JPS6245771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自走型コイルカーに関し、巻線機に
おいて巻線されたコイルを受け取り所定のコイル
搬出方向へとリフタ・コンベア等の手段によつて
搬出すべく構成した装置において、特に巻線機か
らのコイルを受け取りリフタ等の搬出手段に移載
する手段を、自走・旋回型のコイルカーとなして
巻線機よりも搬出側において進退すべく構成する
ことにより、コイルカーと巻線機との相互干渉を
なくし、これによつて巻線作業を独立して行なえ
るように工夫することで巻線機における巻取終了
から開始迄のロスタイムを減少させると共に、旋
回型であることからコイル旋回時の荷陥れを好適
に防止し、もつてコイルの移載搬出が能率的かつ
確実に実施されるように配慮したものである。

第１図（正面図）及び第２図（平面図）はその
従来装置を例示したもので、１はコイル移載機で
この移載機１は前部にフオーク２をもつて第１図
Ｓのストローク間を進退する。３はそのガイドロ
ーラであつて左右のガイドレール４，４に沿つて
運動する。

又、５は移載機１の背部に備えたプツシユプル
装置を例示したもので、これらで成る移載機１は
第１図左端位置に待機しその状態で巻線機６によ
る巻取りが終了すると上昇したコイル７を受け止
めるべく前進する。その状態が第１図の中途に示
した進出位置であり、ここでコイル７がフオーク
２上に移載されて上方からの安定装置８で保持さ
れつつ更に搬出方向へと移行し第１図右端位置に
くる。この位置では図示省略したコイル搬出リフ
タが上昇しコイル７を持揚げてのちコイル搬出コ
ンベア（図示省略）へと更に移載しこうして搬出
行程が終了する。終了するとコイル移載機１は第
１図左端の待機位置に戻される。

以上説明から明白なように従来装置ではコイル
移載機１が巻線機６上を介して往復動する型式で
あり、従つてこの移載機１が搬出行程を終えて完
全に待機姿勢となるまでは線材の誘導管をそこか
ら退避させておく必要があることから、巻取終了
から巻初め態勢を行なうことができず、その結果
巻線終了から次の巻線開始に至る間にタイムロス
が大きく、問題となつていた。

本考案は叙述の点に鑑み案出されたものであ
り、巻線機のコイル搬出側に備えられて、コイル
搬出方向に進出しかつ巻線機側に復帰する自走型
コイルカーにおいて、 該コイルカーは、コイル搬出方向の前後が開口
された前後方向の空間を有する門形走行架台を有
し、該門形走行架台の天頂部に、縦軸中心に回動
自在な旋回支軸が備えられ、更に、門形走行架台
の空間内にあつて旋回支軸に取付けられたコイル
支え部が設けられ、該コイル支え部が空間内にお
いて旋回支軸の回動で前後方向に姿勢変更自在と
されていることを特徴とするものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述す
る。

第３図乃至第６図はその好適例を示し、ここで
６は巻線機でデイスク溝９を備えた乗載デイスク
１０を有する。

Ｆはコイル搬出側を示し第３図では図示右端側
がこれに相当する。

１１はこの考案で最も特徴とするコイルカー
で、巻線機６よりややコイル搬出側Ｆに待機しコ
イル搬出側Ｆに向つて進出し第３図の実線位置に
戻る。

ここでコイルカー１１の機体１２を正面門型枠
となし、その底部に左右一対の自走車輪１３…を
前後一対宛配しこれらを左右のガイドレール１
４，１４に沿つて強制駆動回転すべくなしてあ
る。

その駆動系としては、機体１２上に自走用モー
タ１５と走行減速機１６とを配すと共にそれによ
つて駆動される横軸向きのドライブ軸１７を機体
１２上に架装して相互をスプロケツト１８とチエ
ーン１９にて伝動関係となすと共に、ドライブ軸
１７の両軸端と各自走用車輪１３外側脇のスプロ
ケツト１８…間にチエーンを掛装することで自走
用車輪１３…を正転又は逆転駆動してコイルカー
１１を進退自在としてある。

一方前記門型機体１２の上部枠中央には第５図
に断面で示すように上下の通孔２０が貫設され、
これに上下の軸受２１，２１を介して筒型旋回支
軸２２を軸承してある。この支軸２２の下端は機
体１２内の空間上部に突出しその端部外周を介し
て側面Ｌ型で正面門型をなすフオーク２３（コイ
ル移載手段）が垂下固設され、このフオーク２３
の下端は水平方向に延びたコイル支え部を有して
いる。

このフオーク２３は巻線機６の乗載デイスク１
０上にあるコイル７を持揚げるため第３図に破線
で示した姿勢で待機しこれが第３図左方向へ移行
してデイスク溝９側脇まで後退方向に進出しここ
で乗載デイスク１０が下動することでフオーク２
３上にコイル７が乗載される訳である。

乗載されたコイル７はコイル搬出方向Ｆへとコ
イルカー１１によつて搬出される訳であるが、こ
こではその中間動作として180゜旋回を実施す
る。

そのための機構として、前記縦軸回りにフオー
ク２３を支承すると共に、機体１２上に旋回用モ
ータ２４と旋回用減速機２５とを載設しこうして
中央ギアが正逆転自在に駆動されることによつて
フオーク２３が縦軸中心回りに旋回しそのコイル
支え部の先端をコイル搬出方向Ｆ又はその逆向き
である巻線機６側の何れにも向けうるのである。

ここではコイル７を受け取りコイル搬出方向Ｆ
に進出し始めるときはフオーク２３は後向き姿勢
であり、ある程度進出するとフオーク２３が旋回
を始めコイル搬出方向Ｆにその先端を向ける訳で
ある。

こうした行程ではコイル７が縦軸中心に対応す
るからコイル７が慣性力の偏在によつて起動・停
止時に荷くずれを起すおそれはないが、より安定
確実化を図るいみで左右一対のコイルホルダ２
６，２６をフオーク２３中段に備え開閉動作にて
コイル７を抱持すべく構成してある。この場合弧
型コイルホルダ２６，２６の夫々にホルダシリン
ダ２７を連結し開閉自在としたものでそのシリン
ダ２７には旋回支軸２２上端の回転継手２８と同
支軸２２中心の配管通孔２９とを介して給送が行
なわれる訳である。尚、その具体的配管例はここ
では図示省略してある。

前記コイルホルダ２６，２６の閉動作はコイル
７をフオーク２３上に載せてのち行なわれそのま
まの姿勢で旋回されることで安定に旋回を終了で
きる訳である。

開動作は巻線機６よりもコイル搬出方向Ｆ側に
設置したコイル搬出リフタ３０が上昇しコイル７
をフオーク２３より若干持揚げてのち行なわれ
る。

リフタ３０の受台３１は、フオーク２３が上昇
したコイル７底面より抜脱した時点で下降動作し
コイル７をコイル搬出コンベア３２上に移載す
る。その後はこのコンベア３２が駆動されてコイ
ル７を搬出する訳である。

こうして搬出を行なうがコイルカー１１は、コ
イル７がリフタ３０で持揚られた時点から後退し
これが巻線機６上を通り越して復帰するのでな
く、その手前位置で停止するのであり、その中途
ではフオーク２３が再び旋回してその先端を巻線
機６向きとし、次の移載のため待機するのであ
る。

従つて上述したようにコイルカー１１が運動す
る行程は、巻線機６とは何ら関係のないコイル搬
出側Ｆにおいてのみであり、このことから巻線機
６においては巻取終了から巻初めを可及的に短か
く独自のものとして行なえる訳であり、これによ
つて巻線総タイムが従来装置よりも可成り短縮化
する。この場合線材用誘導管は巻線態勢のままで
よい。又、上述のように縦軸回りに旋回するコイ
ルカー１１を構成してあるからコイル７を旋回中
心とが一致し易く、その結果コイル７の荷陥れも
生じにくく、特にコイルホルダ２６を抱持型とし
て構成しておくと全くその心配もなくなる。

尚、前記リフタ３０には油圧リフトシリンダが
内蔵されているがここでは図示を省略する。

この考案は以上の如くであり、従つて巻線機か
らのコイルを受け取りリフタ等の搬出手段に移載
する手段を、自走型でかつ旋回型のコイルカーと
なして巻線機よりも搬出側において進退すべく構
成することにより、コイルカーと巻線機との相互
干渉をなくし、これによつて巻線作業を独自に行
なえる結果巻線終了から開始迄に至るロスタイム
を減小させうるのであり、又旋回型であるところ
からコイル旋回時の荷くずれを好適に防止すると
共に、自走型であるから装置全体のコンパクト化
と駆動々力の軽減などが図れ、以つてコイルの移
載搬出が能率的かつ確実に実施されるに至つたも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す正面図、第２図はその
平面図、第３図はこの考案の一例を示す側面図、
第４図はその正面図、第５図はそのＡ−Ａ線断面
図、第６図は第４図Ｂ−Ｂ線断面図である。 ６……巻線機、７……コイル、１１……コイル
カー、２２……旋回支軸、２３……フオーク（コ
イル移載手段）、Ｆ……コイル搬出側（方向）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 巻線機のコイル搬出側に備えられて、コイル搬
   出方向に進出しかつ巻線機側に復帰する自走型コ
   イルカーにおいて、 該コイルカーは、コイル搬出方向の前後が開口
   された前後方向の空間を有する門形走行架台を有
   し、該門形走行架台の天頂部に、縦軸中心に回動
   自在な旋回支軸が備えられ、更に、門形走行架台
   の空間内にあつて旋回支軸に取付けられたコイル
   支え部が設けられ、該コイル支え部が空間内にお
   いて旋回支軸の回動で前後方向に姿勢変更自在と
   されていることを特徴とする自走型コイルカー。