JPS6240862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スペアタイヤハンガーを着脱させる
クランプボルトの回り止めに関するものである。

従来、床下に装置されるスペアタイヤハンガー
装置としては、例えば車体後部フロア下面にスペ
アタイヤハンガーを備えた車両において、該スペ
アタイヤハンガーの先端部を係脱するサポートの
主体部の外形形状を角状あるいは長円状に形成す
ると共に、該サポートが貫通する車体側に設けた
貫通孔を上記サポートの外形形状と相似形にな
し、サポートの回動を阻止してなるスペアタイヤ
保持装置がある。（実開昭56−69576号参照） しかしこの従来のスペアタイヤハンガー装置に
おいてはクランプボルトの頭部が床の後部で上方
に突出しているため、積荷の載せ降し時積荷を傷
つける恐れがある。このため第１図に示すように
自動車車体の床２の後部を形成するリヤパネル１
により内包される位置に、車体の床２下面に設け
られたスペアタイヤハンガー本体３を着脱させる
クランプボルト４を掛止可能な取付ブラケツト９
が設けられ、クランプボルト４を操作するために
リヤパネル１の上面に作業孔５が穿設され、クラ
ンプボルト４の操作時以外は該作業孔５は弾性体
からなるグロメツト６で塞がれていた。一方クラ
ンプボルト４の方は前記スペアタイヤハンガー本
体３の自由端を吊下するホルダー７と螺合して、
該スペアタイヤハンガー本体３を保持するように
なされているが、クランプボルト４とホルダー７
との緩み止めは施されていない。したがつて、確
実に螺締していないと自動車の走行中に該自動車
の震動により該螺合が緩み、それによつてスペア
タイヤハンガー本体３が外れてスペアタイヤ（図
示せず）が落下し、思わぬ障害を引起す虞れがあ
つた。そのため従来では前記問題点を解消するも
のとして、該スペアタイヤハンガーに種々の補助
ロツク装置を設けて、その脱落防止を図つていた
が、いずれも部品点数が多くなり、構造も複雑
で、かつ、その操作も面倒なものが多かつた。８
は上部ストツパ、１０はバツクドアである。

そこで本考案は前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、車体のリヤパネルに穿設さ
れ、クランプボルトを操作する作業用孔を塞ぐグ
ロメツトを利用して、クランプボルトの回転を阻
止させてクランプボルトとホルダーとの緩み防止
を図り、スペアタイヤの脱落を防止するようにし
たスペアタイヤハンガー装置を提供することを目
的とするものである。そのため本考案では、前記
グロメツトの下端を延在させてグロメツトの下方
に位置するクランプボルトの頭部、あるいは、前
記クランプボルトの頭部に形成された凹部に嵌合
もしくは嵌挿させることにより、該クランプボル
トの回転を阻止するようにして前記目的を達成す
るようにしたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

ａは自動車車体の床１１下面に設けられたスペ
アタイヤハンガーであつて、前記床１１下面に固
着されたメンバー１２に、取付ボルト１３とナツ
ト１４に固定されたブラケツト１５を介して基端
１６ａがヒンジボルト３７により回動自在に枢着
され、先端１６ｂが自由端になされたスペアタイ
ヤハンガー本体１６と、基端１７ａが前記ブラケ
ツト１５に溶接等で固着され、先端１７ｂが車体
のリヤパネル１８のインナパネル１８ａ側に取付
ボルト１９により固定された上部ストツパ１７と
から構成されている。２０はスペアタイヤ、２１
は燃料タンクであつて、該燃料タンク２１は前記
上部ストツパ１７で保護するようになされてい
る。

ｂは前記スペアタイヤハンガーａのロツク装置
であつて、下端に前記スペアタイヤハンガー本体
１６の先端１６ｂの下面に係合する係止杆２２を
有する筒状のホルダー２３と、前記リヤパネル１
８のインナパネル１８ａとアウタパネル１８ｂ間
に設けられたブラケツト２４に穿設された貫通孔
２４ａに回転可能に挿通されたクランプボルト２
５とから構成されている。前記クランプボルト２
５の螺子部２５ａは前記ホルダー２３に螺挿する
ようになされ、該クランプボルト２５の頭部２５
ｂは前記ブラケツト２４の貫通孔２４ａの周縁に
掛止されるようになされている。

前記ロツク装置ｂによりスペアタイヤハンガー
ａを車体の床１１下面に装着するにはクランプボ
ルト２５の螺子部２５ａにホルダー２３を螺合さ
せておき、スペアタイヤハンガー本体１６を持上
げると共に、ホルダー２３の下端に設けた係止杆
２２の向きを、前記スペアタイヤハンガー本体１
６の先端１６ｂに長手方向に穿設した長孔１６ｃ
の向きに合せて、該長孔１６ｃに係止杆２２を挿
通させ後、前記ホルダー２３を90゜回転させ、前
記係止杆２２の向きを変える。然る後、前記スペ
アタイヤハンガー本体１６を下げて、該スペアタ
イヤハンガー本体１６の凹部１６ｄに、前記係止
杆２２の一端を上方に折曲した折曲端２２ａを係
合させる。前記作業の後、クランプボルト２５の
頭部２５ｂを工具（図示せず）等により回動させ
締付けてゆくことにより、スペアタイヤハンガー
本体１６の先端１６ｂはホルダー２３と共に上方
へ移動してゆき、前記スペアタイヤハンガー本体
１６の先端１６ｂの上面１６ｅが、上部ストツパ
１７の先端１７ｂ下面に固着されたスペーサ２６
の下面２６ａに当接して、該スペアタイヤハンガ
ー本体１６が固定される。２７はワツシヤであ
る。

前記クランプボルト２５の操作は、該クランプ
ボルト２５の頭部２５ｂの上方に位置する、前記
リヤパネル１８のアウタパネル１８ｂの上面に穿
設された作業孔２８より行う。該作業孔２８はク
ランプボルト２５の操作時以外は着脱可能なグロ
メツトｃによつて閉塞されている。

グロメツトｃはゴム又は合成樹脂等の弾性材か
らなり、前記作業孔２８を閉塞するグロメツト本
体２９と係止用突起３０とから構成され、グロメ
ツト本体２９と係止用突起３０とは帯状片３１に
よつて連結され、それらは一体に成形されてい
る。前記グロメツト本体２９の上面には略円弧状
をなすつまみ部２９ａが形成され、又、該グロメ
ツト本体２９の上部外周には前記作業孔２８の周
縁を挾持する溝２９ｂが形成され、該溝２９ｂが
形成され、該係合溝２９ｂより下方には、前記ク
ランプボルト２５の頭部２５ｂに嵌合する円筒状
をなす嵌合部２９ｃが延設されている。該嵌合部
２９ｃの内径l₁は第５図に示すように前記クラン
プボルト２５の頭部２５ｂの外径l₂よりやや小径
になされ、該頭部２５ｂに嵌合させた時にその内
壁面２９c′が、該頭部２５ｂの外周面２５b′に圧
着するようになされている。又、前記嵌合部２９
ｃの下端開口縁は前記クランプボルト２５の頭部
２５ｂに嵌合させやすいように、アール２９c″が
付けられている。

尚、前記実施例ではグロメツト本体２９の嵌合
部２９ｃの穴の形状を円形状としたが、これを第
６図に示すようにクランプボルト２５の頭部２５
ｂに合せた同形状に形成して嵌合させるようにし
てもよい。又、第７図に示すようにクランプボル
ト２５の頭部２５ｂに操作用の凹部２５b″を有
するものにおいては、同図に示すように、前記嵌
合部２９ｃに代えて、グロメツト本体２９の係合
溝２９ｂの下方に前記凹部２５b″に嵌挿する嵌
挿用突起２９ｄを設けてもよい。

又、前記係止用突起３０は、前記アウタパネル
１８ｂに穿設された作業孔２８の近傍の該アウタ
パネル１８ｂの上面に穿設された取付孔３２に嵌
挿固定されるようになされている。３０ａは前記
突起３０の上部周縁に形成された、前記取付孔３
２の周縁に係合する係合溝、３０ｂは前記突起３
０を取付孔３２に嵌挿させるための切欠溝であ
る。前記突起３０とグロメツト本体２９が帯状片
３１によつて連結されていることによつて、クラ
ンプボルト２５の操作時にグロメツト本体２９を
作業孔２８から外しても紛失したりすることがな
く、又、閉塞する場合でも該作業孔２８の近傍に
あるので、容易に該作業孔２８を閉塞することが
できる。３３は車体の床１１の後端部とリヤパネ
ル１８のアウタパネル１８ｂとの接合部に嵌着さ
れたウエザーストリツプ、３４はバツクドア３５
のインナパネル３５ａの外周縁に固着されたウエ
ザーストリツプ、３５ｂはバツクドア３５のアウ
タパネルである。

以上、述べたように本考案によれば、クランプ
ボルトを操作する作業孔に嵌着するグロメツトの
下端を延長して、それをクランプボルトの頭部に
嵌合させるか、あるいは、嵌挿させるかして、該
作業孔の閉塞と共にクランプボルトの回転を阻止
するようになしたので、たとえクランプボルトの
締付力が緩いままで車を走行させたとしても、走
行中の震動により該クランプボルトが回転するこ
とがない。したがつてホルダが下がりロツク装置
からスペアタイヤハンガー本体がはずれることが
なく、スペアタイヤの脱落を防止することができ
る。又、本考案によればロツク装置に従来のよう
なスペアタイヤ脱落防止のための補助ロツク装置
等を必要としないので、部品点数を大巾に減少さ
せることができ、構造簡単にして、かつ、着脱操
作が容易に行なえる等の効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はスペアタイヤハンガーのロツク装置と
従来のグロメツトとの関係を示す要部拡大側面
図、第２図はスペアタイヤハンガーの取付状態
と、そのロツク装置と本考案によるグロメツトと
の関係を示す側面図、第３図は同上の主要部一部
切欠いた要部拡大側面図、第４図は同上の正面
図、第５図は第３図の−線端面図、第６図は
嵌合部の穴の他の形状を示す第３図の−線に
相当する端面図、第７図は本考案の他の実施例を
示す部分側断面図である。 ａはスペアタイヤハンガー、ｂはロツク装置、
２５はクランプボルト、２５ｂはクランプボルト
の頭部、２５b″は凹部、２８は作業孔、ｃはグ
ロメツト、２９はグロメツト本体、２９ｃは嵌合
部、２９ｄは嵌挿用突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基端が車体の床下に枢着されたスペアタイヤハ
   ンガー本体の先端がホルダーに掛止され、該ホル
   ダーにクランプボルトが螺合され該クランプボル
   トの頭部が車体後部のリヤパネル内に掛止されリ
   ヤパネル上面に該頭部を回転操作可能に作業孔が
   明けられ該作業孔がグロメツトで着脱可能に塞が
   れているスペアタイヤハンガーにおいて、 該グロメツトの下端が延在されクランプボルト
   の頭部の外周、又はボルト頭部に形成された凹部
   に嵌合もしくは嵌挿させ、該クランプボルトの回
   転を阻止するようにしたことを特徴とするスペア
   タイヤハンガー装置。