JPH05328831A - コンバインの刈取部制御装置における異常停止装置 - Google Patents

コンバインの刈取部制御装置における異常停止装置

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JPH05328831A
JPH05328831A JP16206692A JP16206692A JPH05328831A JP H05328831 A JPH05328831 A JP H05328831A JP 16206692 A JP16206692 A JP 16206692A JP 16206692 A JP16206692 A JP 16206692A JP H05328831 A JPH05328831 A JP H05328831A
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speed
transmission
control
mowing
cutting
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JP16206692A
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Hitoshi Watanabe
均 渡辺
Fumio Yoshimura
文夫 吉邨
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】刈取速度を走行速度に合わせて制御するにあた
り、刈取部を速度過大から保護すると共に、作物の損傷
を防止する。。 【構成】刈取部変速機32の操作ロッド41に突片63
を設け、この突片63の移動方向前後に、リミットスイ
ッチ64,65を配置する。スイッチ64,65の各作
動片64a,65aがオンされたことを条件に変速機モ
ータ40の通電を断つ制御系を構成する。作動片64
a,65aの位置は、刈取速度制御において想定される
変速比の可変範囲に対応する前記突片の移動範囲Lに対
し、その外側に若干の距離をおいた位置、すなわち、変
速比の可変範囲の上限および下限に対応する突片63の
移動範囲に対して、制御の誤差および刈取部変速機32
の機械的誤差を考慮し、かつ、増速側では刈取部4の機
械的強度の範囲を越えず、また減速側では作物を引摺っ
て損傷しないような位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、自走式コンバインの刈
取部の刈取速度を走行速度に合わせて変更する刈取部制
御装置において、その制御系の異常を検出して刈取部の
変速を停止する異常停止装置に関する。 【0002】 【従来の技術】本出願人による試作品のコンバインは、
図15に示すように、原動機Aの出力側に主変速機Bを
介して走行部Cを接続する共に、前記主変速機Bの出力
側に刈取部変速機Dを分岐接続し、当該刈取部変速機D
の下手側に刈取部Eを接続し、さらに、走行部Cの走行
速度および刈取部Eの刈取速度を検出する回転センサ
F,Gをそれぞれ設け、検出した走行速度に基いて刈取
部Eの目標刈取速度を設定し、この設定した目標刈取速
度に刈取部Eの刈取速度が一致するように、刈取部変速
機Dを制御する構成である。 【0003】この試作装置における刈取部変速機Dの機
械的構成は、図5に示す刈取部変速機32と同様であ
り、2個の割プーリ36,37を互いに反対向きに作用
するように、つまり駆動割プーリ36の幅が開くと受動
割プーリ37の幅が狭まるように組み合わせたものであ
る。40は正逆転可能な変速機モータであり、この変速
機モータ40の駆動で突出後退する操作ロッド41によ
って、ロッド39で連結された両割プーリ36,37を
同時に変速操作する。 【0004】そしてこの変速機モータ40には、図示し
ないリレーを介して制御部を接続しており、もって制御
部の出力により刈取部変速機32を所定の変速比の可変
範囲内で制御するような制御系を構成している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この試作装置
においては、制御系のいずれかの箇所に異常が起きた場
合、例えば制御部の暴走、変速機モータ40やそのリレ
ーの故障、各部の配線の短絡等が生じた場合に、変速機
モータ40が本来の移動範囲を越えて作動するおそれが
ある。この場合には、刈取速度が過大になると刈取部の
破壊を招き、また刈取速度が過小になると、刈取りが適
正に行われず作物を損傷することになる。 【0006】そこで本発明の目的は、刈取速度を走行速
度に合わせて制御するにあたり、刈取部の破壊や作物の
損傷のおそれを未然に防止できる異常停止装置を提供す
ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く、本発明のコンバインの刈取部制御装置における異常
停止装置は、刈取部の作動速度を走行速度に合わせて自
動調節するコンバインの刈取部制御装置において、原動
機より刈取部に至る動力伝達経路中に刈取部変速機を設
け、前記刈取部変速機の変速比を変更する操作ロッドに
変速機モータを連結し、前記刈取部変速機の変速比が所
定値になるように前記変速機モータを制御して前記操作
ロッドを前後に移動するモータ制御手段を設け、前記変
速比の可変範囲に対応する前記操作ロッドの移動範囲の
範囲外の所定位置に、操作ロッド位置検出器を配置し、
前記操作ロッド位置検出器の検出信号に基き前記変速機
モータの通電を断つモータ停止手段を備えてなる。 【0008】 【作用】本発明では、変速機モータは、突出後退する操
作ロッドにより刈取部変速機を操作する。この操作ロッ
ドの突出後退に伴い、操作ロッド位置検出器が操作ロッ
ドを検出すると、モータ制御手段が変速機モータの通電
を断つので、変速機モータの作動が停止して変速比の変
更が中断される。 【0009】ここで本発明では、操作ロッド位置検出器
を、刈取部変速機の変速比の可変範囲に対応する操作ロ
ッドの移動範囲の範囲外の所定位置に配置した。 【0010】従って、目標刈取速度が変速比の可変範囲
の内側にあるとき、すなわち正常な作動が行われている
ときには、操作ロッド位置検出器が操作ロッドを検出す
ることがないので、刈取速度の制御が支障なく行われ
る。 【0011】一方、変速比の可変範囲に対応する操作ロ
ッドの移動範囲の範囲外に操作ロッドが移動するとき、
すなわち刈取速度が変速比の可変範囲を外れるときに
は、操作ロッド位置検出器が操作ロッドを検出し、変速
機モータが停止して変速比の変更が中断されるので、刈
取速度が過大または過小になるおそれはなく、刈取部の
破壊や作物の損傷を未然に防止できる。 【0012】 【実施例】本発明第1実施例につき、以下に図面を参照
して説明する。図2において、1はコンバインの機体フ
レーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行部、3
は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は機体フ
レーム1の前方に設けた刈取部、5は前記刈取部4の分
草体、6は引起装置、7は掻込装置、8は刈刃、9は株
元搬送装置、10は穂先搬送装置、12は穀稈を脱穀装
置3に供給するフィードチェン、11は刈取った穀稈を
フィードチェン12に引き継ぐ株元引継搬送装置、13
は穂先引継搬送装置、15は刈取部4のフレームであ
る。16は刈取部フレーム15を機体側に回動自在に取
付ける支持パイプであり、前記刈取部4に動力を伝達す
る伝動軸を内蔵している。17は刈取部4を上下動させ
る昇降シリンダ、18は脱穀装置3の扱胴である。扱胴
18の下方には、図示しないが扱網を設け、該扱網の下
方には風選室を形成すると共に、風選室内には揺動選別
枠体等を配設する。 【0013】図4において、25は各部を駆動する原動
機である。本実施例における動力伝達機構は、原動機2
5の回転がミッションケース26を介して伝達され、走
行部2が作動する構成であるが、原動機25とミッショ
ンケース26の間には原動機25の回転を無段階に変速
して伝達する主変速機27を設け、変速可能とする。2
8は主変速機27の出力軸に接続した伝達軸であり、伝
達軸28からは刈取部4の刈取部出力プーリ30に至る
刈取部伝動経路31を分岐させ、該刈取部伝動経路31
中には刈取部変速機32を設ける。伝達軸28と刈取部
変速機32との間には、伝達軸28の正方向の回転のみ
を刈取部4に伝達するワンウェイクラッチ90を介装す
る。これは、刈取部4の逆転による破壊を防ぐためであ
る。 【0014】46は原動機25の原動機出力プーリ、4
7はカウンタ軸、48は原動機出力受動プーリ、49は
ベルト、50,51はプーリ、52はベルト、53はミ
ッションケース26に設けた走行部2の走行出力軸、5
4は伝達軸28と駆動割プーリ34との間の伝動機構を
内蔵した伝動ケース、55は受動割プーリ35と前記刈
取部出力プーリ30を固定した伝動軸56との間に設け
た伝動ケース、57は刈取部出力プーリ30と刈取部入
力プーリ29(図3参照)の間に設けたベルト、58は
前記脱穀装置3(図2参照)へ出力する出力プーリ、6
0は前記原動機出力受動プーリ48より突出するグレン
タンクの移送装置へ伝達する伝動軸、61はギヤボック
ス、62はベルトである。 【0015】刈取部変速機32は、駆動割プーリ34、
受動割プーリ35およびベルト33とからなる。図5に
示すように、割プーリ34,35は、変速操作用のアー
ム38,38を旋回させると、カム体36,37の所定
のカムが作用してその左右幅が変化し、これにより有効
直径を拡大・縮小して変速する構成であるが、カム体3
6が駆動割プーリ34を拡げるとカム体37は受動割プ
ーリ35を狭くするように、カム体36とカム体37と
が互いに反対向きに作用するように配置する。すなわ
ち、カム体36,37のアーム38,38の間をロッド
39により連結し、このロッド39の一部に、変速機モ
ータ40により往復動する操作ロッド41の先端を接続
する。42は操作ロッド41の基部に設けたコマ、43
はコマ42に螺合させた前記変速機モータ40により回
転するネジ軸、44は前記コマ42の一部に挿通した回
り止めガイド、78は減速機、91はテンションプーリ
である。 【0016】従って、変速機モータ40に通電してネジ
軸43を回転させると、ネジ軸43の回転によりコマ4
2が移動して操作ロッド41が突出後退し、この操作ロ
ッド41の移動をロッド39を介してカム体36とカム
体37のアーム38に伝達してこれを旋回させ、駆動割
プーリ34と受動割プーリ35の幅を変更し、有効直径
を変更して変速する。 【0017】図1において、刈取部変速機32の操作ロ
ッド41の中部には突片63を設け、この突片63の移
動方向前後には、突片63の位置を検出する位置検出器
としてのリミットスイッチ64,65を配置する。ま
た、これらリミットスイッチ64,65の各作動片64
a,65aが突片63によってオンされたことを条件に
変速機モータ40の通電を断つように、制御系を構成す
る。 【0018】このリミットスイッチ64,65の作動片
64a,65aの位置は、後述する刈取速度制御におい
て想定される変速比の可変範囲(図7中Mの範囲)に対
応する前記突片の移動範囲Lに対し、その外側に若干の
距離をおいた位置、すなわち、変速比の可変範囲の上限
および下限に対応する突片63の移動範囲に対して、制
御の誤差および刈取部変速機32の機械的誤差を考慮
し、かつ、増速側では刈取部4の機械的強度の範囲を越
えず、また減速側では作物を引摺って損傷しないような
位置に、それぞれ定めるものとする。 【0019】ミッションケース26内には、走行部3の
速度を「作業速度」「走行速度」「中立」「後退」の4
段階に変速する副変速機66を設ける。そしてミッショ
ンケース26の副変速機66に対して下手側のいずれか
の回転軸(図示省略)の側端およびその周辺には、走行
部2の走行速度を検出する検出手段として、フォトカプ
ラなどからなる走行速度センサ69を設ける。また、上
記刈取部伝動経路31の受動軸67の端部およびその周
辺には、刈取部4の刈取速度を検出すべき検出手段とし
て、フォトカプラなどからなる刈取速度センサ68を設
ける。 【0020】70は主変速機27の変速比を変更するH
STレバーであり、このHSTレバー70の握り部分に
は作業モード切換スイッチ75を設ける。後述するよう
に、この作業モード切換スイッチ75は、穀物の刈取作
業の際に、穀物が起立しているときに使用する「標準モ
ード」と、穀物が倒伏しているときに使用する「倒伏モ
ード」とのいずれか一方を作業者が選択するものである
(図7参照)。 【0021】次に、この第1実施例の制御系について、
図6を参照して説明する。 【0022】制御部77は、作業者の指示などに応じて
後述のように各部を所定の手順で制御するものである。
制御部77の入力側には、上述した走行速度センサ6
9、刈取速度センサ68、刈取脱穀クラッチレバー7
6、作業モード切換スイッチ75、リミットスイッチ6
4,65等をそれぞれ電気的に接続する。 【0023】制御部77の出力側には、上述した変速機
モータ40を正転または逆転するための増速リレー71
および減速リレー72を接続する。そして変速機モータ
40は、その両リレー71,72の接点73,74の切
換えにより正逆転できるように構成する。 【0024】次に、このように構成した第1実施例の動
作の一例について説明する。 【0025】いま、原動機25を回転させると、この回
転が主変速機27に伝達され、運転席のHSTレバー7
0の操作により主変速機27の回転数が無段階に変速さ
れて伝達軸28に出力され、伝達軸28は走行装置2の
ミッションケース26に回転を伝達する。このとき、副
変速装置66は「作業速度」側にセットしており、伝達
軸28の動力は走行部2に伝達されて機体を前進させ
る。 【0026】他方、伝達軸28の回転が刈取部伝動経路
31を介して刈取部出力プーリ30に伝達され、刈取部
出力プーリ30から刈取部入力プーリ29に伝達されて
刈取部4の各部を作動させる。これにより、分草体5に
より分草された穀稈を引起装置6により引起こし、引起
こした穀稈を掻込装置7により掻き込みながら根元側を
刈刃8により切断し、刈り取られた穀稈の根元側は株元
搬送装置9により、穂先側は穂先搬送装置10によりそ
れぞれ搬送し、株元引継搬送装置11および穂先引継搬
送装置13によりフィードチェン12に引継ぎ、フィー
ドチェン12により脱穀装置3の脱穀室に供給して、回
転する扱胴18により脱穀し、脱穀物を選別して機外に
取出する。脱穀済みの排藁は図示しない排藁処理部に搬
送して処理する。 【0027】このようにして刈取脱穀作業が開始される
と、制御部77では以下のような刈取速度制御が行われ
る。この刈取速度制御について、図8のフローチャート
を参照して説明する。 【0028】いま、走行部2および刈取部4の起動に伴
って、走行速度センサ69および刈取速度センサ68の
パルス信号が制御部77にそれぞれ入力されると(S
1,S2)、制御部77ではこれらのパルス信号に基い
て走行速度および刈取速度をそれぞれ算出する(S3,
S4)。 【0029】次にステップS5では、作業モード切替ス
イッチ75の選択モードに応じて、ステップS3で算出
した走行速度に対応する目標刈取速度が、テーブル処理
などにより設定される(図7参照)。そしてステップS
6では、ステップS4で算出した刈取速度と先に設定さ
れた目標刈取速度とが一致しているか否かを判別する。
その判別の結果、両者が一致していないときには、ステ
ップS7に移行して、刈取部変速機32の変速機モータ
40に対する出力を行う。 【0030】すなわち、ステップS7では、検出刈取速
度が目標刈取速度を下回るときには、増速リレー71が
励磁されて、そのリレー接点73が図示とは反転側に切
り替わる。これにより、刈取部変速機32の変速機モー
タ40が例えば正転して、カム体36,37が増速側に
旋回し、駆動割プーリ34と受動割プーリ35の幅が変
更して有効直径が変化し、刈取部4の刈取速度が増大す
る。 【0031】一方、検出刈取速度が目標刈取速度を上回
るときには、逆に減速リレー72が励磁されてそのリレ
ー接点74が図示とは反対側に切り替わり、これにより
変速機モータ40が逆転するので、刈取部4の刈取速度
が減少する。このような制御により、走行中における刈
取部4の刈取速度は、目標刈取速度と一致する。 【0032】この刈取速度制御において、ステップS6
での目標刈取速度の設定は、上述したように作業モード
選択スイッチ75の選択した作業モードに応じて行われ
るものであり、図7に示すように「標準モード」が選択
されているときには、走行部2の走行速度と刈取部4の
刈取速度とが比例するように設定され、また「倒伏モー
ド」が選択されているときには、走行部2の走行速度に
対して刈取部4の刈取速度の上昇率が高くなるように設
定される。「倒伏モード」においてこのような設定を行
う目的は、倒伏作物を刈取る際に、引起装置6の引起し
能力を上げて刈取作業を円滑にすることにある。 【0033】ここで、走行速度に対する刈取速度は、刈
取部変速機32の変速比により定まることになるが、こ
の刈取部変速機32は主変速機27の下手側に接続され
ていることから、走行速度と刈取速度の関係を示す図7
では、刈取部変速機32の変速比は、グラフの傾きとし
て現れる。後述する刈取速度制御が正常に行われる場合
には、刈取部変速機32の変速比を最大にしている場合
には走行速度と刈取速度は図7中J線で示す関係とな
り、また変速比を最小にしている場合には両者は図7中
K線で示す関係となる。 【0034】すなわち、走行速度と刈取速度の関係は図
7中J線とK線に挟まれた変速比の可変範囲M中のいず
れかの点となる。 【0035】このような制御に従って、走行速度に応じ
た刈取速度で刈取脱穀作業が行われるが、この制御にお
いては、図1に示すように、変速機モータ40によって
駆動される操作ロッド41の突片63は、変速比の可変
範囲Mに対応する移動範囲Lの範囲内で往復動し、制御
が正常に行われている間はこの移動範囲Lの範囲を越え
て外まで移動することはない。 【0036】ここで万一、制御系のなんらかの異常によ
って変速機モータ40が必要以上に作動し、操作ロッド
41の突片63が本来の移動範囲Lを越えて移動する
と、リミットスイッチ64,65の作動片64a,65
aのいずれか一方がオンされ、これに応じて制御部77
が増速リレー71または減速リレー72の励磁を強制的
に中止し、これにより変速機モータ40の回転が停止す
る。 【0037】従って第1実施例においては、制御系のい
ずれかの箇所に各種の異常が起きた場合、例えば制御部
の暴走、変速機モータ40やそのリレーの故障、各部の
配線の短絡等が生じた場合においても、刈取部変速機3
2が本来の作動領域を越えて増速側または減速側に作動
するとリミットスイッチ64,65がただちに異常を検
出して変速操作が中止されるので、刈取速度の過大に起
因する刈取部4の破壊、および刈取速度の過小に起因す
る作物の損傷を未然に防止できる。また、制御系の異常
を直ちに検出できることから、その後の修理・調整に即
座に移行できるという効果を奏する。 【0038】次に、第1実施例における刈取速度制御の
改良に関する第2実施例について説明する。 【0039】上述した第1実施例の制御では、ステップ
S5において、走行速度センサ69の検出走行速度に基
いて目標刈取速度を設定し、刈取速度センサ68の検出
刈取速度が設定した目標刈取速度と一致するように、刈
取部変速機32を操作する制御を行った。 【0040】ところで、この制御において設定する目標
刈取速度は、実際にはある絶対的な値として設定するの
ではなく、一定の値である目標刈取速度に対して上下に
常に一定の幅の不感帯Q(非制御領域)を設定し、いわ
ば刈取速度制御の目標速度領域とするものである(図9
参照)。これは、制御の微小な誤差を許容し、制御のハ
ンチングの発生を防ぐためである。 【0041】しかし、このように不感帯Qの幅を常に一
定の幅として設定する構成では、低速作業時には目標刈
取速度に対して不感帯Qが大きいので、制御の許容誤差
が大きすぎて精度が悪いという欠点がある。また高速作
業時には、目標刈取速度に対して不感帯Qが狭すぎて、
ハンチングの発生を有効に防止できない。そこで第2実
施例は、この問題点を解決することを目的とするもので
ある。 【0042】なお、第2実施例は上述の第1実施例とは
制御が以下のように異なるが、その機械的構成は上記第
1実施例と同様であるので、その説明は省略し、その制
御のみについて以下に図11のフローチャートに従って
説明する。 【0043】まず、ステップS11において、刈取脱穀
クラッチレバー76が「刈取・脱穀」位置にあるか否か
を判別し、「刈取・脱穀」位置のときには、ステップS
12において、図示しないクラッチ作動機構に接続信号
を出力する。これにより、刈取部4・脱穀部3に介装し
た各クラッチ(図示省略)が接続側に作動し、原動機2
5の動力が刈取部4および脱穀部3に伝達される。 【0044】このようにして刈取部4および脱穀部3が
起動すると、次にステップS13において、走行速度セ
ンサ69のパルス信号に基いて、回転軸92が1/2回
転するまでの時間および1回転するまでの時間をそれぞ
れ算出する。一方、これと同様にして、刈取速度センサ
68のパルス信号に基いて、回転軸92が1/2回転す
るまでの時間および1回転するまでの時間を算出する
(S14)。 【0045】これらS13およびS14の各算出結果に
基いて、走行側の回転軸92の回転数、および刈取側の
受動軸67の回転数を、それぞれ算出する(S15,S
16)。このステップS15〜S16においては、1/
2回転に要する時間に基いた回転数、および1回転に要
する時間に基いた回転数を、各センサ69,68ごとに
個別に算出する。従って、走行側の回転数としては、1
/2回転ごとのデータにより求めた走行回転数A、1回
転ごとのデータにより求めた走行回転数Bが算出され、
また刈取側の回転数としては、1/2回転ごとのデータ
により求めた刈取回転数C、および1回転ごとのデータ
により求めた刈取回転数Dが算出される。 【0046】次に、これら算出した回転数のうち走行回
転数Aが、一定値χより小であるか否かを判別する(S
17)。この判別の結果、走行回転数Aが一定値χより
小であるとき、すなわち走行速度が低いときには、ステ
ップS18に移行する。ステップS18では、走行回転
数Aに基いて、目標刈取回転数Eを算出する。 【0047】そして、ステップS18で算出した目標刈
取回転数Eに基いて、その非制御領域である不感帯Rの
幅を、例えば±n[rpm]のように設定する(S1
9)。この不感帯Rの幅n[rpm]は、低速域では小
さく、高速域では大きく設定するものとし、この設定の
状態を模式的に示すと図10のようになる。 【0048】次にステップS20において、算出した目
標刈取回転数Eと、刈取回転数Aとの差を算出し、両者
の差の絶対値がn[rpm]を上回るとき、すなわち図
10において刈取回転数Aが不感帯Rの範囲から外れる
場合には、変速機モータ40に対して増速信号または減
速信号を出力する(S21)。また目標刈取回転数Eと
刈取回転数Aとの差の絶対値がn[rpm]を下回ると
き、すなわち図10において刈取回転数Aが不感帯Rの
範囲内にある場合には、増速信号および減速信号の出力
は行なわない。 【0049】また、ステップS17における判別の結
果、走行回転数Aが一定値χより大であるとき、すなわ
ち走行速度が低速でないときには、ステップS22に移
行する。ステップS22では、走行回転数Bに基いて、
目標刈取回転数Fを算出する。そして、算出した目標刈
取回転数Fに基いて、上述のステップS19と同様に、
不感帯Rの幅を±n[rpm]のように設定する(S2
3)。 【0050】次にステップS24において、算出した目
標刈取回転数Fと、刈取回転数Dとの差を算出し、両者
の差の絶対値がn[rpm]を上回るとき、すなわち図
10において刈取回転数Dが不感帯Rの範囲から外れる
場合には、変速機モータ40に対して増速信号または減
速信号を出力する(S25)。また目標刈取回転数Fと
刈取回転数Dとの差の絶対値がn[rpm]を下回ると
き、すなわち図10において刈取回転数Bが不感帯Rの
範囲内にある場合には、増速および減速は行なわない。 【0051】このような制御の結果、刈取回転数C,D
は、走行速度に応じて設定された目標刈取回転数E,F
についての不感帯Rの範囲内の値となるように制御され
る。 【0052】このように第2実施例においては、走行回
転数に基いて目標刈取回転数を設定するに当たり、走行
回転数の大小に応じて目標刈取回転数の不感帯Rの幅を
変化させ、低速作業時には不感帯Rの幅を小さく、低速
でないときには不感帯Rの幅を大きく設定する構成とし
た。従って、低速作業時には走行速度に応じて不感帯R
の幅を小さく設定するので制御の精度が良く、また高速
作業時には不感帯Rの幅を大きく設定するので、ハンチ
ングの発生を有効に防止でき、もって第1実施例の欠点
を解消することができる。 【0053】また第2実施例では、走行速度が高いとき
ときには1回転ごとのデータを用い、走行速度が低いと
きには1/2回転ごとのデータを用いる構成とした。従
って、走行速度が高いときは演算回数が少なくて済み、
また走行速度が低いときは制御の遅れが少なく応答性が
よいという利点がある。 【0054】次に、第1実施例における運転席の操作部
の改良に関する第3実施例について説明する。 【0055】近年のコンバインでは、走行方向制御、刈
高さ制御、こぎ深さ制御等の多様な自動制御が採用され
ているが、これら各種の自動制御の中から作業者が所望
の自動制御を選択できるように、運転席の操作部には制
御の種類に応じた数の自動制御スイッチを配列してい
る。これら個別スイッチのうちから作業者が所望のスイ
ッチをオンすると、その選択に応じて走行方向制御、刈
高さ制御、走行速度制御等の自動制御が自動的に行われ
る。 【0056】このように構成した操作部は、多数の個別
スイッチが集中的に配置されているので操作性がよい
が、作業者がその都度に選択するスイッチをいちいちオ
ンするのは煩雑である。 【0057】そこで、これら集中的に配置された各個別
スイッチに加え、例えば図12のように、代表スイッチ
99を操作部100上に設け、この代表スイッチ99の
オン・オフにより、個別スイッチ93〜98のうちの特
定の個別スイッチ(例えば個別スイッチ93,94,9
5)のみを同時にオン・オフするように構成することが
考えられる。 【0058】しかし、この構成では、代表スイッチ99
によってどの個別スイッチをオン・オフするかは、各ス
イッチ93〜99を接続したプリント基板上の導体パタ
ーンによってあらかじめ決定され変更できないため、同
一形式のプリント基板を複数機種のコンバインに汎用的
に使用したり、顧客の要望に応じて選択される個別スイ
ッチを変更するには、基板全体の交換を要するという問
題点がある。 【0059】そこで第3実施例は、この問題点を解決
し、代表スイッチ99によりオン・オフできる個別スイ
ッチの種類を、コンバインの機種や顧客の要望に応じて
容易に変更可能にすることを目的とする。 【0060】これを図13に沿って説明すると、93〜
98は個別スイッチであり、うち93は走行方向制御、
94は刈高さ制御、95は走行速度制御、96は扱ぎ深
さ制御、97は選別制御、98は車体水平制御を選択す
るスイッチである。これら各個別スイッチ93〜98の
一方を接地側に接続し、他方を入力線108〜115に
よりIC101,102の入力側にそれぞれ接続する。
IC101,102の出力側には、各個別スイッチ93
〜98の信号を制御部に伝達する出力線116〜123
をそれぞれ接続する。103,103は各自動制御が作
動している旨を表示する発光ダイオード、132,13
2…はバッファである。 【0061】IC101,102は、各個別スイッチ9
3〜98と対応する出力線116〜123との導通を、
制御線124〜131のうち対応する制御線の電位に応
じて切り替える機能を有するものであり、制御線の電位
がLOWのときは、対応する個別スイッチと出力線とを
導通し、また制御線の電位がHIGHのときには対応す
る個別スイッチと出力線との導通を遮断するように構成
している。 【0062】図14は第3実施例の要部を示す図であ
る。105は接地側に接続した導体、104は代表スイ
ッチ99側に接続した導体、131はIC101,10
2側に接続した制御線である。これら導体105,10
4および制御線131の相対する端部には、それぞれジ
ャンパ線差込用のスルーホール105a,104a,1
31aを形成する。接地側の導体105の電位は常時L
OWであり、代表スイッチ側の導体104の電位は代表
スイッチ99をオンするとLOW、代表スイッチ99を
オフするとHIGHとなる。制御線131と接地側の導
体105、または制御線131と代表スイッチ側の導体
104とのいずれかを、ジャンパ線107を用いて選択
的に接続する。 【0063】しかして、このように構成した第3実施例
では、各個別スイッチのオン・オフに従って、対応する
各種の自動制御が行われるが、ジャンパ線107で接地
側の導体105側を選択している制御系では、制御線の
電位は常時LOWであるから入力線側と出力線側とは常
に導通状態である。従って、これらの制御系では個別ス
イッチのオン・オフに従って、各自動制御がオン・オフ
される。 【0064】一方、ジャンパ線107で代表スイッチ側
の導体104側を選択している制御系では、代表スイッ
チ99がオフのときには入力線側から出力線側への導通
が遮断されるので、個別スイッチをオンしても制御は行
われない。そして、これらの制御系では、所望の個別ス
イッチを予めオンしておき、この状態で代表スイッチ9
9がオンされると、これにより入力線側と出力線側とが
導通されるので、個別スイッチのオンされている制御系
が、単一の代表スイッチ99の操作で同時にオンされ
る。 【0065】この構成において、代表スイッチ側に接続
される制御系を切換えるには、ジャンパ線107の接続
を、接地側のスルーホール105aから代表スイッチ側
のスルーホール104aに差し替えればよい。 【0066】このように第3実施例では、代表スイッチ
99でオン・オフするか否かの変更を、ジャンパ線10
7の差し替えのみによって極めて簡単に行うことができ
るので、同一形式のプリント基板を手作業によるわずか
な変更のみによって複数機種のコンバインに対して汎用
化でき、また、代表スイッチ99でオン・オフされる個
別スイッチの種類を顧客の要望に応じて販売時点で変更
することも可能になる。 【0067】なお、第3実施例の応用として、ジャンパ
線107に代えてDIPスイッチを用いる構成としても
よく、それ以外にも手作業による切替えが可能な手段で
あればいずれの構成も選択可能である。 【0068】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、操作
ロッド位置検出器を、刈取部変速機の変速比の可変範囲
に対応する操作ロッドの移動範囲の範囲外の所定位置に
配置した。従って、目標刈取速度が変速比の可変範囲の
内側にあるとき、すなわち正常な作動が行われていると
きには、操作ロッド位置検出器が操作ロッドを検出する
ことがないので、刈取速度の制御が支障なく行われる。 【0069】一方、変速比の可変範囲に対応する操作ロ
ッドの移動範囲の範囲外に操作ロッドが移動するとき、
すなわち刈取速度が変速比の可変範囲を外れるときに
は、操作ロッド位置検出器が操作ロッドを検出し、変速
機モータが停止して変速比の変更が中断されるので、刈
取速度が過大または過小になるおそれはなく、刈取部の
破壊や作物の損傷を未然に防止できる。また、制御系の
異常を直ちに検出できることから、その後の修理・調整
に即座に移行できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1実施例の刈取部変速機の異常停止装置の要
部を示す平面図である。 【図2】本発明を実施するのコンバインを示す側面図で
ある。 【図3】コンバインの動力伝達機構を示す側面図であ
る。 【図4】コンバインの動力伝達機構を示す平面図であ
る。 【図5】刈取部変速機を示す側面図である。 【図6】制御部及びその周辺機器の接続を概略的に示す
図である。 【図7】作業モードである「標準モード」および「倒伏
モード」を概略的に示す図である。 【図8】第1実施例における刈取速度制御を示すフロー
チャートである。 【図9】第2実施例による改良前の作業モードを示す図
である。 【図10】第2実施例における作業モードを示す図であ
る。 【図11】第2実施例の制御を示すフローチャートであ
る。 【図12】第3実施例の運転席の操作部を示す図であ
る。 【図13】第3実施例の制御系の構成を示す図である。 【図14】第3実施例の要部を示す図である。 【図15】本発明者による試作品のコンバインにおける
動力伝達機構を示す図である。 【符号の説明】 2 走行部 4 刈取部 25 原動機 32 刈取部変速機 41 操作ロッド 63 突片 64,65 リミットスイッチ 68 刈取速度センサ 69 走行速度センサ 77 制御部 L 移動範囲 M 変速比の可変範囲

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 刈取部の作動速度を走行速度に合わせて自動調節するコ
    ンバインの刈取部制御装置において、 原動機より刈取部に至る動力伝達経路中に刈取部変速機
    を設け、 前記刈取部変速機の変速比を変更する操作ロッドに変速
    機モータを連結し、 前記刈取部変速機の変速比が所定値になるように前記変
    速機モータを制御して前記操作ロッドを前後に移動する
    モータ制御手段を設け、 前記変速比の可変範囲に対応する前記操作ロッドの移動
    範囲の範囲外の所定位置に、操作ロッド位置検出器を配
    置し、 前記操作ロッド位置検出器の検出信号に基き前記変速機
    モータの通電を断つモータ停止手段を備えてなるコンバ
    インの刈取部制御装置における異常停止装置。
JP16206692A 1992-05-28 1992-05-28 コンバインの刈取部制御装置における異常停止装置 Pending JPH05328831A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009106254A (ja) * 2007-11-01 2009-05-21 Yanmar Co Ltd 収穫機
JP2019176798A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 井関農機株式会社 コンバイン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009106254A (ja) * 2007-11-01 2009-05-21 Yanmar Co Ltd 収穫機
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