦スイッチ50aが押し操作されたことの信号を検知すると、エンジン回転数がアイドリング状態となる回転数にまで低減されるように、前記制御手段100にプログラムとして記憶されている速度制御手段101からアクセルアクチュエータ31に対して制御指令を出力し、アクセル装置30を低速側に操作してアイドリング状態とするように構成されている。
そして、この押し釦スイッチ50aを押し操作したことの検知信号に基づいて、前記制御手段100が、フロントパネル7Aに設けられたインジケータ70等の表示手段に、強制アイドリング操作による運転中であることを点灯表示する、あるいは、文字データや表示マークなどを表示する信号を出力するように構成されている。
尚、上記の押し釦スイッチ50aが押し操作されたことの検知で低減されるエンジン回転数は、上述のようにアイドリング状態に相当する回転数であることが望ましいが、燃費の低下や騒音抑制に大きな影響のない範囲であれば、これに限らず多少アイドリング状態よりも高い回転数であってもよい。
上記の強制アイドリング操作によると、アクセル操作具としてのアクセルレバー28の操作位置は変化していないので、アクセルレバーセンサ28aからの検出信号が制御手段に入力された状態ではあるが、このアクセルレバーセンサ28aからの検出信号が変化しない限り、これを無視して、前記押し釦スイッチ50aの押し操作による強制アイドリング操作が行われるように構成されている。
そして、エンジン回転数がアイドリング状態にまで低減されると、前記押し釦スイッチ50aの再度の操作、もしくは前記アクセルレバー28が操作されたことの検出に基づいて、あるいは、別途設けたエンジン回転数復元用の専用操作具の操作に基づいて、エンジン回転数が上昇制御され、アクセルレバーセンサ28aの検出信号によるエンジン回転数となるように、エンジン回転数が回復される。
〔制御形態〕
上記強制アイドリング操作具50を用いた場合のエンジン回転数の制御操作を、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。
[1] 図5にエンジン回転数制御のメインルーチンを示す。まず、エンジンが始動されたスタート直後にイニシャルセットとしてフラグの値(F=0)が読み込まれる(ステップ#1)。
[2] 次、エンジン回転数検出器33の値を読み込んで実際のエンジン回転数を検出する(ステップ#2)。
[3] 次に、アクセルレバーセンサ28aの検出信号を読み込んで、アクセルレバー28で設定された定速回転数を検出する(ステップ#3)。
[4] 次、走行モード切換用操作具25の操作位置信号を読み込んで、走行モード切換用操作具25によって選択されているモードを検出する(ステップ#4)。
[5] 走行モード切換用操作具25で選択されているモードが、路上走行モードHであるか否かを検出し、路上走行モードHでなければ次工程の処理を行ない、路上走行モードHであれば制御を行わない。(ステップ#5)。
[6] アクセルレバーセンサ28aで検出されたアクセル設定値が0よりも大きい、すなわち、アクセルセットされた状態であれば、次工程の処理を行い、0であれば制御を行わない(ステップ#6)。
[7] エンジン回転数検出器33で検出された回転数がアイドリング状態に相当する回転数よりも大きければ次工程の処理を行い、大きくなければ制御を行わない(ステップ#7)。
[8] 強制アイドリング操作具50の押し釦スイッチ50aがOFFであれば、アクセルレバー28で設定された定速回転で駆動されるようにエンジン回転数を制御する作業走行制御を行い、押し釦スイッチ50aがONであれば、強制アイドリング制御を行う。尚、前記作業走行制御は、アクセルレバーセンサ28aの検出信号に相当する目標エンジン回転数とエンジン回転数検出器33で検出された実エンジン回転数とが等しくなるように制御する通常の定速走行制御であるので、ここでの説明は省略する(ステップ#8,#9,#10)。
強制アイドリング制御は図6に示すように行われる。
[9] まず、フラグの値を読み込んで、フラグの値が(F=0)であれば、制御手段100がアクセルペダルセンサ29aからの検出信号の値を無視するように制御するとともに、エンジン回転数を強制的に低下させる制御を行う。フラグの値が(F=1)であれば、アクセルペダルセンサ29aからの検出信号の値を無視する制御を行わずに、エンジン回転数を上昇させる制御を行う(ステップ#12,#13,#14,#19)。
[10] エンジン回転数検出器33で検出されたエンジン回転数がアイドリング状態での回転数として予め記憶されている回転数に達すると、そのアイドリング状態を維持し、フラグを(F=1)に書き換える(ステップ#15,#16)。
[11] 強制アイドリング操作具50が操作されたか否かを監視し、強制アイドリング操作具50が再度操作されるとアクセルペダルセンサ29aの検出信号を制御手段100側で受け入れるように許可する制御を行い、操作されていないとアクセルレバーセンサ28aの値が変化したか否かを検出する処理を行う(ステップ#17,#18,#22)。
[12] アクセルレバーセンサ28aの値が変化したか否かを検出し、変化すればアクセルペダルセンサ29aの検出信号を制御手段100側で受け入れるように許可する制御を行い、変化していなければ、前記ステップ#16の前段階に戻して再度の検出を続行する(ステップ#18,#22)。
[13] エンジン回転数を上昇させ、エンジン回転数検出器33で検出されたエンジン回転数とアクセルレバーセンサ28aの検出信号に相当するエンジン回転数とが等しくなればエンジン回転数の上昇制御を終了し、フラグの値を(F=0)に書き換える(ステップ#19,#20)。
[14] 強制アイドリング操作具50が再度操作された場合、またはアクセルレバーセンサ28aの値が変化した場合に、一時停止されていたアクセルペダルセンサ29aの検出信号を制御手段100側で受け入れるように許可する制御を行って強制アイドリング制御を終了し、リターンする(ステップ#22)。
[15] 強制アイドリング制御、もしくは前記定速走行制御が終了すると、キースイッチ操作でエンジンが停止されたか否かを判断して、エンジンが停止されていなければ前記ステップ#1とステップ#2の間に戻って制御を繰り返す(#11)。
〔別の実施形態〕
[1] 押し釦スイッチ50aを設ける位置は、上述のフロントパネル7Aに限らず、走行作業中の運転者が操作し易い箇所であればよく、例えば、運転座席27横の操作ボックス7Bに設けるなどしてもよい。
[2] 強制アイドリング作具50は、押し釦スイッチ50aに限らず、揺動操作で切換可能な切換スイッチなどを用いてもよいが、ワンタッチ操作などの、できるだけ操作性のよいもので構成するのが望ましい。
[3] 本発明の作業車は、主変速装置の変速構造として、前述の実施形態で示した静油圧式無段変速装置4を備えた構造のものに限らず、ギヤ変速装置や、油圧クラッチと常噛みギヤとの組み合わせによる変速構造、あるいはCVT等を利用した変速構造を採用したものであってもよい。
[4] 本発明は、トラクタの他、草刈機など各種の作業用車両にも適用することができる。従って、これら、トラクタ、草刈機などを総称して作業車と呼称する。
トラクタ全体の側面図 図1におけるトラクタの伝動構造を示す動力伝達線図 搭乗運転部を示す平面図 走行操作機構における制御手段と入出力機器とを示すブロック図 制御形態を示すフローチャート 制御形態を示すフローチャート
25 走行モード切換用操作具
28 アクセルレバー(人為操作具、他の解除手段)
29 アクセルペダル
1 アクセルアクチュエータ(エンジン回転数調節装置)
0a 押し釦スイッチ(操作スイッチ)
100 制御手

Claims (3)

  1. エンジン回転数を任意の回転数に変更設定するための人為操作具と、エンジン回転数を一定の回転数に維持して作業走行させる回転数維持機構を備えるとともに、
    前記人為操作具で設定されたエンジン回転数を維持するように前記回転数維持機構のエンジン回転数調節装置に対して制御指令を出力する制御手段を備えている作業車において、
    前記人為操作具とは別に、前記制御手段に対してエンジン回転速度の変更指令を入力可能な操作スイッチを備え、
    前記制御手段は、前記操作スイッチが操作されたことの検知に基づいて、前記回転数維持機構で設定されていたエンジン回転数をアイドリング状態、またはこれに近い回転数にまで低減して維持し、かつ、前記操作スイッチの再度の操作、もしくは他の解除手段の操作によって、前記操作スイッチが操作される直前に設定されていたエンジン回転数へ復元させるように構成し
    走行形態を作業走行モードと路上走行モードとに切換操作可能な走行モード切換用操作具を備え、前記走行モード切換用操作具で路上走行モードが選択されると、前記操作スイッチが操作されたことの検知信号による制御を不能にするように構成してある作業車。
  2. エンジン回転数を任意の回転数に変更操作するためのアクセルペダルを備え、前記操作スイッチが操作されたことの検知に基づいて、前記アクセルペダルの操作信号による制御を不能にするように構成してある請求項1記載の作業車。
  3. 前記走行モード切換用操作具で路上走行モードが選択されると、前記人為操作具が操作されたことの検知信号による制御を不能にするように構成してある請求項1又は2に記載の作業車。
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