JPH0547026Y2

JPH0547026Y2 -

Info

Publication number: JPH0547026Y2
Application number: JP9599588U
Authority: JP
Priority date: 1988-07-20
Filing date: 1988-07-20
Publication date: 1993-12-09
Anticipated expiration: 2003-07-20
Also published as: JPH0217487U

Description

【考案の詳細な説明】『産業上の利用分野』本考案はスペアタイヤ螺締螺子の錠に関するも
のである。

『従来の技術』車両のスペアタイヤはトランクルーム等の車内
に収納するのが一般的であるが、車内スペースを
広くする要望や、デザイン的な要望から車体の外
面に露出して保持させることが必要となつたり、
また、スクーター等の二輪車ではスペアタイヤの
収納スペースが無いために車体の外面に露出して
保持させる必要性が有る。

従来、このような必要性からスペアタイヤを車
体の外面に露出して保持させるには、第３図に示
されるごとく、車体側に固定した保持用突出部Ａ
１に、ホイールのデイスクＨ１の中心孔Ｈ２また
は中心凹部Ｈ３を嵌合して、このデイスクＨ１を
上記保持用突出部Ａ１との間に挟持する押え板Ａ
２をスペアタイヤ螺締螺子Ｂで螺締して固定・保
持するようになしてある。

『考案が解決せんとする問題点』しかし、上記のごとく保持されたスペアタイヤ
は、スペアタイヤ螺締螺子Ｂを緩めるだけで誰に
でも容易にスペアタイヤを脱着できるために、ス
ペアタイヤが盗難の被害に合うことがあるという
欠点を有している。

この欠点を解決するには、スペアタイヤ全体を
施錠機構を有したカバーで覆うか、上記スペアタ
イヤ螺締螺子Ｂを特殊な工具でしか締めたり緩め
たりすることのできない構成となせばよいが、前
者のカバーを使用する場合は該カバーが相当に大
型となり占有スペース、車体重量を増加させる欠
点を有し、また、後者の特殊な工具を使用するよ
うになすと、この工具を常に持参していないとタ
イヤ交換ができないという欠点を有している。

そこで本考案は上記欠点に鑑みなされたもの
で、簡易、小型の装置でスペアタイヤ螺締螺子を
緩めることができないよう施錠しておくスペアタ
イヤ螺締螺子の錠を提供することを目的としたも
のである。

『問題点を解決するための手段』上記の目的に沿い、先述実用新案登録請求の範
囲を要旨とする本考案の構成は前述問題点を解決
するために、スペアタイヤ螺締螺子Ｂの螺頭Ｂ１
の周部に溝Ｂ２を設けて、錠箱１の一側壁１１に
は、上記螺頭Ｂ１を遊挿する螺頭貫入窓孔１４
を、この一側壁１１に対向する他側壁１２には該
錠箱１内に収納したシリンダー錠２の頂面を露出
する窓孔１５を開穿し、上記錠箱１内に収納した
シリンダー錠２の錠によつて回動する錠作動子２
ｂの底面偏心位置にはピン２３を突設し、さら
に、該錠箱１内には昇降可能に案内され、前記ピ
ン２３が差込まれる水平方向溝３２を有してなる
昇降板３を収納し、この昇降板３の上端には螺頭
Ｂ１の溝Ｂ２内に遊挿するフオーク状の折り返し
係止アーム部３３を連設してなる技術的手段を講
じたものである。

『作用』次に、本考案の作用を説明する。

図示しないスペアタイヤは、汎用されているス
パナ等でスペアタイヤ螺締螺子Ｂを螺締させ、ス
ペアタイヤのホイールのデイスクＨ１を保持用突
出部Ａ１に締着して保持させることは従来と同じ
である。

そして、第２図に示す施錠状態においては、ス
ペアタイヤ螺締螺子Ｂの螺締後に、螺頭Ｂ１に錠
箱１を被せ、折り返し係止アーム部３３を螺頭Ｂ
１に設けた溝Ｂ２に係止せしめてある。すると、
この錠箱１は螺頭Ｂ１全体を覆い、しかも、折り
返し係止アーム部３３は溝Ｂ２内に遊挿されてい
るため、この錠箱１は螺頭Ｂ１を回転軸として回
転自在となり、該錠箱１を脱着しないとスペアタ
イヤ螺締螺子Ｂはスパナ等の工具を使用しても緩
めることはできないことになる。

そこで、この錠箱１を脱着するには、シリンダ
ー錠２の鍵を用意し、錠作動子２ｂを回動させる
と、ピン２３は該錠作動子２ｂの偏心位置に突設
してあるため、この錠作動子２ｂが回動すること
で、該ピン２３が水平方向溝３２を介して昇降板
３を上昇せしめ、折り返し係止アーム部３３を溝
Ｂ２内より抜き出すことができる。そして、この
折り返し係止アーム部３３を溝Ｂ２内より抜き出
すと錠箱１を螺頭Ｂ１より脱着することができ、
錠箱１を螺頭Ｂ１より脱着すれば該螺頭Ｂ１にス
パナ等を掛けスペアタイヤ螺締螺子Ｂを緩めるこ
とができるものである。

『実施例』次ぎに、本考案の実施例を添付図面にもとずき
説明する。

図中、Ｂはスペアタイヤ螺締螺子Ｂで、このス
ペアタイヤ螺締螺子Ｂは、車体側に固定した保持
用突出部Ａ１に、ホイールのデイスクＨ１の中心
孔Ｈ２または中心凹部Ｈ３を嵌合して、このデイ
スクＨ１を上記保持用突出部Ａ１との間に挟持す
る押え板Ａ２を締着するものであるのは従来と同
じである。なお、通常このスペアタイヤ螺締螺子
Ｂは、その螺足Ｂ３の先端部に小径の無螺条部Ｂ
４を連接し、この無螺条部Ｂ４の先端部にはスト
ツパーリングＢ５（第２図では省略してあるので
第３図参照）を嵌着してあり、ある程度スペアタ
イヤ螺締螺子Ｂを螺退させると螺孔Ａ３より自由
に引き出すことができ、しかも、上記ストツパー
リングＢ５により螺孔Ａ３よりは脱落しないよう
になしてあり、また、上記押え板Ａ２は中心孔Ｈ
２の形より大きく形成してあるが、スペアタイヤ
螺締螺子Ｂを螺孔Ａ３より所定量引き抜いた状態
で傾斜させることでこの押え板Ａ２は中心孔Ｈ２
内を通過できる状態となり、スペアタイヤを着脱
できるようになしてあるのも従来と同じである。

本考案は、上記スペアタイヤ螺締螺子Ｂの螺頭
Ｂ１の周部に溝Ｂ２を設けてある。この溝Ｂ２は
螺頭Ｂ１の全周にわたつて配設され、望ましく
は、該螺頭Ｂ１の溝Ｂ２部位の断面形状が円形と
なるようになすとよい。

また、図中１が錠箱で、この錠箱１の一側壁１
１には、上記螺頭Ｂ１を遊挿する螺頭貫入窓孔１
４を、この一側壁１１に対向する他側壁１２には
該錠箱１内に収納したシリンダー錠２の頂面を露
出する窓孔１５を開穿してある。

本実施例において、上記錠箱１は略断面コの字
状に折りまげた蓋体１ａと本体１ｂとで構成さ
れ、蓋体１ａの天壁１３には連結足挿通孔１７，
１７，１７，１７を開穿し、本体１ｂの両端辺部
には連結足１８，１８，１８，１８を突設してあ
り、夫々の連結足１８を連結足挿通孔１７を通し
て折曲げて該蓋体１ａと本体１ｂとを連結するよ
うになしてあるが、この錠箱１は錠箱のものであ
ればその形状および蓋体１ａの固着連結方式を
種々変更してもよい。

上記螺頭貫入窓孔１４は錠箱１の一側壁１１に
螺頭Ｂ１が余裕を持つて嵌入できる径の窓孔を開
穿すればよいが、本実施例では、この螺頭貫入窓
孔１４内にさらに、鋲頭嵌入筒６を嵌着してな
る。この鋲頭嵌入筒６は、先端側を外周面両側部
位を平行に切落して両側が平行平面で上下が湾曲
面となる形状となし、前記螺頭貫入窓孔１４をこ
の鋲頭嵌入筒６の先端外郭形状と適合させ錠箱１
の内側からこの鋲頭嵌入筒６の先端部を螺頭貫入
窓孔１４内に挿入し、前記切落しによつて形成さ
れた段部６３，６３を一側面２４の内側に係止す
るようになしてある。そして、この鋲頭嵌入筒６
の前後中間部位には縦方向の切溝６２，６２が配
設され、この切溝６２，６２内には後述するフオ
ーク状折り返し係止アーム部３３，３３が通るよ
うになつている。なお、この鋲頭嵌入筒６は、内
周断面形状が円形でその内径が螺頭Ｂ１の最大径
より大きく形成されてなり、後端側には仕切り底
６４は設けられ、この仕切り底６４の先端側面に
は、鋲頭Ｂ１を弾止して振動程度の弱い外力では
鋲頭Ｂ１に対してこの鋲頭嵌入筒６が移動しない
ようになすゴム等のクツシヨン材６５が貼付して
ある。

そして、上記錠箱１内に収納したシリンダー錠
２の鍵によつて回動する錠作動子２ｂの底面偏心
位置にピン２３を突設してある。

上記シリンダー錠２は外筒２ａと、この外筒２
ａ内に収納され図示しない鍵を挿入すると該外筒
２ａとの係合が脱着され回動可能となる錠作動子
２ｂとからなる従来公知なものが使用され、錠箱
１の外からその底部を窓孔１５内に挿入し、頂面
のフランジ部２ｃを他側壁１２の外面に係合し、
さらに、外筒２ａの周面には溝２２，２２を設
け、該他側壁１２の内面でこの溝２２，２２に嵌
着するストツパー５で固定されてなる。

さらに、該錠箱１内には昇降可能に案内され、
前記ピン２３が差込まれる水平方向溝３２を有し
てなる昇降板３を収納し、この昇降板３の上端に
は螺頭Ｂ１の溝Ｂ２内に遊挿するフオーク状折り
返し係止アーム部３３を連設してなる。この昇降
板３は、適宜固定部材に昇降自在に案内されるよ
うに配設すればよいが、本実施例においてはシリ
ンダー錠２の外筒２ａの先端を錠作動子２ｂの底
面よりさらに突出し、この外筒２ａの突出部周部
に上下対応位置に切溝２１，２１を設け、該昇降
板３はこの切溝２１，２１を挿通して昇降案内さ
れるようになしてある。

また、上記昇降板３の上端に連接されたフオー
ク状折り返し係止アーム部３３は、鋲頭嵌入筒６
の縦方向の切溝６２，６２よりその内側部を該鋲
頭嵌入筒６内に臨入させ、この鋲頭嵌入筒６内に
遊挿された鋲頭Ｂ１の溝Ｂ２内に遊挿されるよう
になしてある。このフオーク状折り返し係止アー
ム部３３は上昇位置ではその下端が溝Ｂ２内より
抜き出され、下降位置では溝Ｂ２内に係合するこ
とは無論であるが、上記において該フオーク状折
り返し係止アーム部３３が溝Ｂ２内に遊挿される
とは、このフオーク状折り返し係止アーム部３３
の厚みが溝Ｂ２の巾より多少薄いことと、フオク
状突出部３３ａ，３３ａの間隔が溝Ｂ２の底部の
径の最大値よりさらに大きいことを意味し、この
溝Ｂ２の底部は円周状（鋲頭Ｂ１のこの溝Ｂ２部
位に於る断面形状が円形となるよう）になすが、
例え断面多角形状などなした場合でもフオク状突
出部３３ａ，３３ａの間隔が断面多角形状の対角
距離よりさらに大きくこのフオーク状折り返し係
止アーム部３３乃至錠箱１は鋲頭Ｂ１を中心軸と
して回転可能となるようになすことである。

なお、図中、１６は蓋体１ａの天壁１３に開穿
した窓孔で、昇降板３およびフオーク状折り返し
係止アーム部３３の一部はこの窓孔１６より出入
自在となるようになしてある。

『考案の効果』本考案は上記のごときで、スペアタイヤ螺締螺
子に被せてこのスペアタイヤ螺締螺子を緩めるこ
とが不能にするものである、該スペアタイヤ螺締
螺子Ｂの鋲頭Ｂ１より多少大きい形状であればよ
く、小さな形状でスペアタイヤの着脱を施錠する
ことのできるスペアタイヤ螺締螺子の錠を提供す
ることができるものである。

また、本考案は小型であるから、車両のデザイ
ンに影響を与えることが少なく、構造が簡略であ
ることもあいまつて安価で故障の少ないスペアタ
イヤ螺締螺子の錠を提供することができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案スペアタイヤ螺締螺子の錠の主
要部の部品分解斜視図、第２図は縦断面図、第３
図は従来例によるスペアタイヤ螺締部の要部断面
図を示すものである。Ｂ……スペアタイヤ螺締螺子、Ｂ１……螺頭、
Ｂ２……溝、１……錠箱、１１……一側壁、１２
……他側壁、１４……螺頭貫入窓孔、１５……窓
孔、２……シリンダー錠、２ｂ……錠作動子、２
３……ピン、３……昇降板、３２……水平方向
溝、３３……フオーク状折り返し係止アーム部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】スペアタイヤ螺締螺子Ｂの螺頭Ｂ１の周部に溝
Ｂ２を設けて、錠箱１の一側壁１１には、上記螺頭Ｂ１を遊挿
する螺頭貫入窓孔１４を、この一側壁１１に対向
する他側壁１２には該錠箱１内に収納したシリン
ダー錠２の頂面を露出する窓孔１５を開穿し、上記錠箱１内に収納したシリンダー錠２の鍵に
よつて回動する錠作動子２ｂの底面偏心位置には
ピン２３を突設し、さらに、該錠箱１内には昇降可能に案内され、
前記ピン２３が差込まれる水平方向溝３２を有し
てなる昇降板３を収納し、この昇降板３の上端に
は螺頭Ｂ１の溝Ｂ２内に遊挿するフオーク状折り
返し係止アーム部３３を連設してなるスペアタイ
ヤ螺締螺子の錠。