WO2013161632A1

WO2013161632A1 - スペアタイヤキャリアのフック外れ防止構造

Info

Publication number: WO2013161632A1
Application number: PCT/JP2013/061310
Authority: WO
Inventors: 裕則成田; 邦弥松野; 善之宝道; 健介藤原
Original assignee: トヨタ車体株式会社; 株式会社ニフコ
Priority date: 2012-04-23
Filing date: 2013-04-16
Publication date: 2013-10-31
Also published as: US9359019B2; JP2013224096A; CN104254477A; JP5943380B2; CN104254477B; EP2842843A1; US20150266523A1; EP2842843A4

Abstract

　実施態様として、スペアタイヤを載せて自動車の床板（４）の下に保持するためのキャリア本体部（１１）と、軸上に軸部（２６ｊ）と頭部（２６ｈ）とを有し、頭部（２６ｈ）を床板（４）の上に残して軸部（２６ｊ）が床板（４）に通されており、軸部（２６ｊ）が床板（４）より下に雄ネジを有するボルト（２６）とを備えている。また、キャリア本体部（１１）に引っ掛けられ、ボルト（２６）の雄ネジと螺合した雌ネジを有するフック（２２）を備えており、ボルト（２６）を軸周りに回転させることでキャリア本体部（１１）を吊り上げることができるようになっている。また、ボルト（２６）に対して軸回りに回転できないようにボルト（２６）の頭部（２６ｈ）に取り付けられた取り外し可能な嵌合キャップ（３５）を有し、この嵌合キャップ（３５）が一定角度以上回転するのを禁止することでフック（２２）がボルト（２６）から外れるのを防止することができる回転制限機構（３５７，３８ｚ）を備えている。

Description

スペアタイヤキャリアのフック外れ防止構造

　本発明は、自動車の床下でスペアタイヤを支持するスペアタイヤキャリアのフック外れ防止構造に関する。

　特開２０１１－０２０６５２号公報には、自動車のスペアタイヤキャリアに関する従来の技術が記載されている。このようなスペアタイヤキャリア１００は、図９に示すように、スペアタイヤＴを載せる本体部１０１が前端でヒンジ１０３によって車体の床部を構成する骨格材１００ｆに連結され、後部を持ち上げたり路面に降ろしたりできるようになっている。本体部１０１は吊りボルト１０５とフック１０６を組み合わせた構造によって自動車の床板１００ｂの下に吊るして保持することができる。

　吊りボルト１０５は、六角の頭部１０５ｈと、雄ネジが形成された軸部１０５ｊとを備えている。吊りボルト１０５は頭部１０５ｈを床板の上に残した状態で軸部１０５ｊが自動車の床板１００ｂの貫通孔に通される。フック１０６は上部に雌ネジを備える筒状部１０６ｔが設けられており、雌ネジは吊りボルト１０５の軸部１０５ｊの雄ネジに螺合される。キャリアの本体部１０１の後端部をフック１０６に掛けるとフック１０６は回転できない状態となる。したがって吊りボルト１０５を回転させることで雄ネジをフック１０６の雌ネジにねじ込んでいきフック１０６を上昇させることができる。

　吊りボルト１０５の締め付けが不十分な場合、自動車の振動等で吊りボルト１０５が経時的に緩み、フック１０６が下降してキャリアの本体部１０１から外れることがある。

　本発明のひとつの観点として、スペアタイヤキャリアのフック外れ防止構造が得られる。この構造は、スペアタイヤを載せて自動車の床板の下に保持するためのキャリア本体部と、中心軸上に軸部と頭部とを有し、頭部を前記床板の上に残して軸部が床板に通されており、軸部が床板より下に雄ネジを有するボルトとを備えている。この構造はまた、前記キャリア本体部に引っ掛けられ、前記ボルトの雄ネジと螺合した雌ネジを有するフックを備えており、前記ボルトを中心軸周りに回転させることで前記キャリア本体部を吊り上げることができるようになっている。この構造はまた、前記ボルトに対して中心軸回りに回転できないように前記ボルトの頭部に取り付けられた取り外し可能な嵌合キャップを有し、この嵌合キャップが一定角度以上回転するのを禁止することで前記フックが前記ボルトから外れるのを防止することができる回転制限機構を備えている。

　嵌合キャップを吊りボルトの頭部に取り付けた状態では、吊りボルトが回転すると嵌合キャップも回転する。しかし嵌合キャップが一定角度以上回転しようとすると回転が制限される。すなわち嵌合キャップを介して間接的に吊りボルトの回転が制限される。このため、仮に吊りボルトのねじの締め付けが不十分であっても、フックが経時的に下降してキャリア本体部から外れるのを防止できる。

本発明のひとつの態様によるスペアタイヤキャリアを表す全体側面図である。図１のスペアタイヤキャリアの係止支持部を表す側面図である。図１のスペアタイヤキャリアで使用されるフロアキャップと嵌合キャップとを表す斜視図である。図１のスペアタイヤキャリアで使用される回転制限機構を表す縦断面図である。図４の機構のＶ－Ｖ線での断面図である。フロアキャップを斜め下方から見た斜視図である。嵌合キャップを斜め上方から見た斜視図である。回転制限機構を構成する爪付き座部の斜視図である。従来のスペアタイヤキャリアを表す全体側面図である。

　以下、本発明の各種実施態様によるスペアタイヤキャリアについて、図１から図８までを参照しつつ説明する。なお、以下の説明および図中の前後、上下の各方向は、スペアタイヤキャリアを備える自動車に基づいて定める。

［概要］
　スペアタイヤキャリア１０は、図１に示すように、スペアタイヤＴを自動車の後部床下の、特に左右の後輪ＲＷ（二点鎖線参照）の間に保持するための装置である。ここで、自動車の後床部は、車両幅方向に延びる複数本の横方向の骨格部材５ｗと、前側の横方向の骨格部材５ｗの位置から前方に延びる縦方向の骨格部材５ｔとを備えており、それらの骨格部材５ｗ，５ｔによって床板４の後部が下方から支持される。さらに床板４（特にその後部）は部分的に装飾板７によって上方から覆われている。キャリア１０は、本体部１１と、この本体部１１の前端部を自動車の縦方向の骨格部材５ｔに連結する回転支持ブラケット１２と、キャリア１０の本体部１１の後端部１１ｂを自動車の床板４に吊り支持する係止支持部２０とを備えている。

　キャリア１０の本体部１１は、スペアタイヤＴを横倒しで載置できるように形成される。本体部１１は、例えば金属製のパイプ部材を適宜折り曲げることにより棚状に形成することができる。本体部１１は、スペアタイヤＴを径方向に拘束できるように形成することもできる。例えば、本体部１１の前部に、スペアタイヤＴの外周面を前方から拘束する縦パイプ部１１ｄを設けても良い。そして、その縦パイプ部１１ｄの上端位置に回転支持ブラケット１２と上下回動可能な状態で連結される回転基端部１１ａが設けられている。このため、本体部１１は、図１に示すように路面Ｄに接する位置（二点鎖線参照）と水平位置間で回転支持ブラケット１２を中心に上下に回動が可能になる。

［係止支持部］
　キャリア１０の係止支持部２０は、図１に示すように、本体部１１の後端部１１ｂを引っ掛けた状態で自動車の床板４の後部に吊るための部材である。係止支持部２０は、図２に示すようにキャリア１０の本体部１１の後端部１１ｂに下方から引っ掛けて支持するフック２２と、ネジの螺合によってフック２２に連結される吊りボルト２６と、スペーサ２４とを備えている。

　フック２２は、本体部２２ｆと、このフック２２の本体部２２ｆの上側に設けられた筒部２２ｅとを備えており、この筒部２２ｅの内周面に雌ネジ２２ｘが形成される。

　吊りボルト２６は、六角形状の頭部２６ｈと、先端部分に雄ネジ２６ｙが形成された軸部２６ｊとを備えており、頭部２６ｈを上にした状態で軸部２６ｊが床板４の貫通孔４ｈに通される。そして、吊りボルト２６の軸部２６ｊの雄ネジ２６ｙがフック２２の雌ネジ２２ｘに螺合される。ここで、床板４の貫通孔４ｈは、図２に示すように床板４の窪み部４ｋの底位置に形成されており、窪み部４ｋに吊りボルト２６の頭部２６ｈが収納される。また、床板４の窪み部４ｋを覆う装飾板７には、吊りボルト２６の頭部２６ｈに対応する位置にボルト操作用の開口７ｈが形成される。

　スペーサ２４は、吊りボルト２６の軸部２６ｊに通される円筒部材である。スペーサ２４は、吊りボルト２６を完全に締め付けたときのフック２２の路面Ｄからの高さ位置を決めるために用いられる。スペーサ２４の長さは車種に応じて設定できる。

　フック２２が吊りボルト２６から外れたときにスペーサ２４が吊りボルト２６から脱落するのを防止するクランプ２８を設けることもできる。スペーサ２４の側壁部にはクランプ２８を取付ける位置に貫通穴２４ｋが形成される。この貫通穴２４ｋからクランプ２８の爪２８ｔがスペーサ２４の内側まで入り込む。そしてクランプ２８の爪２８ｔが吊りボルト２６の軸部２６ｊに形成された雄ネジ２６ｙの上端に引っ掛かることで吊りボルト２６に対するスペーサ２４の脱落が防止される。

［フック外れ防止機構］
　フック外れ防止機構３０は、吊りボルト２６がしっかりと締められていなくても自動車の振動等で回転してさらに緩まないようにすることで、フック２２が下降してキャリア１０の本体部１１から外れないようにすることができる。フック外れ防止機構３０は、ひとつの態様として、自動車の床板４側に固定される爪付き座部３８と、吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せられる嵌合キャップ３５とで構成することができる。

　爪付き座部３８は、図８等に示すように吊りボルト２６の軸部２６ｊが通される貫通孔３８ｋが中央に形成されたおよそＵ字形の平板部３８ｆを備えている。爪付き座部３８は平板部３８ｆの周囲から径を拡げながら上方に立ち上がる傾斜壁部３８ｗを有しており、平板部３８ｆはこの傾斜壁部３８ｗによって三方から囲まれている。また、傾斜壁部３８ｗの周方向における中央位置には上方に突出するように形成された角形平板状の縦爪部３８ｚが設けられている。爪付き座部３８は、図４に示すように、床板４の窪み部４ｋに収められて、爪付き座部３８の平板部３８ｆが窪み部４ｋの底と重なるように設置される。このとき、爪付き座部３８は、平板部３８ｆの貫通孔３８ｋが床板４の貫通孔４ｈと同心となるように、かつ、縦爪部３８ｚが前端側となる位置に設けられる。爪付き座部３８は鋼板から形成するのが好ましく、溶接等により床板４に固定される。吊りボルト２６の軸部２６ｊを爪付き座部３８の平板部３８ｆの貫通孔３８ｋに通される際に、複数枚のワッシャ４ｗが平板部３８ｆ上にセットされる。

　嵌合キャップ３５は、吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せられると吊りボルト２６に対して軸周りに相対回転できない状態となる。嵌合キャップ３５は、図４、図５等に示すようにほぼ円筒状の筒部３５１と、この筒部３５１の上側を塞ぐ天板部３５５とを備えている。嵌合キャップ３５は樹脂製が好ましい。筒部３５１の内周面には、吊りボルト２６の六角柱状の頭部２６ｈの角部を軸方向に嵌めることのできる浅いＶ字溝３５１ｖが形成される。Ｖ字溝３５１ｖは周方向に３０°ごと１２箇所に設けるのが好ましい。嵌合キャップ３５が吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せて６箇所のＶ字溝３５１ｖと頭部２６ｈの角部を嵌合させると、吊りボルト２６と嵌合キャップ３５が相対回転できない状態に維持される。また筒部３５１には、その外周面から径方向外側に突出するアーム部３５７が形成される。アーム部３５７は、嵌合キャップ３５が軸周りに回転したときに、そのアーム部３５７の側面が爪付き座部３８の縦爪部３８ｚに当接することのできる長さに設定される。

　上記したキャリア１０のフック２２の雌ネジ２２ｘに対する吊りボルト２６の雄ネジ２６ｙの締め付けが不十分な状態で、吊りボルト２６が回転すると、吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せられている嵌合キャップ３５も吊りボルト２６と共に回転する。そして、図４に示す状態から吊りボルト２６と嵌合キャップ３５とが上から見て約１８０°左回り（緩み方向）に回転すると、吊りボルト２６のアーム部３５７が床板４側に固定された爪付き座部３８の縦爪部３８ｚに当接する。これにより、嵌合キャップ３５と吊りボルト２６がそれ以上回転して緩まない。この結果、フック２２が下降してキャリア１０の本体部１１の後端部１１ｂから外れることがなくなる。

［フロアキャップ］
　装飾板７には、図４に示すように、ボルト操作用の開口７ｈを塞ぐフロアキャップ３２を設けることができる。フロアキャップ３２は、装飾板７のボルト操作用の開口７ｈを塞ぐゴム製のキャップ本体部３２０と、キャップ本体部３２０を開口７ｈから外す際に把持される帯板状の把持部３２４とを備えている。キャップ本体部３２０は、図３、図４に示すように略円板状に形成されており、キャップ本体部３２０の表面側に、キャップ本体部３２０の外周に沿って断面略角形の角溝３２１が形成される。角溝３２１の壁部は、キャップ本体部３２０の裏面側に突出して突条を構成しており、この突条部分が弾性変形しつつ装飾板７の開口７ｈに嵌め込まれる。さらに、キャップ本体部３２０の角溝３２１の外側には、開口７ｈの周縁を上から押えるシール用のリップ部３２２が設けられている。また、キャップ本体部３２０の表面側には、キャップ本体部３２０の中心から放射状に延びるリブ３２０ｒが周方向に等間隔で形成される。

［フロアキャップと嵌合キャップの連結］
　嵌合キャップ３５とフロアキャップ３２はひとつの態様として図４に示すように互いに連結することができるように構成することも可能である。嵌合キャップ３５の天板部３５５の上面には、図７に示すように嵌合キャップ３５をフロアキャップ３２に連結するための連結板部３５８が形成される。連結板部３５８は角形の板部で天板部３５５と平行に設けられる。図４に示すように軸部３５９によって連結板部３５８の下面中心が天板部３５５の上面の中心に接続される。

　フロアキャップ３２は、図６に示すようにキャップ本体部３２０を嵌合キャップ３５に連結するための鉤状連結部３２５を備える。鉤状連結部３２５は樹脂製が好ましく、一部をキャップ本体部３２０に埋め込むことで一体化することができる。鉤状連結部３２５は、キャップ本体部３２０の裏面中央で角溝３２１を形成する壁部の内側に設けられる。鉤状連結部３２５は、図４に示すように、嵌合キャップ３５の連結板部３５８がキャップ本体部３２０に沿う方向から挿入可能な空間を形成するＬ型断面のガイド壁から形成される。具体的には、鉤状連結部３２５のガイド壁は、図６に示すように挿入空間の縦壁を構成する縦板部３２５ｓと横壁を構成する底板部３２５ｂとを備えている。縦板部３２５ｓの上端部は、キャップ本体部３２０に埋め込まれた上板部につながっている。鉤状連結部３２５が形成する空間の幅、すなわち縦板部３２５ｓ間の間隔は、図４に示すように嵌合キャップ３５がフロアキャップ３２に対して軸周りに回動できるように、嵌合キャップ３５の連結板部３５８の幅より十分大きな値に設定される。

　底板部３２５ｂのおよそ中央には嵌合キャップ３５の軸部３５９を受け入れる貫通孔３２５ｘが形成される。貫通孔３２５ｘの内径は嵌合キャップ３５の軸部３５９の外径より十分に大きな値に設定される。また、底板部３２５ｂは、外部と貫通孔３２５ｘとを連通する狭い切欠きを有する。入口側中央の底板部３２５ｂは、切欠きを構成する一対の押え壁部３２５ｃを有しており、この押え壁部３２５ｃが一定以上の外力で弾性変形可能に構成される。切欠きの幅、すなわち一対の押え壁部３２５ｃの間隔は、外側で広く、内側（貫通孔３２５ｘ側）で狭くなるように設定される。そして、前記押え壁部３２５ｃの間隔の最大部分が嵌合キャップ３５の軸部３５９の外径より小さく設定される。

　フロアキャップ３２と嵌合キャップ３５とを連結させるには、図４に示すように嵌合キャップ３５の連結板部３５８をフロアキャップ３２のキャップ本体部３２０に沿う方向から鉤状連結部３２５の形成する空間に挿入する。このときまず、嵌合キャップ３５の軸部３５９をフロアキャップ３２の鉤状連結部３２５の一対の押え壁部３２５ｃに当てる。嵌合キャップ３５の連結板部３５８をさらにフロアキャップ３２の鉤状連結部３２５に押し込むことで、嵌合キャップ３５の軸部３５９が鉤状連結部３２５の一対の押え壁部３２５ｃを弾性変形させながらその間を通過する。これにより、嵌合キャップ３５の軸部３５９が鉤状連結部３２５の貫通孔３２５ｘに挿入されて、嵌合キャップ３５とフロアキャップ３２との連結が完了する。連結後は、フロアキャップ３２の一対の押え壁部３２５ｃが元の状態に戻り、嵌合キャップ３５の軸部３５９はフロアキャップ３２の鉤状連結部３２５の貫通孔３２５ｘ内に保持される。嵌合キャップ３５はフロアキャップ３２と連結したままでフロアキャップ３２に対して水平方向に一定量だけ位置ずれが可能でかつフロアキャップ３２に対して軸周りに回動が可能である。

［スペアタイヤキャリアの使用方法］
　キャリア１０を使用してスペアタイヤＴを自動車の床下に格納する場合には、先ず、把持部３２４を持ってフロアキャップ３２を引き上げ、フロアキャップ３２のキャップ本体部３２０を装飾板７のボルト操作用の開口７ｈから外す。このとき、フロアキャップ３２に連結されている嵌合キャップ３５も吊りボルト２６の頭部２６ｈから外れる。次に、開口７ｈを通してスパナ等を利用して吊りボルト２６を回転させ、雄ネジ２６ｙと雌ネジ２２ｘとの螺合を緩めてフック２２を下降させる。そして、前記フック２２をキャリア１０の本体部１１の後端部１１ｂから外し、この本体部１１を図１に二点鎖線で示す路面Ｄに接触する位置まで下方に回動させる。これでキャリア１０の本体部１１に対してスペアタイヤＴを載せられるようになる。

　スペアタイヤＴを載せた後は、本体部１１をスペアタイヤＴがほぼ水平な向きとなる位置まで上方に持ち上げる。そしてキャリア１０の本体部１１の後端部１１ｂにフック２２を下方から掛ける。これでフック２２は軸周りに回転不能となる。吊りボルト２６を回転させて雄ネジ２６ｙをフック２２の雌ネジ２２ｘにねじ込んでいくことで、キャリア１０の本体部１１がフック２２に引き上げられて、スペアタイヤＴが自動車の床下に保持される。次に、嵌合キャップ３５をフロアキャップ３２と連結したままで吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せる。フロアキャップ３２のキャップ本体部３２０を装飾板７の開口７ｈに嵌め込むことで開口７ｈを塞いで作業が終了する。ここで、嵌合キャップ３５はフロアキャップ３２のキャップ本体部３２０に対して横方向（中心軸と交わる方向）に一定量だけ位置ずれが許容されるように連結される。このため、製造上、吊りボルト２６の中心軸に対して開口７ｈの位置にばらつきが生じていてもこれを吸収できる。

［実施態様による有利な効果］
　上述のように、嵌合キャップ３５を吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せた状態では、例えば、吊りボルト２６が回転して緩み始めると嵌合キャップ３５も回転する。しかしアーム部３５７と縦爪部３８ｚにより嵌合キャップ３５が一定角度以上回転できないように制限される。すなわちアーム部３５７と縦爪部３８ｚが嵌合キャップ３５を介して間接的に吊りボルト２６の回転を制限する。このため、仮に、フック２２の雌ネジ２２ｘに対する吊りボルト２６の雄ネジ２６ｙの締め付けが不十分であっても、フック２２がこれ以上下降しなくなり、経時的にフック２２がキャリア１０の本体部１１から外れるようなことがなくなる。

　また、嵌合キャップ３５がフロアキャップ３２に相対回転できるように連結されているため、フロアキャップ３２が装飾板７に固定されている状態でも、嵌合キャップ３５は吊りボルト２６と一体に回転が可能になる。また、嵌合キャップ３５がフロアキャップ３２に軸方向に関して連結されているため、フロアキャップ３２を装飾板７のボルト操作用の開口７ｈから取外す際に、同時に嵌合キャップ３５を吊りボルト２６の頭部２６ｈから外すことができる。さらに、フロアキャップ３２を開口７ｈに取付ける際に、嵌合キャップ３５を吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せることができる。また、嵌合キャップ３５にアーム部３５７を設け、このアーム部３５７を爪付き座部３８の縦爪部３８ｚに当接させることで回転を制限するため、構造が簡単になりコストアップを抑えることができる。

［変更例］
　本発明の各種実施態様を具体的な形態に触れつつ説明したが、当業者であれば本発明の目的を逸脱せずに多くの置換、改良、変更が可能であることは明らかであろう。すなわち、本発明の実施態様は添付した請求項の真意と目的に適うあらゆる置換、改良、変更を含むことを意図するものである。本発明の実施態様は特定の形態に限定することなく例えば次のような変更が可能である。

　本実施態様によるフック外れ防止機構３０では、嵌合キャップ３５にアーム部３５７を設け、そのアーム部３５７を爪付き座部３８の縦爪部３８ｚに当接させることで、嵌合キャップ３５と吊りボルト２６との回り止めを図る例を示した。しかし、例えば、嵌合キャップ３５の端部をヒンジ機構等で床板４に連結することで、吊りボルト２６の頭部２６ｈに被せたり、外したりできるようにするとともに、吊りボルト２６の回り止めを図ることも可能である。

　また、本実施態様では、床板４が装飾板７によって覆われる構成の自動車で、その装飾板７のボルト操作用の開口７ｈを塞ぐフロアキャップ３２と嵌合キャップ３５とが連結されている例を示した。しかし、装飾板７を有しない自動車ではフロアキャップ３２を省略することも可能である。

Claims

　スペアタイヤを載せて自動車の床板の下に保持するためのキャリア本体部と、
　軸上に軸部と頭部とを有し、頭部を前記床板の上に残して軸部が床板に通されており、軸部が床板より下に雄ネジを有するボルトと、
　前記キャリア本体部に引っ掛けられており、前記ボルトの雄ネジと螺合した雌ネジを有しており、前記ボルトを軸周りに回転させることで前記キャリア本体部を吊り上げることができるようになっているフックと、
　前記ボルトに対して軸回りに回転できないように前記ボルトの頭部に取り付けられた取り外し可能な嵌合キャップを有し、この嵌合キャップが一定角度以上回転するのを禁止することで前記フックが前記ボルトから外れるのを防止することができる回転制限機構とを備える、
　スペアタイヤキャリアのフック外れ防止構造。
　請求項１に記載のフック外れ防止構造であって、
　前記床板を上方から覆っており前記ボルトを操作するための開口が形成された装飾板と、
　前記装飾板の開口を塞ぐ取り外し可能なフロアキャップとを備えており、
　前記嵌合キャップが前記フロアキャップに対して軸周りに相対回転できるように前記フロアキャップの下側に連結されている、フック外れ防止構造。
　請求項２に記載のフック外れ防止構造であって、
　前記嵌合キャップが前記フロアキャップに対して軸と交わる方向に変位できるように連結されている、フック外れ防止構造。
　請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載のフック外れ防止構造であって、
　前記回転制限機構は、前記床板から上方に起立した爪部材と、前記嵌合キャップの外周面から径方向外側に突出した突起部とを備えており、前記嵌合キャップが回転すると前記突起部が前記爪部材に当接して前記嵌合キャップのそれ以上の回転を禁止する、フック外れ防止構造。