JPS5824083B2 - コンバインの変速操作装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、操作レバーの一定方向の往復移動で後進域、
中立位置、前進低速域及び前進高速域の変速を行なえる
ように構成したコンバインの変速操作装置に関する。

近来、コンバインの変速操作装置としては、油圧式の無
段変速装置が採用されていて、前進高低速、及び後進操
作が、一本の操作レバーを一定方向に連続的に操作する
ことによりなされるべく構成されている。

しかし、このように操作レバーを一連に操作することに
よって、変速形態を切換えるのでは、操作レバーが思わ
ぬ位置にまで操作されてしまうことがあり、危険である
とともに、殻稈を適正に収穫し得なくなることにもなる
。

一方、コンバインの走行形態は、全ての形態が必要とさ
れる路上走行状態、そして、圃場内で機体を殻稈列に沿
わせる低速での条合せ、その後に殻稈列に沿わせて高速
に収穫する自動収穫状態、更には、殻稈の倒伏状態に適
合する低速域内で、しかも手動で操作する手動状態など
その走行形態は複雑である。

かかる複雑な変速形態の変速を行う場合には、一層操作
を誤まりやすくなる。

また、近来のコンバインでは、能率向上のために、圃場
内においては、脱穀負荷が設定された適正状態になるよ
うに、自動的に車速制御が行われるべく構成されている
のであり、このような自動化構成の利点も生かせたい要
望がある。

本発明は、かかる操作ミスが生じやすい問題を回避し得
るうえに、操作形態に合せて、手動及び自動状態が得ら
れるコンバインの変速操作装置を提供せんとするもので
ある。

即ち、本発明によるコンバインの変速操作装置は、操作
レバーの一定方向での往復移動で後進域、中立位置、前
進低速域及び前進高速域の変速を行えるよう構成すると
ともに、操作レバーを全操作域に亘って操作し得る第１
状態と、中立位置から前進域に亘って操作し得る第２状
態払中立位置から前進低速域においてのみ操作し得る第
３状態とに、操作域を切換え可能に構成し、且つ前記第
１状態及び第３状態は手動による任意操作の可能な人為
操作状態に、又第２状態は脱穀負荷装置に連動して自動
操作される自動変速状態に構成しであることを特徴とす
る。

つまり、一連に操作される変速域は、後進、前進高低速
の全域に亘って操作が可能な第１状態と、前進高低速域
における操作が可能な第２状態と、前進低速域のみの操
作が可能な第３状態とに切換えが可能に構成されている
から、これら３様の変速形態に切換えることにより、操
作レバーが不測に他の操作域内に入り込むことが回避で
き、個々の収穫及び走行態様に適合させた正しい作業が
誤まりなく安全に、且つ操縦者は、操作に注意を払うこ
となく、例えば収穫状態を監視し、一層良好な収穫がな
しやすい利点がある。

そのうえに、第１、第３状態が手動による任意操作の可
能な人為操作状態で、第２状態が脱穀負荷に連動して自
動操作される自動高速状態に構成されているから、前後
進及び低速前進など手動化が望ましい場合には、人為操
作状態となり、脱穀負荷を設定した適正状態に一致させ
て維持する自動化が望ましい場合には、自動変速状態と
なり、これら望ましい操作形態が切換え操作により自動
的に得られる利点がある。

以下本発明の実施の態様を例示図に基づいて詳細に説明
する。

図は、コンバインを示し、機体前部に植立殻稈引起し装
置１が配設され、この引起し装置１の部方地面近くに刈
取装置２が配設され、更に後方には、機体後部に搭載の
脱穀装置３のフィードチェーン４に引起し刈取られた殻
稈を受渡す刈取殻稈後方搬送装置５が配設されている。

そして、走行機体に装備されたクローラ型の左右走行装
置６゜７は、油圧式の無段変速装置８によって、前後進
の切換え並びに走行速度が無段階に変更可能に構成され
ている。

そして、前記無段変速装置８には、人為操作レバー９が
リンク機構１０を介して連係されていて、前記操作レバ
ー９が機体操縦部近くに、直線案内溝内に沿って一定方
向に連続操作可能に横軸芯Ｘまわりに回動可能に枢着さ
れている。

一方、前記脱穀装置３の扱胴軸１１には、エンジンから
の伝達トルクを検出して、脱穀負荷を検出する脱穀負荷
検出装置１２が配設され、この検出装置１２の検出結果
が比較器１３に入力され、適正な（基準）負荷と比較し
て、この基準負荷よりも大きいと、電動モータＭを正転
させる信号を発し、そして、基準負荷より小さいと、電
動モータＭを逆転させる信号を発し、更に、基準負荷と
一致すると回転を停止させる信号を発すべく構成されて
いる。

前記電動モータＭと操作レバー９の枢支回動軸１４との
間には、摩擦クラッチ１５が介挿されていて、電動モー
タＭの正逆回転で、摩擦クラッチ１５を介して操作レバ
ー９を前後方向に操作して無段変速装置８を操作して、
つまり、脱穀負荷が基準よりも大きければ、車速を減じ
る側に操作して収穫量を減少し、負荷を軽減させ、そし
て、基準よりも小さければ、車速を増す側に操作して、
収穫量を増大し、負荷を増大させる。

図中、Ｓは比較器１３の電源回路に設けられたスイッチ
で、これを切ると自動走行変速ができず、手動操作のみ
が可能となる。

以上の構成において本発明の一実施例は、前記操作レバ
ー９の中間部に操作方向に姿勢するレバー操作量を牽制
する階段状の牽制域を有す牽制板１６が付設されている
。

前記牽制域としては、操作レバー９の中立位置Ｎから前
進低速域Ａと、中立位置Ｎから前進低速及び高速域Ｂと
、後進も含めた全域Ｃとが階段状に形成さ−れている。

一方、操作レバー９側には、ピン１７が連係されていて
、このピン１７は前記階段状の牽制部Ａ。

Ｂ、Ｃのいずれかに位置するべく上下昇降可能に構成さ
れている。

そして、このピン１７の上下昇降操作は、操作レバー９
の握り部９ａに付設した操作具１８に連動すべく構成さ
れている。

即ち、第３図に示すように、操作レバー９に操作具１８
が横軸芯Ｐまわりに上下回動自在に枢着され、且つポー
ルストッパ機構で上中下の３段に位置決め可能に構成さ
れている。

そして、前記操作具１８にロッド１９を介して前記ピン
１７が連係されている。

壕だ、前記スイッチＳは、前記操作具１８が中立位置に
ある場合に入り状態となり、他の位置では切り状態とな
るように配設されている。

このような構成によれば、操作具１８が下方に位置する
状態では、ピン１７が上昇していて、全操作域Ｃ内に位
置し、スイッチＳが切れている。

この第３状態では、手動による人為操作で、機体を後進
、及び前進高低速の切換えが行なうことができて、専ら
路上走行時に使用される。

又、操作具１８が中間位置に位置する状態では、ピン１
７も中間位置にあって、前進高低速域Ｂ内に位置し、ス
イッチＳが入っている。

この第２状態では、脱穀負荷に応じて機体走行速度を制
御する自動車速制御が行われる。

又、操作具１８が上方に位置する状態では、ピン１７が
下降していて、前進低速域Ａ内に位置し、スイッチＳが
切れている。

この第３状態では、操作レバー９を手動操作で、機体を
低速前進させて、殻稈列に沿わせる条合せを行う。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るコンバインの変速操作装置の実施の
態様を例示し、第１図は全体側面図、第２図は作動系統
図、第３図は一部を破断した要部拡大側面図である。 ９・・・・・・操作レバー、１２・・・・・・脱穀負荷
検出装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 操作レバー９の一定方向での往復移動で後進域、中
   立位置、前進低速域及び前進高速域の変速を行えるよう
   構成するとともに、操作レバー９を全操作域に亘って操
   作し得る第１状態と、中立位置から前進域に亘って操作
   し得る第２状態と、中立位置から前進低速域においての
   み操作し得る第３状態とに、操作域を切換え可能に構成
   し、且つ前記第１状態及び第３状態は手動による任意操
   作の可能な人為操作状態に、又第２状態は脱穀負荷検出
   装置１２に連動して自動操作される自動変速状態に構成
   しであることを特徴とするコンバインの変速操作装置。