JPS6246694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータの報知装置の改良に関す
るものである。

従来、犯罪防止のために、夜間などエレベータ
利用者が少なくなると各階強制停止運転を行つて
いる。この各階強制停止運転は、かご内の行先階
ボタンが押されかご呼びが登録されると、かご呼
びの登録された階床までの各階床に強制的にかご
を停止させて行く運転であり、かご内が密室にな
らないように配慮されている。しかしながら、か
ごは途中階に必ず停止し戸開するので、途中階か
ら人が乗り込んで来る機会は多くなり、かご内の
乗客が女性の場合にはかえつて不安感を抱かせる
ことになる。また、エレベータの故障によつて、
乗客がかご内に閉じ込められた場合、管理人が不
在であると救出が遅れることも考えられる。

この考案は上記不具合を改良するもので、乗客
が安心して利用でき、万一事故があつても早期に
救出が可能になるようにしたエレベータの報知装
置を提供することを目的とする。

以下、図によつてこの発明の一実施例を説明す
る。なお説明の便宜上６階建のアパートにエレベ
ータが設置されている場合について示す。図中、
（＋），（−）は直流電源、１は磁気カード読取装
置、１ａ及び１ｂはいずれも磁気カード読取装置
１の出力リレーの常開接点で、接点１ａは磁気カ
ード読取装置１に差し込まれた磁気カードの内容
が５階の501号室であることを検出すると閉成
し、接点１ｂは同じく５階の502号室であること
を検出すると閉成する。２，３はそれぞれ５階の
501号室及び502号室に行く乗客がかご内に乗車中
であることを記憶しておく乗車リレーで、２ａ，
３ａはそれぞれ乗車リレー２，３の常開接点、４
ａ，４ｂはかごが５階にいるとき開放するかご位
置リレー接点、５，６はそれぞれ501号室及び502
号室に設置された表示灯である。

次に、この実施例の動作を説明する。

今、１階から乗り込んだ乗客が５階の501号室
に行くため、カード読取装置１に自分の所持する
特定のカードを差し込んだとすると、カード読取
装置１により接点１ａは閉成する。したがつて、
（＋）−１ａ−２−（−）の回路により乗車リレー
２は付勢され、接点２ａの閉成により自己保持す
る。同時に501号室の表示灯５は点灯する。かご
が５階に到着すると、かご位置リレー接点４ａ，
４ｂは開放するので、乗車リレー２は消勢され、
接点２ａは開放する。これで501号室の表示灯５
も消灯する。５階の502号室に行く乗客がカード
を読取装置１に差し込んだ場合も同様で、５階に
到着するまで502号室の表示灯６は点灯する。

このように、かごに乗車中に表示灯５，６を点
灯することによつて、帰宅を前もつて家族に知ら
せるようにしたので、途中階で事故に遭つたりし
て帰宅が遅れても、早期救出が可能になり、乗客
は安心してエレベータを利用することができる。

上記実施例では、アパートの特定の部屋に乗車
中の表示を行うようにしたが、アパートに限ら
ず、事務所ビルなどにおいても乗車中の表示を行
うようにしてもよい。この場合、外出者が外出先
から戻つて来たことを前もつて職場に知らせるこ
とができるので、訪問客とのすれ違いをなくし、
円滑な業務の遂行が可能となる。

また、上記実施例では、特定の部屋に乗車中で
あることを表示する表示灯５，６を点灯し、視覚
表示により知らせるようにしたが、これに限るも
のではなく、連続音や断続音、またチヤイムなど
の音響装置により知らせるようにしてもよい。ま
た、かごが乗場に到着すると表示灯５，６を消灯
するようにしたが、到着後一定時間（例えば乗場
から各部屋までの歩行時間に相当する時間）は点
灯したままにしたり、その間のランプの表示形態
を変えて（例えば点灯から点滅に変える）、乗場
から玄関までの途中にいることを知らせるように
したりすることも容易である。

更に、上記実施例では、磁気カード読取装置に
より特定の乗客が特定の場所へ行くことを検出す
るようにしたが、カードの読取りは磁気式に限ら
ず、光学式、電気式などでもよい。また、カード
の読取りの代わりに、ダイヤル式や押ボタン式の
操作装置を使用してもよい。更に特定階のかご呼
びが登録されたとき、上記検出を行うようにする
こともできる。

この考案は以上述べたとおり、エレベータによ
つてサービス可能な階床の居室部位に報知手段を
設け、上記居室に関係のある者に上記報知手段を
作動させるための信号が記憶された信号記憶手段
を携帯させ、上記関係者が上記エレベータを利用
するときに上記信号記憶手段を読取装置に係合さ
せて上記報知手段を作動させるようにしたもので
ある。

このため、居室部位では関係者の到着を前もつ
て知ることができ、事前の準備が可能となる。ま
た、報知手段が作動してから関係者が到着するま
での時間は略一定である。この時間が極端に長び
いたときは、エレベータに閉じ込められたこと、
または、途中で痴漢等に襲われたことが考えら
れ、別途通報されるのを待たずに、上記到着時間
の長短によつて直ちに対応することができて早く
救助できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案によるエレベータの報知装置の一
実施例を示す回路図である。 １……カード読取装置、２，３……乗車リレ
ー、４ａ，４ｂ……５階かご位置リレー接点、
５，６……表示灯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エレベータのサービス階の居室部位のそれぞれ
   に設置された報知手段、 この報知手段のそれぞれに対応した信号が記憶
   され上記居室部位に関係のある者によつて携帯さ
   れ、上記報知手段ごとに対応して設けられた第１
   の記憶手段、 エレベータに設けられ、上記第１の記憶手段に
   係合して上記記憶信号を読み取り、読み取つた信
   号に対応した動作信号をそれぞれ出力する読取装
   置、 この読取装置の出力する各動作信号に応動し、
   上記第１の記憶手段から読み取られた記憶信号に
   対応する報知手段のみを動作させる第２の記憶手
   段、を備えたエレベータの報知装置。