JP3156369B2 - コンバインの刈取部作動速度制御装置 - Google Patents

コンバインの刈取部作動速度制御装置

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JP3156369B2
JP3156369B2 JP15014992A JP15014992A JP3156369B2 JP 3156369 B2 JP3156369 B2 JP 3156369B2 JP 15014992 A JP15014992 A JP 15014992A JP 15014992 A JP15014992 A JP 15014992A JP 3156369 B2 JP3156369 B2 JP 3156369B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、自走式コンバインにお
いて、圃場の作物の立毛状態に応じて刈取部の作動速度
を自動的に制御するコンバインの刈取部作動速度制御装
置に関する。 【0002】 【従来の技術】本出願人による試作品のコンバインで
は、図14に示すような動力伝達機構を採用している。
すなわち、原動機Aに主変速装置Bを接続すると共に、
主変速装置Bの出力側の動力伝達経路を二分し、その一
方には動力断続機能を有する副変速装置Fを介して走行
部Cを接続する共に、他方には刈取部変速装置Dを介し
て刈取部Eを接続する構成である。この構成では、走行
部Cと刈取部Eが、主変速装置Bの回転により同時に作
動を開始するので、走行部Cが起動してから刈取部Eが
起動するまでのタイムラグが発生せず、刈り残しを未然
に防止できるという利点がある。 【0003】さらに本出願人は、以上の構成において、
走行部Cの走行速度と刈取部Eの刈取速度とを、回転セ
ンサを用いて常時検出しつつ、両者の速度が作物の倒伏
状況等に応じた適正な関係となるように、刈取部変速装
置Dを制御する刈取部作動速度制御装置を試作してい
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、走行部Cへ
の動力伝達経路中に介装している副変速装置Fは、走行
部Cの速度を「作業速度」「走行速度」「中立」「後
退」等に切換えるものであるが、この副変速装置Fを
「中立」にして、走行停止状態で刈取部Eのみを作動
し、挟持穀稈の送り込みや刈取部Eの注油を行う場合が
ある。この場合に、本出願人の刈取部作動速度制御装置
では、副変速装置Fを「中立」のときには走行部Cの走
行速度が検出されないので、走行速度に基く刈取部変速
装置Dの制御は働かない。従って、副変速装置Fを「中
立」にして行うこの種の作業の際には、刈取部変速装置
Dの変速比を一定とし、主変速装置Bの手動変速操作の
みにより刈取部Eの作動速度を調節していた。 【0005】ところが、この場合には上述のように走行
速度に基く刈取速度制御が行われないので、主変速装置
Bの手動操作を誤ると、刈取部Eの速度が過大になって
装置の破損を招くおそれがある。 【0006】そこで本発明の目的は、かかる挟持穀稈の
送り込み等の、副変速装置Fを「中立」にして行う作業
に際して、刈取部作動速度の過大に起因する装置の破損
を防止し、容易かつ安全に作業できる刈取部作動速度制
御装置を提供するにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く、本発明のコンバインの刈取部作動速度制御装置は、
原動機(M)の出力側に主変速装置(N)を接続すると
共に、該主変速装置(N)の出力側の動力伝達経路を二
分し、その一方には動力断続機能を有する副変速装置
(Z)を介して走行部(P)を接続し、他方には刈取部
変速装置(Q)を介して刈取部(R)を接続してなるコ
ンバインにおいて、前記走行部(P)の走行速度を検出
する走行速度検出手段(S)と、前記刈取部(R)の刈
取速度を検出する刈取速度検出手段(T)と、前記走行
速度検出手段(S)の検出値に対応する所定の目標刈取
速度を設定する目標速度設定手段(U)と、前記刈取速
度検出手段(T)が検出した刈取速度と前記目標速度設
定手段(U)が設定した目標刈取速度とが一致するよう
に前記刈取部変速装置(Q)を制御する第1制御手段
(V)と、前記刈取速度検出手段(T)が検出した刈取
速度が所定の上限刈取速度を上回らないように前記刈取
部変速装置(Q)を制御する第2制御手段(W)と、前
記走行部(P)が停止しているか否かを判別する走行状
態判別手段(X)と、前記走行状態判別手段(X)が走
行部(P)が走行中である旨を判別したときに前記第1
制御手段(V)側を選択し、停止中である旨を判別した
ときに前記第2制御手段(W)側を選択する制御切替手
段(Y)と、を備えてなるものである。 【0008】 【作用】本発明では、走行速度検出手段Sが走行部Pの
走行速度を検出すると、目標速度設定手段Uはその検出
値に対応する所定の目標刈取速度を設定する。第1制御
手段Vは、刈取速度検出手段Tの検出値と、設定した目
標刈取速度とが一致するように、刈取部変速装置Qを制
御する。 【0009】第2制御手段Wは、刈取速度検出手段Tが
検出した刈取速度が所定の上限刈取速度を上回らないよ
うに刈取部変速装置Qを制御する。 【0010】走行状態判別手段Xは、走行部Pが停止し
ているか否かを判別し、この判別結果に基いて、制御切
替手段Yは、走行部Pの走行中には前記第1制御手段V
側を、また停止中には前記第2制御手段W側を選択す
る。 【0011】従って刈取部Rの刈取速度は、機体の走行
中においては第1制御手段Vの制御により、走行速度に
応じた目標刈取速度となる。 【0012】そして、副変速装置Zが走行部Pへの動力
伝達を断っているとき(「中立」のとき)には、刈取部
Rは主変速装置Nの変速に従って増減速されるが、他
方、副変速装置Zの動力伝達が断状態の時には走行部P
が停止することから、制御切替手段Yによって第2制御
手段W側が選択され、この第2制御手段Wにより、刈取
部Rの刈取速度は所定の上限刈取速度を上回らないよう
に制御される。 【0013】 【実施例】本発明第1実施例につき、以下に図面を参照
して説明する。図2において、1はコンバインの機体フ
レーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行部、3
は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は機体フ
レーム1の前方に設けた刈取部、5は前記刈取部4の分
草体、6は引起装置、7は掻込装置、8は刈刃、9は株
元搬送装置、10は穂先搬送装置、12は穀稈を脱穀装
置3に供給するフィードチェン、11は刈取った穀稈を
フィードチェン12に引き継ぐ株元引継搬送装置、13
は穂先引継搬送装置、15は刈取部4のフレームであ
る。16は刈取部フレーム15を機体側に回動自在に取
付ける支持パイプであり、前記刈取部4に動力を伝達す
る伝動軸を内蔵している。17は刈取部4を上下動させ
る昇降シリンダ、18は脱穀装置3の扱胴である。扱胴
18の下方には、図示しない扱網を設け、該扱網の下方
には風選室を形成すると共に、風選室内には揺動選別枠
体等を配設する。 【0014】図4において、25は各部を駆動する原動
機である。本実施例における動力伝達機構は、原動機2
5の回転がミッションケース26を介して伝達され、走
行部2が作動する構成であるが、原動機25とミッショ
ンケース26の間には原動機25の回転を無段階に変速
して伝達する主変速装置27を設け、変速可能とする。
28は主変速装置27の出力軸に接続した伝達軸であ
り、伝達軸28からは刈取部4の刈取部出力プーリ30
に至る刈取部伝動経路31を分岐させ、該刈取部伝動経
路31中には刈取部変速装置32を設ける。伝達軸28
と刈取部変速装置32との間には、伝達軸28の正方向
の回転のみを刈取部4に伝達するワンウェイクラッチ9
0を介装する。これは、刈取部4の逆転による破壊を防
ぐためである。 【0015】46は原動機25の原動機出力プーリ、4
7はカウンタ軸、48は原動機出力受動プーリ、49は
ベルト、50,51はプーリ、52はベルト、53はミ
ッションケース26に設けた走行部2の走行出力軸、5
4は伝達軸28と駆動割プーリ34との間の伝動機構を
内蔵した伝動ケース、55は受動割プーリ35と前記刈
取部出力プーリ30を固定した伝動軸56との間に設け
た伝動ケース、57は刈取部出力プーリ30と刈取部入
力プーリ29の間に設けたベルト、58は前記脱穀装置
3へ出力する出力プーリ、60は前記原動機出力受動プ
ーリ48より突出するグレンタンクの移送装置へ伝達す
る伝動軸、61はギヤボックス、62はベルトである。 【0016】刈取部変速装置32は、駆動割プーリ3
4、受動割プーリ35およびベルト33とからなる。受
動割プーリ35の構成は図5に示すとおりであり、受動
軸67に固着した固定スリーブ80に、固定プーリ部材
81および滑りキー82を一体的に取り付け、この固定
スリーブ80の外周に可動スリーブ83および可動プー
リ部材98を、軸方向に摺動自在に嵌め込む。可動スリ
ーブ83の外周には、ベアリング84を介してカム体3
7を回転自在に取り付ける。カム体37の外周の一部に
は変速操作用のアーム38を突設する。カム体37の中
心を挟んで、一対の円弧状のカム板88,89を突設
し、これらカム板の端面を上昇面に形成する。一方、受
動軸67を囲む伝動ケース55には、回転自在のローラ
86,87を取り付け、このローラ86,87をカム体
37のカム板88,89の各上昇面にそれぞれ常時当接
させる。 【0017】従って、例えばアーム38を図中手前側に
回動させると、ローラ86,87とカム板88,89と
の当接によって、カム体37が右側に摺動して図中一点
鎖線で示す状態となり、プーリ部材81,98の間隔が
狭まってこれらプーリ部材81,98の有効直径が拡大
する。 【0018】一方、駆動割プーリ34も、この受動割プ
ーリ35と同様に構成する。 【0019】これら駆動割プーリ34および受動割プー
リ35は、それぞれカム体36,37の回動により各プ
ーリ部材81,98の間隔を広狭に調節して無段変速す
るが、カム体36が駆動割プーリ34を拡げるとカム体
37は受動割プーリ35を狭くするように、カム体36
とカム体37が互いに反対向きに作用するように配置す
る。すなわち、図6に示すように、カム体36,37の
変速操作用のアーム38,38の間をロッド39により
連結し、このロッド39の一部に、変速モータ40によ
り往復動するロッド41の先端を接続する。42はロッ
ド41の基部に設けたコマ、43はコマ42に螺合させ
た前記変速モータ40により回転するネジ軸、44は前
記コマ42の一部に挿通した回り止めガイド、78は減
速機、91はテンションプーリである。 【0020】従って、変速モータ40に通電してネジ軸
43を回転させると、ネジ軸43の回転によりコマ42
が移動してロッド41が突出後退し、このロッド41の
移動をロッド39を介してカム体36とカム体37のア
ーム38に伝達してこれを旋回させ、駆動割プーリ34
と受動割プーリ35の幅を変更し、有効直径を変更して
変速する。 【0021】また、ロッド41の中部には、図7に示す
ように突片63を設け、この突片63の移動方向前後に
リミットスイッチ64,65を配置すると共に、リミッ
トスイッチ64,65の各作動片が突片63によってオ
ンされると変速モータ40の通電が断たれるように構成
する。これは、変速モータ40の作動範囲を規制して、
刈取部4の機械的限界を上回るような高速回転を防止す
るためである。 【0022】ミッションケース26内には、走行部3の
速度を「作業速度」「走行速度」「中立」「後退」の4
段階に変速する副変速装置66(図4参照)を設ける。
後述するように、作業者がこの副変速装置66を「中
立」にした場合における制御が、本発明の要部となる。 【0023】ミッションケース26の副変速装置66に
対して下手側のいずれかの回転軸(図示省略)の側端お
よびその周辺には、走行部2の走行速度を検出する検出
手段として、フォトカプラなどからなる走行速度センサ
69を設ける。また、上記刈取部伝動経路31の受動軸
67の端部およびその周辺には、刈取部4の刈取速度を
検出すべき検出手段として、フォトカプラなどからなる
刈取速度センサ68を設ける。 【0024】70は主変速装置27の変速比を変更する
HSTレバーであり(図3参照)、このHSTレバー7
0の握り部分には作業モード切換スイッチ75を設け
る。後述するように、この作業モード切換スイッチ75
は、穀物の刈取作業の際に、穀物が起立しているときに
使用する「標準モード」と、穀物が倒伏しているときに
使用する「倒伏モード」とのいずれか一方を作業者が選
択するものである(図9参照)。 【0025】次に、このように構成する第1実施例の制
御系について、図8を参照して説明する。 【0026】制御部77は、作業者の指示などに応じて
後述のように各部を所定の手順で制御するものである。
制御部77の入力側には、上述した走行速度センサ6
9、刈取速度センサ68、刈取脱穀クラッチレバー7
6、作業モード切換スイッチ75等をそれぞれ電気的に
接続する。 【0027】制御部77の出力側には、上述した変速モ
ータ40を正転または逆転するための増速リレー71お
よび減速リレー72を接続する。そして変速モータ40
は、その両リレー71,72の接点73,74の切換え
により正逆転できるように構成する。 【0028】次に、このように構成する第1実施例の動
作の一例について説明する。 【0029】いま、原動機25を回転させると、この回
転が主変速装置27に伝達され、運転席のHSTレバー
70の操作により主変速装置27の回転数が無段階に変
速されて伝達軸28に出力され、伝達軸28は走行装置
2のミッションケース26に回転を伝達する。このと
き、副変速装置66は「作業速度」側にセットしてお
り、伝達軸28の動力は走行部2に伝達されて機体を前
進させる。 【0030】他方、伝達軸28の回転が刈取部伝動経路
31を介して刈取部出力プーリ30に伝達され、刈取部
出力プーリ30から刈取部入力プーリ29に伝達されて
刈取部4の各部を作動させる。これにより、分草体5に
より分草された穀稈を引起装置6により引起こし、引起
こした穀稈を掻込装置7により掻き込みながら根元側を
刈刃8により切断し、刈り取られた穀稈の根元側は株元
搬送装置9により、穂先側は穂先搬送装置10によりそ
れぞれ搬送し、株元引継搬送装置11および穂先引継搬
送装置13によりフィードチェン12に引継ぎ、フィー
ドチェン12により脱穀装置3の脱穀室に供給して、回
転する扱胴18により脱穀し、脱穀物を選別して機外に
取出する。脱穀済みの排藁は図示しない排藁処理部に搬
送して処理する。 【0031】このようにして刈取脱穀作業が開始される
と、制御部77では以下のような刈取速度制御が行われ
る。この刈取速度制御について、図10のフローチャー
トを参照して詳述する。 【0032】いま、走行部2および刈取部4の起動に伴
って、走行速度センサ69および刈取速度センサ68の
パルス信号が制御部77にそれぞれ入力されると(S
1,S2)、制御部77ではこれらのパルス信号に基い
て走行速度および刈取速度をそれぞれ算出する(S3,
S4)。 【0033】次に、ステップS4において、ステップS
3で算出された走行速度がゼロであるか否かを判別し、
走行速度がゼロでないとき、すなわち機体が走行中であ
るときには、本発明における第1制御手段であるステッ
プS6の制御に移行する。 【0034】ステップS6では、まず制御部77におい
て、作業モード切換スイッチ75の選択モードに応じ
て、その検出走行速度に対応する目標刈取速度がテーブ
ル処理などにより設定される(図9参照)。そして、刈
取速度センサ68が検出する刈取速度が制御部77に入
力されると、制御部77ではこの検出刈取速度を先に設
定された目標刈取速度と比較する。 【0035】その比較の結果、検出刈取速度が目標刈取
速度を下回るときには、増速リレー71が励磁されて、
そのリレー接点73は図示とは反転側に切り替わる。こ
れにより、刈取部変速装置32の変速モータ40が例え
ば正転して、カム体36,37のアーム38,38が増
速側に旋回し、駆動割プーリ34と受動割プーリ35の
幅が変更して有効直径が変化し、刈取部4の刈取速度が
増大する。一方、検出刈取速度が目標刈取速度を上回る
ときには、逆に減速リレー72が励磁されてそのリレー
接点74が図示とは反対側に切り替わり、これにより変
速モータ40が逆転して、カム体36,37のアーム3
8,38を減速側に旋回するので、刈取部4の刈取速度
が減少する。このような制御により、走行中における刈
取部4の刈取速度は、目標刈取速度と一致する。 【0036】このステップS6における目標刈取速度の
設定は、上述したように作業モード切換スイッチ75の
選択した作業モードに応じて行われるものであり、図9
に示すように「標準モード」が選択されているときに
は、走行部2の走行速度と刈取部4の刈取速度とが比例
するように設定され、また「倒伏モード」が選択されて
いるときには、走行部2の走行速度に対して刈取部4の
刈取速度の上昇率が高くなるように設定される。「倒伏
モード」においてこのような設定を行う目的は、引起装
置6の引起し能力を上げて刈取作業を円滑にすることに
ある。また、この図9の各作業モードのグラフの傾き
は、走行速度に対する刈取速度、すなわち刈取部変速装
置32の変速比に相当する。また上述したように、刈取
部変速装置32の作動領域は、リミットスイッチ64,
65(図7参照)間における突片63の作動範囲に応じ
て一定領域内に規制されるが、その変速比の上限が「倒
伏モード」に、また下限が「標準モード」にそれぞれ相
当する。 【0037】一方、副変速装置66を「中立」側にセッ
トすると、伝達軸28から走行部側への動力伝達が断状
態となるので、主変速装置の変速比がどの程度であって
も、走行部2は停止状態となる。この場合には、ステッ
プS4において、走行速度がゼロ、すなわち機体が停止
中であると判別され、本発明における第2制御手段であ
るステップS7の制御に移行する。 【0038】ステップS7では、ステップS4で算出さ
れた刈取速度を、所定の上限刈取速度と比較する。この
上限刈取速度としては、刈取部4の機械的限界を下回る
速度を、あらかじめ設定しておく。ステップS7におけ
る比較の結果、刈取速度が上限刈取速度を上回るときに
は、ステップS8に移行して、減速リレー72を一定時
間励磁する。その結果、刈取部変速装置32の変速モー
タ40が逆転し、刈取部4の刈取速度が減少する。 【0039】従って、副変速装置66が「中立」側にセ
ットされているときには、刈取部4の刈取速度はHST
レバー70の手動操作に従って増減速される。そして、
刈取速度が所定の上限刈取速度を上回るときには、ステ
ップS8の制御により刈取部変速装置32が作動して、
刈取速度が減速される。 【0040】このように第1実施例では、走行速度セン
サ69の検出値に基いて副変速装置66の作動位置を推
定し、検出走行速度がゼロでないときには、走行速度に
応じて設定される目標刈取速度になるように刈取部4の
刈取速度を制御する一方、検出走行速度がゼロのときに
は、刈取部4の機械的限界を下回るように設定された上
限刈取速度を上回らないように、刈取部4の刈取速度を
制御する構成とした。従って、検出走行速度がゼロのと
きには、副変速装置66を「中立」とし走行を停止して
挟持穀稈の送り込みや刈取部4の注油等の作業を行うに
あたっても、主変速装置2の誤操作に起因する刈取部4
の破損のおそれを未然に防止でき、操作が容易で安全な
装置を提供できる。 【0041】また第1実施例では、ステップS6の刈取
速度制御に用いるための走行速度センサ69の検出値
を、副変速装置66の作動位置を推定する目的に利用す
る構成としたので、副変速装置66に専用の作動位置検
出器を設ける必要がなく、装置を安価に構成できるとい
う利点がある。なお本発明では、この構成に代えて、副
変速装置66に専用の作動位置検出器を設け、その出力
に応じて制御の切替、すなわち上記ステップS5の判別
を行う構成とすることもまた可能であり、このような構
成も本発明の範囲に属するものである。 【0042】次に、第2実施例について説明する。上述
の第1実施例は、副変速装置66が「中立」位置に操作
された場合にも、直ちには刈取部変速装置32を減速せ
ず、刈取部の刈取速度が所定値を上回ったことを条件と
して、初めて刈取部変速装置32を減速操作する構成で
ある。ところが、この第1実施例の装置を「倒伏モー
ド」で運転している場合には、上述したように刈取速度
の上昇率が高くなるように制御が行われるので、副変速
装置66が「中立」位置に操作され機体の走行が停止し
ても、刈取部変速装置32の変速比が高いままとなる。 【0043】このため、この状態から主変速装置27を
増速側に操作すると、作業者のわずかな操作によっても
刈取部4が急激に加速するので、たとえその速度が上限
刈取速度を上回らないものであるといっても、やはり作
業に多少の危険が伴い、また刈取部4の微妙な速度調整
が困難であるという欠点が残った。しかして第2実施例
の目的は、第1実施例のかかる欠点を解消することにあ
る。 【0044】すなわち第2実施例では、走行速度センサ
69の信号の入力がなく、かつ刈取速度センサ68の入
力がある場合、つまり副変速装置66が「中立」位置に
あり、かつ主変速装置27のHSTレバー70が増速側
に操作された場合には、変速モータ40の減速リレー7
2を所定時間だけ励磁し、刈取部変速装置32を強制的
に減速側に駆動する構成とする。また、この励磁時間
は、刈取部変速装置32の変速比が下限に達するまで、
すなわち図9における「標準モード」に相当する変速比
に低下するまでに充分な長時間(例えば10秒間)とす
る。 【0045】この第2実施例の制御について、以下に図
11に従って詳述する。まず、ステップS11におい
て、走行速度センサ69のパルス信号の有無を判別す
る。パルス信号のないときは、次に刈取速度センサ68
のパルス信号の有無を判別し、入力がされている場合、
すなわち副変速装置66が「中立」位置にあり、かつ主
変速装置27のHSTレバー70が増速側に操作された
場合には、ステップS13に移行する。 【0046】ステップS13では、「標準戻し出力」が
行われているか否かを判別する。ここで「標準戻し出
力」とは、かかる場合に第2変速装置32の変速比が下
限に達するまで、すなわち「標準モード」に相当する変
速比に低下するまで行われる減速出力を示す語であっ
て、具体的には減速リレー72が励磁され変速モータ4
0が作動している状態をいう。 【0047】このステップS13における否定判定の
後、ステップS14で標準戻し出力タイマをセットす
る。この標準戻し出力タイマは、「標準戻し出力」の出
力時間を減算するタイマであって、その設定時間は、上
述したように、刈取部変速装置32の変速比がその下
限、すなわち「標準モード」に相当する変速比に低下す
るまでに充分な長時間(例えば10秒間)とする。 【0048】次に、ステップS15において、減速出力
要求をセットする。そして減速リレー72がセットされ
た時間だけ励磁され(S16〜S17)、これに応じて
変速モータ40が作動して、第2変速装置32が下限の
変速比まで減速される。 【0049】このように第2実施例では、副変速装置6
6が「中立」位置にあり、かつ主変速装置27のHST
レバー70が増速側に操作されたことを条件として、変
速モータ40の減速リレー72を所定時間だけ励磁し、
刈取部変速装置32の変速比を強制的にその下限である
「標準モード」に相当する変速比まで減速する構成とし
た。従って、作業者が停車中に刈取部4のみを作動させ
た場合には、刈取部4の刈取速度は、図9における「標
準モード」のライン上のいずれかの点となり、仮に主変
速装置27の出力側の速度を上限とした場合にも、刈取
部の速度が機械的限界を上回ることはない。 【0050】このため第2実施例では、上記第1実施例
と同様に、主変速装置27の誤操作に起因する刈取部4
の破損のおそれを未然に防止でき、挟持穀稈の送り込み
や刈取部4の注油等の作業を安全に行うことができる。
また、このように副変速装置66が「中立」位置で、か
つ主変速装置27が増速側に操作されたことを条件に、
強制的に刈取部変速装置32を減速側に操作する構成と
したので、作業者が停車中に刈取部のみを動かす作業を
行うに当たって刈取部変速装置32の変速比が充分低い
ものとなるから、作業の安全および刈取部4の速度調整
の容易化を実現できるという利点がある。 【0051】次に、第3実施例について説明する。上述
の第1実施例における走行速度センサ69は、図12に
示すように、動力伝達経路中の適宜の回転軸92の側端
に、直径方向の溝93,94を互いに位相を90度異に
して設けた遮光体95を取り付け、その溝93の始端と
終端の不動位置に発光ダイオード96とフォトトランジ
スタ97を対向させて配置してなるものを用いている。
そして、回転軸92の回転に従って発生するパルス信号
が4回入力されるまでの時間、すなわち回転軸92が1
回転する時間を算出し、この1回転ごとのデータに基い
て、回転軸92の回転速度を算出していた。また刈取速
度センサ68も同様の構成とし、受動軸67(図4参
照)の側端付近に設けていた。 【0052】しかし、このような回転数の算出には相当
の時間を要するので、回転数が検出されるまでの時間は
制御を行うことができず、とくに低速走行時に制御の応
答性が悪いという問題点があった。第3実施例は、この
問題点の解消を目的としたものである。なお、この第3
実施例は、第1実施例と制御が異なるが、他の機械的構
成は前記第1実施例と同様であるので、その説明は省略
する。 【0053】この第3実施例による制御を図13のフロ
ーチャートを参照して説明する。まず、ステップS21
において、刈取脱穀クラッチレバー76が「刈取・脱
穀」位置か否かを判別し、「刈取・脱穀」位置のときに
は、ステップS23において、図示しないクラッチ作動
機構に接続信号を出力する。これにより各クラッチが作
動し、原動機25の動力が刈取部4および脱穀部3に伝
達される。 【0054】このようにして刈取部4および脱穀部3が
起動すると、次にステップS24において、走行速度セ
ンサ69のパルス信号に基いて、回転軸92が1/2回
転するまでの時間および1回転するまでの時間をそれぞ
れ算出する。一方、これと同様にして、刈取速度センサ
68のパルス信号に基いて、回転軸92が1/2回転す
るまでの時間および1回転するまでの時間を算出する
(S25)。 【0055】これらS24およびS25の各算出結果に
基いて、走行側の回転軸92の回転数、および刈取側の
受動軸67の回転数を、それぞれ算出する(S26,S
27)。このステップS26〜S27においては、1/
2回転に要する時間に基いた回転数、および1回転に要
する時間に基いた回転数を、各センサ69,68ごとに
個別に算出する。従って、1/2回転ごとのデータによ
り求めた走行回転数A、1回転ごとのデータにより求め
た走行回転数Bが算出され、また刈取側の回転数として
は、1/2回転ごとのデータにより求めた刈取回転数
C、および1回転ごとのデータにより求めた刈取回転数
Dが算出される。 【0056】次に、これら算出した回転数のうち走行回
転数Aが、一定値より小であるか否かを判別する(S2
8)。この判別の結果、走行回転数Aが一定値より小で
あるとき、すなわち走行速度が低いときには、ステップ
S32に移行する。ステップS32では、ステップS2
6で1/2回転ごとのデータに基いて算出した走行回転
数Aを用いて、目標刈取回転数Eを算出する。そして、
この算出した目標刈取回転数Eと、刈取回転数Aとの差
を算出し(S33)、両者の差が一定値以上であるとき
には、変速モータ40に対して増速信号または減速信号
を出力する(S34)。 【0057】また、ステップS28における判別の結
果、小でないとき、すなわち走行速度が低速でないとき
には、ステップS29に移行する。ステップS29で
は、ステップS26で1回転ごとのデータに基いて算出
した走行回転数Bを用いて、目標刈取回転数Fを算出す
る。そして、算出した目標刈取回転数Fと、刈取回転数
Dとの差を算出し(S30)、両者の差が一定値以上で
あるときには、変速モータ40に対して増速信号または
減速信号を出力する(S31)。 【0058】このような制御の結果、刈取回転数C,D
は、目標刈取回転数E,Fと一致するように制御され
る。 【0059】このように第3実施例においては、走行回
転数に基いて目標刈取回転数を設定するに当たり、走行
速度が高いときときには1回転ごとのデータを用い、走
行速度が低いときには1/2回転ごとのデータを用いる
構成とした。従って、走行速度が高いときは演算回数が
少なくて済み、また走行速度が低いときは制御の遅れが
少なく応答性がよいという利点がある。 【0060】 【発明の効果】以上に詳述したように、本発明では、機
体の走行中には第1制御手段(V)の制御により、走行
速度に応じて設定される目標刈取速度になるように刈取
部(R)の刈取速度を制御する一方、走行停止時には、
第2制御手段(W)の制御により、刈取部(R)の所定
の上限刈取速度を上回らないように、刈取部(R)の刈
取速度を制御する構成とした。従って、走行を停止して
挟持穀稈の送り込みや刈取部の注油等の作業を行うにあ
たり、主変速装置(N)の誤操作に起因する刈取部
(R)の破損のおそれを未然に防止でき、操作が容易で
安全な装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に対応する機能ブロック図である。 【図2】第1実施例のコンバインを示す側面図である。 【図3】動力伝達機構を示す側面図である。 【図4】動力伝達機構を示す平面図である。 【図5】刈取部変速装置の要部を示す断面図である。 【図6】刈取部変速装置を示す側面図である。 【図7】刈取部変速装置の一部を示す平面図である。 【図8】制御部及びその周辺機器の接続を概略的に示す
図である。 【図9】作業モードである「標準モード」および「倒伏
モード」を概略的に示す図である。 【図10】第1実施例の制御を示すフローチャートであ
る。 【図11】第2実施例の制御を示すフローチャートであ
る。 【図12】走行速度センサを示す正面図である。 【図13】第3実施例の制御を示すフローチャートであ
る。 【図14】本発明による改良前のコンバインの動力伝達
機構を示すブロック図である。 【符号の説明】 2 走行部 4 刈取部 25 原動機 32 刈取部変速装置 66 副変速装置 68 刈取速度センサ 69 走行速度センサ 77 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−9317(JP,A) 特開 平1−187026(JP,A) 実開 平3−34733(JP,U) 実開 平1−109935(JP,U) 実開 平2−107939(JP,U) 実開 平2−113930(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01D 69/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 原動機(M)の出力側に主変速装置(N)を接続すると
    共に、該主変速装置(N)の出力側の動力伝達経路を二
    分し、その一方には動力断続機能を有する副変速装置
    (Z)を介して走行部(P)を接続し、他方には刈取部
    変速装置(Q)を介して刈取部(R)を接続してなるコ
    ンバインにおいて、 前記走行部(P)の走行速度を検出する走行速度検出手
    段(S)と、 前記刈取部(R)の刈取速度を検出する刈取速度検出手
    段(T)と、 前記走行速度検出手段(S)の検出値に対応する所定の
    目標刈取速度を設定する目標速度設定手段(U)と、 前記刈取速度検出手段(T)が検出した刈取速度と前記
    目標速度設定手段(U)が設定した目標刈取速度とが一
    致するように前記刈取部変速装置(Q)を制御する第1
    制御手段(V)と、 前記刈取速度検出手段(T)が検出した刈取速度が所定
    の上限刈取速度を上回らないように前記刈取部変速装置
    (Q)を制御する第2制御手段(W)と、 前記走行部(P)が停止しているか否かを判別する走行
    状態判別手段(X)と、 前記走行状態判別手段(X)が走行部(P)が走行中で
    ある旨を判別したときに前記第1制御手段(V)側を選
    択し、停止中である旨を判別したときに前記第2制御手
    段(W)側を選択する制御切替手段(Y)と、 を備えてなるコンバインの刈取部作動速度制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010075060A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Kubota Corp コンバインの変速制御装置

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